さて、Leopardを先頭に装甲車両が連なる。
カフェ経営前ならほぼ毎日見てきたしそれこそ隔週で乗っていた時期もあった。
今でこそ仲間として迎えている鉄血人形だけど……向こうの……
全生物ぶっ殺すマシーンと化してる鉄血人形をちまちま撃ち殺していた。
やってくる人形は最前線のもっとヤバい連中が撃ち漏らしたのばっかりだったんだけどね。
1基地が守れる範囲なんて限られてるんだよ。
それにぽこじゃか基地を作れるほど人員は……育ってきては居ないね。
人形オペレーターって多いようで少ない現状がある。
人間の働き口としてあるけど必要数が人口に対して少ない。
経験者は少なく企業によく取られていく。
G&K社がまだ余裕を持っているから新人教育に乗り出せれるんだけど。
そして……今回の対象はそんな貴重な人材だったヤツ。
トチ狂って自分たちで治めていた地域をまるごと廃墟に変えた。
反人形団体だろうがロボット人権団体の過激派だろうが……
兎に角撃ち殺しまくった奴らでちょっと手を焼いている。
一番近く練度もあり戦力も充実している私達に回ってくるのは道理だね。
「戦車って速度でるねー」
「なーなー本体、今日はなんで416も担いでんだー?」
「ちくわ大明神」
「「「誰だ今の」」」
「うるせぇ、ちょっと運転に集中させろボケダミー共」
とまぁ私含めほぼ全員がダミーを引き連れての行軍。
1戦闘車両に入る人員は限られているから大体はつめっつめで2MFと8ダミー
特に私のダミーはうるせぇのなんの、メインが火器管制出来ないときたらコイツらもあんまり。
一応お揃いで416を担いできてる……まぁ元が416ボディだからこいつが本来の相棒なんだけどね。
グレネード等は無い、純然たる命中精度だけで勝負するしか無い。
「見てみて、おっぱいリロード」
「実にタクティック」
「……シーナのダミーは本当に独特ですね」
「アイちゃんのダミーは静かだよね……」
同乗者は同じくRFで奇しくも同じ416で突入するかもしれない仲間。
基地内でもカフェ店員制服を着ていた漢陽88式だ。
自らのことをアイちゃんと呼んで居る。
I,am AIなんて皮肉かな?いやまぁ普通に愛って素晴らしい名前なんだけどね。
愛情の愛、実際とっても愛される容姿してるし性格も良いし。
でも一般向けの人気投票ではあんまりなんだよね。
G&K内部での人気投票でもお姉ちゃんがぶっちぎりだったし。
一部の頭おかしい指揮官がM590連呼してるのを見たけどあれはちょっと行き過ぎ感があったなぁ。
「ん、私達のポイントはココだね、展開……さて、どれだけ狙えるかな」
「見事に窓が少ない、貫通できそうな壁も無いですね」
車両を止めてから迷彩マントを被ってから狙撃地点へ。
ライフルギリーもしっかり装着……まずは私がスポットを試みる。
アイちゃんが言うように今回の拠点は窓がほとんど無い。
一応交戦箇所になるだろう正面バリケード付近も見るが……潜伏しているのか姿が見えない。
巡回と思わしきダミー人形がちらちら映るが最小限だな。
となると考えられるのはメインフレームはほとんど奥でどっしり構えてやがるって事だ。
「指揮官、聞こえる?こちら417……現在確認できる情報を伝えるわ」
恐らくもうそろそろLeopardの排気音が奴らに聞かれると思う。
対戦車兵器も持ってて個人携行物だからそんなに数は飛んでこないだろう。
怖いのは火炎瓶くらいだが……まぁ良い、引き続き私はスポットだ。
「88式、そっちは準備……」
「出来てますとも、ご主人さまを待たせるつもりはありません♪」
「そ、完璧ね。じゃ……動きが出たわよ、バリケード奥……Vz61が4、MG3が2」
「どの娘もおっぱいが足りてませんね……じゃ、合図を待って」
「射殺の時間だね」
私も半身、HK417-20をバイポッド展開して構える。
高倍率スコープの向こうにデフォルトスコーピオンのダミーを捉える。
ダミーの火器管制も行い並行して確殺出来るようにコア部分と電脳の2箇所を撃ち抜くように。
しかしココでウチ仕様の利点が出る。
一々味方か確認するまでもなくおっぱいを見れば一発って事だね。
異常を感知した相手側が動き出した。
流石に戦車を持ち出してくるのは想定外だったらしい。
いつもG&Kが使用するのは兵員輸送ヘリだったからね。
搭載している火器はせいぜいミニガン程度。
コクピットを対物ライフルで撃ち抜けば墜落させることも可能だからね。
気楽に構えていたんだろうね。残念だけどウチじゃそれは通用しないんだ。
発砲許可が降りたので遠慮なくトリガーを引く。
あくまでLeopardの同軸機銃や砲塔上の機銃で撃ち殺したように見せかける。
ワザとLeopardの砲身に跳弾させるように浅い角度で打ち込む
それでいてきっちりと頭とコアに打ち込むの。
これで少しの間でも狙撃手が居ることを悟られないように……
「おーおー、暴れだしたねー……」
「人形ってあんなに飛ぶものなんですねー……」
まぁそんなのを気にする余裕は無いだろうね。
完全武装したロマネシアが大いに暴れ始めた。
両腕両足に武装外骨格装着して殴る蹴るの純粋な暴力を振るってダミー人形達をバッタバッタとなぎ倒していってる。
ヘレボロス自身にも火器管制がついたおかげで背後をとってもレーザーで焼かれてる……
殴り飛ばされたダミー人形が宙高く舞い上がって行ってるのが現実離れしてるよ。
『もっと泣き叫べ、ゴミムシ共ォ!!』
疑似血液でべったり……笑い方も相余って恐怖の対象ね。
悪趣味なドリーマーの手が加わったロマネシアは殴った相手に簡易的なハッキングを施す。
痛覚を切れないようするんだ、そう、切れない。
痛みの信号で泣き叫ぶ声を通信越しに聞きながら作戦は続く。
ロマネシアは作戦終了後にはちゃんと綺麗にしてあげないとね。
『死にたくない、死にたくないよぉ!』
『アンタ達が殺してきた人間だってそう思ってたんじゃないかしらぁ?おあいこね♪』
「ロマネシア、聞いて……多分MFの群体が出てきた……EMPらしきものを装備してるから気をつけて」
『はぁい、了解よぉ』
『G36C、配置につきました』
『KSG、何時でもいけます』
ザコは始末した、後は大本を焼き払うだけだね。
『一応だが417と88式も装備を切り替えてバックアップに回ってくれ』
「「了解」」
なおKSGとG36Cが盾を買って出たおかげでロマネシアが固定砲台化するだけの簡単なお仕事だった。
私と88式、Ameli等は各種退路の封鎖でしたっと。
余談だけどお店の電話って私の乗っている車両にも接続されていてタイムラグはあっても取れる仕様なんだ。
お店のアレコレは私がだいたい知ってるし、決めようと思えば決めれるからね。
MSFからの電話には流石に驚かされたけど。
平和の日かぁ……なら、私達の出番だな。
スイーツは任せろってね。
「で、シーナママなんでP基地に行ってるの?」
「ダーリンの希望とロマネシアの友好関係広げ……あと純粋に私が行きたかったからかな」
「そうそう、俺も久しぶりに顔を合わせたくて」
「んにゃぁっ!?ちょっとダーリン!?運転中に揉むなぁっ」
「パパ、あとで私にも」
なんちゃって家族旅行だなこりゃ。
ネーナが居たら完璧な家族旅行だった。まぁ戦闘に巻き込むつもりはないからお留守番だけど。
お姉ちゃんがしっかりおっぱいあげてくれてる。
逆にお姉ちゃんが忙しい時は私が……夕方までにはちゃんと戻るからっ!
やべー所からのお誘い。
多分ね417、ヴィオラは揃ってマザーベースに降り立ったら喜ぶと思うんだ。
だってコイツら「ヤーパン」の「オタク」の血族だぞ