ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
…………
第4佐世保鎮守府 執務室 昼間
「フッフッフ…。」
提督椅子に座りながら、一人静かに笑うドミナント。
「あら提督、何か私の格好に不満がありまして?」
本日の秘書艦である、熊野が言う。もちろん、クリスマスグラだ。
「いや、今日はクリスマス…ということは、駆逐艦たちがそわそわしているだろう…。…考えただけでも可愛い…。」
「…気持ち悪いですわ。…この格好は嫌なんですが…。」
「フッフッフ…そうは言いつつも、満更ではなさそうじゃないか。」
「…提督は、この衣装どう思いまして?」
「可愛いぞ。」
「…気持ち悪い…。」
「…じゃ、さほど可愛くない。」
「ぶん殴りましてよ?」
「どう言えば正解なんだよ…。」
ドミナントは熊野に振り回される。
「そうですわね…。例えば、『似合っている』や、『素敵だね』などを所望していましたわ。」
「気が利かない提督ですみませんね。」
ドミナントが若干拗ねる。
「それより、仕事が終わったのなら…。」
熊野が話そうとすると…。
バァン!
「熊野ー!暇ー?」
鈴谷がノックもせずに入ってくる。
「す、鈴谷!?」
いきなり扉が開けられたことにより、驚いて上ずった声を上げる熊野。
「ちーっす。提督ー。」
「やはり、クリスマスグラは素晴らしい。」
そう、鈴谷もクリスマスグラだ。
「ところで提督ー。」
「何かね?」
「駆逐艦の子たちがさー。」
「フッフッフ。」
ドミナントは、駆逐艦の子たちがサンタさんにお願いをしているところを思っている。
「提督からどんなプレゼントもらうのかそわそわしているよ。」
「……。」
ドミナントは現実を思い知らされる。
「…俺に?」
「そうだよ?」
「良かったですわね。思っていたことがその通りになって。」
鈴熊コンビは言う。
「…違う…。」
「「?」」
「違うんだ…。」
「な、何が?」
「どうかしまして?」
「俺が想像していたのは…、駆逐艦の子たちが、サンタさんを寝ないで待っているところを思っていたんだ…!」
「「……。」」
黙る二人。
「…提督、今時サンタを信じる人なんていないよ。」
「そうですわ。そんな人が存在するなんて、誰も信じておりませんよ?」
二人が言う。
「…駆逐艦、誰も信じぬ、サンタさん…。」
「「……。」」
…………
数分後
「う〜ん…。」
ドミナントが唸る。
「提督、トイレなら外出て左だよ?」
「…提督はこの部屋で何をするつもりでして?」
「んなわけあるかい!話をややこしくするな鈴谷。」
「ごっめーん♪」
「確信犯だな…。」
ドミナントたちが話していると…。
バァン!!!
「ドミナント!クリスマスだよ!どこか行こ!」
神様が入ってきた。
「ノックぐらいしようか?ドア壊れるから。」
「クリスマス!今イルミネーションやってるから、夜に見に行こう!二人で!」
「うん。ごめん。夜は用事が…。」
「…いいんだよ…。そんな嘘つかなくても…。」
「いや、本当だよ。」
「最近私のことを構ってくれないし…。どうせ私には飽きたんでしょ!もういいよ!」
神様は走って廊下を走って行った。そこで、少し泣き声が聞こえた。
「うーっわ…。提督、それはないよ。」
「…人間のクズですわね。あぁ、ごめん遊ばせ。人間ではありませんでしたね。じゃぁ、ただのクズですね。死ねば、汚染も少しは軽減されるのでは?」
「俺が悪いのか!?それに熊野…流石にメンタル壊れる…。」
ドミナントの心はズタズタだ…。
…………
廊下
「クーリスマスが今年もやぁて来るー。」
「何ですか?その歌。」
ドミナントと鈴熊コンビが廊下を歩く。
「神様どこだろう?」
3人が歩いて行き、娯楽室に入る。
…………
娯楽室
「おー。でっかいもみの木だな。」
ドミナントは、華やかな飾り付け、てっぺんに輝く星、そして、綿だらけのもみの木を見る。艦娘たちが一生懸命飾り付けをして、楽しんでいる。
「今日、ジャックさんが買ってきてくれたのです。」
「私の自腹だ。」
電とジャックが言う。
「ジャックが自腹とは…。ありがとう。今度、お昼を奢らせてくれ。」
ドミナントが言う。
「…まぁ、これで新しい商品の告知も出来たことだしな。」
ジャックは呟いたが、誰の耳にも届いていない。
「…ん?何で葉っぱに短冊が吊るしてあるんだ…?」
ドミナントは短冊を見る。
…………
最強の称号を手に入れられますように。
ドミナントと、少しは仲良くなれますように。
胸が…。
…………
「…?誰だろう?」
ドミナントは名前を見ようとしたが…。
「何を…している…?」
ビクッ
後ろにジナイーダが立っていた。ドミナントが驚いた。
「え?いや、これ七夕だよね?だから、クリスマスはそういう行事ではないことを知らせようと…。」
「…そうか。私が回収して言っておく。」
「え?でも、それだと大変だし、何より、『提督』がやるべきことのような…。」
「私が回収しておく。」
「……は、はひ…。」
ジナイーダからただならぬ何かを感じとり、『はい』としか言えないドミナントであった。
…………
「ところで、電、サンタっていると思う?」
ドミナントが期待を膨らませながら聞く。
「う〜ん…。いない。…とは言い切れないのです。でも、いると信じているのです。だから、サンタさんに会うまで起きているのです!」
「うん…。電は可愛いなぁ…。」
ナデナデ
ドミナントが少し涙を滲ませながら電の頭を撫でる。
「あっ!ずるい〜!私も撫でてー!」
「クリスマスプレゼント…ゲーム…。」
「わ、私たちを撫でないのは平等とは言えないと思います。」
「いいなー!」
吹雪型の皆さんが押し寄せる。すると…。
「私も撫でられたい。」
「ボ、ボクのこと忘れてないよね…?」
「私にも撫でられる権利がある。」
「あらぁ、私たちだけ除け者にする気ぃ?」
睦月型の皆さんも来る。そして、それがどんどん増えていき…。
「た、助けてくれー!」
駆逐艦の大半がドミナントの周りに…。
「逃がさない!」
「なでろー!」
「逃がさないよぉ。」
「うぁ…ぁぁ…。」
ドミナントは断末魔をあげながら駆逐艦娘に埋め尽くされ、見えなくなった。
「…提督、人気あるね。」
「なでなで…。」
「熊野?」
「…ハッ!?な、何でもないですわ!」
「?」
…………
廊下 夕方
「なんとか…逃げ切れた…。」
「煙玉なんて、どこにあったの?」
「煙くて、警報機がなるところでしたわよ。」
3人は、また廊下を歩く。すると…。
『ギャハハハハ!』
外から主任の声が聞こえて、ドミナントがチラリと見る。
『う〜ん。楽しみだ。あとで試してみよっと!メリー!クリスマース!アーハハハハハ!』
主任が、空を飛びまくっていた。
「……。」
「?どうしたの?」
「どうかしまして?」
「…いや、なんでもない。幻聴が聞こえただけだ…。」
ドミナントは見なかったことにして、再び歩き出した。
…………
外
「結局、中にはいなかったな。」
「外さっむ!」
「この季節は寒いですから、うんと厚着することを推奨しますわ。」
3人が外に出て、鈴谷が寒さで根を上げた。熊野は寒いことを対策していた。
「…仕方ない。これを着ろ。」
ドミナントが上着を鈴谷に渡す。
「え、でも、上着を鈴谷に預けたら、提督の着るものは?」
「俺は…平気だ。いざとなればAC化すれば良いし、体が資本のお前たちが、病気になっては敵わん。」
ドミナントが鈴谷に提督の上着を預ける。
「…つまり、私たちの体を想って、病気になって欲しくないからということではなくって?」
「……。」
「どうやら、当たりだね。」
ドミナントは黙っていた。
「ありがと!」
「…やはり、キザにはできないものだな。」
「提督のキャラじゃないから無理だよー。」
鈴谷とドミナントが話す。
「…わたくしも、厚着しなければ、今頃…。」
「熊野ー、行くよー。」
「…わかりましたわ。」
そして、3人は歩く。すると…。
「ん?ポストの中に手紙がぎっしり…。」
ドミナントがポストを開け、手紙を読む。
…………
メリークリスマス!クリスマスも演習だ!いつかお前たちを超える! 第3呉鎮守府
…………
こっちはホワイトクリスマスだよー。ジナにもよろしくね。あと、そっちに何か送ろうか?そして、メリークリスマス! 第2舞鶴鎮守府
…………
メリークリスマス。…こっちの世界では『ドミナント』だったわね。何かなくてもたまには連絡ちょうだい。また会える日を心待ちにしているわ。 大湊警備府
…………
メリークリスマスだ。ドミナント大佐。たまには私の鎮守府に遊びに来ないかな?君とは気が合いそうだ。階級なんて関係なく、気軽に訪ねてきてくれ。 第2佐世保鎮守府
…………
拝啓 ドミナント様
メリークリスマス。やぁ、覚えておるかね?中山だ。こちらに連絡がないということは、そちらも平和なのだな?少し前に、未確認深海棲艦を駆除してもらえて助かった。一度と言わず、二度までも助けられたからには、何があっても、君の力になろうと思う。遠慮はいらない。
敬具 第2横須賀鎮守府
…………
拝啓 第4佐世保鎮守府 ドミナント様
寒い季節になりました。そちらはいかがお過ごしでしょうか。こちらは、雪は降っておらず、寒くて、乾燥した気候です。武蔵はお元気でしょうか?今度、会いに来てくれると嬉しいです。メリークリスマス。
敬具 大本営 大和
…………
拝啓 ドミナント大佐
メリークリスマス。そちらは元気にしているかね?こちらは、大和と仕事をして、忙しいが元気だ。毎日、平和なのは良いことだ。そちらに何かあったら、遠慮なく知らせてくれ。
敬具 大本営 元帥
…………
「すごい数だな…。」
ドミナントが呟き、鈴熊コンビが内容を覗く。
「て、ててて提督!?だ、大本営からの手紙なんて、滅多に届くようなものではなくってよ!しかも、元帥殿や大和さんまで…。」
「それに、その他の手紙って、大物ばかりの鎮守府じゃん…。提督一人を敵に回しただけで、これだけの戦力が動くと考えてもおかしくないじゃん…。」
二人は驚き、興奮しながら言う。
……確かに、よくよく見れば、この世界の人間たちにとって、この人たちを絶対に敵に回したくはないな…。天才の佐藤中佐、パワーの難波少将、その気になれば、国家を動かせる中山大将、人望あふれる八神…いや、星奈提督、戦術の佐々木少将、どれもこれもヤバすぎる…。
ドミナントは、今頃恐ろしさに気づいたのだった。
…………
倉庫
ガラガラ…
「ここか?…ん?何だこれ?」
ドミナントは近くにあった、ビニールシートがかぶってある大型の機械を見つける。
「あっ、提督。」
夕張が、ドミナントに気づき、寄ってきた。
「…夕張…、また…無許可で兵器開発か…?」
ドミナントの体の芯まで凍えそうな声を出す。
「ち、違…。」
夕張は、体がカタカタ震え、目の縁に涙がたまる。
「じゃぁ…これはなんだ…?」
「私が許可を出しました。」
セラフが奥から姿を現す。
「…そうか。ならいい。夕張、疑ってすまなかった…。」
ドミナントは頭を下げる。
「え…。い、いえ、別に大丈夫です。」
夕張が許してくれた。
「…でも、ドミナントさん。」
「なんだ?」
「この場で確実に、皆さんに恐怖を与えましたよ?」
「あ…。」
機械に隠れて様子を窺っているセントエルモ、鈴谷が、ドミナントを本気で怒らせちゃいけないことを心に誓い、熊野は鈴谷の後ろで怖がっている。夕張は言うまでもない…。
「…皆、すまなかった。」
ドミナントは謝るが、あとの祭だった。
…………
「神様ですか?」
「ああ。見当たらないんだ。」
「こちらには来てませんね。」
「そうか…。」
ドミナントとセラフが話したあと…。
「夕張、セントエルモ、セラフ。」
「はい。」
「何か用?」
「どうかしましたか?」
ドミナントが呼び、3人が集まる。
「サンタにプレゼントはお願いしたかい?」
「サンタ…?…本当に、いるんですか…?」
「!?」
夕張が聞いてくる。ドミナントはピュアな心を持った夕張に驚く。きっと、否定されると思ったからだ。
「いる。そして、俺は友達だ。」
「!?提督はサンタとも友達なんですか!?」
「ああ。プレゼント伝えておくから、教えてくれ。」
「ええ…。提督に教えるのは…。」
夕張がもじもじする。
「…じゃぁ、欲しいものを書いた紙を窓にセロハンテープで貼ってくれ。そう伝えておくから。」
「わかりました!」
夕張はピュアな心を持っていた。…深夜アニメを見るが。
「……。」
一方、セントエルモは黙っていた。
……サンタなんて、いるわけがない。夕張ちゃんが簡単に騙されてる…。悪い人に騙されないようにちゃんと注意しておかないと…。
セントエルモは思うが…。
「セントエルモちゃん、書こう!」
夕張が笑顔で言ってくる。
「…あのね、夕張ちゃん…。」
「みんないないって言っているけど、私はいるって信じているの!セントエルモちゃんはどうかな?」
夕張が楽しみにしたような…、嬉しそうな笑顔で聞いてくる。輝いた目で聞いてくる。
「…うん。絶対にいる。私も書く。」
セントエルモも人のことは言えないのだった…。セラフは微笑みながら二人を見ている。
「…ところで、これは何の機械なんだ?」
ドミナントが、ビニールシートにかぶってある大型の機械のことを聞く。
「…内緒です!」
「…そうか。」
ドミナントが簡単に引き下がる。
「…聞かないんですか…?」
「セラフが許可を出したんだ。危険なものではないのは確か。それだけでもわかっただけ十分だ。」
ドミナントはそう言い残し、3人は倉庫をでた。
…………
鎮守府内 夜
「神様どこだ?」
「どこにいるんだろう…。」
「疲れましてよ…。」
3人が鎮守府を全て探し回り、ヘトヘトになり、座っている。
「ありがとう、鈴谷、熊野。お前たちは疲れただろう。ゆっくり休んでいてくれ。」
ドミナントが二人に言う。
「えっ、でもまだ探せる…。」
「提督…、ここまで来て最後に私たちを置いて行かないでください…。」
「…すまん。もう十分だ。それに、これは俺の問題。お前たちが関わる必要のないことだ。自由時間をつぶさせたようなものなんだ…。」
ドミナントが言う。
「もう、これからお前たちは自由時間だ。ただ、食堂でご飯は食べてくれ。」
ドミナントが立ち上がり、行こうとするが…。
「なら、私たちも行きましてよ。」
「しょーがないなー。鈴谷もついて行ってあげる。」
「お前たち…聞いていなかったのか?」
「いいえ。聞いていましたわ。自由時間なら、何をしても、文句はないはずですわ。」
「だから、鈴谷たちは自分の自由時間を使って、提督のあとをついていくの。」
「お前たち…。ありがとう!」
ナデナデ…
ドミナントは二人の頭を撫でる。
「あぁ…。よろしくてよ…。」
「いいじゃん…。いいじゃん…。」
二人とも嬉しそうにする。
「じゃぁ、行くか。」
「はい。」
「りょーかい。」
…………
食堂
本日はクリスマス仕様となっているため、艦娘全員に、ケーキや、チキンなどが配られている。一部の艦娘は、この日は特別に食堂での酒盛りも許可を出している。
「提督、お疲れ様だな。今日くらいは一緒に飲もう。」
「長門、ありがとう。でも、酒を少しでも飲むと、暴走するから、また今度ね。」
「チキン美味しい!」
「ケーキ、冷たくて甘くて美味しいよ。」
「うーん。つまみに合うなぁ〜。」
全員が言う。もちろん、クリスマスグラの子もいれば、いつもと変わらない子もいる。
「…やはり、神様はいないか…。」
鈴谷、熊野はご飯を食べている。
……!もしかして…。
…………
???
「ふぇぇぇん…グスッグスッ…。」
神様は一人泣いていた。
ガチャ…
「やっぱりここだ。」
「…!ドミナント…?」
「屋上は、ここ以外登れないし、第一、こんな寒いのにいるとは思わなかった。」
「…何の用…?屋上に何か置くの?」
「そんなわけないだろう?お前を探していたんだ。」
「…ふん…。今頃遅いよ…。」
神様は拗ねる。
「……。」
ドミナントは仕方ないような顔をして…。
「ほれ。」
ドミナントの方を向かない、拗ねている神様の首に温かなものを回す。
「マフラー…?…くんくん…。ドミナントの匂い…。」
「お前のクリスマスプレゼントだ。」
「えっ!?」
「ほら…。その…。なんだ…。…よく世話になっているし、この世界に来れたのも、お前のおかげでもあるし、ジナイーダたちに会えたのも、…偶然でも、そうなって良かったと思っているしな…。」
ドミナントが言う。
「……。」
「夜に用事があった理由は、艦娘たちのプレゼントを買いに行くためだ。ただ、曲者がいてな。俺に教えたくない人ばかりで、欲しいものを紙に書いて、窓に貼ってもらっている。それを見回らなければならないしな…。」
「…サンタが存在しないってみんな知っているのに?」
「俺が信じ込ませた。まず、中心にいる人物に信じ込ませれば、少し話しただけで、次々と芋づる式に信じていったからな。」
「その才能が怖いよ…。」
「…だから、すまないが一緒に行くことは出来ない…。わかってくれ…。」
ドミナントが頭を下げる。すると…。
「…もう、何で早く言わないの?私が手伝ってあげるのに。」
「えっ…?…だが、それだと…。」
「二人でやれば、時間も短縮されて、少しでも見れるでしょう?」
「まぁ、そうだが…。いいのか?」
「…やっぱり、私とじゃダメ?」
「そんなことはない。それより、自由時間を使わせてだ。その時間帯だと、勤務時間はとっくに過ぎているだろう?」
「それはドミナントもでしょう?お願い。手伝わせて。」
「だが…。」
「…私のためにも。」
「…わかった。」
ドミナントが言ったら…。
「話は聞かせてもらいましたわよ。」
「提督ー、私たちを置いていくのは良くないなー。」
熊野と鈴谷がいたのだ。
「お前たち…。」
「私たちは、提督のやったことを知っていますわ。もう正体をわかっているなら、4人でやったほうが効率はうんと上がりますわ。」
「熊野…。」
「そうだよ?2人より、3人。3人より4人だから。」
「鈴谷…。」
ドミナントは笑顔の二人を見る。
「本当にありがとう!」
「「!?」」
ドミナントの本当の笑顔に二人が驚く。
……ヤバ…少し好きになっちゃったかも…。
……一撃必殺を喰らいましたわ…。すごい一撃…。
二人はそんなことを思う。神様は二人を『今頃?』みたいな感じで微笑んでいる。
「それじゃぁ、さっさと買いに行きますか。」
「「……。」」
「…鈴谷?熊野?」
「…ハッ!?な、何…?」
「…ハッ!?ど、どうかしまして…?」
二人はドキドキである。
「う〜ん…。二人だけで行きたかったけど…。ドミナントと少しでも長い時間過ごせるならまぁいいや。」
神様も了承してくれた。
「じゃぁ、行こうか。」
ドミナントが言ったら…。
ヒューーー…ドーン!
「花火!?」
ドミナントが驚き、打ち上げたところを見るとそこには夕張とセラフ、セントエルモと大きな機械があった。
「花火を打ち上げる機械だったのか…。」
ドミナントが呟くと…。
「ギャハハハハ!どんどん持ってくるよー!」
遠くで主任の声が聞こえる。どうやら、玉を準備していたらしい。
「たーまやー。…季節違うけど。」
ドミナントが言い、誰もかれもが見た。そして…。
「じゃぁ、行くか。」
「うん。」
「ええ。」
「りょーかい。」
…………
真夜中
艦娘たちが寝静まり、見るまで起きている駆逐艦の子たちも寝落ちしてしまっている。
「…こんな感じかな…?」
ドミナントがコソコソと話す。サンタ姿だ。
「…プー…クスクス…。似合って…クスッ…。」
「鈴谷…覚えてろよ…。」
「でも、確かに今の提督の格好は…その…クスッ…。」
「お前もか?熊野…。」
「みんな、ドミナントに失れ…プフッ…。」
「…もういいや…。」
ドミナントは小声で笑いこけている女性陣を放って、窓から侵入して、プレゼントを配って行く。
……電は…間宮のアイスクリーム券。
……長門は…アザラシのぬいぐるみ。
……三日月は…強い装備。セラフに作ってもらった駆逐艦用38センチ主砲。ロックオン付き。駆逐艦用7連酸素魚雷ロックオン付き。
……夕張は…新しいスパナと、機械道具一式。
このように、次々と配って行き、艦娘たちのは全て配ったが…。
……ジナイーダ…まだ起きている。
ジナイーダが起きていたのだ。
……ここは正直に行くしかないか…。
ドミナントが考え…。
コンコン…。
窓をノックする。
『…鍵は空いている。』
ジナイーダがとっくに窓の鍵を開けていたのだ。
「…お疲れ。飲め。そろそろ来ると思って、入れたばかりだ。」
ジナイーダがお茶を差し出す。
「ありがとう。ところで、何か欲しいものはあるか?」
ドミナントが聞く。
「そうだな…。…お前ともう少し親密な関係になれないか…?」
「…というと…?」
「…私とシレアみたいな仲になれないか?」
「…それが願い?」
ドミナントはもっとすごいものを要求すると思っていたが、拍子抜けだった。
「ああ。」
ジナイーダは真っ直ぐドミナントを見て言う。
「…そんな仲だと思っていたのは俺だけか…。」
「…?どういうことだ?」
「もう、俺はお前のことを親友のように感じていたぞ。」
「…そうか。」
「ああ。だから、明日からは、シレアのように接してくれ。…まぁ、性別は違うがな…。そこは勘弁してくれ。」
そして、ドミナントは窓から出て行った。
「…双方が認めていないと、そういう仲にならないのは辛いな…。」
ジナイーダは呟いた。
…………
「最後は主任か…。ジャックの『店の新調』と、セラフの『夕張の規制をゆるく』の願いより、大変なものになりそうだ…。」
ドミナントは呟く。そして、それが本当になった。
…………
……何でこんなに防犯システムだらけなんだよ…!いつもはないだろう!?
ドミナントは今ミッションインポッシブルをしている。
……ターゲットは机の上の裏返してある紙…。
ドミナントは赤外線センサーをあたらずに通り抜け、監視カメラにも映らずに移動する。
……あと少し…。…届いた!
そして、ドミナントはその紙を裏返す。
…………
残念ハズレ
…………
…………。
クシャ
ドミナントはイラついて、つい紙を握り潰してしまった。
……なら、本物はどこだ…?
ドミナントはあたりを捜索する。すると…。
……主任の内ポケットに…性格悪!
ドミナントのミッションは続く…!
…………
「主任の願いが…『面白いことがありますように』だった…。」
「…それは災難ですわね。」
「プレゼント出来ないし…。」
「私たちがやるしかないわね。」
「いつもと変わらないし…。」
「そんなに見ないもんね。」
そして、すべての願いを叶えたドミナント。
「じゃぁ、鈴熊、お願いは?」
「言うと思っていましたわ。」
「やっぱりね。」
「「お願いはー…。」」
…………
イルミネーション
「わぁ!すごい!綺麗だね!」
「そうだな。」
結局その二人のお願いは、全員で記念撮影だった。ちなみに、もうとっくにイルミネーションの時間はやっていないが、海軍権力と、潜入である。
「ここら辺がよろしくて?」
「少し狭いかな?」
カメラを持った鈴谷が位置を指定している。
「ここかな?じゃ!とるよー!」
カシャ
「よしっ!」
鈴谷が声を上げる。そして、熊野もそれを見る。神様も、変なところがないか確認する。…みんな笑顔だ。
……じゃぁ、鈴熊にも、これをやるか。
ドミナントは近づき…。
「鈴谷、熊野、話がある。」
「えっ?な、何…?」
「ど、どうかしまして…?」
二人はドキドキしている。背景がイルミネーションという、組み合わせ。
「目を閉じてくれ。」
ドミナントが言う。
「う、うん…。」
「ん…。」
二人は期待したが…。
「よし、目を開けて良いよ。」
「「?」」
何も起こらなかったことに不思議に思い、手を見る。
「あっ!熊野と同じ。」
「手袋ですわね。」
二人が言う。
「ああ。二人のお陰で助かった。これはお礼だ。俺が編んだ、世界で二つしか無い手袋だ。大事にしてくれ。」
「もちろん!一生宝箱のなかに大事にしまっておきます!」
「いや、ちゃんと使ってね?」
ドミナントがツッコム。
「綺麗…。」
神様はずっとイルミネーションに目を奪われっぱなしだ。神様は、世界で一つしかない、ドミナントが編んだマフラーをしている。
「…綺麗だな。」
嬉しくて騒いでいる鈴熊コンビを後ろに、神様に近づく。
「うん!」
「来てよかったな。」
「うん!!」
「…俺でよかったのか?他にも俺以外に良い男などまだまだ腐るほどいるぞ。」
「ううん。いないよ。」
「?」
「だって、ドミナントはドミナントしかいないもん!」
神様が元気いっぱいの、太陽のような笑顔を見せる。
「…ありがとう。」
ドミナントも笑顔で返した。本当の笑顔で。
「…やっぱり、その笑顔反則だよね…。」
「ん?何か言ったか?」
「えっ、あっ…。ううん。」
「?」
そして、クリスマスは過ぎて行く。
…………
提督自室
ガチャ
「ふぅ〜、疲れた。…て、何だこりゃ!?」
ドミナントの部屋に、沢山のプレゼントがあった。
「?え?誰?何?どゆこと?」
ドミナントがあたりを見回すと…。
「赤い三角帽…そして、それに付着している白い髪?髭?」
赤い三角帽が落ちていた。
「…いたずらか…?」
ドミナントが呟いた途端…。
『シャンシャンシャンシャン…』
窓の外から鈴の音が聞こえる。
「!」
ドミナントは急いで、窓を開け、確認するするとそこには…。
『ホーッホッホッホッホ!メリークリスマース!』
青い満月をバックに、トナカイのソリに座り、白い袋を担いだ赤いおじさんが見えたのだ。
普通に10000字行くかと思った…。遅くなってすみません。
登場人物紹介コーナー
熊野…お嬢様。お昼は大体サンドイッチ。重巡洋艦。よく鈴谷と共いる。気安く触られるのは好きではない。
鈴谷…渋谷の女子校生。熊野とよく一緒にいる。重巡洋艦。提督を誘ってくるようなことをするが、いざ提督が乗り切になると、若干戸惑う系。
???…世界中で人気の存在。赤い格好に白い髭、そして少し小太りなおじさん。鈴をつけたトナカイのソリに乗って、世界中を駆ける様は、どこでも共通。(1部例外あり。例え 魔女など)