【完結】日本国と世紀末日本召喚   作:MrR

5 / 29
加藤 佳一レポート

 

 

 加藤 佳一少年は日本転移前からこの世界に迷い込み、生き抜いてきた、ただの高校生である。

 

 自衛隊の隊員ですら地獄に感じるこのような世界に居心地を感じているらしく、日本への帰郷はすれど、すぐさま彼は元の場所へと引き返していった。

 

 同時に彼が残した【もう一つの日本】に関する情報は世界中はともかく日本に大きなセンセーショナルを巻き起こし、極右翼的な思想が進む日本国民に待ったをかけ、平和的思想の議論や呼びかけ、人道的とは何かの訴えが行われるようになった。

 

 

=以下、佳一のレポートから抜粋=

 

 まず最初に――当たり前のことだがもう一つの日本は核戦争で一度滅んだ別の世界の日本である。

 

 この世界でも多大な厄災をもたらしてきたが、真の恐ろしいにはあの国を作り上げたのは人間であると言うことだ。

 

 巨大なサメも。

 

 暴走した軍艦も。

 

 人間が産みだした怪物の一つでしかない。

 

 我々人類は科学の力で永遠の反映と豊かさがもたらされると勘違いしていた。

 

 だがあの島はその考えを真っ向からした否定した。

 

 

 あの島の住民達は絶望的な世界に住んでいるにも関わらず逞しく生きている。

 

 獣のように人から奪う事しか考えられない人間もいれば助け合おうとする人間もいる。

 

 狂った自然に抗いながら彼達は皆生きている。

 

 

 一方でフロンティアの住民や日本の後継者達は違った。

 

 ただ彼達は自分達こそが一番優れており、その考えを他者に押しつけ、どんな要求でも叶うと信じ込んでいた。

 

 日本の政治家達も国民も、自分自身でさえも形は違えど似たような物だ。

 

 ネズミの肉を食べた事はあるか?

 

 コウモリの肉を美味しそうに豪快に被りついたことはあるか?

   

 自分はある。

 

 その時の彼達はとても幸せそうだった。

 

 彼達は自分達の事を卑下などしていない。

 

 誇りを持って生活をしている。

 

 確かに苦しい生活なのは間違いない。

 

 水や食料だけの問題ではない。

 

 平和な日はとても貴重だ。

 

 長く続く日は珍しい。 

 

 

 生きるためなら戦いも辞さない。

 

 そのためなら人だって殺すし、生物だって殺す。機械だってぶっ壊す。

 

 今日を生きるために、明日のために行動し、自分の身は自分で責任を持つ。

 

 それが出来ない奴は子供だろうとなんだろうと死ぬ。

 

 それがこの土地のルールなのだ。

 

 平和だと言われるヒノモトなどの三大勢力圏は多少勝手が違うが、それでも紛争地帯並に危険な場所に変わりはない。

 

 

 フロンティアや日本の後継者との戦いは熾烈を極めた。

 

 同時に彼達は哀れな連中だった。

 

 両軍ともに確かに軍事力、組織力は強大だった。

 

 だが負けた。

 

 変わり果てた外の世界を哀れな世界だと否定し、自分達の助けがなければ滅ぶと耳を貸さなかった。

 

 だから滅んだ。

 

 内部まで潜り込まれた彼達は脆かった。

 

 彼達が築いた王国は一夜にして崩壊し、外の世界の秩序に適応していかなければならなくなった。  

 

 フロンティアは新しい指導者に恵まれて再建が進んでいるが日本の後継者は首脳陣を失い、最盛期の力を持つことはもうないだろう。

 

 

 この土地で自衛隊と言えば二種類に別れる。

 

 自警団として古くからこの土地の人々のために戦い続ける人達。

 

 もう一つは日本の後継者に所属している連中で此方はメチャクチャ嫌われている。

 

 そもそも日本の後継者とかフロンティアとは何者なのかと言うと――詳しく言えば話は長くなるので簡単に説明する。

 

 まず日本の後継者は核戦争をシェルターで生き延びて体を冷凍保存させ、ある程度の年月の段階で目覚めて活動を開始した、日本の政治家や政財界の一族、自衛隊などの戦力の集合体である。

 Fall●utにも似たような連中がいたな。

 

 ついでに語るフロンティアはいち早く文明的な暮らしを再開した場所の事を指し、複数存在するが自分が戦ったフロンティアは自分達の生活のためなら、平和に過ごしているコミュニティから取り立て紛いの事を平然とやり、邪魔する物は武力行使も平然とやる連中だ。

 

 とまあこんな感じだろう。

 

 ここからが本題だ。

 

 自分達が他の惑星に転移したと知ったのガンテツさんと言うロボットから奇妙な軍事組織――自らを自衛隊と名乗る連中の話を知ったからだ。

 

 最初は日本の後継者の残党かと思ったが話を詳しく聞いているウチにどうも違うらしく、気になって尋ねてみたら――と言う感じだ。

 

 自衛隊にヒーロー像を持っている人間がいたらごめんなさい。

 

 その時の自衛隊は半ば難民化していて、とてもベースキャンプ建築と言う任務どころではなかった。

 

 あまりにも悲惨すぎて見てられなかったのと、同郷のよしみで手を貸すことにした。

 

 そうして激戦の毎日を繰り広げながらも事情を聞くことになったが、どうやらこの日本も自分が元居た日本も他の惑星に転移したとかどうとか。

 

 正直生活が劇的に変化したわけではないのでこの時は実感が湧かなかった。

 

 それよりも問題なのは自衛隊の今後だ。

 

 この状況になっても泣きながら自衛隊の隊員から「君のような子供から手助けを受けるわけにはいかない」と言う辺り自衛隊は凄いなと思ったが手助けしないと全滅しそうなのは明白。

 

 なのでガンテツさんや俺達が間に入って、「自衛隊を助けるとお得ですよ」と言う感じに宣伝して人手を集めることにした。

 

 自衛隊の説明に関しては一苦労したが、ガンテツさんも俺も何だかんだで有名人だったので直ぐに人が集まり、更に定期的に空輸される日本の品々が話題を呼んでさらに人が集まり――と言う感じで立派な基地(俺やガンテツさんなど、色んな人が監修して防備を固めた)が出来上がる頃には一つの町が出来上がった。

  

 

 暴走軍艦の騒ぎやUFOの大討伐戦などで落ち着いた頃に俺はこの文章を長々とPCで打っている。

 

 どうせ大した話題にもならないと思うが、話題になったら色んな人に迷惑を掛けるだろうが相応の地獄をみてきたんだ。

 

 自分が生きた証を残すぐらいの贅沢は許してほしい。

 

 今自分は特例ながら日本ともう一つの日本を取り持つ、フィクサーの役割を請け負っている 

 

 他の人にも同じように声が掛かっている。

 

 暴走軍艦の事もあるし、協力者を呼びかけている。

 

 このまま外の事を何も知らずに傍観者を気取ればよくない事になるだろう。

 

 地獄のような場所はあの日本だけで十分だ。

 

 世界中に広げるわけにはいかない。

 

 だから戦い続けようと思う。

 

 それが今の自分のやりたいことだから。

 

 

【余談】

 

(なんか日本でえらい騒ぎになってる。テレビに動画サイト、イベントへの出演依頼が自衛隊を通して知らされてくるんだがどうしよう?)

 

 などと加藤 佳一は頭を抱えていたとか・・・・・・

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。