ひょんな事から孤児院で子供達と触れ合うことが多くなった私だけど……
ここで低身長でバカみたいにでっかいおっぱいを持ってる弊害が出てきた。
それはね……
「うおっ!?あ、このぽよんとしたのはシーナ姉ちゃんだろ!」
「あーうん……怪我はなさそうだね」
出会い頭とかによくおっぱいに顔面ダイブされたり揉まれたり。
特におっぱいに興味アリというか……揉みたがりな男の子が多い気がするけど……
同性の女の子でも良くおっぱいでどーんとしたりしちゃうから結構気を使う。
今までは注意力もある人形や大人ばかりに囲まれていたからだろうけど……
しょっちゅう顔を合わせる子供はそうは行かない。
貴重な経験だと思う、ネーナが成長して動き回るようになったら注意しておかないと……
トテトテ歩いて行っちゃってから危ない目に遭わないようにしなくちゃ。
母親としての責務だ。こういう経験も大事……
「シーナさん……あの、お料理教えて?」
「んー?はいはい、良いよーじゃあエプロンと三角巾つけておいて」
経営のお仕事の他に請け負ってる保母の仕事の方が多い気がする。
マジさっさと後釜の経営者見つからないかなー……
「スキありっ!!」
「ぁにゃぁ!?」
少しでもスキを見せるとぐわしとされるから油断ならない……
うーん……やっぱりダーリン以外だとそんなに……
でも揉まれすぎると出ちゃって大惨事になるしなぁ……
お料理中は絶対にするなって口酸っぱく言っておかなくちゃ……
今日は特に早朝のダーリンの暴走がなかったからなぁ……はぁ、もどかしい。
「じゃ、本業の腕を見せますか」
キュッとエプロンしめたら……気を引き締めて取り掛かりましょう。
今日のお料理教室は何を作ろうかな?
えっと、貯蔵庫の中身は何があるかなー……これは子供用のおやつだから無し。
んー……そこそこ日持ちがして大量に作れるのでいくか。
となるとやっぱりクッキーかな、ベタなバタークッキーでいきましょ。
さて、子育てをしてる私達だけど……人形で良かったなって思うのがあるんだ。
肉体的な疲労とは無縁の存在だし睡眠欲って言うのもかなり薄い。
その気になれば稼働限界までずーっと起きている事だってできる。
孤児院の中にも誰かに寄り添ってもらわないと眠れないとか結構いろんな事抱えてる子が居る。
中には育てられないからと赤ん坊の時から孤児院に押し付けられてる子も居る……
ひどい話だよ、育てられる余裕がないならそもそも……いや、たしかにね?
大好きな人との子供が欲しくなるのはすっっごく分かることだよ?
でも赤ん坊の、その子供の事をちゃんと考えてあげようよ。
「新しい院長が経産婦で助かりましたよ、私達だとキレ散らかして」
「お前ら後で正座な?」
まさか孤児院の中でもお母さんする事になるとは思いませんでした!!
クソァ!まぁ溜め込んで溜め込んでおっぱいが張っていてぇ……って事にはならないけどさ。
他の保母の質が悪いこと……まぁ金払いも結局中抜中抜で労働意欲もこれでもかってくらい落ちてただろうし。
「んまんま……」
「よしよし、本当のママじゃないけど……いっぱい飲んで大きくなるんだよー?」
あーこりゃ私のダミー人形をこっちにつかせるかなー?
私に限ってだけどダミー人形にも改造加えて乳母できるようにするかねぇ……
ダミーは恐らく大反対するだろうけど……
ドリーマーをけしかせれば全員黙るかな。黙るな。私が散々鳴かされてるんだもん。
「近く私が数人くるだろうからこの子の寝ずの番は任せておきなさい」
「……あぁ、そういえば人形でしたね」
「そゆこと、こういう所も人形って便利でしょ?」
私の挙動がマジな人間くさくて忘れてたな?
まぁ良いけど。ダミーの挙動でなお困惑するだろうなぁ……
さてさて……赤ん坊にミルクあげながらお仕事お仕事……
「あ、漏らしたね?おむつ持ってきてー」
「うぁぁあああああああ!!!」
「あーはいはいはい……少しの辛抱だからねー?」
赤ん坊というか子供に大人の都合など無いのだ……
多分今頃ネーナもギャン泣きしてるんだろうなぁ……あー、おっぱいあげたい。
で、帰ってきたら帰ってきたで……
「417ちゃん指名で」
「はーい、今向かいまーす♪」
メイド服に着替えてからホールスタッフとして引っ張りだこ。
人間の頃だったら絶対ダウンして泣き散らしてるよ。
今日の大人気スタッフは……G3だね。さっきからずーっとひっきりなしだ。
Vectorなんかもスタッフに入ってるけど……
「じっと見られながら食べるのって気味が悪くないの?」
「いんやぜぇんぜん、キミみたいな子が大好きだからね!」
「あっそ……」
ま、こんな感じで面倒くさそうに接客してる。
これがツボっていう客も居るから世の中広いと思うよ……