ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
「ふぁ〜…。暇ですねぇ。」
「そうだな。」
執務室にドミナントと本日の秘書艦である如月がいる。そこに…。
ピーピーピーガーーーー…
大本営から連絡が届く。
「司令官、大本営からです。」
「うむ、ありがとう。」
ドミナントはその内容を見る。
…………
拝啓、各地の鎮守府提督皆様
本日は9月16日、敬老の日となります。身近にいる社会に尽くしてきた老人を労りましょう。
敬具、大本営記念日連絡係
…………
「……。そんな係があるのか…。」
ドミナントは微妙な顔をする。
「何か特別なことがあったんですかぁ?」
「いや、今日は敬老の日だから身近にいる社会に尽くした老人を労わるらしい。」
「そうなんですかぁ。」
「ああ。……身近にいる老人っていたかなぁ〜?」
ドミナントはふと考えてみる。
……艦娘たちは社会に貢献しているけれど、老人ではないしなぁ…。神様は論外だし、ジナイーダはまだ若いし、主任は社会に貢献していないし、ジャックも若い。セラフは…。
ドミナントが考えているところに…。
「司令官、いつもお疲れ様です。」
「え…?俺…?」
如月が笑顔で言う。しかし、ドミナントはどちらかというと若い。
……俺、25歳なんだけどなぁ…。しかも、俺そんなに社会に貢献していないし…。…艦娘からしたら俺は老人なのか…。
ドミナントは考えたあと…。
「如月…、ありがとう。」
「はい。」
ドミナントは心の中で涙を流しながら如月に笑顔になる。
…………
廊下
……それにしても、やっぱりセラフかなぁ…。でも、歳を聞くのは失礼だしなぁ…。
ドミナントはその考え自体が失礼だと気づかず腕を組みながら歩いていると…。
「や!ドミナント!今日は敬老の日だよ!」
神様に会う。
「ん?神様か、今日が敬老の日だってよくわかったな。」
「えへへ。…労わらないの?」
「いや、労ろうと思うんだけど、労わる相手がいなくてな。」
ドミナントが言うと…。
「ここにいるじゃない!」
「いや、誰?」
「む〜、目の前にいるじゃん!」
「……。まさか、お前か?」
「そうだよ!」
神様が元気いっぱいに答える。
「……。歳いくつ?」
「えぇ〜。な・い・しょ!」
神様が意地悪い顔で言う。
「わかった。俺は探さなければならないからな。それじゃ。」
「待って待って!!」
神様が慌てて引き止める。
「なんだ?」
「む〜…、聞いて欲しかったのに…。」
頰を膨らませる。
……くっ、可愛い…だと…!?そんな…馬鹿な……。
ドミナントが勝手に敗北していると…。
「私、まだ17歳だよ!」
「…え?嘘だろ?」
ドミナントは驚く。
……そんな馬鹿な。絶対に12歳とかそこら辺だろ…。
「……。本当か?」
「……。ごめんなさい。嘘つきました。」
「だろうな。」
……やはり、12か…。
ドミナントが予想しているが…。
「実は1400歳超えてる…。」
「…へ?」
……え?1400歳?いや、待て。神様ならあり得ないはずがない。なるほど。
「やはりな…。しかも、人間で例えると14歳だろう。」
「いや、それは違うよ…。人間で例えると本当に17歳だよ…。」
「……。嘘だ…。」
「本当だよ!」
「正直に言え。じゃないと嫌いになるぞ。」
「いや、本当だって!」
……ここまで言い張るなら本当みたいだな。
ドミナントは思う。しかし、そのせいで新たな問題が…。
「そうだ!私もう1400歳超えているから、法律的にはあんなこととかして大丈夫なんだ!」
神様が気づいたような感じになっている。
「!?。待て、神様。落ち着こう?な?わかるだろ?同じ鎮守府にいる仲間じゃないか。」
「えへへ…。エヘヘヘヘ……。」
神様はドミナントに一歩一歩近く…。
……目が…目がヤバイ!あれはヤバイ目だ!!このままでは俺が…。
そんなことを考えているうちに…。
「ドミナントーー!!」
神様がジャンプして飛びついてくる。
「…ハッ!!」
だが、それを回避できないドミナントではない。しゃがんでクラウチングスタートをして逃げる。
「アッ!ヨケラレタ!マテーー!!!」
神様もすごい速さで追いかけてくる。
「うおっ!?ついてくる!?やばいやばい!!」
…………
倉庫
「はぁ…はぁ…。ここまでくれば大丈夫だろう…。」
ドミナントは最近覚えたブースターを使って逃げ切った。
……だが、まだ鎮守府内部には戻れなさそうだな…。
そんなことを考えていると…。
「どうかしたんですか?」
「うおっ!?…て、セラフか、驚いた。」
セラフと夕張が何やら作業をしている。
「何をしているんだ?」
「はい。今は艦娘たちの装備を作っています。」
「そうか…。まぁ、セラフがちゃんと見ているなら兵器開発も許すんだけどな。まぁいいや。で、どんな感じなのを使っていたんだ?」
そう言ってドミナントは夕張とセラフが作っていたものを見る。
「こっちは魚雷です!こっちは弾を作っています。」
夕張が元気よくしっかりと説明する。
「なるほど。あと整備をしている…と言ったところか。」
「そうです!」
「そうか。ありがとう。」
ドミナントはそれそう言って頭を撫でる。
「えへへへ…。」
……本当に嬉しそうな顔をするんだなぁ。
ドミナントがそう考えていると…。
「で、ドミナントさん、何かあったんですか?」
セラフが聞いてくる。
「いや〜。今日は敬老の日らしいんだ。だから、身近に労わる人いないかな〜、ってさ。」
ドミナントが説明する。すると…。
「ならセラフさんですね!いつも艦娘の整備をしたり、私に教えてくれたり、鎮守府で不具合のある場所もすぐに解決してくれますし。」
夕張が元気に言う。しかし、セラフは…。
「いえ、私まだそんな歳じゃ……。」
「ありがとうございます!セラフさん!」
「……。ありがとうございます…。」
セラフは腑に落ちない感じに笑顔で礼を言う。
……さっき俺もあんな感じだったんだなぁ。
ドミナントが人ごとのように思っていると…。
「提督も!いつもありがとうございます!!」
「oh…。」
「…どうかしましたか?」
ドミナントが残念そうな顔をしたので、夕張が聞いてくる。
「…いや、なんでもない。ありがとう。」
「はい!」
夕張が笑顔になる。
「「あ、あははは…。」」
セラフとドミナントが微妙な顔をして笑った。
「あっ!セラフ、夕張。年は関係ないにしても、感謝しているよ。ありがとう!」
「あっ、いえ。私もドミナントさんに感謝しています。ありがとうございます!」
二人とも笑顔になる。側から見れば、仲の良い夫婦と、愛娘の高校生がいる。
(私たちには無しですか?)
「お、おう。妖精さん。もちろん忘れていないよ。」
(ほんとです?)
妖精さんが疑いの目を向けてくる。
「本当だって。その印に、ほら。」
ドミナントは高級菓子を妖精さんたちに配る。
(おおおお!!これは1日100個限定高級菓子!誰も食べたことがないとネットで有名な…。)
「ああ。そのお菓子だ。朝早く並んで買い占めた。」
(提督ーーーー!!)
(提督ゴッド!)
(キャーー好きよー!!)
(お菓子だ!妖精さんたちの魂!)
(そうだ!我々妖精の正義ははここにあり!)
(((うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!)))
妖精さんがドミナントに集まる。
…………
演習場
「ここはやっぱり演習しているなぁ…。」
ドミナントは演習場で演習している艦娘たちと主任を見ながら言う。
「あっ!提督です!一旦休憩にしましょう!」
古鷹が言い、艦娘たちの目に光が戻るが…。
「ギャハハハハハ!そうだねぇ。じゃぁ、俺に一発当てたら休憩しようか。」
その一言で再び光を失うのだった…。
2時間後
「提督。ありがとうございます。」
艦娘たちが次々にお礼を言っていく。
「な、何がだ?」
「私たちのことを心配で見に来てくれたんですよね?提督が来てくれたおかげで休憩に入ることができました。」
艦娘たちが笑顔になる。
……どれだけ酷い演習を毎日行っているんだろう…。
そこに…。
「ギャハハ!ドミナントじゃん、どうしたのかな?」
「いや、今日は敬老の日みたいでな。歳関係なく日頃の感謝を伝えに来た。主任、みんな。ありがとう!」
「ギャハハ!珍しいねぇ。」
「いえ、こちらこそ私たちのことを思ってくれてありがとうございます!」
「「「ありがとうございます!」」」
艦娘が笑顔になり、主任が笑う。
いい感じになったが、この後も演習である。
…………
娯楽室
「さて、ここが最後だな。」
ドミナントはダンボールを被って神様をやり過ごし、娯楽室に着いた。
……本当にダンボールってすごいな。愛用品にするか…。
そんなことを考えていると…。
「む?ドミナントじゃないか。どうした?」
ジナイーダがジャックや吹雪と遊んでいる。
「あっ、司令官!司令官も遊びませんか?」
吹雪が言う。
「ありがとう。少し遊ぶのも悪くないな。如月も呼ぼう。でも、先に言うことがある。」
「「「?」」」
全員首を傾げたりする。
「今日は敬老の日みたいでな。歳関係なく感謝を伝えに来た。ジナイーダ、ジャック、艦娘のみんな。ありがとう!」
ドミナントが言う。
「私たちも司令官に感謝しています。むしろ、私たちが言わなければならないのに…。」
「いいんだ。国のため、この鎮守府のために働いているお前たちに感謝しているからな。」
「それなら、私たちも、私たちのことを思っている司令官に感謝しています。ありがとうございます!」
「「「ありがとうございます!!」」」
吹雪に合わせて、ほかの艦娘たちも礼を言う。
「……。まぁ、お前だけに言われるのもシャクだ…。…ありがとな。」
ジナイーダがそっぽを向きながら言う。
「私は働いていないのに。変なやつだ。まぁ、そういう奴も嫌いではない。ドミナント、私を拾ってくれて感謝している。」
ジャックがドミナントにまっすぐ見て感謝を伝えた。すると…。
「フフフ…ドミナント。ヤットミツケタァ!!」
神様が飛びついてきた。しかし、ドミナントは受け止めてまっすぐ神様を見つめる。
「エッ…?避けない…?」
「最後に神様、たまにイタズラしたり、嘘をつくのは悪いと思うが、お前と話すと嫌なことも忘れられる。いつもありがとな!」
ドミナントがしっかりと伝えた。
「え…。…ズルイよ…こんな時だけしっかりと感謝を伝えてくれるなんて…。」
神様は顔を赤くしながらモジモジしている。
「まぁ、こんな日だから言えるんだ。」
「そ、そうなのかなぁ?」
ジャックが神様に言った。
「さて、もう夕方だな。艦娘や、妖精さんたちを集めろ。感謝の印に今日はどこか食べに行こう。俺の奢りだ!」
そう言って飲食店を予約して食べに行ったのだが、“ドミナントさんだけに奢らせるわけにはいきません!”と、みんなが反対した。優しい世界である。
はい!終わりました!これは、みんな優しい世界ですね。ドミナントがどれほど信頼されているかがわかります。