ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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まだまだ続く陸軍編。
「完全にバトルね。」
そっちの鎮守府は大変だけど…。
「瓦礫だらけ。見たことない子も手伝ってくれているわ。」
スティグロですね。まぁ、あと10話くらいでドミナントたち戻ってくるから。
「そんなにあるの…?」
そりゃ…。てか、前々から書いてたからね。今回のゲストは?
「この子みたい。」
「ジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦、サミュエル・B・ロバーツ。よろしく!」
名前なげぇ…。でも、強い駆逐艦だね。
「夕立と同じくらいかしら?」
そうかもね。よくわからんけど。
「何で知らないのよ…。」
瑞鶴ばかり使って、他の艦に会うのなんてたまにだから。あとは数合わせとか?
「私を優先しすぎよ…。…まぁ、うれしいけど。」
おや〜。瑞鶴がデレたぞ。見たかサム。
「はっきりと。」
「うっ…。」
いや〜。流石デレデレ瑞鶴ですわ〜。ハッハッハ。…あれ?サム?どうしてそんなに離れているの?
「……。」
まさか…。
ドガァァァァン!!!
グハァァァァ!!!
「全弾命中!もっとやっちゃって!」
「オーバーキル…。」
サ、サム…筆者が炭になる前に早くあらすじを…。
ボガァァァァン!
グファァァァ!
「わ、わかった。」

あらすじ
前回、特に良い感じの展開はなかったかなぁ〜。でも、ビスマルクさんが前より笑顔が増えて嬉しい。前はうわべだけの笑顔だったけど、本当の笑顔もするようになった!


187話 vs森崎少将

…………

廊下

 

「どこまで行くんですか…?て、あなたが息が切れているし…。」

 

「ヒィ、ヒィ…ハァ…ハァ…。」

 

ドミナントは走っているせいでバテている。

 

……あきつ丸がおそらく戦っている。まるゆを連れ出せたことを知らせなくては…。

 

ドミナントは疲れて立ち止まっていると…。

 

キシ…キシ…

 

『我は官軍*1我が敵は〜♪天〜地容れざる朝敵*2ぞ〜♪敵の大蔣*3たる者ハ〜♪古今無雙*4の英雄で〜♪之*5に從*6ふ兵*7は〜♪共に慓悍*8決死の士〜♪鬼神*9に恥ぬ勇あるも〜♪天の許さぬ叛逆*10を〜♪起しゝ者は昔より〜♪榮*11えし例*12有らざるぞ〜♪敵の亡ぶる夫迄*13ハ〜♪進めや進め諸共に〜♪玉散る劔*14抜き連れて〜♪死する覺悟*15で進むべし〜♪』

 

前の暗闇の奥から近づいてくる足音と軍歌が聞こえる。

 

「…誰だ?それに、軍歌…?」

 

ドミナントは正体の分からない者に聞く。

 

「…知っているとは驚きだ…。何千年も前の軍歌を…。詳しい考古学者などしか知らないはずだ…。それか、陸軍にスパイがいるか…。なんせ、この時代の軍歌は前の世代が伝え、次の世代へ継ぐように出来ているからな…。」

 

「何千年…?どういう意味だ…?」

 

「…答える義理はない。」

 

相手の顔が見えた。

 

「…俺は、森崎だ。」

 

「森崎少将!?」

 

まるゆが声を上げた。

 

「…知り合いか?」

 

「…いい人。」

 

まるゆが言うが…。

 

「…俺がいい人…か…。残念だが、それは違う。俺は俺の信じる正義を全うしているだけだ。」

 

そして、森崎少将は姿を現す。二つの刀を持っている。

 

「…勝負だ。ドミナント大佐。」

 

そして、一つをドミナントの前へ投げた。刀が横滑りする。

 

「なんなんだよ…。こいつ…。…断ると言ったら?」

 

「簡単だ。斬る。」

 

「…そうか。」

 

ドミナントは刀を手に取る。

 

……まずいな。剣なんて、社畜時代の俺には無縁のものだったからな…。第一、俺は戦い向きではない。トーシロだ。だが、そのまま斬られるのは嫌だからな…。て、これ重いな。

 

ドミナントは刀の重さを確認しながら思う。

 

「何故ですか!森崎少将!」

 

「まるゆ准尉。…俺も陸軍の端くれだ。戦わないわけにはいかない。悪であると分かっていても、俺はもう後にひけない…。」

 

「でも…。」

 

「構えろ!」

 

もちろん、ドミナントは構え方すら知らない。

 

「こう…か…?」

 

「…まぁいい。それで死ねば…、所詮はそれまでの男だというだけだ。」

 

「…そうか。」

 

「行くぞ!」

 

そして、森崎少将は刀を振る。

 

「わっ!」

 

キィン!

 

ドミナントは反射神経でなんとか受け止める。

 

ガギギギギギ…!

 

すると、目にも留まらぬ速さで刀を連続して振ってきた。

 

……くっ、振動が伝わって痺れる…。…刀を持てなくする気か…?

 

まぁ、それをそれで受けているドミナントもすごいのだが…。

 

「……。」

 

そして、森崎少将は後ろに飛び、距離を置く。そして、何かを取り出す。

 

「…なんだ?それは?薬か?」

 

森崎少将は薬を手に取り、ドミナントに見せつけ…。

 

「これは使わん。」

 

地面に投げ捨て、踏みにじる。

 

「…俺はこんなものに頼らず、正々堂々と戦う。例え相手が赤子でも、全力で倒す。それが俺だ。」

 

「…なるほど。強い。」

 

そして、構える。まるゆは二人をジッと見ていた。

 

「…受け切れるか…?」

 

居合斬りの構えをする。

 

……まさか、居合斬り?この距離でか?不可能だ。なんせあいつとの距離は10m少しあるのだぞ。受けきれる距離だ。舐められたものだな。

 

ドミナントは構えた。が。

 

ビュンッ!

 

……!?速…。

 

ズバァ!

 

ドミナントの脇腹を見事に斬った。

 

「…ぐはぁぁぁ!」

 

「……。」

 

血飛沫の上がる中、森崎少将に少しの血も当たらない。

 

「…それまでか。もうその傷では動くことも、助かることもない。…すまないな…。」

 

森崎少将は倒れたドミナントに近づく。

 

「…もし…、…違う出会いをしていたら、おそらく友人になれたのかもな…。」

 

「…お前…は…それで…良いのか…?」

 

「…俺は、俺の正義であり、任務を全うしただけだ。…まるゆを牢に入れ戻す。それも俺の任務だ。」

 

「……。」

 

「もう話すな。苦しむぞ?」

 

そして、森崎少将はまるゆの方を向く。ドミナントはそこから目の前が徐々に暗くなった。

 

……俺は…死ぬのか…?目の前が暗いな…。すまんな…。みんな。俺が不甲斐ない提督で…。最後まで迷惑をかけてしまった…。本当にすまない…。俺は…先に逝く…。あとは…任せた…。

 

ドミナントの意識がなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……お前はそれで良いのか?

 

どこかが何か聞いてくる。

 

……誰だ…?

 

……私が誰なのかなど、どうでも良いことだ。それより、お前はそれで良いのか?

 

……良いわけないだろう…!

 

……そうか…。いいだろう。ここでお前が死ぬのは、私にとっても不都合だ。力を貸してやろう。フッフッフ…。

 

……!

 

…………

廊下

 

ムクリ

 

ドミナントは起き上がる。

 

「…?どういうことだ?心臓は止まっていた筈だ。」

 

「メインシステム…、戦闘モード起動…。」

 

ユラァ

 

「…?それに、様子も少し…。!?」

 

ヒュッ!

 

ガギァィィン!

 

ドミナントは目にも留まらぬ速さで近づき、刀を振る。

 

「…どういうことだ…?出血も止まっている…。真の実力を隠していたのか?」

 

「ほう…。これを受けるとは…少し強いか…。」

 

キィン!

 

両者とも後方へ飛ぶ。

 

……なんだ?明らかに様子が変だぞ?出血も止まっている…。それに、今の力…。刀の振り方も、持ち手も変わった…。何が起きた?

 

森崎少将が考えていると、ドミナントが構える。

 

「!?あの構えは居合斬り…!?覚えたというのか!?」

 

森崎少将は驚かざるを得ない。自分が、何年もかけて手に入れた奥義を、ほんの一回見られただけで覚えられてしまうことに。

 

「…なんだ?なんなんだ?…お前は…誰だ?」

 

二人とも同じ構えになる。

 

ヒュッ!ガキィィィィン!!

 

刀のぶつかり合う音がする。

 

……間違いない。一番切れやすい力加減も同じだ。…それより、あいつはドミナント大佐ではないな。

 

森崎少将は警戒する。

 

「……。」

 

ヒュンッ!

 

ガギィン!

 

森崎少将の刀を見事に受けきる。

 

ギギ…ギ…

 

「…これは刀自体を切る奥義…。これでも切れぬとは…。」

 

「貴様の力…よくぞここまで練り上げた…。」

 

「…だが、この状態でも打開策はある。」

 

ガキャン!ガキャン!

 

完全なる力技。常人には決して受けきることなどできない。だが、それすらも受けきる。

 

「…何故だ!?」

 

「この力…久しいな…。」

 

「…これは…人間と戦っている気がしないな…。」

 

そして、遠くに飛ぶ。

 

「遠距離で叩くか…?」

 

刀を振った途端、カマイタチが起きる。

 

ギィィン!

 

ドミナントはそれすらも受ける。

 

「…最終奥義…。」

 

森崎少将は構え、ドミナントに斬りかかる。

 

スゥ…

 

もちろん、ドミナントは受けようとするが…。

 

サァ…

 

まるで呼吸をするがの如く、刀が受けられないようにしなり見事に避けた。

 

「くらえ!」

 

ズバァ!

 

「この感触…斬った。」

 

森崎少将は確信した。が。

 

「…なんだ?ドミナント大佐の後ろに黒いモヤみたいなのが…。」

 

斬ったのはそのモヤだ。そして、そのモヤがドミナントを覆う。

 

「…フッフッフ。これで終わりか?」

 

その黒いモヤの中、姿の見えないドミナントが言う。

 

「…そのモヤが正体だな。肉体もないのに、そいつをのっとるな!」

 

「それは出来ん。久しき肉体だ…。」

 

ドミナント?は刀を構える。

 

「久しい戦いの感じだ。楽しんでやるぞ。」

 

…………

 

「…ハッ!?」

 

ドミナントが気づいたのはあれから随分経ってからだ。

 

「……。」

 

まるゆが怯え切った目で、体が震えながらドミナントを見ている。

 

「まるゆ…?俺は…。!?」

 

ドミナントは今頃気づいた。自身の左腕が血の色で染まっていることを。近くに森崎少将が倒れていることを。その森崎少将の左腕がないことを…。

 

「大丈夫か!?」

 

ドミナントは慌てて、駆け寄り、応急処置を施そうとする。

 

「グ…ァ…。」

 

ドミナントは、自分の衣服を破り、包帯がわりにして圧迫止血をし、遠くに転がっている腕を持ってくる。

 

「まるゆ!起きろ!」

 

「…ハッ!?」

 

ドミナントは止血させながら、恐怖の世界からまるゆを呼び戻す。

 

「この近くにボックスはないか!?あとビニールもだ!」

 

「は、はい!」

 

まるゆは近くの部屋まで走る。幸い、人員はジナイーダの方へ行って、蛻のからだ。

 

「持ってきました!」

 

「ありがとう!」

 

そして、腕をビニールに入れ、ボックスに入れる。

 

「このままじゃまずいな…。救急車…は無理だ。この施設に病院はあるのか?」

 

「確か別の施設にあります。その施設は戦闘員がいないので、呼べば駆けつけてくれます。いつどこでも呼べるように、火災報知器の中にボタンが…。ありました!」

 

そして、まるゆはボタンを押す。

 

「よし、これであとは来る筈だ。」

 

「はい!」

 

「…森崎少将、もうすぐ来ます。それでは。」

 

そして、まるゆとドミナントは走って行った。

 

…………

道中

 

「ドミナント大佐、さっき、すごく怖かったです…。」

 

「…すまない。そこらへんの記憶はない…。何があったのかすら不明だ。」

 

「…そうですか…。実は、さっき黒い…。いえ、なんでもないです。」

 

「?」

 

まるゆは言うのをやめた。思い出させて、またあんな残酷なドミナントを見たくなかったからだ。

*1
かんぐん

*2
ちょうてき

*3
たいしょう

*4
ここんむそう

*5
これ

*6
したが

*7
つわもの

*8
ひょうかん

*9
きじん

*10
はんぎゃく

*11
さか

*12
ためし

*13
それまで

*14
つるぎ

*15
かくご




ドミナントの正体が少しだけ見えた瞬間ですね。
ダク 二週目があっという間に終わりそう…。

登場人物紹介コーナー
森崎少将…幼き頃陸軍に憧れて入隊。嫌な先輩に訓練させられていたところを陸田中将(当時は大尉)に助けられた。それ以来、陸田中将が訓練させて、育ててきた者。見事に軍刀を使う戦術に長けていき、今の地位へ短期間で上り詰めた。自分の正義を貫く信念を持っており、それは滅多なことがあっても曲がることはない。艦娘たちが現れる少し前から自身の技を開発していたみたいで、約3年ほど開発していた。艦娘に恩があり、艦娘とはなるべく戦いたくない。

「長門コーナーだ。今回のゲストは…。」
「森崎だ。」
「…だそうだ。…鎮守府襲撃時には艦娘たちに一切怪我を負わせて無いことに感謝する。」
「いやいや…。俺自身のしっかりした理由もなく怪我をさせるのは違う。愛国心は強いが、艦娘に罪はない。例え国を正しくするためであっても、なるべくは犠牲を出したくはないからな。」
「なるほどな。…道を間違えたのか?」
「いや。それは断じてない。俺は陸田中将に会って良かったと思っている。変わる前に沢山のことを教えてもらったり、鍛えてもらったりした。」
「恩か…。」
「恩…ではないな。」
「?」
「俺の正義は借りは借りた分だけ返す、多くてもダメだし少なくてもダメだ。あとは国を裏切らないことだ。」
「なるほどな。…技名などを教えてくれ。」
「いや…それはちょっと…。」
「?何故だ?」
「いや…。いくら自分で開発した技とはいえ、恥ずかしいぞ…。」
「…まぁ…な。なら、その軍刀について教えてくれ。」
「良いだろう。この軍刀は少将になった直後に陸田中将がくれたものだ。大事な戦いにはこの軍刀を使う。」
「?提督に投げたのはなんだ?」
「あれは同じ種類の奴だ。重量も切れ味も形も全て同じだ。唯一の違いは俺のほうはもらったものだったことくらいだ。」
「なるほどな。」
「…と、そろそろ次回予告だな。これから出番は全然ないから、俺に任せてくれ。」
「良いだろう。というより、私が次回予告をすることがなくなってきたな…。相槌を打つだけか…。」
「…まぁ…ねぇ…。…がんばれ。それしか言えん。次回、第188話『vs大郷少将』。ほう。大郷少将とやるのか…。と、なれば黒ヘリも出ているな…。どうなるのか…見ものだな。」

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  • たまにいらない
  • たまにいる
  • いる

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