回顧録のようです   作:投稿者に代わりまして名無しがお送りします

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初出:ミニラノベ合作(2010/5/3〜5)


アイスのようですね

にんまりと笑っているしぃの手には緑色の袋

しぃは封を切って、近場のゴミ箱に捨て水色のアイスを取り出した

 

(,,゚Д゚)「あ」

 

ギコが制止の声を上げる間もなく、アイスはしぃの口の中に入っていく

 

(*゚ー゚)「ひほふんっへ、ほーだふひはっはっへ」

 

口にアイスを頬張ったまましぃが喋る

 

(,;゚Д゚)「行儀悪いぞ」

 

(*゚ー゚)「ごめん」

 

素直にアイスを取りだし謝るしぃに、少し不安になる

 

(,;゚Д゚)「なんとも……ないのか?」

 

(;゚ー゚)「えっ、食べちゃいけないものだったの?」

 

焦ったように返すしぃに異常は見当たらない

ただの杞憂だったと安心して息を吐く、そうすると思うのは自分で食べればよかったという後悔だ

 

 

 

(,,゚Д゚)アイスのようですね(゚ー゚*)

 

 

(,,゚Д゚)(まあ後でしぃに何か買ってもらえば良いか)

 

妙案が思い浮かび、少し機嫌が浮上する

 

(,,゚Д゚)「おまえ、後でオレにアイスおごれ……」

 

歩みと共に言葉も止まる

 

(*゚ー゚)「ん? なぁに」

 

目線がしぃの頭の上から離せない

 

(*゚ー゚)「頭の上に何かついてるの?」

 

ついてると言えばついてるけど、これは生えてると言った方がいい

 

(;;゚Д゚)「しぃ、おまえ……頭に」

 

(*゚ -゚)「もう、なによう」

 

頬っぺたを膨らましながら頭に手を乗せる

いや、正確には頭に生えている猫の耳にだ

 

 

∧_∧

(*゚ー゚)「え」

 

 ボト

 

腐った果物が落ちるような音をたてて、しぃの手からアイスが落ちた

 

∧_∧

(|i゚ー゚)「ぎ、ギコ君

     コレ……どうしよう」

 

大きな目に涙を溜め、真っ青になってしぃが言う

 

(,,゚Д゚)「どうしようって言われても」

 

原因はアイスにあると解っていても、袋はもうずっと前に捨てているし

落としたアイスも半分以上がアスファルトの熱で溶けている

 

 

じわじわじわ

じわじわじわ

 

 

2人とも喋らず、遠くでセミの鳴く声が聞こえる

 

∧_∧

(i| - )「どうしよう」

 

可愛らしい顔は色を無くし真っ白

見開かれた目からしだいに、ポロポロと涙が溢れだす。

そして、ギコは嫌なことに気付く

 

(;;゚Д゚)

 

∧_∧

( ;ー;) うぇ……うぅっ

 

(;;゚Д゚)「しぃ……背ぇ縮んでないか?」

 

頭一つ分もなかった差が、今ではギコの肩まで開いている

背が縮むというよりはしぃの体が小さくなっているのだが、パニックになっている2人は気付かない

 

∧_∧

( ;ー;)「ぎ、ギコ君ギコ君ギコくん怖いよ、助けて、こわいよぅ」

 

(;;゚Д゚)「しぃ、しぃ大丈夫、大丈夫だから な?」

 

ギラギラと太陽が照りつける中、暑いハズなのにガタガタとしぃは震える

そんなしぃを抱き締めながら、ギコは賢明にどうすればいいのかを考えた

 

(,,゚Д゚)!

 

(,,゚Д゚)「しぃ、病院だ

     病院にいってお医者さんに見てもらえば元に戻るかもしれない」

 

それは咄嗟に思い付いた言葉だった。

震えるしぃの体はもう腰ほども無い

それでもギコは諦めず、掌が膨れているしぃの手を握り、抱き留めながら病院へと走る

 

(,,゚Д゚)「走るの速いの知ってるだろ? 大丈夫、間に合うよ大丈夫」

 

∧_∧

(*;ー;)

 

どうにかなる、大丈夫とギコは自らに言い聞かせるように何度も呟く

それにしぃは答えない

 

息も絶え絶えになりながら、ギコは走る

段々しぃが小さくなっていくので、重くはない

 

体は縮み、服はキャミソールだけになった

体から白い毛が生えてきた

手には肉球が出来た

 

病院まであと半分

ギコはただひたすらに走り続けた。

 

∧_∧

(*;ー;)「ギコくんあのね、もうね、もういいの」

 

(,,゚Д゚)「よくない! あと半分だから、まだ間に合う!!」

 

∧_∧

(*;ー;)「今までワガママばっかりでごめんね、迷惑とかいっぱいかけちゃって」

 

∧_∧

(*;ー;)「ごめんね、ごめんねギコ君」

 

(,,゚Д゚)「し……ぃ……」

 

 

   にゃあん

 

(,, Д )

 

聞こえた声は人の声ではなく、猫の鳴き声

 

ガリッ

 

(,,`Д゚)「っ!」

 

突然の痛みにギコは思わず腕を緩めた。

キャミソールから溢れるように猫が落ちる

猫特有のしなやかさで軽々と着地し、尻尾を揺らしながら白い猫は歩いていく

 

(,,゚Д゚)「待て、しぃ!」

 

揺れる尻尾が別れを告げているようで、ギコは叫んだ

猫はそれを気にするでもなく去っていく

 

(,,゚Д゚)「ま……」

 

手は伸ばすが足は動かない、何となく戻らないだろうとは察していた。

それでも希望にすがって病院へと走った。

しかし、間に合った所でなにができたであろう

 

(,, Д )「ははは……」

 

ギコの渇いた笑い声が虚しく響いた。

 

 

 

****

 

 

ギコはこの事を誰にも話さなかった。

体験した本人ですら信じられないのだ、そんな話を誰が信じるだろう

 

しぃの両親が警察に捜索届けを出した。

勿論しぃは見つかっていない

 

だって彼女は真っ白な猫になったのだから

 

 

 

              にゃあん




期間が5日なのに20日に投稿したという大幅遅刻を決めたにも関わらず、感想絵を描いていただき大変感動した覚えがある。
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