「やだ!今日はネーナとダーリンにしか会わない!!」
端的に言っちゃう、私の休みが無い!
カフェの店員ローテーションだって私にもちゃんとおやすみがあった。
少ないけど、週に1日はちゃんとあった。
けど最近の孤児院経営+保母も加わって私のお休みが消し飛んでいる。
そこで私がボイコット、待遇改善されないなら私はネーナのママでしかなくなるんだから。
「困りましたね……」
「困ったね……」
外で会話してるのはウチ所属のP38とグリズリー。
そしてドアの向こうで静かにしてるもうひとり……私のお姉ちゃん。
多分今すっごく苦虫噛み潰してるような顔してそうだけど……
まぁお姉ちゃんだって分かってくれると思うんだ。
お姉ちゃんも大人気でカフェメンバーにだいたい入れられているし。
注文で十中八九恋人プレイ要求されてかなり拘束されるし!
その上赤ん坊のヴァレリーの相手もダーリンの相手をする時間も減ってイライラしてたじゃん!
私はそれ以上にタスク積み上がってるんだよ!!
「分かったわ」
「え、でも今日は予約客の中に417指名客が……」
「シーナ、ドアから離れておきなさいよ」
ふんだ、私は決めた以上ぜったいに今日のお仕事はボイコットしてやるんだから。
さーネーナは今日は一日ずーっとママが一緒だからねー♪
ベビーベッドからネーナを抱き上げて早速授乳に移ろうとしていた。
……なんかえらく大きな足音がするな。
そして私の部屋の真ん前で止まって……?ん?この装填音は……
M320GLの音じゃん!!まて、あのバカ姉姪っ子ごと私を撃ち殺す気か!?
ちげぇ、これはブリーチングするつもりじゃ……
ポンッという音と同時に扉が爆破される。
発破音に続けて警報がガンガンに鳴り響く。
あーあー、やばいよドリーマー構築のガードシステムが……
あとネーナがギャン泣きしちゃってるじゃん、私が身体でガードしたからなんとも無いけど!
「お姉ちゃん私を殺すき!!?」
「うるさい、さっさと仕事を始めるわよ、かかりなさい」
「「ラジャ!」」
「やーん!はなせこらー!!」
まぁ3人に勝てるわけが無かったけど……ネーナを抱っこしながらのお仕事認可が出たので譲歩。
あとダーリンも現状を良くなく思って対策を打ち出したらしい……
兎に角今日は私は孤児院に行く必要なし。
朝、昼と仕事を終えて一段落。
最近ダーリンや私達の信頼を勝ち取ってから裏メニューとかの存在を知ってる人が多くなってきた。
ま、その御蔭か売上も夜に一気に増える感じだね。
今日はお昼に来た予約客で私ご指名の客からチップも貰ったし……暫くは安泰かな?
ただ私、だいたいチップ貰うときっておっぱいの谷間にねじ込まれるんだよね。
私=おっぱいポケットとでもなってるんだろうか?
ネーナ抱っこしながらだったけどお客さん皆いい人で助かったー……
「そう言えばダーリンが夕方に集団客が来るって言ってたけど……予定にあった?」
「いえ、無いわよ……また突発で拾ってきたんじゃないかしら」
「ダーリンらしいね」
ダーリンも本腰を入れて活動を始めたみたい。
その活動っていうのが私達への愛あるセクハラとかじゃなく……
所謂私達のカフェの宣伝だね。あとG&K所属っていうのもあるから前線支援とかのお仕事拾いだね。
その結果予定にない予約客っていう矛盾孕んだのが生まれてる。
まぁ私達総出でかかれば捌けなくはないけど。
「あれかな?」
「……子連れかしら?」
夕日をバックに何人かが連れ立ってやってきている。
引率と思われる人が二人にずらっと小さい影。
カランカランとベルが鳴れば……RFBが受付に行って、なんか笑ってるな。
「とりっくおあとりーと!!」
「お菓子くれなきゃいたずらするぞ!!」
「おっぱいだせ!!」
ぞろぞろやって来たのはこれまた小さくて奇妙な格好のお客さん。
ハロウィーンの仮装をした孤児院の子たちだった。
お菓子はあげるけどおっぱいは出さないぞー?
ま、たしかにこれは微笑ましくて笑っちゃうね。
お姉ちゃんも私と見つめ合ってからどちらとなく笑いだしちゃって。
「はいはい、それじゃあお菓子を……コレでいい?」
「それともコッチかしら」
お姉ちゃんも私も視線の高さを合わせてお店のお菓子一つ選んで示す。
すると我先にと子供が集ってあっという間にお菓子が無くなっていく。
そしてそれぞれ好きな椅子に座って食べ始めるんだけど……
「僕はこれ!」
なんて言って最後の数人が私とお姉ちゃんのおっぱいにイタズラしてきたの。
まぁメイド服がおっぱいを強調してるから気になるだろうし……
あと私のは引っ張り下ろせばすぐにポロリだから……
私はめっ♪だけで済ませたんだけど……お姉ちゃん?あぁ、うん……ゲンコツ食らわせてた。
「それでぇ?居住区を増設しろって言うのぉ?」
ダーリンが孤児の身元引受人となって保護することにしたらしい。
そして孤児は私達人形の息子娘となる……まぁこれも新しいモデルケースだね。
世の中には人形を嫁にしている人は少なからず居る。
養子縁組が成立した場合のモデルケースとして私達が選出されたわけだ。
目下問題は部屋が足りないこと。そこでドリーマーに交渉してるの。
「ダーリンが言うには家計の負担増がどんなものかにもよるし売上的にもいい感じだから子供を増やしてもって」
「よし分かったわ早速しようじゃない」
今日は設計だけ済ませて報酬先払いと言わんばかりにドリーマーが夜ハッスルしたのをここに記しておくね。