ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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138話…。まだ陸軍編が終わらない…。
「どんな輩が出てくるのか楽しみね。」
はっきり言って、世界最強レヴェル。
「うん。聞かない方が良かったわ…。」
まぁ、この世界のことだけど。
「提督さんたちの世界は異常よ…。なんであんな化け物や怪物と戦えるのかしら…?」
身体が闘争を求めるからだよ。デモンエクスが出たけど、ACモドキだったよ…。
「それは残念ね…。」
まぁ、暗い話はやめて、始めるとしますか。
「そうね。今回もあらすじやるけど…。いつあらすじ役は解放されるのかしら?」
そうだねぇ〜。140話くらいにしますか。
「わかったわ。それじゃぁ、あらすじをはじめるわね。」
頼んだ。

あらすじ
前回、鎮守府の皆んなが提督さんの部屋で覗き見をしてたりしたわ。たいほーはどこかの世界から来ちゃったみたい。先輩神様に提督さんが頼もうとするらしいわ。そして、皆んな飽きたのか、自室に戻って寝ているわ。


138話 混合お茶会

…………

第4佐世保鎮守府 夜

 

現在時刻マルフタマルマル。午前2時だ。

 

「…提督、起きていますか?」

 

大鳳が呟く。大鳳ミニ(たいほー)を挟んで横になって、向こうを向いているドミナントを見る。

 

「……。」

 

……起きている。いつ殺されるかわからないからな…。ジナイーダには訳を話せばなんとかなりそうだから、今はここを乗り切るしかない。起きていることがバレたら時間を改めるかも知れん…。その間に俺が眠らないためにも…。

 

ドミナントは寝たフリをして、やり過ごそうとしている。

 

「……。起きて…なさそうですね。」

 

大鳳がベッドから出る。

 

……来るか…?

 

ドミナントはいつでも逃げられるように薄く目を開け、準備している。すると、大鳳が間近に迫ってきていた。

 

「…可愛い。」

 

大鳳が呟く。

 

……えっ?俺何か言った…?おかしい…。口は閉じてあるはずだ…。

 

ドミナントは、不思議がる。すると…。

 

「寝顔はかわいいのね…。」

 

大鳳がまたも呟く。

 

……うん。俺が言った訳ではない。と、いうことは大鳳か?…まぁ、自分の分身体で、俺自身、ミニのことを可愛いと思うしな。

 

ドミナントは大鳳ミニのことを言っているのだと勘違いする。

 

「…触ってみようかしら…?」

 

……触るって…。起きちゃうだろ…ひゃぁっ!?

 

ドミナントは心の中で情けない声を上げる。

 

……お、俺に触ってきた!?ナンデ!?

 

ドミナントはおっかなびっくりしている。

 

「フフ…。フフフ。」

 

大鳳は満足そうにベタベタ触ってくる。

 

「…何をしている?」

 

ドミナントがたまらずに声をかける。

 

「ひゃぁっ!?…て、提督…。起きて…いらしたんですか…?」

 

大鳳は顔を真っ赤にして恥ずかしがった。

 

「ああ。それよりたいほーが寝ているから静かにな。…もしや、風邪で寝込んでいた時も、触ったりしたのか?」

 

…はい…。

 

「…そうか。」

 

ドミナントは“マジか”と心の中で思う。

 

「…あの…。どうして起きていらしたんですか…?」

 

「明日…、いや、今日先輩神様になんて話そうか考えていたんだ。」

 

……殺されるかどうか心配で眠れなかったってことは言わないでおこう…。

 

ドミナントは言い訳をする。

 

「そ、そうですか…。」

 

大鳳は、顔を赤くして目を伏せたままだ。

 

「それより寝ろ。今回は無かったことにするから。それに、触るのは良いが…。…一線を超えるなよ。」

 

ドミナントは大鳳の方を向かずに言う。

 

「わかりました。」

 

大鳳がすかさずベッドに入る。

 

「…で、なんで俺の隣なんだ?」

 

「……。」

 

「…まぁいいけど。」

 

ドミナントは“仕方ないな”的な目をする。

 

「…提督の胸が温かい…。」

 

「…そうか。」

 

ドミナントは艦娘に甘い。神様が言った場合には、容赦なくそっぽを向くか、元の場所に戻らせるだろう。

 

…………

翌朝 食堂

 

ワイワイガヤガヤ

 

艦娘たちが朝食を取っている。そこに、一際目立つ家族?がいた。

 

「おいしー。」

 

大鳳ミニが口の周りに食べカスをくっつけながら美味しそうに朝食を食べている。

 

「これも美味しいぞ。食べてみろ。」

 

「うん!」

 

ドミナントが大鳳ミニにおかずを勧める。

 

「こぼしてはいけませんよ。…口を拭きましょうね。」

 

「ありがとう!」

 

大鳳が、色々食べかすやらが付いているミニの口を拭いてあげる。ドミナントと大鳳の真ん中にミニが座っており、3人は笑顔だ。

 

「「「……。」」」

 

神様や、他の艦娘たちはその光景を見ながら、面白くなさそうに朝食を食べている。大半がつり目だ。

 

「…いつまでこの光景を見てなくちゃいけないのかしら?」

 

「…ドミナントの馬鹿…。」

 

「…夫婦みたいで、胸が詰まりそうです…。」

 

艦娘たちがコソコソ話す。そこに…。

 

「…ドミナント、艦娘たちが異様に見ているぞ。もう少し自重しろ。」

 

「お、おう。すまん。」

 

ジナイーダがドミナントの隣に座る。

 

「ところで、この子はどうするつもりだ?」

 

「そうだな。先輩神様に頼んで、元の世界に帰らせるつもりだ。」

 

「そうか。なら、今日で会うのが最後だな。」

 

ジナイーダが少し大きめの声で言う。そこで、艦娘たちの目が少し和らいだ。

 

「…今日で最後なのだから、少しくらい我慢しろ。」

 

ジナイーダはドミナントに聞こえないくらいの声で呟く。そこに…。

 

「たいほーさん。今日はどのようにして遊びますか?」

 

吹雪が精一杯のフレンドリー感を出しながら言う。

 

「きょー?…こうちゃ!」

 

「…え?」

 

「こうちゃのみたい!」

 

吹雪は、“やはり、司令官のお子さんですね”と苦笑いをする。一応言っておくが、目の奥はやはり死んでいた。

 

「紅茶か…。…あっ!そう思ってみれば、金剛たちとのお茶会も今日だったな。…一緒に行くか?」

 

「いくーー!」

 

大鳳ミニが目を輝かせながら、少し大きめの声で言う。

 

「…だ、そうだ金剛。おそらく先輩神様も同席する。良いか?」

 

「紅茶好きならbig welcome(大歓迎)ネー!…『おかーさん』はあまり歓迎したくはないデスガ…。

 

「ん?何か言わなかっ…。」

 

「なんとかなるネー!」

 

…………

午後 裏庭

 

フワァ…。…カッ!!

 

中庭が突然光出し、消える。

 

「…妾が登場するのは約100話ぶりかの?」

 

着物姿、銀髪ロングの先輩神様が現れる。

 

「お久しぶりです。」

 

ドミナントが待っていたかのように立っていた。

 

「ふむ。ドミナントか。…ところで、後輩との関係は?」

 

「全く進展してないですね。」

 

「そこはきっぱりと言うのか…。」

 

先輩神様がドミナントの近くへ行くと…。

 

「おとーさん。せんぱいかみさま?」

 

たいほーがドミナントの後ろで先輩神様を見ていた。

 

「!?。…そ、そうか…。恋は実らず終いか…。大鳳と結ばれたのか。…まぁ、それも其方の決断。妾は口出しはせぬ。」

 

先輩神様がたいほーを見るなり、突然言い出す。

 

「違います。…どうやら、この子は違う世界から来てしまったみたいで…。」

 

「違う世界?何故じゃ?妾がしっかりと管理しておるはずなのじゃが…。…溝はしっかりと埋めた筈じゃ…。」

 

先輩神様は難しそうな顔をする。そして…。

 

「…少し待っておれ。調べる。」

 

先輩神様が軽く目を瞑る。

 

「…そうか。この世界じゃな…。」

 

ゆっくりと目を開け、場所を特定したみたいだ。

 

「すまぬ。またどこかに溝が出来てしまっていたみたいじゃ。」

 

何事もなさそうに、無理に笑う先輩神様。

 

「…疲れているんですよね?神様の世界も管理させてしまっていますし…。なんなら、神様も少しそちらを手伝わせて…。」

 

「別に良い!…大丈夫じゃ。」

 

先輩神様が少し強めに拒否し、優しい顔で大丈夫と言う。

 

「…そ、そうですか…。」

 

ドミナントは不思議に思う。

 

……拒否の仕方がおかしい…。何かあるのか…?

 

ドミナントは思う。

 

……後輩をなるべく天界へ近づけたくない…。後輩は今忘れかけておるのじゃ…。元気に過ごしておるのじゃ…。思い出させたくはない…。そして、近づけたくない…。あの異常な親には…。

 

先輩神様は覚悟した顔で思った。そこに…。

 

「あっ!先輩!」

 

偶然通りかかった神様が来る。

 

「後輩。元気にしておったか?」

 

すかさず、優しそうな顔になり、神様に言う。

 

「うん!」

 

元気いっぱいの笑顔で返事をする神様。

 

「毎日アタックしておるか?」

 

「うん!」

 

「嘘つけ。」

 

「してるよ!なんで気が付かないの!?」

 

ドミナントたちが3人で話す。

 

「ところで、お茶会の件なんですが…。金剛たちと混合で良いですか?」

 

「シャレかの?…まぁ、構わんが…。」

 

「良かったです。では、こちらに…。…神様も来るか?」

 

「うん!えへへへ…。」

 

神様はドミナントと茶会をすることができると思い、頬を薄ピンク色に染め、幸せそうな笑顔を見せる。

 

「…可愛いと思ってしまった自分を情けなく感じた…。」

 

「ひどい!」

 

そして、お茶会の準備をした。

 

…………

30分後

 

「hey!提督ー!」

 

「スコーンを気合入れて作ってました!」

 

金剛と比叡が歩いてくる。

 

「遅かったな。言葉は不要か…?」

 

ドミナントたちは既に準備が終わり、椅子に座ってくつろいでいる。そこに…。

 

「提督、こんなに早く準備を…。…少し、休んではどうでしょうか?」

 

「提督が準備を…。私の計算が外れるなんて…。」

 

「榛名、心配してくれてありがとう。でも、その言い方だと少し傷つくな。霧島は直で傷ついたけど。」

 

榛名、霧島もやってくる。

 

「では、我々8人でお茶会をしよう…。」

 

「あやつはどうしたデスカ?」

 

「やられました。」

 

「ですが、彼女は我々の中でも最弱の存在…。」

 

「こんなに早くやられるとは…。私たちの恥さらしです。」

 

ドミナントたちはまるで呼吸をするかの如く合っていた。

 

「…このノリで行くの…?」

 

神様が言うが…。

 

「だけど、そいつのおかげでやつのとくせいもわかってきましたね…。」

 

「そんな恥晒しでも最後には妾たちの役に立つとは…。」

 

大鳳ミニたちも乗る。

 

「……。…でも、いずれ我々が真の…。」

 

神様が言いかけるが…。

 

「よし、じゃぁ、真面目にお茶会するか。」

 

ドミナントが意地悪する。

 

「ひどい!ひどいよぉ…。」

 

神様は途端にすごく悲しそうな顔をした。

 

「すまんすまん。おーよしよし…。」

 

ドミナントは神様の頭を撫でたり、よしよししたりする。実を言うと、ドミナントに撫でられた回数を言えば、ドミナントの人生の中で、一番だったりする。

 

「ふぇぇん…。」

 

「…ほれ。俺のお菓子やるから、元気出せ。」

 

ドミナントは、持っていたお茶菓子をみんなに配り、神様に自分の分もあげる。

 

「……。」

 

だが、まだ不満そうだ。

 

「…後でなんかしてやるから、元気出せ。」

 

ドミナントは撫でながら優しく言う。

 

「…うん。」

 

神様も納得してくれたようだ。

 

「ほぉう…。」

 

「「「……。」」」

 

「なかいいー。」

 

全員は終始見て、思うところがあったのだろう。

 

「なるほど…。距離は確実に縮まって来ておるのじゃな。」

 

先輩神様はニヤニヤして言う。

 

「…今のは確実に彼氏彼女の関係でしたね。」

 

「お姉さま…。」

 

「……。」

 

「お姉さまが固まってる…。」

 

金剛型4姉妹の金剛はずっと固まっており、霧島がドミナントたちを分析し、比叡と榛名が金剛に目を覚まさせようとしていた。

 

「なかいいー。」

 

一方、大鳳ミニは純粋すぎた。

 

「そんな…。…彼女なんて…。」

 

神様は耳まで赤くして、顔を伏せてもじもじする。

 

「まさか。俺がこいつの彼氏なら、お前たち全員も彼女に当てはま…。…そうだな。」

 

ドミナントが容赦なく無粋なことを言おうとしたが、神様がまた悲しそうな顔をすると思うので、言わなかった。

 

「ま、それはともかく、茶会でも開こう。」

 

そして、茶会が開いた。

 

…………

 

「…美味じゃのぅ〜…。」

 

先輩神様はドミナントに入れてもらった紅茶を飲んでいる。

 

「…まぁ、妾は緑茶派じゃがの。」

 

「じゃぁ、紅茶いらなかったですね。回収します。」

 

「い、いや。これはこれで…。」

 

ドミナントは早速先輩神様をからかう。

 

「…ところで、お前は紅茶じゃなく、スコーン目当てか…。」

 

「うっ…。」

 

スコーンを頬張る神様にドミナントが目を向ける。

 

「…ゴクン…。そ、そんなわけ…。」

 

「口の周りについているぞ。それに、紅茶と一緒に食え。たいほーを見てみろ。俺や金剛型のように優雅に飲んでいるぞ。」

 

「……。」

 

神様は目を逸らし、紅茶を飲む。

 

「…苦い…。」

 

「…わかった。ミルクティーな。」

 

ドミナントは苦そうに言う神様に一杯入れてあげる。

 

……神様は基本甘党か…。ん?比叡は今回アッサムか…。リフレッシュ効果のある紅茶だな。榛名はフランボワーズショコラ…。いいな。飲みたい…。そんじゃそこらの物ではあまり美味しく感じないが、おそらくガチ勢だろう…。ショコラの味がなかったりするからな…。霧島はモンターニュ・ブルー…。レヴェル高いな…。沢山の柑橘系の味がする奴だ。リラックス効果もあり、疲れも癒してくれる…。俺も入れたことがあるが、失敗してしまって、あまり美味しく感じなかったからな…。ん?たいほーはアップルティーを飲んでる…。金剛があげたのかな?先輩神様は比較的有名なアールグレイにしたけど、満足してもらえて良かった。そう思ってみれば、金剛は…?だが、大体は予想がつく。レモンハートだろう。希少価値の高い。

 

ドミナントは前と同じように金剛を見る。

 

「…金剛、何を飲んでいるんだ?」

 

ドミナントが金剛に聞く。

 

「『ラプサンスーチョン』デース!」

 

「あぁ、紅茶の原点か…。意外に普通なのを飲んでいるな。」

 

ドミナントたち紅茶好きで紅茶を愛している人以外の人は初耳だろう…。ちなみに、もちろん普通ではない。ダージリンやアッサム、ウヴァ、アップル、ピーチ、アールグレイくらいしか知らないだろう…。

 

「フッフッフ…。提督も飲むデスカー?」

 

「いや、その味は知っている。今は気分ではないのでな。」

 

「そうデスカ。イギリス産デスガ…。」

 

「うん。もらおう。産地によって、味は変わるからな。」

 

ドミナントは金剛に頼む。そのシーンを恨めしそうにたいほーが見ていた。

 

「…たいほーも飲むか?」

 

「のむー!」

 

「そうか。…俺に少し似ている感じがするな…。」

 

目を輝かせて、嬉しそうにする大鳳ミニをドミナントが眺めていた。そして、ドミナントと大鳳ミニがそれを飲み、うりふたつに唸っていた。金剛の持っている紅茶は一味も二味も違っていた。




次回は大鳳ミニがお別れしますね。鎮守府が少し寂しくなりそうです。
登場人物紹介コーナー
先輩神様…久々の登場。詳しい説明は、前にやったと思われる。
アッサム…世界で有名な紅茶。濃厚なコクと、渋みが強い。美肌効果なども期待でき、血液がサラサラになって生活習慣病の予防にもなる。リフレッシュにも最適。
フランボワーズショコラ…フランボワーズ(ラズベリー、または木苺)の甘酸っぱさとショコラのコクの深さが見事に調和された紅茶。すっきりとした味わいもあり、クセになる。
モンターニュ・ブルー…上品で優しく、ブルーベリーの香りがして、リラックス効果も期待できる。フルーツの味わい。ドミナントも挑戦したことがあるが、失敗してしまい、ほぼ味がなかった…。
アップルティー…市場で出回っている、比較的入手しやすい紅茶。林檎の香りと、すっきりとした甘さは飲んだことがあるはず…。
アールグレイ…リラックス効果があり、消化器官を助けるという効能を持っている。柑橘系の香りがして、すっきりとした味わい。
ラプサンスーチョン…紅茶の原点。匂いがとてもキツく、ドミナントも滅多なことがない限り飲まない。だが、コクがありクセになる味わいのため、絶対に飲まないわけでもない。
次回!第139話「溝」お楽しみに!

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