ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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129話ですね〜。
「そうね。」
今回も第4呉鎮守府編が長くなりそうですね…。この先の物語にも影響しますし…。
「計画はすでに出来上がっているのね。」
少し未来までだけどね。暗躍者や、深海棲艦はまだだけど。…でも、AC世界からの住人って少なすぎる気がするんですよね〜。
「これ以上化け物を増やす気…?」
ドミナントたちはすでに化け物扱いなんだ…。
「まぁね。だって、あんな人たち化け物以外なんて言うの…?私が10人いて、一気にやっつけようとしても、絶対に敵わないし…。」
だってその方がかっこいいじゃん。…て、それよりもあらすじ
「かっこいいって…。」
では、あらすじをどうぞ!

あらすじ
仕方ないわね…。前回、第4佐世保鎮守府は大騒ぎだったわ…。提督がいないせいで統率がとれないし…、セラフさんは自室にこもったままだし…、ジナイーダさんはなぜか自主練場にずっといるし…、主任さんは飛び回るし…、ジャックさんは提督さんがいないことを良いことに、中に店を広げようとするし…、神様なんて…もう…。大騒ぎも良いところだったし…。


129話 昔のくらし

…………

第4呉鎮守府 庭

 

ゴソゴソ…

 

「ん〜。…ん?なんでテントが膨らんでいるんだ?」

 

ドミナントは首を傾げる。さっきまで、ここの所属の五月雨と話し、ここの提督の瀬戸大佐のことがわかり、テントに戻ってきたのだ。五月雨と川内はこっそり鎮守府という名の家に入っている。

 

「パンパンだな…。…もしや、野生の動物か…?」

 

ドミナントが音を立てずにテントに近づく。すると、中から声が聞こえる。

 

『提督が帰ってきたらサプライズっぽい…。』

 

中から夕立の声が聞こえる。

 

『静かにしないとね…。』

 

夕立だけでなく、時雨も…。

 

『あ、あの…。本当に…ここにいて大丈夫なんでしょうか…?』

 

羽黒の声も聞こえた。

 

『まぁ、さすがにこれで怒鳴られたらパナイけど…。』

 

鬼怒が言う。

 

『まさか、そこまで心が狭い人ではありませんよ。』

 

妙高の、ドミナントを信頼した声が聞こえる。

 

『ですが…流石にキツいですね…。』

 

扶桑の声まで…。

 

……こいつら…。なんでいるんだよ…。俺が入れねぇじゃねぇか。てか、絶対に6人は入らないはずだ…。てか、壊れる。

 

ドミナントは思い…。

 

……根比べするか?

 

えんがわに座る。

 

…………

十分後

 

……喉が渇いた。お茶もらうか…。

 

『提督遅いっぽいー…。』

 

『やっぱり、少しキツイね…。』

 

…………

二十分経過

 

……う〜ん…。まずくもなければうまくもない…。自然の茶の味だな…。

 

『少し体制崩しても良いかな…?』

 

『いえ、おそらくテントが壊れます…。』

 

…………

三十分経過

 

……今頃第4佐世保何してるかな〜…。深夜アニメどうなったのかな…。

 

『喉が渇きましたね…。』

 

『お、遅い…ですね…。』

 

…………

さらに三十分が経過。

 

……いい加減入ってやろうかな…。

 

『うー…。』

 

『もう少しで来るはずだから…。』

 

『提督遅くてマジパナイんだけど…。』

 

『この体制…。我慢できるでしょうか…?』

 

『山城…どうしているかしら…?』

 

『せ、狭くて痛いです…。すみません…。』

 

中がゴソゴソ忙しなく動く。

 

……でも、少し面白いからそのままにしとくか。

 

ドミナントはサディストだ。

 

…………

十分後

 

……入るか。

 

中がぎゅうぎゅう詰めで、テントが壊れそうだ。

 

バサァ

 

「ワー、ビックリシ…。」

 

「「「遅いっ!」」」

 

ドミナントが入ってくるなり怒られる。

 

「…怒られた…。驚かされたのに怒られた…。」

 

艦娘がぞろぞろと出て行き、ドミナント一人となり、寂しい思いをした。

 

…………

翌早朝

 

「グー…。削り切るとは…。グガー…。」

 

ドミナントが寝ていると…。

 

『……。』

 

「…?」

 

外から音が聞こえる。

 

……まだ日が昇っていないのに誰だ?艦娘か?それとも化け物か?

 

ドミナントはテントの外へ出る。

 

「ハッ!ホッ!」

 

そこにいたのは竹刀を持って素振りしている瀬戸大佐がいた。

 

「…おはようございます…。素振りですか…。夜明けだというのに…。」

 

「ハッ!ホッ!」

 

「…無視ですか…。…ん?もしかして、川内さんが出るって言ってたのって…。この音を聞いたのかな?」

 

ドミナントは思う。

 

「ハッ!ホッ!」

 

「…目も覚めましたし…。テント片付けますね…。て、なんで!?」

 

「?」

 

ドミナントは驚く。

 

「…よもや貴様…。」

 

「ち、違います!知りません!」

 

同じテントの中に羽黒が寝ていたのだ。

 

「…さふか…。貴様はさふゆうきゃつか…。」

 

「誤解だぁぁぁ!羽黒!起きて!誤解を解いて!」

 

ドミナントが必死に起こす。

 

「スー…。…むにゃ…?提督…?気持ちよかったです…。」

 

「ねぇ、何言ってんの!?」

 

「やはり…。」

 

「違います!!!誤解です!羽黒!ちゃんと起きて!説明して!なんでそうなってんの!?」

 

ドミナントは必死だ。そこに…。

 

「朝からうるさいっぽい〜…。!?」

 

夕立が起きだし、驚く。

 

「て、提督!!どういうことっぽい!?」

 

「誤解を解かなきゃいけない相手が増えた!?違う!俺は無実だ!」

 

「…貴様…。」

 

ドミナントを疑う相手が増える。

 

「夕立さん…?少しうるさ…。」

 

「何事…?なんの騒ぎ…。…て…。提督…?どういうことかな…?」

 

「なにそれ!パナイんだけど!あはは!」

 

「……。」

 

ドミナント所属の艦娘たちが起き出し、全員が盛大に思う。

 

「ど、どういうことかな!?」

 

「グエッ…!し…、時雨…。首…絞ま…て…る…。」

 

「提督はみんなに愛されているのですね。」

 

「妙高…さ…。そんな…こと…、言って…ない…で…助…け…て…。」

 

ドミナントは時雨に首を絞められて、時雨の腕を何度もタップしている。

 

「…あ…。」

 

ドサッ!

 

「ゲホッ!ゲホッ!…殺す気か!?」

 

「ごめん…。つい我を忘れて…。」

 

「…まぁ、この状況だと仕方ないな…。」

 

ドミナントは起き上がる。すると…。

 

「どういうことっぽい!?」

 

「ちょ…ヤメテ…。揺らさない…で…。吐いちゃう…。」

 

時雨が終わったと思ったら夕立に思いっきり揺さぶられる。

 

「あはははは!あは!あはははははは!」

 

「鬼…怒…。覚えて…ろ…!…オエ…。」

 

ずっと笑いこけている鬼怒を、揺さぶられたままのドミナントが睨む。

 

「羽黒さん。起きてください。提督がピンチです。」

 

「…提督が!?」

 

扶桑の言葉に、羽黒は無我夢中で起き出す。

 

「提督!大丈夫ですか!?」

 

「あ…、あぁ…、大丈オエッ!…夫だ…。ハァハァ…。」

 

「と、とてもそうは見えませんけど…。」

 

「それより…、俺が吐く前に…、どうしてここにいたのか…教エッ…!…てくれ…。」

 

ドミナントは途切れ途切れだが、伝える。夕立にまだ揺さぶられている。

 

「は、はい。それなら…。」

 

…………

前日夜

 

ドミナントを驚かして1時間くらい経ったあと。

 

「…眠れ…ない…。」

 

羽黒は夜中に起き出す。いつもと違う場所なので、寝付けないようだ。

 

「……。」

 

あたりをキョロキョロ見回すが、誰も起きておらず、ましてや落ち着く場所もなかった。

 

ソロ〜リ…。

 

「……。」

 

羽黒はドミナントのところへ行くべく、足音を立てずにテントに行く。

 

『グー…。化け物…め…。グガー…。』

 

……ど、どんな夢を…?

 

羽黒は思いながらも、テントに入り、空いているスペースで横になる。

 

……ここなら…落ち着け…そう…です…。朝…朝になる前に…戻れ…ば…。

 

そのまま寝てしまった。

 

…………

 

「い、以上のことから…、私も提督も、何もしていません!」

 

「だろ!俺は無実だったろ!?」

 

ドミナントは言う。

 

「「「う〜ん…。」」」

 

「なんで納得がいかない!?」

 

怪しい目でドミナントを見る艦娘たちにドミナントがツッコんだ。

 

…………

 

「目が覚めちゃったよ…。」

 

「同じです…。」

 

「朝からあんなことになればそうなるよわね…。」

 

「眠い…。」

 

「今日も元気に行こう!」

 

「鬼怒は元気ね。」

 

「散歩するっぽい!」

 

「夕立もか…。」

 

ドミナントたちはすっかり目が覚めてしまい、ぐたっとしている。すると…。

 

「川に水を汲んでこなくちゃ…。」

 

第4呉の駆逐艦が棒の両端に紐を使って桶をくくりつけて肩に持つ。

 

「……。」

 

……あんな小さい子が頑張っているのに、ほとんど居候の俺が手伝わなくて良いのか?いや、良いわけないな。

 

ドミナントが立ち上がり…。

 

「水汲み?私が行ってきます。」

 

ドミナントが言う。

 

「えっ?いいわよ。別に。」

 

「いえ、やらせてください。…というより、ほぼ居候の自分が何かやらないと気が引けちゃうんです。」

 

「そ、そうなら良いけど…。…変わった人ね。」

 

「…川はどちらの方向ですか?…えーっと…。」

 

「神風型駆逐艦、一番艦の神風よ。川は北の方よ。」

 

「神風さんですね。川は北ですね。わかりました。」

 

…………

道中

 

……にしても、重い…。しかも川まで長い道のり…。何も入っていない桶でこれなら、帰りどうなるんだ…?

 

ドミナントは思った。長年のデスクワークで体力がないのだ。

 

「あっ、あった…。あの川か…。」

 

川幅が少ししかない川を見つける。

 

「…きれいだな…。雨水が地面に染み込んで、綺麗になった水が流れているのか…。」

 

ドミナントは桶で水をすくう。

 

「…全然たまらないな。」

 

時間がかかりそうだ。

 

…………

三十分後

 

両方の桶に満タンに水が溜まる。

 

「…さて、行くか。…て、重っ!?」

 

ドミナントは持ち上げるが、重くて動けない。

 

……こんなのをあんな小さな子がやっていたのか…。昔は随分苦労したんだな…。

 

桶を半分引きずりながら歩く。

 

……重い…。

 

…………

 

「か、帰りました…。」

 

「あら、ありがとう。助かったわ。」

 

「は、はい…。」

 

ドミナントは居間に座る。

 

……ところで、時雨たちは…?

 

…………

竹林

 

「…そこよっ!」

 

「はいっ!」

 

ヒュンッ!

 

「…逃げられちゃいましたね。」

 

「はい…。」

 

神通に言われ、時雨が少し落ち込む。

 

「…こっちもかからなかったっぽい…。」

 

「ダ、ダメでした…。すみません!」

 

「こちらはウサギを二羽。」

 

「イノシシが罠にかかりました。」

 

妙高と扶桑が言いにくる。

 

「これで、今夜のお肉は手に入りましたね。」

 

「疲れたっぽいー…。」

 

「普段からこんな疲れることしているんだ…。」

 

「今がどれだけ恵まれているのか分かりますね。」

 

…………

 

セッセッ…

 

「……。」

 

ドミナントはまたも、働いている小さな駆逐艦を見つけてしまう。

 

「…手伝いましょうか?」

 

「何だい?」

 

薪を背負って外へ向かおうとしている艦娘に言う。

 

「いや、それを手伝おうと…。」

 

……外の倉庫へ入れるのだろう。それくらいは想定の範囲内だよぉ。

 

「キミ、手伝ってくれるのかい?ありがとう!僕は神風型駆逐艦四番艦、松風だ!」

 

「あ、そうなんだ〜。で、これを持ってどこへ行くんですか?」

 

「裏庭だよ。」

 

「持ちます。」

 

「アハっ。キミ、優しいんだね。」

 

「第4佐世保提督、および艦娘が居候の身なので。何もしなくて、ただ飯ぐらいなのは気が引けますから…。」

 

「…結構苦労しているんだね…。」

 

…………

時雨たちの場所

 

「よしっ!食らいついた!仕留めてやる!」

 

少し森の深いところで、大型の鹿が罠にかかり、暴れている。

 

「ちょ、待ってください!朝風さん、その体格差でそれは無理です!」

 

神風型駆逐艦、二番艦の朝風が突っ込もうとしているのを神通が必死で止める。

 

「随分大きいっぽい…。」

 

「うん…。僕たちの二倍ほどだね…。違う世界にでも来ちゃったのかな…?」

 

夕立と時雨が話す。すると…。

 

「……。」

 

カチャ…。

 

神通が前に出て、腰にあった刀を手に取り、鞘を抜く。ちなみに、この刀は瀬戸大佐から譲り受けた物だ。

 

「…お命頂戴いたします…。」

 

ヒュンッズバァ!

 

見事な太刀筋で○○○ね、地面に○が転がる。(少しグロいので○にしました。)

 

「すごいっぽい〜…。」

 

「艦娘自身のレベルにはカウントされない強さだね。…もしかしたら、うわべだけで、本当のレベルは僕たちと同じくらいかもね。」

 

時雨が分析しながら言う。

 

「そうですね。私たち艦娘は海で戦って、練度(レベル)が上がります。しかし、海に出れず、艦娘としては練度が低いかもしれませんが、強さでしたら、私たちと同じかもしれませんね。」

 

妙高が付け加える。

 

「……。」

 

神通は黙ったままだ。朝風は軽く目を閉じて、手を合わせている。両者とも殺した鹿の冥福を祈っているのだ。ちなみに、神通は返り血も浴びていない。

 

…………

裏庭

 

「ヒィ〜…。まさかこれなんて…。」

 

「どうしたの?手伝ってくれるんでしょ?…疲れちゃった?」

 

「薪割りって、結構体力使うんですね…。」

 

ドミナントたちは薪を割っている。

 

「これがないと、お風呂に入れないし、ご飯も作れないから、結構重要なんだよ。」

 

「そうなんですか…。」

 

ドミナントは話しながらも斧で薪を割る。

 

「頑張って!あと50本!…25本しか割ってないけど…。

 

「ヒィー…。」

 

…………

 

「予期せぬ食料も手に入りましたし、帰りましょう。」

 

「はい。」

 

神通たちが帰ろうとする。まだ空は薄青いが、もうすぐ日没時間だ。

 

「…か、帰り道って…。どっちでしょうか…?」

 

羽黒がおどおどしながら言う。

 

「安心してください。ここは初めて来ますが、太陽を基準に歩いていますので、太陽が沈む方向へ行けばなんとかなります。」

 

神通が言う。

 

「こちらです。」

 

「えっ?こっちから来たのに?」

 

「えっ?」

 

「「「えっ?」」」

 

神通と朝風が違うことを言い、時雨たちは困惑する。

 

「ですが、太陽が沈む場所を背に歩いてきたのですから、こちらで…。」

 

「でも、太陽見えないよ?」

 

そう、ここは森の中なので、木が生い茂っていて太陽が見えない。

 

「空の明るい方向が太陽がある場所です。」

 

「…まぁ、そうね。その方が信用できるわね。」

 

朝風は神通に従う。

 

…………

第4呉

 

……薪割り終わった…。でも、まだ働いている駆逐艦が二人いるんだよな…。やるしかないよな…。

 

ドミナントは、掃除をしている一人と、ご飯を作っている一人を見る。

 

「ここはこうして…。春姉さん、これはどこにおけば…。」

 

「どうかしました?それは、そこの掛け軸の隣に置いておいてください。」

 

掃除している艦娘が料理をしている姉さんに言う。

 

「…そこのお二人さん、お手伝いしましょうか?」

 

ドミナントが言う。

 

「…そう?なら、天井の手の届かないホコリを落としてくれませんか?…あぁ、もちろん料理のところはやめてくださいね?」

 

「はい。」

 

パタパタ…

 

ドミナントは掃除をしている艦娘に言われ、天井のホコリを落としていく。

 

「このお茶碗をそこに置いてくださいません?」

 

「わかりました。」

 

ドミナントは働く。そのうちに掃除が終わり…。

 

「終わりました。」

 

「ありがとうございます…。」

 

「ところで、あなたの名は…?」

 

「神風型駆逐艦、旗風。…です。そちらで料理しているのが同じ神風型駆逐艦、春風です。」

 

「自分、ドミナント大佐であります。」

 

「知っております。」

 

「…そうですか…。」

 

ドミナントは春風に近づく。

 

「何か他に手伝えることは…?」

 

「そうね…。なら、そこの石をどかして、中から大根を…。」

 

「あーっと!大丈夫だよ〜。私がやるから。」

 

春風が言おうとしているところに、川内がやって来る。

 

「川内さんがやりますか…?」

 

「うん。色々ありがとうね。…ついでに、裏で収穫している五月雨の手伝いをしてくれるとありがたいんだけど。」

 

「…わかりました。」

 

…………

 

「う〜ん…。」

 

五月雨が困った顔をして、畑を見ている。

 

「五月雨さーん。」

 

ドミナントがやってくる。

 

「あっ!そこ踏まないでくださいね!」

 

「うぉっと!?」

 

ドミナントはギリギリで避ける。が。

 

ガッ!

 

「うぉー…。」

 

ドミナントの勢いが止まらず、石にこけて盛大に飛ぶ。

 

ドサッ

 

「…ぐぁっ!」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

五月雨が駆け寄ってくれる。

 

「だ、大丈夫…で…す…。」

 

「そうですか。なら良かったです!早速、手伝って欲しいんですが…。」

 

いや、鬼か。

 

「な、なんで…しょう…?」

 

「実は、これを収穫したいんですが…。」

 

五月雨は大根を見せる。

 

「虫がたくさんついていて…。」

 

ドミナントは苦笑いをせざるを得なかった…。

 

「…こいつの生息範囲はどこまでなんだ…?いくら繁殖力が強くても…。」

 

「知っているんですか?私、初めて見て…。」

 

「あっ!い、いえ。知りません。…おそらく、誰かが寝食を惜しんで作った人がいるのでしょう。」

 

ドミナントは知らないフリをする。もし、自分の鎮守府にこれを連れて来た人?神?がいると知られたら面倒だからだ。だが…。

 

「…作った?」

 

五月雨が言葉の違和感に気づく。

 

「い、いえ!作ったではありません!…つ、つ…。!。疲れた!疲れたです!」

 

「…?誰かが寝食を惜しんで疲れた人がいる…?…どういう意味ですか…?」

 

「つ、つまり…。」

 

「あっ!そういう意味ですね!」

 

「え…。えっ?」

 

「寝食を惜しんで疲れるまでこの大根を作った人の努力に惹かれて集まって来たというわけですね!」

 

「えっ。あ…。うん。そゆこと。理解してくれたかな?」

 

「はいっ!」

 

……勘違いしてくれた。あぁ、良かった…。

 

ドミナントはその虫を追い払って収穫した。

 

…………

森の奥

 

「…ここ、さっき通ったんじゃない…?」

 

時雨の一言で、全員が立ち止まる。

 

「…太陽の沈む向きって言っても…、空が暗くなってるっぽい…。」

 

夕立が空を眺める。

 

「…だ、大丈夫です。この道で合っています。」

 

「……。」

 

「いえ、ここは通りました。道に迷わないために、この木に印をつけていたので…。」

 

扶桑が言う。だが、言わなかった方が良かったのかもしれない。真実を理解すると同時に、迷ったという事実を理解させるからだ。

 

「…ま、迷ったのですか…?」

 

羽黒がその現実を知り、少し言葉が震えている。

 

「羽黒、取り乱しちゃダメよ。今必要なのは、冷静な判断力。一人でも大きく取り乱したら、全員が取り乱すわ。」

 

妙高はしっかりと言って、事態をどうするか考えている。

 

「…やっぱり、私の言葉があっていたんじゃない!」

 

だが、この状況になって、冷静のままにいられる者は少ない。ましてや、経験を積んでいない駆逐艦なら…。

 

「だから、さっきあっちに行っていれば…。」

 

朝風が言う。迷ったことが恐怖なのだろう。そして、まず最初に起きるのが他人を責める行為だ。冷静な者は何も言わない。

 

「ですが、太陽が沈む方向を背にこちらに向かっていたことは知っております。ならば、なぜこんなことになったのでしょうか?」

 

妙高が言う。

 

「逆に覚えていたから?」

 

時雨が聞く。

 

「いえ、違います。神通さんはともかく、私も一応確認しておきました。」

 

「なら、鎮守府自体が移動したっぽい?」

 

「それは限りなく可能性が低いでしょう…。」

 

「あっ!わかった!違う世界に来ちゃったんだ!」

 

「鬼怒さん、真面目に考えていますか?」

 

時雨以外のひどい答えの中…。

 

「あっ!今度はわかった!」

 

時雨がまた理解する。

 

「今日は満月。つまり、満月の光と太陽の光を勘違いしちゃったんじゃないかな?ここは深い森。ならもちろん、空は木の葉を通して途切れ途切れにしか見えない。満月の光は、太陽の光を反射しているわけだから、間違えても不思議じゃない。」

 

「時雨さん。ありがとうございます。その可能性が一番高いでしょう。ようやくわかりました。」

 

時雨の華麗な推理により、問題が解決する。

 

「…ですが、この状況を打破できる策が思い当たりませんね…。」

 

「「「……。」」」

 

妙高の無慈悲な一言に、全員が黙ってしまった。




長い…。これを当分すると、約3話分です。1日遅れのため、許してください。
登場人物紹介コーナー
神風…神風型駆逐艦、一番艦。真面目で勝ち気な性格。妹や、提督に触られるのは嫌で、潔癖。仕事はキビキビとこなすタイプ。レベルは低い。羽黒とは艦だった頃に交流があり、羽黒の前では元気にしているように見せている。提督とは親しい関係。
朝風…神風型駆逐艦、二番艦。勝ち気で高飛車な性格。ここでは基本的に稗か粟の飯だが、麦飯に思いがあり、瀬戸大佐もその思いに応えて、月に一回ほど麦飯の時がある。面白い特性もあり、日没以降は活力を失う。
春風…神風型駆逐艦、三番艦。物静かでお淑やかで、深窓の令嬢並みの気品さと儚さがある。「ハイカラ」などという言葉を使うあたり、大正時代で時が止まっているように感じる。家事は全般得意。鎮守府のために身を捧げると言っていたりするが、かなりの死亡フラグなのを気づいていない。
松風…神風型駆逐艦、四番艦。クールで飄々的で、中性的な性格。ボクっ子。提督とは気さくな関係。朝風とはよく張り合っているが、仲はよろしい。
旗風…神風型駆逐艦、五番艦。真面目で礼儀正しく、お淑やか。末っ子気質。人の手伝いを積極的にしようとするが、中々テキパキとこなせない。提督のことはかなり慕っている。ちなみに、姉妹艦のことを○姉さんと呼ぶ。例)神風→神姉さん 朝風→朝姉さん
夕立…可愛い。
時雨…可愛い。
鬼怒…可愛い。
羽黒…可愛い。
妙高…カッコいい。
扶桑…おぉー。
ドミナント…提督。
お茶…まずくもなければうまくもない。ただのお茶。お茶以外に例えられないただのお茶。
瀬戸大佐…提督。
神通…侍。
川内…忍者。
水…きれいな水。そこらの自販機で売れば、ペットボトル一本75円近くになる。
薪…割られるためだけに運ばれた。二つに切る。75本で約3日分。
大鹿…体長約2メートル。大きい。だが、この森の主はもっと大きい。
刀…瀬戸提督の代々家系に継がれてきた名刀。…つまり…。
予期せぬ食料…鹿肉。
ホコリ…約2ヶ月分と思われる。
お茶碗…竹で作られていると思いきや、木で作られていた。
石…漬物石。
太陽…太陽系の中心の惑星。
生い茂った木…5年くらい前から人も踏み込まず、手入れがされてなさそう。
虫…AMIDA
満月…月の影が見えない状態。
次回!第130話「迷子」お楽しみに!
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