久しぶりにこの制服で銃を握った気がする。
結婚して子供を産むまではずっと着て片時も銃を傍から離さなかったのに。
カフェを構えてから随分と握ってない……いや、強盗モドキを追っ払うのに握ったか。
でもその時はメイド服だしノーカンだね。
今回の作戦目標はとてもシンプル、KillTeamAll皆殺し。
良心の呵責を挟まず一切の容赦もなく叩き潰す。
こちらに火の粉を被せてくる前に速やかに。
各部の動作チェック、スライドもトリガーもスムーズだ。
発砲にてさらに内部のチェック……良し、問題なし。
「あら、シーナママ……熱心ねぇ」
「ロマネシアもチェックしておきなよ。いざって時に不調が出たら困るのは自分だからね」
「問題ないわ、ヘレボロスの調子は絶好調よ、姉さまにきっちりメンテナンスしてもらってるから」
「そ、なら良いけど……まぁ、もしもがあったらすぐに助けるから」
「その心配は……ふふ、受け取っておくわ」
店の奥、居住スペースの地下にシューティングレンジが存在する。
そこで最終チェックをしていたわけだ。
一応ながら徹甲作用のある弾を選択したが……杞憂に終わればいいけれど。
メンバーは前衛の鬼、G36CとKSG。
殲滅にロマネシア、そして後方狙撃で私と漢陽88式。
で、今回の出撃にはLeopard2A7も加わってるからそれに隠れてガンガン行く感じだね。
搭乗員はもちろんNTW-20、Ameli、MG3、M60の慣れたメンバー。
作戦指揮車両としてARRグリフォンが出される。
指揮を執るのはもちろん我らの愛する夫、ディーノ。
搭乗員はヴィオラ、SVD、ドリーマー……そしてやけに殺る気のあるエージェント。
「こんな所か、誤差修正も完了……」
何発かターゲットに射撃して確認……誤差無し。
作戦開始まではまだ時間はあるけど……まぁ早いに越したことはない。
バックアップ隊にType10戦車も入ってるか入念だね。
うん?通信が入ってきたな、なんだろう。
「……ふぅん、P基地が支援する用意があるって?」
今私達の司令塔になるダーリンは現D08基地指揮官と通信中
後進の教育のためにと色々考えてるみたいだね。
ちなみに今のD08地区指揮官はかなり若いショタレベルじゃないけどね。
20代のダーリンが平均年齢じゃないかな。
重要拠点に配置されている指揮官は類稀な才能があるか……経験が豊富な古兵なきがする。
正規軍からの流れ者とかがいそうだね。
通信が私に回ってきたのはダーリンに次ぐ決定権が私に委ねられてる部分がある。
うーん……申し出は嬉しいけど相手の戦力に対して過剰戦力気味だからね。
「即返信、申し出は大変うれしいがこちらの戦力で何とかなるであろう作戦なので結構……作戦後にそちらに寄ってダベるくらいの余裕はあるよ。ってね」
向こうが出すとしたら……電子戦部隊か……
真っ向切っての殴り合いには向かない舞台が多い。
こっちの作戦志向が殴り合いに偏ってる部分があるし……
諜報部隊の面々も潜入は苦手な傾向になっちゃったし。
主にここ仕様のバカでかいおっぱいが原因だけど。
だってアレだよ、潜入しようと通風孔に潜ろうとしたらおっぱいが支えるんだもん。
進めなくはないけどダーリンの魔の手で開発された後のおっぱいだからね?
喘いじゃって潜入どころじゃないんで。
「ラペリング装備もOK……」
「ママ」
「ん……ふふ、大丈夫……うん、大丈夫だから」
ロマネシアがいつになくそわそわと私の傍に寄ってきた。
あー、甘えたいサインだ。いつもはイタズラや問答無用でおっぱいをいじってくるけど。
重要なときは自重することを覚えてくれた。
本部曰くとんでもない暴れ馬だったらしいけど……いい子に育ってきててよかった。
「どんな私を見ても見捨てたりしない?」
「なーに言ってるの、そんな事しないよ……ママはロマネシアの事もちゃんっと愛してるから」
「……とんでもない殺人鬼でも?」
「ちゃんと貴女を見てるからそんな事はないって分かってるし……もしそんな側面があっても私は貴女の味方でありつづける」
……たぶん、私達に本当の戦闘力っていうものを見せるのが怖いんだろう。
大丈夫、たとえどんな表情が見えようと……帰る場所を護るのが私達ママの役目なんだから。
「ほら、そんなナヨナヨしてるのはらしくないよ、不敵に笑って胸張りなさい」
「……そうねぇ、らしくなかったわぁクヒッ……あ」
「あ」
うーん、このロマネシアの戦闘服も更新時期か。
胸元がぺろんと……恥じらいを見せることがなかったロマネシアがちゃんと恥ずかしがってる……
人間に馴染んできたかな……いい傾向。
「さて、今回の作戦地域はココだ」
「……外区画だけどウチに近い……なるほどね」
「確認した限りでは最大編成の人形部隊が3部隊だ、AR/SMG混成部隊が多い」
「……一番注意するべき対象は?」
「奴さんの直ぐ隣にいるスプリングフィールドだな、きっちり誓約までして諸々の制御をきっちり握り込んでやがる」
ブリーフィングが開始された。
まだ日は昇っていないし朝日を背に突撃する形になるけど……
主だった部隊が対人形、対人間編成で助かったね。
フォースフィールド装置だって長くは使用できないし……
爆発、衝撃等は無効化出来ても質量による押しつぶしは通るしね。
で、問題は相手側に狙撃手としてスプリングフィールドが存在。
コイツが一番馴染むナショナルマッチ弾丸を使っていたら面倒なんだ。
流石にLeopard2A7の装甲は抜かれることはないけど指揮車両の脚を撃たれるかもしれないし……
最前線で暴れまわるロマネシアとG36C、KSGに被害が出やすくなる。
他の人形は誓約履歴は無いみたいだけどスプリングフィールドが制御を一部乗っ取ってるらしい。
ツェナープロトコルの応用らしいけど……どこにそんな演算力載せたんだ?
「まずは2A7で正面バリケードを突破、続けてHESHとグレネードで周囲掃討……」
「それから殲滅のロマネシア、G36C、KSGが展開コイツらの占拠してる建物内で暴れて」
「漢陽88式はこのポイントから、417はこのポイント……丁度戦闘になりやすく射線が通る可能性が高い」
相手が拠点としている建物は古ぼけた建物……核戦争前に建造された医療施設。
生命線ともなる場所だからかかなり丈夫で残ったのだろう。
流石にロマネシアが全力で暴れたら一部崩れるかもしれないが……
「一応指揮車両内に汎用的で使いやすい物を置いておく。場合によってはそれで突入してもらう」
「ちなみに中身は?」
「HK416」
「ダーリン愛してる」
本当に扱いやすさに特化させたHK416が二丁提示された。
アクセサリーはバーティカルグリップ、ホログラフィックサイトのみ
システムのバックアップは受けれないがMk-23のみで潜入するよりはマシだ。
ここでM4をチョイスしてたらお姉ちゃんが酷く落ち込んでたと思う。
ずっと平和といかない。
それが悲しいか?いや、そんな事はないだろう?
次はまたドッタンバッタンのドンパチ