【完結】日本国と世紀末日本召喚   作:MrR

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基地強襲 前編

 

 

 Side 佐伯 麗子

 

 まず最初にありがとう。

 

 ここに集まって来てくれたと言う事は愚行に付き合ってくれると言うことだからだ。 

 

 今回のミッションは日本の後継者の大規模拠点、製造工房を兼ねた基地攻略を行う。

 

 ここを攻略すればそれだけで大打撃を与えるだけでなく、我々にとっても大幅な戦力増強になる。

 

 もちろん敵の規模もそれ相応だ。

 

 基地周辺は砲台だらけで航空支援は期待できない。

 

 段取りは――

 

 ・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 と、まあこんなところだ。

 

 各員準備を怠るな。

 

 

 

 

 Side 緋田 キンジ 二尉

 

 夜中。

 

 パワーローダーを身に纏いながら俺達は輸送機の中で待機していた。

 

 ついに俺達は決断した。

 

 クーデターと取られても仕方のない行動を。

 

 日本政府の命令を無視し、独自の作戦行動を起こす。

 

 無事懲戒免職だかで済めばいい方で、いっしょう命を狙われる身になりそうだ。

 

『つかキョウスケ。お前は家族を養うために自衛官になったんだろうが。いいのか?』

 

 トコトンくされ縁の相方、宗像 キョウスケにそう言った。

 俺は親への復讐目的で自衛隊になったがキョウスケは家族の生活費云々とか絡んでたはずだ。

 

『正直、ずっと迷ってたが――正直決断遅すぎるぐらいだろ? 命を狙われた時点で反旗を翻してもいい条件は整っている』

 

『それもそうだが――』

 

『なあに。こっそり日本に帰った時に手は打っておいた。あの女上司(佐伯 麗子)もタマには役に立つ』

 

『まあそう言うならいいんだが』

 

 どうやら俺達の知らないところで色々と手は打っていたようだ。

 

 

 

 

 パワーローダーも独自開発した新型を使用している。

 

 以前までは四型、09式。

 

 もっとそれ以前は現地調達した年代も製造国もバラバラなパワーローダーを使用していたりした。

 

 酷い時はジャンクローダーやパーツがバラバラなキメラローダーと言えるような奴を使っていたが――

 

 現在はNextー01と言う新規開発されたヒロイックな外観かつ共通規格のパワーローダーを使用。

 

 中には特注の奴や、アインブラッドタイプ――いわゆるガンダムタイプみたいな奴――を製造したりしていた。

 

 野盗やサメやらゾンビやらミュータントやら暴走兵器を倒しまくった御蔭で治安がよくなり、物の流れがよくなった御蔭である。

 

『既に宮野一尉たちが戦闘を開始している。遅れるなよ』

 

 と、自分達の上司である佐伯 麗子から連絡がきた。

 

 俺はアインブラッドタイプのつけ心地を確かめながら言う。

 

 

☆  

 

 

 アインブラッド・グレイハウンド。

 

 二本角、緑の二つ目のグレーカラーのアインブラッド。

 背中にキャノン砲、ミサイルコンテナ、レーダーレドーム、ブースターのゲテモノとんでもパック。

 両肩にもセンサー機器がある。

 胴体にはレーザー機銃だ。

 両腕には内蔵式の重機。

 サイドスカートの部分にアームユニットが連結されブースターが備え付けられている。いわゆるマブラヴの戦術機式だ。

 シールドにもセンサーカメラ。

 手にはビームライフル。

 

 一言で言えば「馬鹿じゃねえの?」ってぐらいの機体コンセプトだ。

 正直使い辛い。

 まあ性能は確かだが。

 

 キョウスケのはNextー01の改良型。

 

 両腕にビームマシンガン。

 右肩にスモークーディスチャージャー、左肩にシールド。

 背中からはアームユニットに接続されたディフェンダーバインダーが搭載――まあバリア発生機みたいなもんか。

   

 これを機に隊員達はみんな、ハウンド隊を名乗り、グレーのカラーに猟犬のシンボルマークをつけるようになった。

 

 

 

 

 =深夜・基地北側=

 

 

『降下完了――早速敵さんのお出ましだぞ』

 

 基地の北側――岩肌の崖や砂利の荒野にキョウスケの言う通り、次々と敵がやってくる。

 

 無人パワーローダー。

 戦闘ロボット。

 小型無人戦闘機。

 

 そこにフロンティア制やら日本の後継者制のパワーローダーや戦車がやってくる。

 

『最悪だ――化け物まで引き寄せられてきた』

 

 運が悪い。

 重武装したオーガの連中がやって来た。

 簡単な言語を喋るが人間を殺して回る恐ろしい奴で『いいオーガは死んだオーガだけ』と言う連中だ。

 

 基本、脳筋だが体は頑丈で馬鹿力で侮れない連中である。

 あと平然と携帯式核爆弾による自爆テロをかましたりする。

 

『こちら――グレイハウンド隊――核爆弾による自爆テロを受けた。損害軽微――ああクソ、とにかく前進だ前進』

 

 だからオーガの相手はいやなんだ。

 Falloutのスーパーミュータントかテメェ。

 

『俺もう帰りたいんですけど――』

 

 部下の言いたい事ももっともだが――

 

『ルーキー、気持ちは分かるがヘタに敵から距離を離したら基地や陸上戦艦から砲撃が来るぞ。このまま突っ切る』

 

『了解――』

 

 と言っ部下のて軽口を返して突撃する。

 

『無人機では歯が立たないか!?』

 

『手が空いてるパワーローダー部隊を敵増援部隊に投入!! フロンティアの傭兵も投入しろ!!』

 

 敵も必死だ。

 

 それよりも無線傍受で"フロンティアの傭兵"と言う単語を聞いた。

 

『フロンティアの傭兵って――』

 

『――今や世界各地で活動している戦争の犬どもか』

 

 俺の疑問に佐伯 麗子が答える。

 フロンティアの傭兵。

 基本は専用のパワーローダーを身に纏った連中を指す言葉だ。

 

 何度か戦ったが単機の戦闘能力が高く、腕利き揃いで油断できない。

 

『言ってる間に来たぞ!! 二機だ!!』

 

 キョウスケの言う通り、反応が二機高速で接近してくる。

 赤い機体と黄色い機体。

 

 赤い機体は流線的なフォルムの機体。

 右腕にライフル、左腕にレーザーの刃を形成するブレード発生器。

 左肩にレーダー、右肩にミサイル。

 

 黄色い機体は重装甲で鈍重な感じだ。

 右腕にマシンガン。

 左腕にショットガン。

 両肩にミサイル。

 

 外見で分かるのはこんなぐらいだ。

 

『データー照合、フロンティアのデーターベースにあった。赤い機体はレッドストライク、黄色い重装甲型はアヴァランチ。二人一組の傭兵だ。この他にも傭兵を雇っているみたいだ』

 

『了解――』

 

 日本の後継者もフロンティアも残党の筈だ。

 

 それにしては羽振りが良すぎる。

 

 陸上戦艦といい、この基地の設備や兵器の配備数といい、グラ・バルカスやパーパルディア、リーム、ロウリア王国の反日本勢力だけではなく、自分達がいた日本のお偉方が一枚噛んでる可能性も濃厚――。

 

(まあそれは考えるのは後だ!!)

 

 俺は『散開!!』を命じた。

 

 敵の二機はは空中と地面をバッタのように往復するように飛び、ある時は地面を滑走し、あるいは上下左右に縦横無尽に飛び回る独自の機動で戦闘を行う。

 

 パワーローダーに許された戦闘機動だ。

 

『アインブラッドタイプ――この部隊の隊長格か!?』

 

 相手の赤いパワーローダー、レッドストライクが自分のグレイハウンドを見て驚くが―

 

『女――それも子供が乗ってるのか――』

 

 俺はその事実にげんなりした。

 

 今回は連れてきてないがこの土地で知り合ったリオを思い出す。

 

 声からしてまだ十代ぐらいだろうか。

 

 味方どころか野盗にもそう言う年齢の子はいたがよりにもよってこのタイミングで――だとか思った。

 

『女で子供で何か悪い!? そう言うのムカツクんだけど!?』

 

『チッ――こっちの気も知らないでバカスカ撃ちやがって!!』

 

 巨大ロボット同士の戦闘ならある程度加減はできるだろうがパワードスーツ同士の戦闘で加減などできない。

 

 右腕が吹きとんだら人体の右腕が吹き飛んでそのまま致命傷になるわけだから。

 とうぜんだが脱出装置などと言う気の利いた物は搭載されていない。

 

 つまり殺すしかない――そもそも手心を加えれば逆に殺されてしまう状況だが。

 

 だが不意打ち気味に女の子の少女と遭遇したせいなのか、どうしても心に踏ん切りがつけられなかった。

 

(そう言えば――)

 

 ふとある事を思い出す。

 

(そういや確かフロンティアの傭兵が使うパワーローダーは装甲にエネルギーを巡らせているから――あるいは――)

 

 などと考えていた。

 フロンティアの傭兵が使うパワーローダーはアインブラッドタイプとはまた違う意味で特別製だ。

 勉強しておくもんだと自分を褒めて攻撃の手を強めた。

 

『こいついきなり強気に――ジェリー、援護を!』

 

 レッドストライクが相方に応援を要請するが――

 

『だめ!! 自分の事で手一杯!!』

 

 黄色い方――アヴァランチもキョウスケ達が抑えている。

 幾ら重装甲型と言えども無敵の鎧と言うワケではない。弾幕の雨を浴び続ければいずれ機能停止になる。

 

 てかそっちも女の子かよ。

 

『こちらグレイ2(キョウスケのコールサイン)。少しでも攻撃の手を緩めれば反撃される! 早い内に勝負を決めてくれ!!』

 

 キョウスケの言う通りアヴァランチの装着者はブーストアクションを決めながら攻撃を回避し、時には防ぎ、被弾覚悟で反撃している。

 

 この均衡が崩れればどうなるかは分からない。

 

『悪いが決めさせてもらうぜ!!』

 

『ッ!? まずい!!』

 

 俺は距離を空けて全火器を解き放つ。

 

 キャノン砲。

 ミサイル。

 胴体レーザー機銃。

 両腕の機銃。

 手のビームライフル。

 

 相手は退避行動に移る。

 

『おいおい派手にやるじゃねえか――この後、基地攻略控えてるの忘れてないか?』

 

 と、キョウスケに言われた。

 俺は『一応その辺は考えておいた』と返す。

 

(宮野一尉も心配だけど時間かけられないしな)

 

 彼達は心配ではあるが、この作戦は時間をかければかけるほど此方の戦力が敵に把握され、さらには相手が基地を爆破すると言う最悪のシナリオ展開がありえる。

 

 相手が少女とは言え、フロンティアの傭兵。

 

 ヘタに放置すれば挟撃になるので多少のゴリ押しはやむおえないと思った。 

 

『敵は撤退したんでしょうか――』

 

 と、ルーキーが言うが俺は『いや、違うな』と一蹴する。

 

『あいつら無駄にプロ意識が高そうだからな。基地で態勢を建て直して待ち構える算段なんだろう』

 

 キョウスケは『俺もその考えに賛成』と同意した。

 

『ともかく先に進もう』

 

 

 

 

=フロンティア軍事基地近辺=

 

 

『見えてきたぞ。悪の要塞が』

 

 キョウスケが言う悪の要塞――兵器製造プラントでもあり、同時に軍事基地でもある敵基地。

 

 既に戦闘が開始されており、各種砲台にマンモスと呼ばれる四つ足の歩行兵器、空と地上で展開している無人ロボットにパワーローダー部隊。

 

 俺や宮野一尉とは違う、他の部隊と交戦中のようだ。

 

『情報通り陸上戦艦まであるな――』

 

 巨大砲台代わりの陸上戦艦の姿もあった。

 陸上戦艦は強力だがその火力や図体が災いするケースが多々ある。

 

『そう言えばキンジ、宮野一尉の部隊は?』

 

 キョウスケにそう言われて俺はげんなりした。

 

『それが――なんか巨大なワニと遭遇して今忙しいとか――』

 

『ああそうか――』   

 

 それだけで察してしまった。

 今頃巨大ワニと生死を懸けた死闘をしてるんだろうな。

 

 ぶっちゃけ日本の後継者よりもワニやサメとかの方が強いからな。

 あとナチスやトーマ○もヤバイ。

 

 なんか段々と古の魔法帝国戦が消化試合感が漂ってきてるのはなんでかな~?(棒) 

  

 

 

 

 Side 日本の後継者 基地司令

 

 司令室には凶報が次々と舞い込んでくる。

 

 陸上戦艦にパワーローダー部隊や無人ロボット部隊、フロンティアの部隊にフロンティアの傭兵、難攻不落の防御設備。

 

 侮っていたわけではないが、想像以上に敵が手強く、状況は基地施設内の乱戦になっている。

 

 そこに追い打ちをかけるようにアンデッドやオーガ、漁夫の利狙いの野盗、さらには巨大生物やら暴走兵器が突っ込んで来たり、さらにはコッソリとハーケンクロイツのマークをつけた連中の姿が確認されている。

 

 まるでこの土地の縮図のような状況だ。

 

 軽く地獄である。

 

 てかなんだよハーケンクロイツの連中、どっから湧いて出た。

 

「仕方あるまい。切り札を出すか――」

 

 この混沌とした状況に終止符を打つため司令は決断した。

 

 

 

 

 Side 緋田 キンジ 二尉

 

 

 機動兵器マンモスは強力な装甲と重火器、突破力があるフロンティア制の機動兵器だ。

 

 他にもトータスホバー戦車などのこれまたフロンティア制の戦車まで出てくる。

 トータスホバー戦車はベストセラー兵器で色んな勢力で使われていて俺達も重宝していた。

 

『しかし偉い豪華な状況だな』

 

『まあな』

 

 キョウスケの言う通りだ。

 

 宮野一尉の部隊は遅れているが変わりに木之元 セイなどの外部協力者の部隊が次々と蹴散らしている。

 

 木之元 セイさんは核戦争で滅びる前の日本で東側の大部隊相手に戦い抜いた二つ名持ちのエースであり、コールドスリープして目覚めて一度日本の後継者を滅ぼしたのち、現在は仲間と一緒に日本の復興に尽力している。

 

 一緒に戦ってくれているのはその一環だ。 

 

 今もアインブラッドタイプ――ガンダムエクシアにアストレアタイプFのパーツと武装を組み込んだような重武装のパワーローダーを着込んでいる。

 

 周りを固めているのはピンクのごっついパワーローダーやらアメリカを誇張したような派手なカラーリングのパワーローダー。

 ロボットやらアンドロイド娘、AIのパワーローダー、サイボーグの部下、ヒノモト(核戦争で滅んだ日本に存在する小国)の第1201小隊の面々などだ。

 

 後方には醒やNUSA(二つともヒノモトと同じ滅んだ日本に存在する小国)などの部隊も控えており――この荒廃した日本の三代国家による豪勢な軍事作戦となっていた。

 

『艦長!? 敵の部隊が!?』

 

『応戦しろ! 基地より先に沈められるワケにはいかん!』

 

 いつぞやみたいに陸上戦艦もパワーローダーの大型のビーム砲で艦橋を吹っ飛ばしたりしなくてもスズメバチに集られた人間のような状況になっている。

 

 長くは保たないだろう。

 

『数が多い!?』

 

『クソ――増援はまだか!?』

 

『ダメだ――戦闘継続が――』

 

 フロンティアの傭兵連中も敵の数や質に負けている状況だ。

 

『みな大判振る舞いだな』

 

『それだけ日本の後継者やフロンティアを脅威に感じてんだろう』

 

 まあ他にも理由はあるかも知れないがそう言うことにしておこう。

 

 戦況は優位。

 

 このまま行けば――と思ってしまう。

 

『気をつけろ!! 地下からなにかくるぞ!!』

 

 佐伯 麗子の警告。

 

 遅れて巨大な地面のハッチから敵の部隊がせり上がってくる。

 

 三機の特徴的なアインブラッドタイプ。

 

 十二機の量産型アインブラッドタイプ。 

 

 そして青い戦闘機のようなシルエットの兵器。

 頭部やアームユニットがついていてロボット然としている。

 その場で空中に浮き上がり、護衛機と思われるパワーローダーや小型無人戦闘機達と素早く空へと飛翔。

   

 更に各所のハッチから兵器が競り上がってくる。

 

『どうやら敵さん、勝負に出たみたいだな』

 

 キョウスケの言葉に俺は『ああ』と返した。 

 

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