フェン王国。
日本にとっては複雑の感情を持つ国だ。
日本にとっては悲劇の国である。
同時に、時間経過とともに日本の無能政治、外交が招いた悲劇だと言う声が大きくなったからだ。
中には平和ボケな国民云々などと言う輩もいたが――
それはともかく現在、日本の後継者とフェン王国民――自衛隊の残党や世紀末日本からの救援でややこしい土地になっていた。
Side とあるフェン王国人
格納庫と言う名のボロ小屋。
パワーローダーや戦車と呼ばれる乗り物が沢山並べられていた場所。
銃や大砲だけでなく、フェン王国人にとって馴染みのある武器を大型化した物もある。
曰く――"技術が発展しすぎると一周回って文明圏外の武器も戦場に役に立つ時もある"言う答えに不思議なものを感じた。
それはそうと――
「よろしいのか? 同じ土地の人間であろうに?」
私にとって今の世界情勢は複雑怪奇。
もう一つの日本。
その日本から世界に覇を唱える『日本の後継者』なる集団。
あのパーパルディア皇国を退けた日本よりも遥かに強大な武力を持つ連中であり、なぜかもう一つの日本の在り方を憎んでいる存在。
正直理解が追いつかない。
だが目の前の男に問わねばなるまいと思った。
「今ここで誰かが戦わねばこの世界は私がいた国と同じ結末を迎えてしまう。それだけは避けねばならない」
との言葉だった。
「もうここにいたっては文明圏も文明圏外もなにもない。誰かが立ち上がって戦う姿勢を見せなければならないのだ」
続けてこう言う。
それは武の在り方であると同時に文明圏外の人間にとっても理想だった。
――フェン王国も目指していた。
自分達の力で列強国に抗い、勝利すると。
しかしパーパルディアや日本によって否定された。
だが皮肉にももう一つの日本の人々が国難と同時に人が向かうべき道筋を提供してくれた。
それは他の国々も同じ。
噂ではとある日本の一部の勢力(どちらの日本かは分からない)が文明圏外や魔法の国にすら武力、技術支援を行っているらしい。
(皮肉が重なる世の中よのう。古の魔法帝国の前に世界は荒れ果てていると言うのに――この状況で希望を見出すとは)
と、独り笑みを浮かべていた。
☆
フェン王国 首都 アマノキ
Side 木里 翔太郎
『来て早々にドンパチとはな!!』
俺はフェン王国の首都上空を飛び回り、ビームライフルで応射する。
飛行可能な機体はなるべく市街地への被害を避けるように戦っていた。
『日本を侵攻するための足掛かりになる立地ですからね。それも当然でしょう』
加々美 瞬さんが敵を次々と落としながら冷静に説明してくれる。
日本のエージェント恐い。
何時も組んでる荒木さんとは別行動で現在、加々美さんと組んで行動している。
『それに今回は味方もいますからまだ楽でしょう』
『ああ本当だ。パワーローダーの部隊がいるや――』
『取り残された自衛隊や現地の協力者、もう一つの日本からの協力者の連合部隊です』
地上では加々美 瞬の言う通り連合部隊が避難誘導や敵の迎撃を行っていた。
押し込まれている状況だが士気は高いように感じられた。
☆
Side 日本の後継者 陸上戦艦 艦長
水陸両用の陸上戦艦を基地代わりにして部隊を展開。
しかし敵も中々やるもので中々勝たせてはくれない。
元々この国はパーパルディアに蹂躙される程度の国力しか持ってないにも関わらず、なんの奇跡か今も戦い続けている。
その状況に心を討たれたのか、離反する兵士が増えてきている。
『敵パワーローダー部隊に増援!! 飛行戦艦にアインブラッドタイプなど、未確認機が多数!!』
「なんだと!?」
思わず立ち上がる。
(飛行戦艦にアインブラッドタイプ? まさか噂に聞いていた日本の新型部隊!?)
謎が多い部隊だがとにかく強い。
無人機程度では歯が立たないだろう。
「傭兵連中を送り込め!! それでもダメならフロンティアの連中から熱かったアレを投入する!!」
☆
Side 木里 翔太郎
戦いも収束に向かいつつあった時だ。
『なんか急に強い奴が来たぞ――ダグラム、いやボトムズに出てきそうな外観の奴が特にな!!』
俺は地上と空中でタイマンを張っていた。
場所はフェン王国の首都郊外。
思い切り暴れ回っても大丈夫な場所。
そこで一騎打ちをしていた。
ビームライフルを捨てて現在はビームピストル二丁持ちで戦っている。
『今迄の連中とは違う――』
パワーローダーの性能的には勝ってる思うが根本的なナニカの部分で勝たせてくれない。
敵の外観は頭部が無い――パワーローダーの第一世代と呼ばれるタイプによくある特徴の外観。
カラーリングは緑。
白い銃とヘルメットのエンブレム。
動きはローラーダッシュとブースターの併用。
バックパックにミサイルランチャーを二つ搭載。
まるで段ボールで組み立てかのような胴体に三つめの頭部。
武器はビームマシンガンにシールド。
ダメージは与えているとは思うがギリギリで回避される。
『強い――名前は?』
(相手からか?)『木里 翔太郎だ。遂先日まで普通の学生やってた』
『ふっ――時代は変わったものだ。俺の名はバイマン。傭兵だ』
『傭兵か――』
日本の後継者の正規兵より厄介そうだ。
『それにしても戦いづらいやり方をする』
『普通に戦っても勝てそうにないんでな!!』
俺は敵の地面に向けてビームライフルを発射する。
とにかく脚を止めないと倒せない。
それに時間を稼げば――
『タイムオーバーだ』
『逃げるか――』
そう考えた矢先、相手は撤退することを選んだ。
『追い打ちをかけるつもりはないのか?』
『俺達の目的は元の生活に戻ることだ。一人前の兵士やら傭兵やらになることじゃない』
『傭兵向きの考え方だ。面白い奴だ』
『また会おうは無しな。戦いは楽なのがいい』
『ふん』
そうして相手――バイマンは退いて行った。
「ごめん木里――敵の新手が強くて――」
入れ替わりにメカ娘な手毬が飛んで来た。
『大丈夫だ――それよりも戦況は?』
「敵の新手――強い無人機が現れた。白いギャプランみたいな奴」
『そうか』
どうやらまだ休めないらしい。
俺は体に鞭を打つ。
☆
敵は三機。
無人機で確かにギャプランのような外観をしている。
空中を激しく互い違いに飛び回り、接近戦や射撃戦を展開している。
まるでロボットアニメのように非現実的で、とても幻想的な光景だ。
だが悲しいかな。
敵は三機。
こちらの味方の数が多い。
いくら強くても限界はある。
地上に展開した味方や空中戦艦のレギンレイヴの仲間達。
いくら単機の力が強くても技術格差がなくなってしまえば特別な要素がない限り数の暴力には勝てないのだ。
『手毬、合わせろ!!』
「うん!!」
俺達二人は敵の一気に対して飛び込む。
「左から行くわ!!」
『じゃあ俺は右から!!』
左右から猛スピードで挟み込みながら射撃による牽制を行う。
『先手は俺が!!』
そして俺が飛び込む。
相手に回避されるが――
「私がいる!!」
今度は手毬が飛び込む。
これも一部の装甲を抉るだけでギリギリで回避される。
『さらに!!』
そこを俺が再び飛び込んだ。
攻撃が面白いように着弾する。
「次!!」
さらに続けて手毬の射撃武器が次々と着弾。
『仕上げだ!!』
俺はウイングバインダーからブレードを取り外して飛び込む。
「フィニッシュ!!」
日本刀型近接武器を両手に持って飛び込んだ。
俺が相手の右腕を切り裂いて通り過ぎ、手毬の武器が胴体を両断。
そのまま通り過ぎて爆散した。
☆
首都アマノキ 天ノ樹城
Side フェン王国 国王 シハン
私はこの天ノ樹城から戦いを見ていた。
「あの空中の箱船の武士たち――ワケありと聞いていたが、ここまでやるとは――天晴れとしか言いようがないな」
私は城から自分の気持ちを――先の戦い振りを見て率直に言い表した。
そう言っているウチに敵の機械鎧がまた一つ落とされる。
先のパーパルディアの日本の戦いとは違って分かり易く、そして見ているだけで胸が熱くなるものがある。
こうして時代の変化を何度も目の当たりにするとは人生とは分からぬものだ。
「あの日本もきな臭くなっているようですし、ここは一つ搦め手を使ってでも助けてやらんと申しわけが立たぬな」
今の日本政府は好かぬが、今この国のために必死に戦っている日本の人々とは心が通じ合えるような何かがが湧いている。
変で不思議な国よ、日本と言う国は。
=オマケ:大阪日本橋での一幕=
日本
大阪日本橋
Side ???
いや~この日本もだいぶ住み難くなったね。
異世界バブルがはじけてる感じだ。
このメイド喫茶も避難施設化が進んでいる。
日本の後継者のせいもあるが、無能な日本政府にも責任があるだろう。
その日本の後継者に引き寄せられたのか世紀末世界の化け物もチラホラ目撃されるようになってるらしい。
実質日本は首都圏から離れれば離れる程に日本の後継者の占領下にある。
だが日本の後継者にも弱点はある。
所詮はテロリストの集まりに過ぎないと言うことだ。
つまり人の数が圧倒的に少ない。
元々日本の後継者は核で崩壊した日本の残党組織だ。
本来ならばある程度段階を踏み――核で滅んだ日本を復興させ、人口を回復させてから世界を目指さなければならなかったが――反抗勢力が想定外に強すぎて海外に打って出る必要に迫られた。
だから人の数が少ない。
まあクローン兵士とかロボット兵士とかで補っているようだけど。
人間追い詰められるとロクなことやんないね。
☆
大阪日本橋北東部 ○ャングルなどがある道路
『いや~まさか日本橋でこんな連中と戦う事になるなんてね』
日本橋自警団。
一体どう言う伝手を持ってるのかパワーローダー、しかもアインブラッドタイプまで所持している。
戦時中の混乱している時期だからこそできる少数精鋭の武装集団――ということになっていた。
僕はその前線指揮官とかやっている。
それはそうと関西の大都市にまで敵が押し寄せてくるとは。
大分追い詰められているねえこの国も。
『大丈夫ですか谷村さん』
『ああ、工藤くん。ファイティングローダー大丈夫?』
『ええまあ。ゴッドガンダムをモデルにしたパワーローダーでしたっけ?』
『うん。とりあえずこの町からあいつらを叩き出すことを考えて』
『わかった』
この戦いに意味はないのかもしれない。
それでも戦おう。
愛する家族のために。
この町の人のために。
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