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=あの後のパーパールディア皇国と日本=
*以前投稿したSS二本立ての前半、VS暴走軍艦の前とその後のお話です。
パーパルディア皇国。
悪の帝国だか悪の独裁国家だかの見本例のようなこの国。
正史では日本相手や一連の騒動で再起不能レベルの大ダメージを受けたがこの世界線ではより悲惨で悪夢のような大ダメージを受けた。
正史で反乱を起こした、外交関係担当であるカイオスが計画を急いで前倒しにするレベルで。
と言うのも以前語った世紀末日本の暴走軍艦により、世紀末日本に差し向けた海上戦力は全滅(生き残りはなし。いても全員サメなどの餌になった)。
そもそもどうして海上戦力を差し向けたのかと言うと外務局の職務怠慢もあるのだが皇女レミールを筆頭とした上層部がフェン王国の一件で怒り狂って暴走したのもある。
ともかく、この侵攻により暴走軍艦はパーパルディア皇国を攻撃目標に定めて――もしかすると日本のインターネットなどにアクセス、ハッキングなどして攻撃目標などをアップデートしたのかもしれないが――レーザーやビーム砲により沿岸部にあった都市はほぼ全滅。
そして不幸だったのはパーパルディア皇国の首都であるエストシラントなども攻撃目標に入ってしまったのだ。
武器弾薬製造の要である工業都市デュロはパーパルディアの東側――もう一つの日本の近くの地理であるため、暴走軍艦の手からは逃れることはできた。もっともそこは正史通りに日本の爆撃の手で灰となったが。
問題なのはパーパルディアの民間人の死亡者数である。
日本でもこれは問題視され、事故として片付けるにはいくらなんでも悲惨すぎる程の人数だった。
行方不明者数もカウントにいれると犠牲者数はさらに倍以上跳ね上がる。
もはや民族浄化レベルと言っていい。
特に首都であるエストシラントは皇族などの一部の人物は運良く難を逃れたが暴走軍艦の射程内に入った場所はほぼ焦土と化し、地形が変わるほどの惨状となった。
結果、エストシラントは元首都とは思えない程に焼け野原になり、反乱の首謀者であるカイオスは「話違うじゃねえか」と日本側に責任追及されても文句言えなかった程で現地を見た外交官の朝田大使に護衛の自衛官、警察官達は涙を流したと言う。
カイオスの尽力で捕らえられたレミールに対して朝田大使は例の言葉を出すことなく、釈明と弁明しただけで連行した。
また、正史では属領から解放される筈の国まで滅ぼしてしまう程の悲惨すぎる事実がもう一つの日本の心をへし折り、さらに言えば日本の外交官や政治家達は解放された元属僚地の国々が誤解を持たぬようにするために尽力することになった。
もうパーパルディア皇国に勝利したとは言えないような悲惨な状況である。
世紀末側の日本を批難出来ても、厳密に言えば世紀末の日本は「一つの国」ではなく、「複数の国や自治体の集合体」であると言うのが正しい。
正直責任を追求しようにも海の上を数百年彷徨い、暴走していた軍艦の管理者や責任者もいる筈もない。
とうぜん経済制裁や外交封鎖、屁理屈こねて軍事侵攻しようにも無理がある。
経済制裁は道理の問題があるが無理に取り立てようとすればパワードスーツやスターウォーズに出てくるような武器で武装した現地住民の手で自衛隊に多大な被害がでる。と言うか国内世論が許さないだろう。
外交封鎖してもぶっちゃけ周りの海は化け物だらけでとっくに封鎖されている状態に等しい。交流していると言っても一部地域だけで世紀末日本は苦痛にもならない。
軍事侵攻など論外だ。
現代戦は空爆だけで勝てる程甘くない。
最後は何だかんだで地上戦でケリがつくが地域によっては放射能で汚染され尽くされており、戦車の攻撃でも死なないような化け物や暴走メカが闊歩しているような土地にSF兵器や携帯式核兵器などで武装した現地住民と拠点を築きながら殺し合うなど正気の沙汰ではない。
現地住民の精神性を考えれば核兵器やそれに準ずる大量破壊兵器を躊躇いなく使用するだろう。
そうなった場合一番ダメージを負うのは日本だ。
自分達の勝手な一存で世界崩壊の引き金を引くわけにはいかなかった。
日本は今回のような事態が起きないように(まあ何度も起きるのだが)仕方なく世紀末日本に介入して危険だと感じた敵を迅速に排除する方針になったのだとか・・・・・・
同時にこの方針は現地に派遣された自衛隊が特殊部隊の訓練が天国に思えるような地獄を見続ける事が決定したのであった。
=皇国の分析・世紀末日本編=
*パーパルディア皇国が再スタートしてから暫く経った後のお話です。
パーパルディア皇国を襲った大惨事から暫く経った後。
日本側の尽力である程度誤解は解けたが逆に世紀末日本に対して恐怖心を抱きはじめた国家は増えて、世紀末日本を討つべしと言う国は多くなった。(まあサメの餌になるだけだが)
中には世紀末日本を魔帝国と同等かその物ではないか? と言う人々も出始めるぐらいだ。
パーパルディア皇国は最初、日本に対して恐怖で怯える一方で差し違える覚悟で戦争続行を叫ぶ人々がいたが、ある程度落ち着いて情報が出回るようになると今度は世紀末日本に対して悲しみや畏怖の感情を向けるようになったとか。
それはそうと暫定首都(正史ではエストシラントのままだったが暴走軍艦のせいで灰になったため)、パールネウスで黒髪黒目の外務局長エルトがまだ十七歳にも関わらず有能な銀髪ボブカットの女性諜報員イアノスから報告を受けていた。
今回の内容は世紀末の日本に関してだ。
「まず、我が国を襲った軍艦はもう一つの日本が転移前、数百年前に建造した軍艦の一隻である事らしいとしか分かりませんでした」
「宣戦布告した日本が作った兵器と言う説は?」
「ないですね。でなければアルタラスでの戦闘の結果は説明がつきません。自作自演にしては自衛隊側の被害が大きすぎます」
「では以前、日本の軍艦――イージス艦などの情報も聞きましたが、あの軍艦はそれ以上なのですか?」
「そのようです」
そうしてイアノスはエルトに資料が入った紙袋を渡す。
「詳しい資料はここに。まずあの軍艦を建造した国は既に滅んでおり、その滅んだ国の名前も日本――ややこしい話ですが別の世界で異なる歴史を辿った、我々が宣戦布告した日本とは全く別物の日本です」
「あれだけの軍艦を建造できるにも関わらず滅びた理由は?」
「以前、日本についてお話しした核兵器を大量に撃ち込まれたのが原因のようですが、変異した生物は放射能だけでなくウイルスが原因かと――」
「ウイルス?」
聞き慣れない単語にエルトは首を傾げる。
「失礼しました。正直どう言葉で説明すればいいのか分かりませんが、生物を化け物に変える病原菌のような物を滅んだ日本は使用していたのではないかと言われているのです。我が国の艦隊を全滅させた巨大生物(サメとか)は核兵器による放出される毒、放射能の影響もあってあそこまで凶暴化したと言う説もあればそう言う悪魔の魔法のような技術何らかの形でもう一つの日本国内に拡散してああ言う生物が誕生したのではないかと言われてるのです」
「なんとも恐ろしい場所なのですね。日本が核兵器を恐れる理由が分かってきた気がしました。それでもう一つの日本は現在どうなってるのですか?」
「私も調査を進めていたんですが、あのもう一つの日本を持ってしてもあの土地はとても危険らしく、一般人はまず立ち入り不可能。中途半端に情報を掴んで野心に駆られた他の国は我が国の艦隊を全滅させた生物の手で帰らぬ人になりました。日本も海上からの進入は断念するほどでして、私も日本国内の一般で出回っている情報ぐらいでしか知らない状態です」
「あの生物――船食いサメはイージス艦でも対処できないと?」
「イージス艦でも撃破は出来なかったようです。我が国を襲ったあの軍艦に対してもイージス艦は時間稼ぎが精一杯だったようです。内部に突入して破壊工作してようやく――と言った程です。彼達の活躍がなければアルタラス王国も滅ぼされた属領地や我が国のエストシラントと同じ末路を迎えていたでしょう」
「それ程までに恐ろしいのですか・・・・・・ところであの軍艦の内部に投入した英雄達は何者なんですか?」
自分の国を一度は滅ぼした原因の一つであり、イージス艦でも倒せなかった軍艦を物語の英雄のような方法で沈めてみせた英雄。
エルトが興味を惹かれるのは当然と言える。
「詳しい事は分かりませんが、日本の自衛隊ともう一つの日本の土地に住まう現地の協力者達の御陰としか分かりません」
「自衛隊に現地の協力者――」
一体何者だろうかとエルトは思いを馳せる。
「ああ、すみません。話が逸れていましたね。分かっている範囲でかまいませんからもう一つの日本の事を教えてください」
ふとその事に気づいて話の流れを修正する。
イアノスは「分かりました」と返してもう一つの日本の説明に入った。
「文明が崩壊後、小さな三つの国を中心に小さな村や町が転々と存在していますが治安は最悪らしく、ス●ーウォーズに出てくるような重武装した野盗や化け物――ワイバーンや地竜に匹敵かそれ以上の凶悪な生物にロボットと呼ばれる科学技術のゴーレムなどが闊歩している土地なのです」
「聞けば聞くほどに恐ろしい国ですね・・・・・・ス●ーウォーズ?」
その単語を指摘されてイアノスは顔を真っ赤にする。
「す、すいません! ただ遊んでいたワケじゃないんです! 日本の多角的な調査を踏まえて――その――」
その様子にエルトは何だかおかしくなった。
「ちゃんと仕事してますし、まだ若いんですから部下の楽しみをあれこれ言うつもりはありませんよ」
「は、はあ・・・・・・すいません」
咳払いしてイアノスは念のために弁明することにした。
「日本では自分達よりも優れた、凄まじい武装を持つ兵器の例えとして有名な作品のタイトルで例えるのです。逆に言えば彼達は技術をどう発展させるべきか、一般人までもがある程度そう言う作品に触れて道筋を理解しているのです」
「ふむ。中々興味深いですね。それは日本に行けば見れるのですか?」
「いえ、日本でDVDかBDを購入して、テレビと発電機、レコーダーを用意すれば可能かと」
「・・・・・・私の個人的なお遣いのせい(化粧品供給)もあるんでしょうけど随分日本の生活に慣れ親しんでますね」
イアノスは苦笑しつつ「近いうちに用意してきます」と言った。
「それで話を戻しますがそれ程凄まじい兵器なのですか?」
「はい。一般で出回っている情報の範囲でも十分驚異です。レールガンやレーザー、ビーム兵器にプラズマ兵器に核爆弾――理解が追いつかない部分もありますが、もしもあの海の化け物達がいなかったとしてもパーパルディア皇国は日本と相手にするのと同じか、それ以上の被害を受けていた可能性があります。ただ烏合の衆ではあるため、相手に出血を与えるのは可能かもしれませんが」
「アナタの軍事的考察には助けられます。それ程の武器を持ちながら日本と違い、出血を与えられると言えるのはどうしてですか?」
「日本の強さは単なる軍事力、技術力ではなく、それを高度に運用する力があるからです。もう一つの日本は確かに軍事技術などの分野でもう一つの日本を圧倒している分野もありますが、文明が滅んで今に至るまでの再建などで国や勢力が複数存在している状態で、総合力ではもう一つの日本より軍事面では下なのです。また彼達は陸上戦力では目を見張る物がありますが、海上戦力や航空戦力を殆ど持っておらず、軍艦の類いはまずないです。攻撃力はあるでしょうがイージス艦程の殲滅力はありません」
このイアノスの分析はもう一つの日本の上層部と概ね同じ考えであり、イアノスの優秀さを現している。
「ただし、もう一つの日本と違い。彼達の中には平然と核兵器を使用する精神性がある人間が大勢いる。その事が一番の驚異なのです。またあの土地事態にも先程語った通り、凶悪な生物や強力な防御力と武装を持った一種のゴーレムのような存在が跳梁闊歩している恐ろしい魔境なのです」
ここまで聞き置いてエルトはうんうんと頷き、「成る程――話が逸れたりしましたが報告ご苦労様です」と言って、話題を終わらせることにした。
「日本と同じくもう一つの日本――いえ、この場合は日本と言う国家があった土地とも言うべきでしょうか・・・・・・またあの軍艦のような悲劇が起きるとも限りませんし、巨大生物の動向も気になります。難しいですが、日本と協力しなければ古の魔帝国が来る前に世界が破滅するかもしれません。ここはカイオス殿の手腕に期待するしかないようですね」
「ええ」
エルトはそう話を締めくくった。
もうそろそろカクヨムの方の作品の更新に戻ろうかなと考えています。
また何か出来たらupしますね。