ジェームズとアルバスは汽車に乗ってもなおスリザリンに入るか否かを揉めていた。
「絶対違う!僕は絶対にスリザリンに行かない!」
「いや。絶対行くね。何せ純血の住まう寮だから」ジェームズは言う。
既に発車したホグワーツ特急の中でコンパートメントに座れていないのは、彼らだけだった。
「もう!アルたちのせいよ!あなたたち二人が言い争いを再燃させなければ座れたわ!」ローズが悪態をつく。
「仕方ないだろ!ジェームズが・・・・」アルが反論した。
「あっ!あった!」デディが指差した。
その先には誰も座っていないコンパートメントがあった。
「行こう!」
「うん!」
「ちょっと待った!」
彼らが振り向く先には、背が高く、白髪で目の色がモスグリーンの少年が立っていた。名前はスコーピウス。
「おや?誰かと思えばかねて父上から聞いていた選ばれしものの息子ではないか。それにそこのコンパートメントは私が目をつけていたものだ」
「何を言い出すんだ!俺たちが見つけたんだぞ!」
スコーピウスは鼻で笑い、こう言った。
「身分の低いものは高いものに譲るのが普通である。いいかね?私たちは高貴な純血である。混血よりも位が上だから、お前には座らせない」
「混血なんかじゃない!全員純血だ!」テディが憤慨した。
「煩い。穢れた血め。お前は狼の血を引いているな。それこそ魔法使いと対等にモノ言える立場ではないことを物語っているではないか」スコーピウスはテディを下に見た。
パシッ・・・・
「ふざけるな!テディに対してそんな呼び方をするな!」アルバスが平手打ちをした。
「あんた・・・。先輩を平手打ちとはな・・・。やるじゃねぇか・・・」
スコーピウスはアルバスと組み合ったが、すぐにカタがついた。アルバスが関節技を決め組み倒したのだ。
「くそ・・・覚えておけ・・・。この借りは何が何でも返すからな!」負けた方は半べそをかいて帰って行った。
「ありがとう。アル」テディはアルバスの手を握りながら言った。
「さぁ、勝ち取ったコンパートメントに座りましょう。ホグワーツまではまだしばらくかかるわ」
「あぁ」彼らは、ジェームズが持ち込んだ魔法チェスやお菓子を食べて過ごした。
~この列車はもうすぐホグワーツに到着します 生徒はローブに着替え忘れ物のないようにしてください~
「さぁ、着替えるんだ」
「OK!」
しばらくすると、列車はホグズミードに到着した。
~イッチ年生はこっち! イッチ年生はこっち!~ 駅に降り立ったジェームズは聞き覚えのある声を聴いた。
声の主は彼に気が付き、手を振ってくれた。
「さぁ、皆向こうへ行って。また大広間でね」
「うん!」
キングズ・クロスから馬車に乗って校門を潜って大広間へ移動したジェームズは驚いた。
昨年の魔法史の担当だったフリットウィック先生は、背が高く無精髭を生やした男、闇の魔術に対する防衛術
の先生は、まるで達磨の様な体つきをした人物だった。
パンッ・・・ パンッ・・・!
「よろしいですか、皆さん?もうすぐ1年生が入ってきます!皆さんは上級生らしい行動をとってくださいね!」
ガタンッ・・・!
大広間の扉が開き、ハグリッドの後ろから1年生がゾロゾロと入ってくる。
1年生は前方の丸太椅子に座った。
「では、組み分けを始めたいと思いますがその前に組み分け帽子から一言頂きましょう」
とマグゴナガルが言い、丸椅子に古ぼけて継ぎはぎだらけの帽子を置いた。
「どうも!新入生の皆さん!」
帽子がつばの破れた部分から喋る。
「まずはおめでとう。この神聖なるホグワーツ魔法魔術学校に入学してくれたことを、皆誇りに思う。私がこれからの7年間を生活していく寮を責任をもって決めていくわけだが、本人の希望を最大限に尊重していくために希望があれば言ってくれ。では、マグゴナガル先生。始めましょう」
「はい。では1番、アーノルド・クリビッチ!」名前を呼ばれた生徒は、ばね仕掛けの人形のように立ち上がり丸太の椅子に座った。
グリフィンドール!!
と組み分け帽子は声を上げた。
グリフィンドールサイドは歓声に沸き、彼を温かく迎えた。
その後も組み分けは進み、
「アルバス・ポッター!」
アルバスは緊張の面持ちで、恐る恐る椅子に腰かけた。
(スリザリンで良いかね?)組み分け帽子はそっと尋ねた
(嫌だ!絶対に!スリザリンだけは避けてくれ!)
(スリザリンは嫌かね?純血の住まう寮じゃが・・・)アルバスは懇願した。
(それでも嫌だ!)
(よし・・・それなら・・・)
グリフィンドール!!
アルバスは心なしかほっとした表情で仲間の待つテーブルに着いた。
2時間後、1年生の組み分けと食事が終わった。組み分けの結果、テディとヒューゴはハップルハフ、ローズはレイブングローになった。
「大丈夫!1人でもやっていける!もう友達も出来たし!それじゃ!」
ローズは自分の寮に帰って行った。
「ホントに大丈夫なのだろうか・・・?」ジェームズが言った
「うん。大丈夫だよジェームズ。ローズなら」アルバスは答えた。
その後、ヒューゴ、テディも各寮に入り就寝した。