カフェD08へようこそ!   作:ムメイ

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いただきます、感謝の言葉は大事ですよ


食肉、命の重み

食肉ってかなりアレな産業なんだよね。

ウチでも扱ってるけど周辺畜産農家でも結構な数が飼育されている。

勿論食べるためにブクブクと太らせている。

 

「んじゃぁ、シーナちゃんよろしく頼むだぁ」

「はいはい、おまかせあれ」

 

牛、豚、鶏……主なこの3種を食肉加工出来る技術、スペース、機材を持っている場所って言うのも少ない。

周辺農家は結構な御老体が多く足腰に無理はさせれないって人が多い。

そこで食肉加工を請け負っているのが私達なのだ。

まぁ人形に任せれば万が一事故ってもパーツ交換で済むしね。

元々人形にそうさせてるって地域も多い。

かなりグロテスクな光景が繰り広げられるから耐性が無いと辛いね。

今日任されたのは豚、ほぼ余すこと無く使える有能食材。

我が祖国ドイツでは一頭で家族3ヶ月分の食料を備蓄出来たとか。

 

「じゃあちゃっちゃと始めますか」

 

食肉加工をするには今生きている豚を殺さなくちゃならない。

変に情が移る前に手早くやるのが良いんです。

一人でバラすと一日まるっと使うような大掛かりな作業だ。

 

「ねぇ、ママ今日は何してる……ぉえ」

「悪阻が酷いんだからちょっと休んでなさい、ローミィ?」

「面白そうな雰囲気がするんだもの……それ、豚?」

「豚、今から食肉加工するんだよー」

「じゃあ頭をこうぐしゃー!としたり?」

「しないよ、そうするとお肉が不味くなるからね」

 

食肉加工での屠殺は苦しみ無く一発でするのかと言ったら……NOなんだ。

とある死因以外では肉に血が回って生臭くなってしまう。

そうすると商品としては売れないし豚だと寄生虫が怖くて食えたものじゃなくなる。

じゃあハンマーとか持ってる屠殺現場があるのは何でか?

正解はね……

 

「ふんすっ」

「ピギィッ!!!」

「ほら、頭を叩くんじゃない……」

「ごめんね……これはスタニング、気絶させてるの」

 

頭をハンマーで殴打して気絶させるための物、屠殺用ではあるけどちょっと違うんだな。

じゃあどうやって殺すかってなると……

 

「殺すのは首元をナイフで掻き切って失血死させます」

「地味……」

「気絶させてる間ってのが慈悲だよ、地味とか言わないの」

 

気絶させなきゃかなりエグい殺し方になるけど首を切ってからの失血死以外に無いんだ。

心臓が動いている間に勝手に血抜きもされるから良いの。

丁度いいから解体全行程見せて食育と行きましょうか。

 

「このお湯は何?それに血も回収して……使うの?」

「お湯は洗浄兼毛抜作業用、血はヴルストに使うんだ、一つも無駄にはしないよ」

「ふぅん……ねぇママ、バラすなら私も」

「だーめ、今回は見学に留めておきなさい」

「ちぇっ……」

 

さて血が出きったらまずは軽く洗浄……水で血や泥汚れを落とす。

そしてその後このバカでかい豚を湯に浸けてから表面の毛を柔らかくしてから刮ぎ落とす。

そのための設備はあるから楽なんだよね。

クレーンと煮立ったお湯が満杯のドラム缶、この2つがあるだけでも全然違う。

屠殺場によっては豚の半分ほどしか浸けれないのもあるらしいからね。

 

「ふんふんふーん♪」

「簡単に毛が抜けていくわ」

「お湯に浸けてたのはこの為、ちゃっちゃとやらないと温度が下がって抜けにくくなるから手早く!」

「その後は?」

「この後はお待ちかねの解体タイムだよ、首を落とすのやってみる?」

「やる!……ぅぉぼぇ」

「……止めておこうか、悪阻で吐いたらマズイからね」

「ちぇっ……」

 

さすさすとお腹を擦ってつまんなそうにしているロマネシアはさておいて……

毛をこそぎ落としたら次はお腹を割いて内蔵を取り出す段階。

この内臓も後々まできっちり使う。

大腸とかの中身?勿論空っぽにさせてるよ、バラす数時間前から餌抜きにしてね。

一応裏っ返しにして洗浄するから残ってても良いけど……

 

「この辺のスピードも大切なんだよね」

「ぐちゃぐちゃ♪」

「ホルモンとして焼き肉にしてもイイけど今回はそうはいかないんだよね」

 

ロマネシアはもうこの時点で楽しそうに見てる、うーん……道徳観がやっぱりちょーっとなぁ

さて、大腸、小腸は綺麗にして肉詰めにする為に大事に取っておきます。

胃袋、膀胱その辺も同じく!フランクフルトソーセージだけが全てじゃないんだぞ!

 

「切れ味が良いナイフがあるのはありがたいねー、ドリーマー様様って感じ」

「お姉さまの製造品?」

「そうだよ、めちゃくちゃ切れ味が鋭くてちょっと力をいれれば骨もすっぱすぱ」

「わお、首もストンと行った」

「これからさらに脊髄から真っ二つにします」

「なんかこうなると見たことあるような感じね」

 

首を落として頭をオープンゲットさせたら今度は脊髄から真っ二つに左右泣き別れにさせる。

こうしてから各部位にバラしていく、感覚的にはヤーパンの魚の三枚下ろしだね。

 

「シーナママこんなの何処で覚えたの?」

「ドイツの嫁入り技術の一つとして勉強したの、まぁ農家の嫁の技術だったんだけどね……」

「ふーん」

「ソーセージに詰めるミンチの配合とかは色々あるけど……家庭の味とかが出るのかな?」

「パパの胃袋もこれで掴んだの?」

「ううん、ディーノパパの胃袋はね……お粥で仕留めた」

「あー……なんというか優しい味だったね、美味しかった」

「そう?ふふ、最近はローミィもお粥とかのお世話になってるもんね」

 

病気だったりお腹が緩い相手にはお粥、これ鉄則ね。

 

「あと3時間後に取りに来るように連絡してっと……じゃあヴルスト……ソーセージ作りに入るから見学する?」

「する」

「ヴィオラママも呼んできて、ソーセージ詰めるのは私一人だと面倒だもん」

「はーい」

 

ウチのソーセージ?塩以外にも混ぜるものがあるけど……

まぁそこは言わなくても分かるんじゃないかなー

口当たり滑らか、濃ゆい塩味にほんのり甘い後味。




D08では畜産もしているのでこんなイチ場面も。
たぶん416もこの辺綺麗に捌くと思う。

先進国ではハンマーでのスタニングではなく電気ショックで昏倒させてるそうですけどね。
微妙に足らなくて捌いてる最中に覚醒する豚も居るとか。
肉、残さず食いましょうね。
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