ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
「2話分繋げてるからね。」
そう。でも、出来れば赤城まで出したかった…。
「まだ次の話できてないんでしょ…。」
まぁね。クリスマスだし、タウイタウイの関わりメンバー全員を出したかったんだけど…。…まぁ、出せるけどさ。
「投稿される場所は一番下だもんね。時系列とか関係なくなるし。」
まぁね。それと、まだクリスマス編を2話書かなくちゃいかん…。ゆるい日常とここで。
「大変だね。…そろそろ長いからあらすじやるね。」
急だね。まぁいいや。シグレン頼むぞ。
あらすじ
鎮守府ではちょっと大変なことが起きそうかな…。
…………
「ん…。」
叢雲の起床。現在臨時提督であるドミナントの、第八タウイタウイ泊地の秘書艦である。
「……。」
きっちりと服を着替えて、その他諸々無駄なく動いて秘書艦らしくする。そして、鏡を見て僅かなところを整え、変なところがないか確認した。
「よしっ!」
叢雲は確認が終えた後、背伸びをして窓の外を見る。
「いい天気のお昼ね。」
叢雲は空の太陽の高さを確認して言うが…。
「…お昼!?大遅刻!」
寝ぼけていたが気がつき、急いで部屋を出て執務室へ走る。
ガチャ!
「ごめんなさい!久しぶりに寝坊したわ!」
叢雲は執務室に入るのと同時に謝ったが…。
「…いないし…。」
ドミナントはいなかった。
…………
「はぁ…どこ行ったのよ…。」
叢雲はショゲショゲ鎮守府内を歩く。提督自室へ行っても誰もいなかった。
「…てか、みんなどこ…?」
ふと、本日は一人もすれ違ってないことに気づき、周りを見る。この長い廊下にも誰一人見えない。さらには、そこらの適当なドアをノックしても反応がない。
「…ん?こっちから声が…。」
歩き回っていると、中庭から声が聞こえる。
「みんなここにい…何やってんの!?」
「おー、叢雲。やっと来たか。」
「来たかじゃなくて、何してんの!?」
「え?元提督像の石投げ大会…。」
ドミナントたちが処分に困っていた元提督の銅像。鎮守府の艦娘など全員で、それに向かって石投げをしている。
「艦娘のストレス値を下げようと、冗談半分で石投げの張り紙を掲示板に貼ったら、1時間でほぼ全員集まっちゃって…。」
「半分本気だったのね…。」
叢雲が周りを見る。艦娘たちは前の提督の恨みを大声で叫びながら石を投げていた。
「…教育に良くないんじゃ…。」
「まぁね…。でも本当に、悪い人に対しても優しいだけじゃダメだし。純粋な子ほど、騙されちゃうからね。」
「…まぁ、そうだけど…。」
叢雲はそこらにあった石を手に取る。
「ばかやろーーー!」
叢雲は叫びながら石を投げた。そして、それが顔面のど真ん中に命中。
「…少しスッキリするかも。」
「そうさ。俺だって、日頃のイライラをぶつけてるし。」
「日頃のイライラって何よ…。」
「例えば…。」
ドミナントが石を手に取る。
「艦娘に危害を加えたクソ野郎がーーー!!!」
それも顔面のど真ん中に命中。
「…たまに、暁とか駆逐艦の子が呟くんだよ。前の提督はああだったのに…前の提督はすぐ怒って叩いていたのに…とかさ。それを聞くと、とても胸糞が悪いんだ。なんでそんな酷いことを平然と出来るのかなって。なんでそんなトラウマを植え付けたんだろうって。そんな酷い思いは俺一人だけで十分だって思ってた。けど…俺以外の鎮守府でそんなことが行われていた…。それを知って吐き気が込み上げたよ。俺だけの鎮守府しか見てこなかったのに、勝手に皆同じだろうと確信していた…。一ミリも行われているなんて考えなかった…。まるで喜劇さ…。…俺みたいな経験者を増やしたくないとか言っていながら、考えもしなかったなんて…。」
「あんた…。」
叢雲はドミナントを見る。ドミナントの目は少し俯いていて、悲しそうな目をしていた。
「…気がつかなくて当たり前よ…。皆んな、自分の鎮守府が忙しいんだから…。別に、皆んなが皆んな本当に、気がつかなかったあなたのことを責めているわけじゃないわよ…。怒りのやり場がないだけで…。このまま許したら、また痛い思いをする…またいじめられる…そう思っちゃうのよ…。だから…もう嫌だから、皆んな強く見せようとする。本当は弱い心なのに。私だって、最初見た時あんなに強気で言ったけど、本当はものすごく怖かったわ。足が震えて、歩けないくらい。あんたが最初に、私たちがいるかどうか聞いた時、怖すぎて見ることも動くことができなかった。もう真っ青な顔をして、震える身体を必死に堪えて…。でも、私が行かなくちゃまた誰かが痛い思いをするかも知れない…だったら、私一人がその思いをすればいいって思った…。…でも、あなたは前の司令官とは違う。本当に優しい…。そんなに考えてくれる司令官なんていないわよ…。違う鎮守府なのに…私たちの…ことを考えて…助けて…くれて…。あんたみたいな…司令官…が…いつか…帰っちゃう…て…分かっていても…どうしても…。…なんで…なんで…私たちの…司令官が…あんたじゃ…ないのよ…。」
「叢雲…。」
叢雲が泣き出し、うずくまる。
「あー!提督が叢雲を泣かしてるぞー!」
「うわー!最低です!」
「クソ野郎がここにもいるぞーーー!」
艦娘たちは状況を理解しておらず、ヤジを飛ばす。
「ま、待て待て!今本当に大事な場面だから…。」
ドミナントは叢雲に上着をかけてあげ、ずっとそばにいてあげた。
…………
「ごめんなさい…少し取り乱したわ。」
「いいよ別に。」
叢雲はしばらくして泣き止み、身だしなみを整えてキチッとする。
「でも、嬉しかったよ。」
「?」
「叢雲に、ここにいて欲しいって言われて。」
「…そりゃ、いて欲しいわよ。」
「…ありがとうね。でも…ね。」
「分かってるわよ。…それくらい。あんたにはあんたの鎮守府があるってことくらい…。」
「…たまに来るからさ。遊びに。」
「本当!?最後の別れじゃないわよね!?」
「お、おう…。いきなり食いついたな…。一応、パラオ泊地とも約束しているからね…。あっちは良くて、ここがダメなんておかしいし…。」
「……。そうね。必ず来ることねっ!」
「なんか上機嫌だな…。」
「別に?」
叢雲は、先ほどの悲しい心に温まるものを感じた。これが幸せなのだろうと思う。
「…ところで、あんた北上さんとはどうなったのよ?さっき一緒に石投げしていたみたいだけど…。」
「あー、それね?もう和解したよ。」
「え!?」
「簡単だった。」
「どういうことよ…。」
…………
遡ること数時間前…
「暇だなぁ…。叢雲来ないし…。寝坊なんて珍しい。」
ドミナントは執務室で椅子に座ってくるくる回る。
「…叢雲が寝ている間に、北上攻略するか。起きた時には和解してたら、きっと驚くだろうな〜。」
ドミナントがドアを開けて、北上たちの場所へ行く。すると…。
「北上さーん!?」
「んあ?あれ大井っちじゃない?」
大井が顔を真っ青にしてキョロキョロしていた。そして…。
「この際仕方がないわ!提督!北上さんを見なかった!?」
「い、いや、見てないが…。どうしたんだ?」
「北上さんが朝からいないんです!」
「今午前7時前なんだけど…。大井っちの朝って何時ごろなのよ…。」
「7時前です!」
「…え?」
「7時前です!!」
「お、おう…。今と同じ時間じゃ…?」
「2分も見てないんです!承諾もなしに!」
「お、おう…。」
……北上はいつもこんな感じなのか…?クソほど大変じゃないか…。
「一緒に北上さんを探すのに協力してください!」
「お、おう。分かった。」
ドミナントは半ば強制的に捜索させられる。すると…。
「いや〜。大井っちごめんごめん。急にトイレに行きたくなってさ〜。」
「北上さーん!」
大井が北上に抱きつく。
「ところで…なんでいるの?」
「いや、大井に北上がどこか探してくれって頼まれたのさ。」
「ふーん。」
北上は興味なさそうな顔である。
「あ、そうだ二人とも。ちょっと提案があってね。」
「「…?」」
「そんな怖い顔で見ないで…。これだよ。」
ドミナントが張り紙を見せる。
「前提督銅像石投げ大会。自由参加。ストレス値を低下させるため。どうよ。」
「…大井っちがやってみたいって言うなら…。」
「私はそんなくだらないものなんかに興味はありません。それより、北上さんと…。」
「大井、待て待て。少し提案がある。耳を貸してくれるか?」
「……。」
ドミナントは大井にコソコソ話す。
「よーく考えろ。もちろん、俺は君たちと和解したいのは知ってるよね?」
「まぁ…。」
「だから、俺は君たちの協力も惜しまないつもりだ。つまり大井が望めば、北上とのハプニングコースも選べるわけだ。遊んでいたらあんなことが…的なハプニングも期待できる。そうは思わないか?大井。大井にはその要素が必要だ。大井は大井だけで生きるべきではないのだ。」
「最後の方は何を言っているのか不明ですが…。良い話というのは確かよね?」
「そうだ。楽なことだとは思わないか。」
「……。」
そして…。
「やっぱり、行きましょう!北上さん!」
「う、うん。」
「やはりな…そんな気がしていた。」
そして一時間後、艦娘たちほぼ全員が集まり、中庭へ行く。
…………
「叢雲まだ起きてこないし…。」
「早くやりましょう!今すぐ!」
「お、おう。わかった。わかったから少し待って…。」
ドミナントが集まった艦娘たちに銅像を見せて説明する。一応、投げ終わったら溶かして売るので、粉砕などさせて片付けを大変にさせないように。
「始め〜。」
ドミナントが言った途端に、艦娘たちは次々に叫びながら投げる。暁たちは声は出ているが、残念ながら届いていない。その様子を見てほっこりする。
「提督、早くハプニングを…。」
「お、おう。分かったから…。…銅像に当てて、跳ね返らせて北上…さんを服ビリするというのは…。」
「…提督…。」
「ハッ!?」
ドミナントは、大井の声で地雷を踏んだと思った。大井の大切な北上に…下手したら、北上自身に怪我が及ぶかもしれないのに、そんな適当な案を出したからだ。もちろん、大井は…。
「最高の案じゃない!」
「お、おう。良かったよ…。そうだな…ホッとしているよ…今は…。」
別に、気にしていないみたいだ。そもそも、艦娘が石などで怪我するはずがないのだ。
「許可は取りましたからね。」
「まぁ…。」
大井がそこらにあった、握り拳以上のサイズの岩を取り…。
「これが、北上さんへの愛の1億分の1…!いっけー!」
「随分重いな!」
投げる。もちろん成人男性でも、10m先にある銅像に当たるなど到底不可能だ。せめて3mであろう。しかし、大井は…。
カコンッ!
「跳ね返った!?」
見事銅像に当てて、跳ね返らせた。
「おっと!」
「「!?」」
しかし、タダでやられはしない北上。見事に避けた。
「大井っち〜。危ないじゃ〜ん。」
「ご、ごめんなさい!北上さん!」
「まぁいいけどさ〜。」
大井が北上の場所へ行き、頭を下げて戻ってきた。
「…もう少し、何か速くて効果的な物を…!」
「全っ然反省してないなお前。」
「一応、もし問い詰められても提督から許可を得ていますので…。」
「うわっ。そのための許可かよ。うまく盾にしやがって…。」
ドミナントがゲンナリする。大井はさらなる物を探していた。
「これは、作戦が必要ですね…。」
「お前北上のこととなると見境なくなるよな…。」
大井がさらなる大いなる物を求めて作戦を立てていた。
「まず、私の慢心が敗因でした。こんな馬鹿らしい案に付き合った私の敗因です。」
「なんかひどくない?まぁ、否定できんけど…。」
「そもそも、服は砲撃によって破かれます。」
「そうだな。」
「と、言うことで何か深海棲艦を連れてきた方が効率が良いと考えます。」
「そうだ…え?連れてく…え?」
「そこで、その囮役は提督がやると言うことで…。来たら、私が攻撃するフリをして北上さんの動きを制限しますので、服が破かれます。そして、私が格好良く助けて…北上さんとラブラブに…。」
「お、大井…。色々ツッコミどころあるけど、いつの間にボードを召喚した…?」
「そこら辺は野暮なツッコミです。」
「さらに、俺が囮をやると言うところだけど…。」
「不満は言わせないわ。やれと言ったらやりなさい。」
「そこじゃなくて…。いや、確かに不満もあるけど…。図があるけど、俺カヌーに乗ってんだけど?それで海に行くの?せめてカヤックにしてくんない?」
「この泊地の裏にはカヌー1隻しかありませんので。」
「それで海の沖に行けと…。ブラック企業も真っ青だな…。」
ドミナントはこのままでは本気で出撃させられると感じて、新たな案を出そうと考える。
「そ、そうだ。なら…。」
…………
「きったかっみさ〜ん!」
大井がドミナントとの作戦後、北上の元へ戻る。
「大井っちどこにいたの〜?心配したよ〜?」
「ちょっとサプライズを計画していましてー。」
大井が北上の元へ近づく。しかし、それだけではなかった。
「お、大井っちー…?ナニシテルノカナ…?」
大井が北上の上半身のあそこをピンポイントで鷲掴みしていた。流石に北上も困惑。
「でへへ…。じゃない!えっと、提督が私たち艦娘の私服の調達でー。」
「と、とにかく鷲掴んでモミモミするのはやめようか〜…?」
「サイズとか測らないといけないらしくてー。」
大井は現在頭の中がお花畑である。ヨダレを垂らして変態な顔をしている。しかも、頭をそこに押しつけて…。
「流石にー、北上さんは測られるの嫌かな〜って思いまして〜。」
「お、大井っち…。変態みたいな触り方ダヨー…?」
「私が〜測るって〜相談したら〜良いと言いましたので〜。」
「…ふーん…。」
北上はしばらくして、ドミナントの元へ歩き始めた。
「き、北上さん…?」
「大井っち、そろそろ測れたよね?ちょっとどいてて。」
北上は大井を後にして、ドミナントの元へ向かった。
「…提督。」
「お、おう。北上…どうした…?」
「大井っちが私のサイズの寸法を測りにきたんだけど。」
「ギクッ…。う、うん。」
「大井っちから相談受けたんだよね?」
「ま、まぁな…。まぁ…。」
「…ふーん。」
北上はドミナントに近づく。
「…そうなんだ。…提督。」
「は、はい。」
ドミナントはバレて怒られると思い、体を強張らせた。
「…トイレの時の話なんだけどさ…。」
「…?」
「…あの時は悪かったよ…。また…いじめてくるんじゃないかって怖くて…。やり過ぎたと思ってる…。」
「…あー、あの時か…。別にいいよ。そうなる理由もあるんだし。そもそも、そこまで大きな怪我してないし。」
「…怪我してないんなら、良かったけど…。とにかく…。…ごめん。」
北上が頭を下げて謝ってきた。
「…北上は素直に謝れるんだぁ。」
「?」
「誰かさんとは違って。」
「おい!提督!誰のことだ!?昨日のこと撤回するぞ!?」
遠くで天龍の声が聞こえた。ドミナントは笑って手を振り、天龍はまったくとした顔で許す。
「…ところで、北上はどうして突然そのことを言うつもりになったの?」
「大井っちが相談したって言ったから。大井っちが仲良くしようとしているのを、私が邪魔するのはなんかアレじゃん?」
「……?」
ドミナントと大井は疑問しか残らない。
……北上…。そんな綺麗な話じゃないよ…。大井と俺はお前を中破姿にさせようとしてたんやで…。別に大井が俺に仲良くしようとしたんじゃないんだよ…。そうとも知らずに…おめでたい…。
ドミナントが微妙な顔をして思う。
「北上さん…!私のことを想って…!」
ガバッ
大井は北上に抱きついた。
「と、言うわけでして提督!これからは蟠りはなしということでよろしいですね!」
「お前はそれで良いのか…?」
ドミナントは散々大井に振り回されてしまった。そこに…。
「みんなここにい…何やってんの!?」
「おー、叢雲。…」
…………
「と、言うわけさ。」
「何その話…。私は何を聞かされていたの…?」
叢雲は脱力する。
「これで、大井北上天龍龍田はクリアだ。残るは赤城と長門だな。」
「どれどれ…。…あっ、いいえ。まだ残ってるわ。」
「ゑ?誰が?」
叢雲が書類をペラペラめくっていると…。
「残っているのは赤城と長門だけではないッ!!この木曾だッ!」
「ズキュゥゥン…て、やめーや。」
「いたわね。」
木曾が自信満々の顔でいる。
「姉さんたちは騙せても、この俺は騙されんぞ!」
「騙して悪いが仕事なんでな。」
「その言い方は誤解を招くわよ…。」
木曾は警戒心を丸出しにして、ドミナントたちに近づこうとすらしない。
「まぁ、騙したか騙していないかは本人が決めることだし。俺がとやかく言うことではないしな。」
「まぁ、あんたの言うことは正しいけど…。どうすんのよ。木曾さんだけ送るわけ?」
「言い方ひどいな。時間が解決するだろうってこと。」
「……。」
「…分かったよ。その案は捨てるよ。」
ドミナントと叢雲がコソコソ話す。木曾は無視されて何度も呼びかけている。
「木曾ー。」
「…なんだ?」
「なら聞くけど、どうすれば信用してくれるの?」
「信用しねぇっつってんだろ!」
「あそー。じゃ、俺は忙しいんでね。これにて失礼するよ。」
「ま、待てー!」
木曾がドミナントを止める。そして、ドミナントはまた叢雲とコソコソ話し始めた。
「なんで突っかかってくるのかしら…。こっちが帰ろうとしているのに…。」
「ふふーん。俺にゃ分かるのよぉ。」
「どういうこと?」
「木曾は今、孤立してしまったわけだ。」
「孤立?」
「ほら、俺を敵にしているから…。」
「…?」
「…北上と大井は俺を敵にしていたけど、今北上と大井は敵じゃなくなったじゃん?」
「…つまり、味方がいなくなっちゃったってわけ?」
「そう。自分の姉達はもう俺を認めているから、俺を敵にするとしても姉たちは協力しない。それどころか、敵になる可能性もある。しかも、自分だけ向こうに残されちゃったからね。孤立しちゃったから、俺に無理難題をクリアさせて、晴れて自分もー。的な感じだと思う。」
「何よそれ。面倒くさいわね。素直に言えば良いのに。」
「……。…そうだな。」
「何よその間。」
「いや?別に?」
「あんた、私が言えること?みたいなこと思ったでしょ。」
「……ソンナワケナイサー。」
「あんた…。嘘つく時は大抵目を逸らすから分かりやすいのよ!」
「そっち!?」
叢雲とドミナントはまた追いかけ追いかけられて遊んでいる。
「…おーい…。」
木曾は存在が忘れられかけている。ドミナントは叢雲に捕まってバシバシ叩かれていた。
…………
「いやー。遅くなってすまんな。木曾。」
「全く。」
ドミナントと叢雲が木曾の話を聞きに来た。
「で、木曾。単刀直入に聞くけど、俺に何して欲しいの?」
「べ、別にお前など…。」
「何して欲しいの?」
「……。」
「何もないじゃん。」
「ま、待て!今考えている…!」
「考えている時点で終わってるよ…。」
ドミナントは、近くにあったベンチを見つけ、そこに座って叢雲と木曾も座るように指示した。叢雲は、上官と座れるわけがないと断ればドミナントが立つと予想して素直に座った。
「…木曾。」
「ま、待て!少し待て!」
「…いいや、タイムアーップ。」
「く…!」
「…さて、冗談はさておき…。…木曾は、俺のことどう思ってる?」
「な…!ど、どう思っているかだと…!?」
「そう。」
「どうと言われてもな…。」
「たとえば、罪悪感とか敵対象とか…。」
「……。」
木曾は考え始める。長くなりそうだが、ドミナントはずっと待つ。
「…はっきり言うと、まだ警戒している。…今はもう敵対象の意識は薄れている。…それと…。…結構な罪悪感だ…。トイレでの件のことでな…。…お前が良い提督なのは分かる。…こんなに、姉さんたちや他の皆んなが笑顔になっているんだ。前は笑いもしなかったのにな。…俺は俺自身を許せねぇんだよ…。ここでお前に許してもらうと、俺の罪の意識は消えねぇ。」
「なら、どうして突っかかってきたのさ。」
「…お前に罰を与えてもらうのが楽だったが…。お前はそんなことしない奴だ。そこまで優しい奴だ。…だから俺が突っかかって、依頼を出し、俺が正しかったと、自分の中で納得したかっただけだ…。」
「…そ。」
「…それだけだ。」
木曾はそう言って、ドミナントを見る。
「うーん…。気持ちはわからんでもない。…かと言って罰を与えるのもなぁ…。」
ドミナントは少し考える。
「あ、なら良いことがある。」
「「?」」
「木曾の醜態を皆に見せびらかせ、木曾自身が羞恥心で顔を真っ赤にして表を歩けないほどのな。」
「「……。」」
…………
「これが…罰か…。」
「そう。罰だよ。」
「まぁ、平和的よね。…でも、木曾さんにそれはキツいかもしれないわね。」
「キツいどころじゃない!」
木曾が叫ぶ。
「おやおや?木曾ちゃん汚らしい言葉使っちゃダメだよ?プラス1時間になりたくなければ。」
「このゲs…ごほん、わ、わかり…ました…。」
木曾は我慢した笑顔で言う。現在、ドミナントや叢雲によって木曾の服装がフリフリのついた可愛い服を着させられている。いや、可愛いと言うよりも…キツい?
「くっ…殺せ…。」
「おぉ、くっ殺でた。叢雲、カウントして。」
「いやよ。」
木曾が羞恥のあまり死んだ方がマシだと考えたのだろう。
「だが残念!木曾に与えた罰はこれだけじゃあ無いんだなぁ。さぁ、その格好でこの泊地内の全ての施設に行くこと。」
「わ、わかりました…。」
……行ったフリしてやる…。
「あ、行ったフリするかもしれないから、一応スタンプ置いておいたし。これスタンプカードね?」
「……。」
木曾はカードを渡される。
「さぁ、そして無駄にあがく姿をよぉく見せておくれよぉ!」
「くっ…!俺はお前のような腐ったチーズには決して負けない!この俺が負けるわけねぇだろぅ!行くぞぉぉぉぉぉ!」
ドミナントがニヤニヤして木曾が歯を食いしばる。そして、木曾はスタンプを押しに走って行った。
「…行かないの?」
「え?うん。」
一方、ついていくと思って準備をした叢雲だが、ドミナントは行かない。
「そもそもこれ自体、木曾が罰を与えてくれって言ってこうなったんだし。やめたきゃいつだってやめても良いし。」
「まぁそうね。」
ドミナントと叢雲が歩く。すると早速…。
「こんにちは、提督。」
「こんにちは、朧。」
「さっき、ものすごい勢いで走る木曾さんとすれ違ったんだけど…。フリフリのついた服を着てなかった?見間違いだとは思うんだけどね…。」
「いや?着てたよ。どうしても罰を与えてくれーって言ってたから、あの格好で全ての施設へ旅するようにさせた。ま、今の木曾はレア度MAX衣装だから見れたならラッキーじゃん。」
「……。」
朧はどういう反応をすればいいのか困った顔をしている。
「ま、いいや。次はとうとうラストバタリオン、赤城か。朧〜、赤城ってどこにいるか知ってる?」
「う〜んと、自室か弓道場みたいなところにいると思います。あっ、弓道場みたいなところは、海側から出て西側の…。」
朧は丁寧に教えてくれた。
「そして、海岸沿いを行くと見えてきます!」
「へぇ〜。朧、ありがとう!」
「どういたしまして!」
そして、朧は軽く手を振ってから歩いてく。
「…いい子だなぁ。」
「あんたが皆んなに優しくしてくれたから、信用しているのよ。壊れた信頼関係がまた復活してきてるって言うのかしら?」
叢雲がその朧の後ろ姿を見ながら呟いた。そこに…。
「うおー!」
「おっ、戻ってきた。」
「めちゃくちゃ走ってる…。」
木曾が全力疾走して戻ってきたのだ。そして…。
「想像以上にハードだぞコラー!」
バッキャァァァ!
「ぐはぁ!」
木曾に、走った勢いのまま飛び蹴りされた。
「理不尽な…。」
「うるへー!ほらよ!スタンプだ!」
「あっ、全部やってきてる。」
「これでチャラだ!もう脱ぐぞ!」
「え、ここで…!?やめろ木曾!」
「うるせー!これ以上は俺は恥ずかしくて死ぬ!」
「お前の女性としての誇りが死ぬわ!叢雲!そこらのどこかの扉に木曾を連れて着替えさせて!」
「え、ええ。」
木曾は叢雲に連れられてどこかの部屋に入っていった。
「…外は平和だなぁ。次は赤城か…。」
ドミナントは窓の外の青空に鳥が飛んでいるところを見ていた。
次で赤城と信頼を築ければいいなぁ。
「間宮と…。」
「伊良子の…。」
「「お便りコーナー!」」
「はい、今回もやってきました第8回目!タウイタウイ限定ラヂオ!というわけでこのまま進めたいと思います。」
「今回の更新は少し早いですね。」
「なんでも、来年は休止らしいですからね。今まで溜まっている話を全部やるつもりじゃないですか?噂によると150話溜まっているとか…。」
「150話…。一日一回投稿でも、無理なんじゃ…。」
「その時は、あくまでも可能性なので、できるなら続けるみたいですけどね。」
「そうね。…ところで、そろそろお便りのハガキを…。」
「あっ!そうですね!えーっと今回は…ペンネーム『不幸な姉』さんからのメッセージですね。えーっと…最近、臨時提督が着任いたしました。やはり、前の提督と比べてしまいますが、どうしても比べてしまうくらい臨時提督は優しいです。…ですが、私は不幸艦なのでこの幸せは実は不幸なのではと、たまに思ってしまいます。実は、その臨時提督は裏ではものすごく恐ろしい人なのかもしれませんと。その正体を確かめるにはどうすれば良いでしょうか。…みたいです!」
「意外と本気の悩みが来ましたね…。正体を確かめる…ですか。」
「うーん…。今までずっと不幸だった人にいきなり幸福が来たら、たしかにちょっと不安になりますよねー…。」
「そうね。こっちも、朝や昼にお客が少なかったら、夜にどっと来るんじゃないかと不安ですし。逆に、夜少なかったら誰か轟沈したんじゃと不安になりますし。」
「ですよね。それと、正体を確かめるですか。うーん…カマをかけてみたり、少し話したりすれば段々と正体が掴めると、個人的には思いますが…。間宮さんはどう思いますか?」
「一緒に食事をしたり、お酒を飲み交わせば大体のことはわかりますよ。その人の目の奥を見てください。そして、感じ取ればどういう人生を歩み、何を考えているかなんてお見通しです。私たちは艦娘ですし。」
「まぁ、そうですよね。あっ、FAXから…。ペンネーム『不幸な姉』さんからです!…分かりました。ありがとうございます。…だそうです!悩み解決して良かったですね!」
「そうね。…このコーナーの終わりの曲が流れましたよ。伊良子ちゃん。」
「あ、はい!次回!第258話『臨時提督の終わり』みたいです!そろそろこのコーナーも最終回ですかー…。」
「仕方ありませんよ。最初からそういうコーナーでしたし。」
「そうですね…。まあ、最後は思い残しのないように全力でやります!」
「では、皆さん。現在時刻はヒトフタマルマル。まだまだ寒いですが厨房は常に暖房みたいな暑さです。…あ、そろそろ業務に戻らないと…。それでは今度、またこのラヂオでお会いしましょう。伊良子ちゃん、せ〜のっ。」
「「さようなら〜。」」
後書きが必要かどうか
-
いらない
-
たまにいらない
-
たまにいる
-
いる