ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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あと、26話で終わるかな…?
「残り26話ね。ネタがないのにダラダラ続けてきて、そろそろ終わりね。」
あるのは設定のみ。ネタと設定は違います。
「その設定を説明するための回りくどい表し方だものね。」
まぁ、まだまだたくさん登場人物はいます。各鎮守府提督や、陸軍、海軍空軍各国の軍事関係者、異界からの使者(?)…などなど。
「100人くらいいるんじゃ…。」
まぁ、全員出てくるかわかんないけどね。
「そう。…というより、一つ良いかしら?」
何?
「妖精さんの出番がまるっきり消えているんだけど…。」
…まぁ、そりゃ…。出すところがないからだよ…。てか、説明したかな?この世界では妖精さんはほぼ絶滅危惧種だし…。各鎮守府に数人程度。
「そうなの!?」
だって…。どこの鎮守府も異形過ぎて、妖精さんが住めそうにないんだもの…。
「どんなの?」
それを言ったらインパクトが薄れる。意外と、物語を書いたりやったりするのは大変なんだよ。同士なら分かる。(あれだ同士よ…。)
「ネタが切れたらアウトだものね。」
もう既にアウトなんだよなぁ…。
「まぁ、そろそろ見ている人も「前置きなげーよ」とか思っちゃっているから、始めるわよ。」
瑞鶴も分かってきたじゃないか〜。筆者の域に達したかな?
「うわぁ…。同類とか最悪…。」
どうもどうも。
「……。…この人よ。」
「や!瑞鶴やないかい。ここはあの世か?」
召喚したものは、一時的に元気になるんで、あの世ではないです。
「あっ、食材ドロボーやないか。」
その呼び方やめてください…。
「一応、筆者さんよ。」
「へぇ、あんたが筆者?随分とえらい目に合わせてくれたなぁ…。」
おや?怒ってらっしゃる…?
「あのあと、提督に怒られたんやで…。」
いつだっけ?
「龍驤さん、爆撃して良いわよ。」
「じゃ、いっちょいきますか。」
ちょ、待…。
ドガァァァァァン!
「おめでとう。筆者さんは消去されたわ。」
「じゃぁ、あらすじに入るわ〜。」
…爆発オチなんてサイテー…。

あらすじや
第4佐世保は今大変なことになっとるんや…。早う提督たちが帰らんと、間に合わへん…。

…一応言うけど、まだアレからこの世界では1日前後しか経ってないからね?


174話 パラオ泊地の海 part3

…………

主任サイド

 

「〜♪」

 

主任が一人、鎮守府の中を歩いている。面白いことがないかと探しているのだ。

 

「なんもなさそうだなぁ〜。ハハハハハハ。」

 

所々弄りながら歩いていると…。

 

「あっ!Instructor(教官)!」

 

「芋っ!?」

 

「失礼な!」

 

角を曲がったところに艦娘がいた。

 

「えーっとぉ?誰だっけぇ?」

 

「前も同じ会話をしたような…。Intrepid(イントレピッド)です!」

 

「あ、そうなんだ〜。」

 

「……。…やっぱり、この流れは5、6回ほどやってる気がする…。」

 

「そうだっけぇ?…まぁ、そんなわけないよねー。」

 

「いえ、やってますよ。」

 

イントレピッドは微妙な顔をする。

 

「やっぱり、覚えてないんですね…。」

 

「ま、いいんじゃないの?どうでも。名前なんてさ〜。」

 

「いや、名前は大事ですよ。」

 

「ま!人それぞれだけどね。」

 

主任は覚えられないわけではない。覚えようとしないのだ。

 

「じゃぁ、説明してあげるね!」

 

「じゃ!頑張って〜!」

 

「行かせません。今まで行かせて、これですから。」

 

主任の襟を掴んで、引きずってでも止めようとするイントレピッド。

 

「…思い出した…。飛行機の説明する奴だったっけー…?ハハハ…。」

 

「飛行機じゃなくて艦載機です。たっぷり二時間ありますから、是非聞いてくださいね。…あれ?Instructor(教官)?どこに行ったんだろう…。」

 

掴もうとした時に、そこにある椅子と自分をすり替えていたみたいだ。そこに…。

 

「む?……。…イント…か?」

 

「Instructor(教官)…。何で名前を覚えてくれないんですか…。」

 

「?」

 

さっきの流れの後、ジナイーダが来る。

 

「戦闘機のヤツだろう?」

 

「まぁ、そうですが…。」

 

ジナイーダもつまらなさそうな顔をした。興味がないのだろう。

 

「Instructor(教官)はそういうのは…。」

 

「興味がない。」

 

ジナイーダが短く言う。

 

「今から魅力に気づきましょう!」

 

「気付きたくない。…今まで散々撃ち落としたからな…。」

 

「怖…。」

 

ジナイーダの恐ろしさを改めて実感するイントレピッドだった。

 

…………

 

「うーみーはー広いーなーおーっきーなー…。(低音)」

 

「暗い…。」

 

ドミナントが超低音で元気がなく歌う。目が死んでいた。

 

「どうしたの?」

 

ビスマルクが聞いてくる。

 

「…なんで海にいるのか分からなくて…。」

 

「…そうね。体育座りしたままだし。」

 

「そこじゃないんです…。」

 

「「「?」」」

 

「目のやり場に困るんだよぉ!!」

 

ドミナントの近くにいた女性陣が首を傾げ、ドミナントに言われた。

 

「谷間を俺に見せて楽しいか?過激なことが苦手な俺に見せて楽しいか?おぉん?」

 

「大佐、過剰反応だし被害妄想よ…。」

 

「…そうだな…。暑さにやられたらしい…。俺は帰る…。」

 

「泳ぎなさいよ。」

 

「おまいう?」

 

「おま…いう…?」

 

「お前が言う?って意味。」

 

艦娘たちにドミナントが返す。

 

「第一、泳げないし…。ダイビングは潜るから、泳ぐのとは違うし…。」

 

「泳げないの!?その歳で!?」

 

「言ったな?じゃぁお前はどうなんだ?そこで砂遊びしている俺より歳上の奴。」

 

「もちろん、泳げるよ?先輩神様が教えてくれたし。」

 

「お前に言われると精神的に大ダメージだな…。まさか、力比べ以外に負けるとは…。」

 

「普段、私をどんな目で見てるの…。」

 

「つまみ食いをして、自分の世界を放っている奴。」

 

「む〜!酷いよっ!」

 

「事実だ。」

 

神様にしれっと返すドミナント。そこに…。

 

「なら、泳げないなら特訓しましょう。」

 

セラフが言い出す。

 

「いや、いい。」

 

「何故ですか?」

 

「どうせ、死ぬ気の特訓だろう?サメに追わせるとか…。」

 

「私を普段どのように見ているかが良くわかりますね…。」

 

セラフは少しだけ不機嫌になる。

 

「泳ぐかシベリア歩きのどちらかにしたらどうだ?」

 

「ふざけんな。」

 

ガングートが言い、ドミナントが苦笑いしながら返す。そこに…。

 

「あらっ!ガングート!」

 

少し離れた位置に青い髪の子がやってくる。二人の艦娘を引き連れて…。

 

「なんだ、Gotland(ゴトランド)か。」

 

「相変わらず態度が大きいのね。」

 

「むぅ…。」

 

「まぁ、魅力的だけど。」

 

「そうか!」

 

……なんだかんだであの二人は仲が良いのか?

 

ドミナントは今のやりとりを見て思う。

 

「ところで、何をしているの?」

 

「大佐が泳げないみたいだ。」

 

「そうなの!?海軍なのに!?」

 

「厳密には一般人から成り行きでこうなったんだ。」

 

まぁ、ドミナントは元社畜だからなぁ…。

 

「ところで、引き連れてきた二人は誰だい?」

 

ドミナントが二人を見ると…。

 

「Richelieu級戦艦一番艦、Richelieu(リシュリュー)よ。」

 

「イタリアのマエストラーレ級三番艦、リベッチオです!大佐さん、よろしくね!」

 

リシュリューは不敵な笑みを浮かべながら、リベッチオは元気いっぱいに。

 

……これはまた、クセの強そうな…。

 

「第4佐世保鎮守府、表の提督ドミナントだ。よろしく。」

 

「知って…え?表!?」

 

「引っ掛かったな。フッフッフ…。」

 

リベッチオが騙された。しょうもないことをするドミナントに、大半が呆れていた。

 

「ところで、泳げないと聞いたけど…。」

 

「そうなんだよ。」

 

「特訓〜!」

 

「マジかい。」

 

新たに来た三人組に強制的に海に落とされるドミナント。

 

「あばばばば…。」

 

「「「沈んでる!?」」」

 

少し深い場所に連れてきただけで溺れるドミナント。

 

ザパァ

 

「ハァ…ハァ…。殺す気か!?俺は社畜だぞ!?」

 

「いばるのやめなさい。」

 

「俺はロボットなんやで…。」

 

「教官さんたちは泳いでいますけど?それに、まさか沈むなんて…。」

 

「……。」

 

「諦めて〜。」

 

「ちくしょう!」

 

ドミナントは岸に戻ろうにも、三人が行手を阻んで戻れない。

 

「不幸だわ…。」

 

「こんなに良い女性三人に囲まれてその言葉が出るとは…。」

 

「さぁ、泳ぎの練習をしますよ?」

 

「がんばれ〜!」

 

「…仕方ない…。」

 

ドミナントが渋々言い、三人が笑顔になるが…。

 

「AC化!」

 

「「「!?」」」

 

ザパァ!

 

「さらばだ。諸君。」

 

ブゥゥーン

 

ドミナントがACになり、海上に浮かんで逃げた。

 

「あっ!逃げた!」

 

「待ちなさい!」

 

「待てー!」

 

三人が追ってくる。

 

……フハハ…。AC化してブーストも使っているんだ。追いつかれるわけ…。!?

 

ドミナントは後ろを振り向いた途端、驚く。三人が鬼気迫る勢いで追いついて来たのだ。

 

「速っ!ちょ!待…!艤装つけてなくてその速さ!?泳いだ方が速いんじゃないの!?怖い!」

 

「待てー!」

 

そして、追いつかれた。

 

「わかった…。わかったからリンチは無しでお願いします…。」

 

「はぁ、はぁ…。よろしい…。」

 

そして、練習をすることになったドミナント。

 

…………

 

「では、『大佐もこれで一人前、この夏に泳げるようになろう!』seminar(セミナー)を始めます。」

 

「わー…。」

 

ゴトランドがセミナーを始める。ドミナントの目は死んでいた。夏じゃないというツッコミさえしなかった。休みが休みでなくなっていることに気づくのはいつだろうか…。

 

「まず、クロールから始めます。肘の角度が45度に曲がっていると、一番泳ぎやすい角度と言われています。」

 

「いや、分かりませんよ…。」

 

「では、泳いでください。角度を測ってあげます!」

 

「ちょ、待…ブクブクブク…。」

 

「肘をあと2度!」

 

「ブェビブバァァァ(出来るかぁぁぁ)!」

 

効果はいまひとつのようだ。

 

「Richelieu(リシュリュー)から言えることは…。泳ぐ時にバシャンとやって、バシッと…。」

 

「?」

 

「そして、スイ〜って…。」

 

「??」

 

「最後にブハァってやって、バシャって…。」

 

「???」

 

効果はいまひとつのようだ。

 

「リベにいい考えがあるよ!」

 

「「「?」」」

 

そして、最後のその方法がどれほどドミナントにトラウマを植え付けるのか、まだ誰も知らない…。

 

…………

ジナイーダサイド 司令室

 

「ふむ…。」

 

ジナイーダが機械をいじくっている。

 

……ついさっきまで誰かいたようだが…。気がつかなかったのか…?

 

ピピーピーピーピピピー…。

 

……やはり…。これは信号だ…。

 

ジナイーダがゴミ箱の中にあった、間違えたメモの紙を手に取り解読している。その間違えたメモたちを取り出し、照らし合わせて正確に解読しているのだ。

 

……数十海里先に何か信号がある…。この数は…多すぎる。それに、何か違う信号も2、3ほどある…。普通に考えて、これは艦娘たちが戦っている黒いヤツだろう…。…このスピード…。そして向き…。間違いなくここに向かってきている…。…計算すれば、明日の今頃にここに到着する…。試験どころではないな…。戦争だ。ここは戦場になる。

 

ジナイーダはすぐに分析した。

 

……?だが、この信号を送っているのは誰だ…?数十海里離れていれば、信号なんて届くはずがない。何者かがこの情報を渡していることになるが…。方角的に鎮守府があるはずがない…。確信が掴めない…。

 

ジナイーダが不審に思い、考え始める。

 

……確信がないまま兵を動かすのは愚の骨頂だ…。それに、今このことを話せばパニックが起きる。今までの訓練に耐えたあいつらにとって、十分に休まなければならない。もしこのことを伝えれば、明日の準備に取り掛かるだろう。休みもままならなくなり、準備をして疲労困憊している状態で戦えば勝率はより低くなる…。これが罠なら、準備を整えたところで何も起きない。起きなければ準備が無駄になり、疲労状態かつ士気が下がり、ますます戦力にならなくなる。そこにつけ込まれたらひとたまりも無い…。私たちが倒せば良いと思うが、すぐに結論をそこに持っていくのは正しいと思えん。今考えたのは、あくまでも“普通の”個体だった場合だ。もし、異常な個体が相手の場合は逆に危険だ。成長する個体だった場合は最悪だ。軽く挑んで成長させればますます厄介になる…。そのうちに私ですら倒せなくなり、艦娘たちでも倒せなくなれば世界は終わる。それだけは避けなければ…。

 

ジナイーダが考えていると…。

 

「誰?」

 

「!?」

 

出入り口に艦娘がいた。

 

「…Instructor(教官)?何をしているんですか?」

 

茶髪のポニーテールが聞いてきた。

 

「サ…ラか?」

 

「YES(はい).」

 

アメリカの正規空母Saratoga(サラトガ)だ。

 

「あと一人いるな。誰だ?」

 

「やっぱり、Instructor(教官)にはバレるわね…。」

 

ドアの横からひょっこり現れる戦艦の艦娘。

 

「Iowa(アイオワ)か。」

 

「YES(はい).」

 

同じく、アメリカ艦のアイオワが笑顔で答える。

 

「…もう一人…。艦娘?二人に続いてどうして…。」

 

「Bonjour(こんにちは). Enchantée(初めまして). Je m'appelle Commandant Teste(私の名前はコマンダン・テストです).」

 

「よろしく。」

 

コマンダン・テストが天井から降りてくる。

 

「「いたの(いましたの)!?」」

 

「気づかなかったのか?」

 

驚いた二人にジナイーダが返した。そして…。

 

「何をしに現れた…。ここはただの艦娘が来るべきところではない。」

 

「それを言うならInstructor(教官)もですよ。」

 

サラがジナイーダに苦笑いしながら言う。

 

「第一、ここは私たち以外立ち入り禁止よ?」

 

アイオワが苦笑いしながら言う。

 

「…そうだな。」

 

ジナイーダはメモを気づかれないように捨てて部屋から出た。話さないことにしたのだろう。

 

……夜明け頃抜け出して、様子を見に行く…。その時は交戦を避けなければ…。

 

そう思いながら二人と廊下を歩く。

 

「何をしていたんですか?」

 

「それは…。!そう。アレだ。あの機械は何という機械か気になってな。」

 

コマンダン・テストが聞き、ジナイーダが四角い機械を指差す。

 

「あぁ、アレは壊れているヤツです。噂では鎮守府が出来る前からあるとか…。…あれ?触った形跡が…。」

 

サラがうっかりボタンを押した。

 

『アーアーアーアー…♪cry…cry…cry…♪』

 

「直ってたのね…。…悲しい感じがするわ…。」

 

「暗い…何か閉じ込められているような…悲壮的な感じね…。」

 

「重圧感があるわね。」

 

「……。」

 

艦娘たちが言う中、ジナイーダは目を閉じていた。

 

「どうかしたんですか?」

 

「…どこかで…。…いや、気のせいだな…。」

 

「?」

 

ジナイーダは何か引っかかるところがあったみたいだ。

 

……年寄りがたまに口ずさんでいた曲と似ている…。いや、それはない筈だ…。ここは別の世界なのだから…。

 

ジナイーダはそう決めつけて、歩き出した。

 

…………

一方、ドミナントサイド

 

「「「あはははははは!!!」」」

 

「うるせー!笑うなー!」

 

神様が腹を抱えてのたうちまわり、セラフが口を抑えながらも笑う。ビスマルクも我慢してはいるが、笑い声が漏れる。ガングートは主任のように腹を抱えて笑っていた。とにかく全員、リベとドミナント以外が笑っていた。

 

「だ、だって…あはははは!」

 

「うるせー!覚えてろよ!神様ぁ!」

 

「す、すみま…クスッ…フフフフフ。」

 

「セラフぅ…!」

 

二人も笑ってしまっている。

 

「そんな感じ!上手になってきたね!」

 

「くぅ〜…!なんたる辱め…!大本営の時より辛いぞ…!」

 

そう。ドミナントはリベに手を取られながら泳ぐ練習をしている。文章にして書けば、それほどおかしくはないだろう。だが、側から見た図は…。幼い少女に手を取られて褒められながら練習しているおっさんだ。間違いなくドミナントにトラウマを植え付けた。そこに…。

 

『あー、あー…。もしもーし、聞こえてるかな〜?音量大丈夫ねー!』

 

鎮守府から主任の放送が入る。だが、どういうわけか本人に放送している自覚はなさそうだ。

 

「リベ、ちょーっと岸に戻してくれる?」

 

「あっ、うん。」

 

「ありがとう。」

 

ドミナントが笑顔でリベにお礼を言う。そして…。

 

『えーっとぉ?何がいいかな〜?』

 

『わ、私ですか?』

 

「あら?この声…Intrepid(イントレピッド)?」

 

ビスマルクがもう一人の声に反応する。

 

『暇だからって誘ったのはそっちだよぉ〜?』

 

『で、ですがまさか歌うとは…。』

 

「歌…あっ!応接室!」

 

ドミナントたちが応接室に走り出す。

 

『They'll tell you where to go….』

 

『いーじゃぁん!盛り上がって来たねー!』

 

「気づかないで歌ってる…!?てか、この人歌めちゃくちゃ上手い!」

 

ドミナントたちは気づかせてあげようと応接室に走る。

 

…………

応接室

 

ガチャ

 

「主任!」

 

「わっ…。」

 

ドミナントがいきなり入り、イントレピッドが顔を赤くする。

 

「あっ、すみません。カラオケの時にスタッフが飲み物を出してくる感覚ですね…。」

 

ドミナントはすぐさま謝る。そして…。

 

「主任、そのマイク違う…。鎮守府の全体放送用のマイクだよ…。」

 

「嘘っ!?」

 

イントレピッドはさらに赤くなった。自分の歌を全員に聞かれていたのだ。

 

「あっちなみに、その機械用のマイクはこっち。」

 

ドミナントが戸棚から埃かぶったマイクをイントレピッドに渡す。

 

「…えーっと…。歌、上手いですね。」

 

「やめてください…。慰めにもなりません…。」

 

半ば絶望。するとそこに…。

 

「た、大佐…。何でそんなに足が速いの…?」

 

ビスマルクたちが息を切らしながら来た。

 

「む?ドミナントか?主任に言ったのか?」

 

「言ったよ。」

 

ジャックたちも現れた。

 

「ここかしら?」

 

他の艦娘たちもだ。

 

「あれっ?皆んなどうしたのかなっ?」

 

主任が部屋から出てくる。

 

「マイクが鎮守府全体放送になってたぞ…。」

 

「あ、そうなんだ〜。驚いた。」

 

「…?」

 

ドミナントが今の言葉に怪しむ。驚いた割には全く動作に変化が見られなかったからだ。

 

「…主任…。わざとだろ?」

 

「まぁ、そんなわけないよね〜。」

 

「言え。今隠したところで、後でジナイーダにバレたらさらに酷い目に遭うぞ…。」

 

「…知ってた。」

 

「素直でよろしい。」

 

まぁ、結局はイントレピッドにより、殴られて吹っ飛ばされたのだが…。

 

…………

 

「機体がダメージを受けてまーす…。」

 

主任は吹っ飛ばされて壁にめり込んでいた。

 

「まぁ、主任もこれで懲りたろうから、イン…トレピッドさん。許してあげてください…。」

 

ドミナントがイントレピッドに謝りながら言う。

 

「…分かりました。」

 

「ありがとうございます。」

 

イントレピッドは許してくれた。そこに、ちょうどジナイーダたちも駆けつけた。

 

「…みんなせっかく集まったから、カラオケ大会でもやる?」

 

「?それは良さそうね。海にいるのも飽きてきたから。」

 

ドミナントが言い出し、ビスマルクが言う。艦娘たちもやる気みたいだ。艦娘たちはイベントを楽しむ生き物でもある。

 

「私もやるのか…?」

 

「楽しそうですよ?」

 

「そうなんだが…。」

 

「恥ずかしいなら、私と共にやりましょう?」

 

「…やるのか?」

 

「はい。」

 

ジナイーダが言い、セラフが笑顔で答えていた。

 

「私はこれかな〜。」

 

「神様…歌えるのか…?」

 

「歌えるよ!なんか、ドミナントから見て私の評価どれほど低いの…?」

 

「…そうか。…なら、聞いてみたいな。」

 

「うん。聞かせてあげるね。」

 

ドミナントと神様も話していた。

 

「…主任、我々はどうする?」

 

「見てるだけでいいんじゃない〜?歌いたければ歌えば良いしね〜。」

 

「…そうだな。」

 

ジャックたちは傍観するみたいだ。

 

…………

神様

 

『そんなに〜コシコシしちゃダメよっ♪』

 

…………

ジナイーダ&セラフ

 

『フレーフレー…♪』

 

『君の夢が、叶う場所♪』

 

…………

ビスマルク

 

『And for you, only you I would give anything…♪Leaving a trace for love to find a way…♪』

 

そんな感じで、楽しい一時を過ごした。明日が試験なので、全員全力で楽しんでいるのだ。嫌なことや寂しいことを忘れてドミナントたちと戯れたり、楽しんだり、興味を持ったり、笑ったり…。もちろん、ドミナントたちも例外ではない。艦娘たちに楽しませてもらったりして、1日が終わった。

 

…………

明け方

 

少し離れた海の上。ジナイーダがある方角をジッと睨む。

 

……いた。かなりの数だな…。

 

そして、発見する。数十海里先の方まで見えているのだ。

 

……信号が違う奴は恐らくあいつとあいつとあいつだろう…。

 

ジナイーダが確認した。

 

……やはり、狙いは…なんとか泊地だな。知らせに戻らなくては…。

 

そして、ジナイーダは戻って行った。あくまでも、偵察だからだ。

 

…………

 

……ハヤク…。モットハヤクイカナイト…。

 

渾は急いでいる。

 

……!?モクヒョウヲカクニン…。…?カンムスジャナイ…?

 

数十海里先のジナイーダを発見したのだ。相手の視力もそこまである。

 

……カンムスデナイナラタオサレルワケニハイキマセン…。

 

渾が戦闘態勢を整えるが、帰って行く。

 

……?コウゲキシテキマセン…。…ナラコウツゴウ。ムカシカクホシタポイントガアリマス…。ソコカラキシュウヲカケマス…。

 

パラオ泊地に影が忍び寄る…。




次回はいよいよジナイーダたちの試験ですね。というより、最初の方を見返してみました。…めちゃくちゃ甘い!200話超えたら、また下手な恋愛小説のような甘い展開をやるつもりです。甘いの大好き!(ゴフッ…[血が出た!])
終わりと思ったその時…。一人の艦娘の存在を忘れて書き直しの絶望感…半端じゃないっすよ…。
ダクソ日記 四人の公王が四人じゃなかった件について…。

登場人物紹介コーナー
Intrepid…イントレピッド。陽気でノリの良いハツラツとした艦娘。ムードメーカーとして知られていたりする。とてもフレンドリー。…ここまでを見ると、クセがなさそうに見えるが、実は航空マニア。ある時には2時間ぶっ続けで語ってくれる。ドミナントだったら5分で寝るだろう。
Gotland…ゴトランド。外見は物静かで落ち着いた感じ。だが、実際は結構アクティブ。かなり肝が据わっている上、良い意味で細かいことは気にしない。家事もそつなくこなし、面倒見も良い。提督とは彼女的関係。
Richelieu…リシュリュー。高飛車で我儘。同時期の他の戦艦と比べても「最強」と評価されていることを自負し気位が高い。基本的に自分勝手でマイペース。やりたくないことはやらない感じ。が、ジナイーダに命令されればどんなことでもやるだろう。断って演習などしたくもないからだ。
Libeccio…リベッチオ。元気いっぱいで、明るい性格。提督との関係は良好。ローマに憧れていて、たくさん食べて戦艦になりたいと思っている。…まぁ、普通に考えると夢がないが…。日本語を流暢に話せる。間宮食堂が好きなようだが、生憎この鎮守府にはない。全員がそれぞれお菓子を作るような感じだ。間宮食堂に行きたいと思っている。
Saratoga…サラトガ。明るく、丁寧で気立ての良い頑張り屋。穏やかな物腰。料理スキルは抜群。めちゃくちゃ上手いらしい。プリンツ・オイゲンや長門などと仲は良い。てるてる坊主を呪いの人形と間違えたりする。(そのうち絵画世界に吸い込まれそう…。)
Iowa…アイオワ。性格もアメリカン。ロワではない。英語がカタカナのような発音は置いておいて…。結構陽気で朗らか。ドミナントとの相性は良さそう。
Commandant Teste…コマンダン・テスト。お嬢様らしい、実に丁寧で礼儀正しい。料理が得意。
渾…コン。深海棲艦。大決戦時の幹部的存在。気に入った者なら、例え艦娘でも尊敬するし、頼みも聞く。意外と優しい一面もある。また、沈めたり殺したりするのはあまりしたくない。

ザーーーー…
次回、第175話「艦娘試験妨害阻止」です。

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