カフェD08へようこそ!   作:ムメイ

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あけましておめでたいやつぅ


初夢ぇ……

潜入任務、それは並大抵の人形には務まらない任務。

それ専用に拵えた人形なら話は違うだろうけど。

私達は戦術人形、真正面切ってドンパチし合うのが主だ。

じゃあなんで潜入なんてのを口にしているか?

いや、一応一度は工作に出たこともあるんだけどね……

 

「ガチモノのスニーキングミッションとか私以外に適任居たでしょうが……」

 

最低限の装備だけ渡されてスニーキングミッションに駆り出されていた。

いや、何を言ってるんだかわからないだろうけど私も分かってない!

頭おかしなるよ……本当に狂ってる……

まず服装、全身ぴっちりの迷彩スーツ。

チェストリグは驚異的な胸囲のおかげで付けれないのでウェストポーチとバックパックだけ。

装備品は麻酔弾と急速睡眠薬を充填した特殊弾を発射するMk-23。

サプレッサーに替えマガジン合計10個分……それとスタンナイフ。

これで侵入するのは……敵対関係にあるPMC組織だ。

所謂人類人権団体のお得意様PMCだね。

スニーキングミッション自体はまぁ全然概要的なところは分かるさ。

でもね……私達D地区の人形にはめちゃくちゃ制限があるんだぞ?

揃いも揃ってデカパイなんだから匍匐前進なんて出来やしないんだぞ?

特に私は銀髪、輪をかけてデカイおっぱいにちょっと漂うミルク臭。

いや、まぁ幸いにも侵入経路にはおっぱいが支える事もなく……四つん這いでなんとか切り抜けれた。

内通者がこっそり工作していた金網から入り込んで……ココからはガチモノ。

見つかれば私は殺されるか捕らわれてアレコレされるだろうね。

それにしても……

 

「ふふん、なんかスネークみたいでカッコイイじゃん?」

 

ゲーム、メタルギアソリッドみたいだと1人ほくそ笑む。

現実はあんなにザル警備じゃないからもっと厳しいんだけどね。

不審な痕跡を残せば即座に警戒、中々解除には至らないだろう。

実際にやってのけてる集団を知ってるからこそだけどね。

巡回ルートは侵入前にきっちり双眼鏡で偵察した。

……けどそれも気休めにしかならないな。

あとは潜入後に脅したり盗み聞きしたりでやるしかない。

ダンボールでやり過ごせるとは限らないしね。

 

 

 

 

このPMC基地は大きな山の麓に建設されている。

大戦中にはくり抜かれトンネルが掘られていたらしいが……核戦争後に崩落したとか聞く。

そして周囲はほぼ広がった荒野……トンビやワシが飛び交う荒野。

植物なんかもそう多くない。控えめに言って潜入する価値があるかと言ったら微妙だ。

だがコイツらが言わば私達D地区の面々を脅す……盗賊達のバックボーンだったら?

きな臭い動きを見せていると聞きかじった。

だからこその侵入なんだろう、失敗はそれ即ち私達の首を締めることにもなる。

 

「人形風情が人間みたく振る舞っているのが気に入らん」

「でもそれもそろそろ終わりだ……あの地区に贈られた物資を聞いたか?」

「ん?何だって言うんだ」

「T80戦車だ、レストアしたバリバリのやつだよ」

「そりゃぁ良いな」

 

基地内部となれば口が軽くなるのかべらべらと機密情報を喋る喋る。

監視体制やら警備体制もすーべて人間が交代交代でやっている。

非効率的だね、適材適所ってのがあるだろうに……

まぁおかげで軽く潜入が出来た、大助かり。

お、個別に警戒ルート……と思いきや1人は休憩に入ったか。

ならば……っと、通風孔のダクトから身を翻し……

 

「ん?何の音……」

「動くな」

「ッ……!」

 

着地と同時にセーフティの外れたMk-23のゴツい姿を晒させてホールドアップ。

周囲に物音、カメラ等無し……内部警戒がザルすぎる。

コイツが休憩に食おうとしていた食事が机に落ちる。

茄子の炒めものか?よく食べれるね……私はあんまり好きじゃない。

 

「吐いて貰おうか、それとも死を選ぶ?」

「お、俺は何も喋らんぞ」

「ふーん……」

 

銃での脅しは効かないか、若干の恐怖はあるみたいだけど。

鉛玉だったら撃って脅せるんだけどなぁ……いや悲鳴が出たら……

 

「じゃあ無理やりにでも喋らせるから」

 

やることは一つ、色仕掛けでもなんでも無い。

抑えつけた後に首筋を握って有無を言わせないだけだよ。

その気になればへし折ることは簡単に出来る。

 

「イカレ人形が」

「どうとでも言いなよ、キビキビ吐くか死ぬか」

「言ってもいいが条件を一つ」

「お前に権利は」

「そのデカパイを思う存分堪能させ――――」

 

いけね、つい勢いで絞め落としちゃった。

まぁ良いやこのIDカードでカメラ室でも制圧したら……

 

 

ってなんかゆさゆさ揺さぶられるぅ……

 

「う、うーん……ぁれ?」

「起きなさい、初詣に行くわよ。義父様と義母様と一緒に」

 

初夢だったとさ、めっちゃ具体的な夢だったことー……

 

「どうしたの、シーナ?」

「なんでもなーい……最近ゲームののやりこみしたからかなー……」

「変な夢みてたのね、アンタとヴィオラ……あとはロマネシアだけが見れるんだったかしら」

「そーそー……あー微妙なきぶーん……」

 

初夢って現実になるんだっけ?

スニーキングミッションの本格的なハウトゥどっかで学ばなきゃな。




今年ものんべんだらりとやっていくんでー
よろしくでーす

三が日に初詣?
あーいや、僕は嫌ですわぁ……人混みもうダメダメなのよ……
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