私達カフェD08の周辺はどうなってるか話したことあるだろうか?
答えはとってもシンプルで農作地帯だ。
D08自体が大きな生産拠点となってるのが大きい。
数少ない汚染軽微な地域なのもあって作物が育つんだ。
ウチの存在もあって天然物の作物はココ数ヶ月で一気に増えた。
それに伴って何が増えたと思う?
「銃を猟に使う日が来るとはねぇ……」
「私は生きるために撃った事があるが……」
鳥獣被害だ、農作物を食い荒らすんだよ。
それも深刻なのは鹿、アイツは草なら何でも食う。
花だろうがなんだろうがお構いなしに食うだけ食う。
有刺鉄線、電気柵等で対策しようがあの手この手で掻い潜る。
じゃあそれに対して何もしないのかといえばNOなんだ。
私達戦術人形に任務が課せられた……その名も害獣駆除。
そう、作物を食い荒らすクソ害獣を撃ち殺せって話し。
「じゃあちゃっちゃとやっちゃおうか」
「非番だった私達でなんとかなるものかな……」
「やるしかないでしょ」
害獣の中身は割れてる、イノシシと鹿。
どちらもクセがあるが美味しい肉になるヤツ。
撃ち殺した後の処理は私達に委ねられているからなぁ……
撃ち殺すのは簡単なんだけど……
「こいつら夜行性だからねぇ」
「荒らしに来るのを待つほかないな」
「その時が可愛い鹿の最期ってわけだね」
「その手の愛護精神は癌だぞ、シーナ」
ヴィオラこそ反対しそうだがこういうことにはストイックだ。
愛護精神……というか愛誤か、行き過ぎたものは癌だね。
減らすものは減らさないと食いつぶされてこちらが死んじゃうよ。
「じゃあ潜伏して撃ち殺しとやりましょうか」
久しぶりに迷彩マントを装着、サプレッサーもきっちりつけてアンブッシュ体勢さ。
程々に狩り殺して数を減らした後戻ってきたらドリーマーの工房が忙しなく動いていた。
「じゃあAK12とAN94はこれの解体お願いね」
「暫くはジビエ料理が提供できそうね」
「鹿にイノシシ……」
解体とかになるとロシア銃人形がかなり造詣が深いんだ。
AK47はちょっと雑にやるから暇そうにしていたAK12とAN94の二人に振った。
AK12はかなりお仕事が丁寧だからとりあえず問題はない。
あと全滅はさせてない、次のお仕事とかにも繋げるためにだ。
D08内部で経済を回そうとしたら必然的にそうなるんだ。
仕事が増えなきゃ経済は回っていかない。
今動いている工房の製品にもD08内の工場からのパーツが使われてたりする。
全部自前で作ろうと思えば作れるけどね。
「何があってるの?」
「さぁ、D17から連絡があってからずっとこうよ」
「大掛かりな装備品を作ってますからACパーツの製造でしょうね」
「……ちょっと見てくる」
見に行けば製造しかけのトレーラーヘッドにシーツをかぶせて角に追いやっていた。
そして製造していたのは……VACのコア形状に合わせた汎用品になりそうな装甲板。
それと前腕をすっぽり覆い隠すデカいパイルバンカー……一撃の重さを重視したな?
「あら、シーナ……おかえりなさい、一狩り楽しかったかしらぁ?」
「そうでもない、それでコレは?」
「ミグラントからの要望で強化パーツの製造よぉ……」
大型のパイルは2連パイル、しかもシールドにもなりうる頑丈さをもたせているらしい。
根本にドラムがあるけどそこに炸薬を詰めているらしい、合計8発分の炸薬。
つまり同時発射で4回しか使えないとんでもロマン兵器。
杭の先端は装甲を突き破ると傘のように広がって内部に炸薬の熱を叩き込むんだってさ。
つまり衝撃と熱のダブルパンチ、それで内部構造をメッチャクチャにしようって算段。
「そっちの装甲は?」
「いくつかプランを提案しているんだけど……対KE防御のチョバムアーマー、対CE防御のストラット+リアクティブアーマー」
「かなりゴツくなるね……機動性確保は?」
「一応スラスターの増設で間に合わせているわ……でも弱点にならないようにってやったら小型になってダメねぇ」
増加装甲の装着予定箇所はコア、肩、膝の3箇所。
対TE装甲は作ろうというよりコーティングでなんとかする予定らしい。
熱が分散するようなコーティング、鉄血の技術にあるらしいから問題はなさそうだ。
「テスト品はもうすぐ出来上がるわぁ……後は向こうで実地試験ねぇ……」
「粗悪品なんて言われたらどうするよ」
「その時はあのミグラントの頭をおっぱいでぶっ叩くわぁ……ふぁーぁ……アリスにおっぱいあげて寝るわぁ」
「あいあい、お疲れ様、ドリーマー」
で、この品物を輸送するのは誰がするかって?私がすることになりました、はい。
カフェの工業製品を支える工場とかよく分からんことになってるが私は知らん。
そうなってしまったのはすべて乾巧って奴の仕業なんだ