ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
…………
第4佐世保鎮守府
「大掃除〜。大晦日〜。お正月〜。」
ドミナントは一人、執務室で仕事をしながら口ずさむ。
「さてと…終わった。…今日は大掃除で騒がしいな。」
辺りが騒がしかったり、揺れていたり、ミシミシいっているので、執務室にホコリやチリが舞う。
「…ゴホゴホ…。俺もマスクが必要かな?」
ドミナントはマスクをもらうため、執務室を出た。
…………
娯楽室
「なんで娯楽室にあるのか不明だけど、一応一つ取ろう。」
“どうぞご自由に”と書かれているマスクを取り、つける。
「むぅ…。…誰かに見られているような…。」
視線を感じ、後ろや辺りを見るが…。
「…気のせいか…。」
いや、気のせいではない。ジャックが遠くから着けるところを見ていた。あとで『商品』として売り出すつもりなのだろう。この鎮守府では、道端の石でも、ドミナントが使用しただけで価値が跳ね上がる。つまり、1円のものが100円で売れるようなものだ。丸儲けだな。
「さてと…。自室は、机くらいしか使ってないから、きれいだし…。誰か手伝いに行くか〜。」
こうして長い1日?2日?は始まる。…いや、執務室なんとかしろよ。
…………
門
「ここはセラフがきれいにしたとはいえ、随分前の話だ。落ち葉やら、ツルが巻きついているだろう。」
門の近くに行くと…。
「あら提督、何か用かしら?」
「お姉さま、どうかしましたか?…なんだ、提督か…。」
ここで、ほうきを使って落ち葉を集めているのは扶桑型姉妹。最初に気づいてくれたのが姉の扶桑であり、第一声が辛辣なのが妹の山城だ。
「お、おう。暇だから手伝いにな…。」
……はっきり言って、扶桑型の君たちは苦手なんだよなぁ…。
うわべだけの笑顔を見せながら思う。
「提督、なら門に巻きついているツルをとってくれないかしら?山城、一応提督を手伝ってきてくれる…?それで怪我をして欲しくないけど。」
「…不幸だわ…。」
「そ、そかー。なら俺一人で十分ダヨー。」
……いや、手伝うだけで不幸って…。やっぱり苦手だ…。見ればわかると思うけど、妹の山城は極度のシスコン…。姉の扶桑は妹ほど重症じゃないにせよ、シスコン…。接しづらいというか…。前は北上と話しただけで大井に睨まれて、蹴りを食らったからなぁ…。下手に刺激しないで、一人でやった方が…。
ドミナントが一人黙々と作業をしながら思う。そこに…。
「はぁ…。不幸だわ…。」
……まだ言うんかい。てか、手伝ってくれるんだ。
ドミナントの隣でツルを取る山城。
「…一人で大丈夫だ。手伝わなくても平気だよ。」
「そして、向こうへ行ったら、この山城が怒られて、お姉さまに嫌われます…。」
「そ、そうか…。」
……自身のためか…。…なんか…寂しいなぁ…。
ドミナントはツルを取りながら、思春期の娘を持った父親のような気持ちになると…。
「…別に提督は嫌いではありません…。」
「えっ!?そうなの!?」
ドミナントが驚く。
「当たり前です…。…そんなこと思っていたなんて…不幸だわ…。」
「ご、ごめん…。」
「……。」
「……。」
沈黙が起こり、遠くで扶桑が落ち葉をほうきで掃く音とドミナントたちのツルを切る音がする。
「…それと、いつもありがとな。」
「……?」
「よくここの掃除をしてくれているだろう?」
「それはお姉さまがきれいにしたいと言って、手伝っているだけです…。」
「だが、理由はどうであれ、きれいにしてくれているだろう?」
「…まぁ…。」
「じゃ、これをあげよう。」
ドミナントは作業をやめ、ポケットから紙を取り出す。山城も手を止める。
「…?なんですかこれ…?」
「割引き券。間宮アイスの。」
「お姉さまの分は…?」
「いや、あるよ。当たり前じゃん。」
「そう…。」
山城は作業を再開する。
「お姉さま大好きっ子だな。」
「当たり前です…。」
「ハハ…。」
ドミナントは苦笑いする。そのうちに、ツルを取り終わり…。
「終わった。」
「お姉さま、終わりました!」
「なんで扶桑に伝えるときだけそんな元気なんだよ…。」
ドミナントは再度苦笑いをする。
「もう終わったのですか?やはり、二人と一人では違いますね。こちらももうすぐ終わります。」
扶桑が掃きながら言う。
「あぁ、急がなくて良いよ。それと、これ。」
「?何かしら?」
「割引き券。間宮アイスの。」
「そう。ありがとうございます。あとで使わせていただきますね。」
「ああ。」
「…山城の分は…?」
「いや、渡してあるから。山城にも言われたよ?」
ドミナントは苦笑いする。
「…それより、艤装とかはやった?」
「やりました。…ホコリが凄かったです…。」
「それほど海に出ていなかったということね…。不幸だわ…。」
「…そ、そかー…。…まぁ、今度海に出れるように大淀やセラフに言っておくから。」
ドミナントは扶桑の仕事を手伝いながら言った。
数十分後…
「提督の指揮のおかげで早く終わりましたね。」
「お姉さまの言う通り、早く終わったわね。…提督、実は指揮を取るのは上手なのでは…?」
「いや、それとこれとは違うよ。効率の良い指示を出しただけ。戦略と効率は違う。」
ドミナントは言う。
「…まぁ、そういう才能しか無いってことだよ…。」
ドミナントが儚げなく言うと…。
「…自身では長所を見つけられないというのは本当みたいね。」
「そうですね。お姉さま。」
扶桑型姉妹は静かに呟いた。
「…さて、私たちも終わりましたので、提督の自室をやりましょうか?」
「いや、自室は大丈…。あっ!執務室忘れてた…。」
「ならお姉様と二人でやりますので、提督は他の艦の子たちの手伝いを…。」
「いや、でも普段俺が使っているからさ。」
「提督を待つ子たちもおります。…駆逐艦の皆さんが心配です。」
「そ、そうか…。なら任せるが…本当に大丈夫か?」
「提督は山城と、お姉さまを信用してないと…?」
「いや、そういう意味ではない。大変だから…。」
「なら、任せてください。」
「しかし…。」
「提督、提督を労るのも、私たち艦娘の役目よ…。」
「むぅ…。…そうか…。…わかった。なら頼む。」
ドミナントは重く唸ったあと、扶桑型の二人に任せた。そして、扶桑が少し笑みをし、山城がドミナントの目を見て、何かを伝えたあと…。
「山城、遅れないで。出撃よ。」
「はい。お姉さま。」
ビュビュンッ!
ドミナントも見たことのない表情をして、ジナイーダほどではないにしろ、戦艦とは思えないスピードで行き、あっという間に見えなくなる。
「…いつもの顔じゃなかったな。あれは戦いの顔だ…。あんなに怖い顔になるんだ…。」
実際は全然怖くないがドミナントは、うちなる強さと入り混じり、感じているのだろう。
…………
「次は駆逐艦の子たちかな〜。」
ドミナントは駆逐艦の部屋を覗く。
「手が…手が届かないのです…。」
「ハラショー。こいつはどこにおけば良いの?」
「こんな…仕事も…こなせないなんて…一人前の…レディーじゃ…ないわよ…。」
「椅子持って来たわよ。」
そう、ここは第4駆逐隊(?)の部屋だ。
「…(可愛い)。」
……可愛い。
ドミナントが思っていることが口に出ていると…。
「あれ?司令官?」
「手伝い…に…来て…くれた…の…かしら…?」
「ハラショー。」
「届かないのです…。」
暁型の子たちがドミナントに気づく。
「…電、天井は届かないだろう…。ひび…ヴェールヌイ、それ重くないか?ストーブは机の隣で良い。火事にならないように、燃えやすいものをどかして。雷はみんなのために椅子を持ってきたのか。えらいな。ところで、暁は何で挟まっているんだ?」
「暁は、奥をやろうと無理して突っ込んだら…。」
「あー…。……(可愛い)。」
「?司令官、何て言ったのですか?」
「いや、何も…。…それより、まずは暁の救出だな。」
そして、暁の救出作戦が始まる。
…………
「いたたたた!」
「が、我慢するのです!」
「おーえす。おーえす。」
「あと少しだから…。」
「暁…すまん…。だが、こうするしか他がない…。」
色々試したがうまくいかず、最終手段で無理矢理引っ張っている。
グググググ…スポンっ!
「きゃっ!」
ドシャーン!
なんとか暁を引っ張り出す。しかし、ドミナントたちが後ろに倒れる。
「な、なんとかいけたな…。」
「頭が…千切れるかと思ったわ…。」
「暁…、これからは気をつけろ…。今回はたまたま千切れなかっただけかもしれん…。」
暁はドミナントの言葉を聞いてゾッとし、次からは気を付けようと心に誓う。
「さて…ホコリがすごく舞ってるし、ゴミ箱もひっくり返ったからやり直しみたいだな…。」
「…なのです…。」
「「「……。」」」
そして、ドミナントと暁たちは片付けて、アイス割引券を渡したあと、部屋を後にした。
…………
「ん〜。さて…、次の部屋は吹雪型…だっけ?こんちはー。」
ドミナントが気楽に部屋のドアを開ける。
「きゃっ!」
「女の子が着替えているときにノックもしないで覗くなんて、提督さんいい度胸っぽい…。後悔させてやるっぽい!」
「何か…ようかな…!」
ドミナントは固まる。
「…やば…ここ白露型の子たちか…。」
ドミナントの背筋が凍るがもう遅い…。
「ちょっと、こっち来るっぽい…。」
「逃がさないよ…。」
「ここで逃げたら承知しないよ。」
「まちな。」
ドミナントは夕立や時雨、川風や涼風に肩や腕を掴まれ、部屋に入れられる。
「…怖い…怖い。すみませんでした…。いや、マジで部屋を間違えました…。いや、本当に…。吹雪型の部屋と間違えただけです。勘弁してください…。」
ドミナントは必死に謝る。
「提督、この責任…どうとってもらうつもり?」
「それ相応のことをしなければ許されないっぽい。」
「今回のは、流石にボクも提督が悪いと思うよ。」
「なんとか言いなさい。」
白露型の、主に怖いのが聞いてくる。
「すみません…。本当に部屋を間違えただけです…。」
「謝って済むんなら、憲兵はいらねぇし、こうして部屋に連れてこられてねぇだろ?」
「はい…。」
ドミナントの目は死んでいる。
「じゃぁ、どうするの?」
「…どうすれば許してくれますか…?」
「考えた?」
「……。」
……怖すぎて考えられないよ。そんな殺すような目で見られたら、ビビって話もできやしねぇ。…仕方ない。最低だけど、当初の目的で誤魔化すしかない…。
ドミナントは正座しながら考える。
「…部屋の掃除を手伝いましょうか…?」
「それだけっぽい?」
「…あと、間宮アイスの割引き券を差し上げます…。」
「ふぅーん。…次は?」
「…次…。」
「…もっとあんでしょ?」
「……。」
「もう終わりかい?」
「…すみませんでした。」
ドミナントは頭を下げる。
「はぁ…。それだけのようだね。」
「最低。」
「うぅ…。」
ドミナントは気楽に開けた自分を呪った。
「ま、まぁ、提督はわざとじゃないんだし、許してあげよう?ね?」
白露が止めに来てくれた。
「手伝ってくれるって言ってるし…、もうその辺にしてあげた方が…。」
海風も来てくれた。
「提督は…そんなことが出来るほど…度胸ない…。」
山風も傷つく言葉を言いながら一応来てくれた。
「…わかったっぽい。」
「…うん。ちょっと責めすぎちゃったかな。ごめんね。」
「まぁ、今回だけは許してやろう。」
「しゃーねーなー。今回だけだぜ。」
許してくれた。
「ありがとうございます…。」
ドミナントは痺れる足を我慢しながら立つ。
「…では、何をすれば良いでしょうか…?」
「そうだね…肩車すれば天井は届くから、隅の埃を…。」
そして、ドミナントは働いたのだ。
…………
「ひどい目にあった…。次はなんだろう。」
ドミナントは、次はノックして入る。
「ちわー。」
「あっ!提督!来てくれたの?」
「来てくれたー。」
「遊びに来てくれたぴょん。」
「いや、遊びじゃないと思うけど…。」
「嬉しいわぁ。」
睦月型の皆さんがお出迎えしてくれる。
……可愛いなぁ…。癒される。
ドミナントはそんなことを思う。
「司令官も可愛いね。」
「なっ、何故…。隠れエスパーか…?」
「「「?」」」
皐月はいつも言っているが、今のドミナントはそう思っていたため、心を読まれたと思っている。
「それより、どうしたの?」
「…あっ、そうだった。手伝いに来たんだ。」
「遊びにじゃないぴょん?」
「何を?」
「手伝い?」
睦月型の皆さんは首を傾げる。
「年末だから、大掃除だよ。」
「あー…。でも、もう終わっているよ?」
「そうなのか?」
「そうよぉ。」
「…の割には、綺麗に見えないが…。」
奥は少し物が出ている。そこで弥生が言う。
「あれ…全部卯月の…。」
「卯月、そうなのか?」
「卯月だけじゃないぴょん!」
「そうなのか?」
「あっ、これボクの…。」
「そうか。」
「あっ!これ水無月のパンツッ!司令官の変態!」
「いや、回避不可能なんだが…。それより!全員片付けてないじゃないか!片付けるぞ!」
「「「はーい。」」」
…………
「やっと終わったな…。というより、本当に卯月のばかりだった。」
「ぷっぷくぷ〜。」
卯月はそっぽ向く。
「はぁ…。まぁ、綺麗になったな。」
部屋はピカピカ輝いている。
「あと、艤装は…。やってあるみたいだな。」
「もちろん。」
「よく頑張った。ご褒美だ。」
「わーい。」
ドミナントは全員に割引券を渡して去って行った。
…………
「さて…最大の難関、吹雪型の部屋…。」
ドミナントは部屋の前に立つ。
「…また押しつぶされないように…。」
ノックして、おそるおそるあける。
「…こんちわー…。」
「あっ、司令官。お疲れ様です。終わったんですか?私たちはもう直ぐ終わります。」
「汚れが取れない…。」
「窓を破らないように…。」
吹雪型の皆さんは、丁寧に掃除していた。
「おー…。すごい。…手伝うことはなさそうだな…。じゃぁ、これ。全員に渡しておいてくれ。」
「わかりました。」
「あとは頼んだぞ。吹雪。」
「はい!」
…………
「愉快な仲間たちはどうかな?」
ドミナントは歩く。そして、ジナイーダの部屋を訪れる。
「ジナイーダ、大掃除だが、手は足りるか?」
ドミナントがドアの前で言う。
「…手は足りている。大丈夫だ。」
ジナイーダはドアを開けて話す。
「そうか…。…ん?意外に可愛い部屋だな。」
ドミナントはジナイーダの部屋にあるぬいぐるみを見つける。
「ぶっ飛ばされたいのか?」
「そんなに怒ることかな!?」
「プライバシーの侵害だ。他のところを手伝え。」
「ひっでぇ言い草。…まぁ、大変なら手伝う。言ってくれ。」
ドミナントはそう言って、部屋を後にした。
「次は主任、セラフ、ジャックの順か…。」
ドミナントは主任の部屋を覗く。
「…意外に綺麗だな…。」
本人がいないため、無断で開けて確認する。
「次は…セラフか…。きれいそうだな。セラフー。」
「はい。」
ドミナントが呼び、部屋を開けるセラフ。
「大掃除は終わりました。」
「次の言葉を予測するとは…。まぁ、終わったなら良い。次はジャックか…。」
「ジャックさんなら、部屋に荷物は置いていないので、綺麗だと思います。」
「そうか?…まぁ、そうなら良いが…。」
ドミナントはセラフの言葉を信じて、部屋を確認しない。
「最後はここか…。大変なことになりそうだ…。」
ドミナントは難関、神様の部屋の前に立つ。
「おーい。」
ドタドタ…。
「な、何?どうしたの?」
神様がドアを少しだけ開ける。
「騒がしかったが…何かあったか?」
「い、いや。別に?」
「…少し中を見せてもらおうか。」
「えっ!?え、えぇ、なんで…?」
「今日は大掃除だよ。」
「あ、ああ。そうだったね。大丈夫、一人でできるよ。」
「…怪しいな。俺も手伝おう。」
「えっ、ちょ、大丈夫だって。」
「大丈夫には見えん。」
「ほ、本当だよ?」
「…嘘だったら?」
「……。」
「じゃぁ、嘘だったら天界へ直送してもらうから。」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!わかったよ!わかったからそれだけはやめて…。連れて帰されちゃう…。ドミナントに会えなくなっちゃう…。」
「その気持ちは嬉しいけどね。」
神様は素直に中に入れる。
「うわっ。きたねー。」
「……。」
「キシキ…シ…。」
「て、AMIDA!AMIDAがゴミに埋もれているぞ!こちらドミナント。あとは任せろ!」
ドミナントはなんとかAMIDAを救出する。
「ふぅー…。で、どうするんだ?」
「……。」
「お菓子の山に、ゴミに、よくわからないおもちゃ…。そして、誰からかの手紙…ん?天界?」
「あっ!それダメ!」
神様は手紙をひったくる。
「今天界って書いて…。」
「気のせい!そ、それより、これどうしよう…?」
「露骨に話を逸らしたけど…。確かに、これどうしよう?」
ドミナントはタオル?みたいな布切れが挟まっていたため、なんとなく引っ張る。すると…。
ゴゴゴゴ…ドシャーン!
「ギャーーー!」
「ドミナントー!」
ドミナントはゴミの山に閉じ込められた。
「どうしよう。どうしよう。どうしよう。ゴミ、まずはゴミを…袋、袋…!」
神様はゴミ袋を空中から出し、次々と入れていく。
「今助けるよ!」
「む…ぎゅ…ぅ…。」
「これは…これ。…うーん…!面倒くさい!服!あなたは元の場所!ゴミはゴミ箱!それか袋!おもちゃはおもちゃ箱!本は本棚!シワも直して!自動的に!はい!動いて!」
神様がそう言いながら手を叩くと…。
ヒョイ
ビュンッ!
次々と勝手に動いていく。
「むぅ…なっ!?」
ドミナントは気がついて驚く。本が宙を待って本棚へ自動的に入ったり、ゴミが消えたり、飛んでいるのだ。
「こ、これは…。」
「あっ、気がついた?」
「気が付いたが…これは…?」
「…少しだけ力使っちゃった…。」
「ずいぶん便利だな。」
「そんなものじゃないよ…。この世で使うと、あとで大変なことに…。」
神様が言いかけた途端…。
ゴッ!
「ギャッ!」
置き物が落ちてきたのだ。
「だ、大丈夫か…?」
「痛いよぉ…。」
さらに…。
ツルッ
「あ…。」
ゴチン
歩いた途端に滑り、頭を床にぶつける。
「ふぇぇぇん。」
「……。」
カサ…
「!?ゴ、ゴキブリ…あっち行って!」
カサカサカサ…
「なんかいっぱい出てきた!追ってこないでー!」
神様は走って逃げる。
「しょうがない。くらえ!」
シューーー!
カサカサカサ…
ゴキブリキラーを使って、ゴキブリを追っ払う。
「なんとかなったぞ。」
「あ、ありがと…。」
ドシーン!
「う…。」
壁にぶつかる。
…ドサッ
「痛いよぉ…。」
「…災難だな。よしよし。」
ドミナントが痛い場所を撫でようとしたが…。
「危ねぇ!」
「!?」
ドシーーン!
本棚がドミナントたちがいた場所に落ちてきたのだ。堪らずに神様を突き飛ばす。
「痛い…。」
だが、突き飛ばされて、下敷きにならなくて良かったが、またも壁に…。
「…もしかしてだが、力を使うと、ものすごく不運になるのか?」
ドミナントが聞く。
「…うん…。」
神様は少し泣いていた。
「本棚、戻さないとな。あと置き物とかも。」
「…うん…。」
「…もう何も起こらないってことは、終わった…のか?」
「少しだけしか使わなかったから、時間も少しだけなの…。」
「…全力出したら死ぬな。」
「うん…。」
ドミナントと神様は本棚や置き物を戻す。
「ふぅ…。で、さっき絶対に痛かったろ。見せてみろ。…うわー…タンコブできてる…。かわいそうに…。よしよし。」
ドミナントは優しく撫でる。
「うぅ…グスン…。」
「絆創膏も貼ってあげる。見せてみろ。…痛そうだな…。」
「ひやっとする…。」
「我慢しろ。あと、ベッドで安静にしていろ。あとはやっとくから。」
「ありがと。」
「別にいいさ。」
ドミナントとAMIDAは協力して片付けた。
…………
「…次は海防艦エリアかな?」
ドミナントは、新しく出来た海防艦の寮へ行く。
「にしても、全員やると、字数が半端なくなるし…。ここで書くのは最後にするか…。」
ドミナントが独り言を呟きながら部屋を覗くと…。
「クナ、そこの窓の掃除は頼むっしゅ。ガッキは机の上、ハチはベッドを頼むっしゅ。占守は床をやるっす。」
占守は次々と国後、八丈、石垣に指示を出す。
「おぉ。しむしゅしゅしゅは計画性があるなぁ。…可愛いだけではなく。」
ドミナントはコソコソ言ったあと、占守の近くへ行く。
「やぁ、来…。」
「しれぇは天井をお願いっす。」
「…気づいていたんだ。…じゃぁ、さっき…聞こえてた?」
「?」
「…知らないならそれで良い。」
そして、ドミナントは天井をやる。
「ちょっと、そこ邪魔。」
「ごめんクナ。」
国後は窓をやっていたはずだが、いつのまにかドミナントの近くにいる。
「全く、本当に邪魔ね。」
「…すみません。」
「執務室で鉛筆でも削ってたら?」
「クナ、さすがに泣くよ?」
ドミナントは天井をやりながら言う。
「…占守、そこのバケツ取って。…占守?」
ドミナントは見るが…。
「…クナか…。」
「…え?占守と間違えたぁ!?はぁ?なにそれ、帰るっ!」
「いや、ここ君の鎮守府だし君の部屋なんだけど。」
「しむ姉、ベッド終わったよ〜。」
「ハチ、ありがとっしゅ。終わった順に、択捉型、御熊型、日和型の部屋に行って手伝うっしゅ。」
「わかった。」
八丈は次の部屋へと行った。
……なるほど。効率が良いな。次々と増えていって、時間が短縮されるわけか…。
ドミナントは感心する。
「提督…手伝う?」
「いや、大丈夫だ。」
「そうですか…。」
「…石垣、その気持ち、ありがとな。」
ドミナントはつい、頭を撫でてしまった。
「ずるい!」
「あ…しまった…。」
……面倒なことに…なった…。
他の艦に見つかればどうなるか…。
「占守にもするっしゅ!」
こうやって見た艦も要求する。それだけならいいが…。
「しむ姉遅い…って、ずるい!」
そう、さらに連鎖が続いていくのだ。
……今度から、頭を撫でるのは撫でる艦娘と二人きりの時だけだな…。
ドミナントは思う。何人いるかわからない艦娘たちの列を見ながら。
…………
「さてと…全部屋やったな…。」
ドミナントはボロボロになりながら言う。
「あっ、執務室…。」
執務室のことを思い出し、走る。
……扶桑型の二人、すまん。…あとで間宮アイスを奢ってあげよう。
そして、執務室のドアを開ける。
「遅れてすま…。!?」
開けて驚いた。
「…こ、こんなことをするなんて…。」
「…あ、あんなものがあそこに入るのですか…?明らかに物理法則を無視しています…。」
「……。」
扶桑型の二人は、禁断の引き出し(上から4番目)を開けてしまっていたのだ…。
「…何を…している…?」
「あっ…提督…。」
「こ、これは…その…。」
「…あまりきれいになっていないのを見ると、ここに来て数分でその引き出しを開けて、片付けるのを忘れて夢中で見てしまった。…と、いうことかな?」
「……。」
「夢中…。」
「…なるほどな…。」
ドミナントは紅茶カップを持つ。
「…まぁ、失敗は誰にでもある。そのことは忘れるが良い。」
紅茶をなれた手つきで入れていく。
「…て、提督…これ、私たちに似ていませんか…?」
「えっ!?」
ドミナント自身驚いて、見てみる。
「…あー…。確かに、少しだけ似てるね…。もうアレに出来ないな。気が引けるから。」
そして、紅茶の作業をする。
「…まぁ、はい。紅茶。これでも飲んで落ち着け。」
「はい…。ありがとうございます…。」
「いただきます…。」
扶桑型の二人は飲む。しかし、ドミナントは飲んでいない。
「…?あれ?目の前が暗く…。」
「お姉さま…?」
二人は倒れ、意識がなくなった。
…………
夜
「…ん?ここは…?」
扶桑は秘書艦の椅子で目を覚ます。
「目が覚めたか?」
「提督!?…寝ちゃってました…?」
「ああ。執務室の掃除するって手伝いに来てくれたらな。おそらく、疲れて寝てしまっていたのだろう。そのおかげでピカピカだ。」
「そうでしたか…。…でも、何か忘れているような…。」
「お礼に間宮アイスを奢ることか?」
「アイス…?…そうでしたっけ?」
「そうだ。」
ドミナントは、あの紅茶に睡眠薬と忘れ薬を混入させていたのだ。残念だが、ああいうお楽しみはない。騙して悪いが、R-18ではないのでな。そして、一人で全て掃除したのだ。
「う…ん…。…ハッ!?お姉さま!?」
壁に寄りかかって、体育座りをしていた山城が目覚める。
「…あれ?何も思い出せない…。…不幸だわ…。」
「まぁ、そんなこともある。間宮アイスを奢るから、気持ちを切り替えろ。」
「わかりました…。」
山城も騙される。
…………
間宮食堂
「ちはー。夜だけど、やってるかい?」
「あら提督。本当なら閉まっているけど、この年最後だから特別に受付します。」
「それはありがたい。なら、この二人に間宮アイスを一つずつと、俺にお茶をちょうだい。」
「わかりました。」
間宮さんは笑顔で応えてくれた。
「…と、その間にお金を…。」
「提督、毎度ありがとうございます。お釣りです。」
「ありがとう伊良子。」
レジの伊良子も笑顔で対応してくれた。
「お待たせしました。年末限定間宮アイス二つです。あと、提督にお茶です。」
間宮さんが持ってくる。
「えっ?いや、間宮さん。限定じゃなくてただのアイスです。」
ドミナントが言うが…。
「いいんですよ。作りすぎちゃったので。」
「そうか…。ありがとう。」
「いーえ。」
間宮さんはいたずらな笑みを浮かべたあと、奥に行った。ドミナントは目で追っていた。その後ろで、扶桑型姉妹が美味しそうにアイスを食べていた。伊良子はドミナントを見ていた。
…………
娯楽室
「ん〜。夕食も美味しかったし。そろそろテレビ見るか…。」
ドミナントはテレビをつける。
「ふむ…紅白…笑ってはいけない…ドラマ…などか。」
チャンネルを回しながら呟く。
「あっ!提督、何やっているの?」
「年末は夜戦でしょ!」
川内と那珂が来る。
「夜戦って…大晦日だよ。全員集合だろ?」
「えっ!?みんな集めるの?」
「いや、違う!ネタだ。」
「あっ、そうなんだ〜。」
「テレビを見ようと思ってな。…なのに、艦娘たちが来なくてさ…。寂しいもんだよ。」
ドミナントはため息混じりに言う。
「いや、艦娘たちはそれぞれ集まって、遊んでいるよ?」
「何それ?聞いてないんだけど…。」
「あー…。多分、恐れ多いんじゃないかな?」
「なんでよ。俺も普通の人間だよ?」
「普通…?」
「…少しかけ離れているね。」
「…まぁ、ACになるけどさ…。」
「ま、大晦日だから、勇気を出して来たりするんじゃない?私は夜戦しに行くけど。」
「那珂ちゃんはー、大晦日ライブがあるから。」
「お、おう…。二人とも頑張ってな…。」
「提督もねっ。」
「じゃぁ。」
二人は外へ出て行った。
…………
1時間後
「アハハハハ。」
…………
2時間後
「おー。そうくるか…。」
…………
3時間後
「……。」
…………
4時間後
「…つまんね。みんなどこだ?」
ドミナントは探し回る。
…………
「やっぱ会議室だよな。」
ガチャ…。
ワイワイガヤガヤ
「やったー!夕立の勝ちっぽい!」
「負けたー。」
「むぅ…。」
「じゃぁ、有り金全部よこすっぽい。」
「金ではないがな。ほれ、おやつだ。」
「いーじゃん!盛り上がってきたねー!」
艦娘や愉快な仲間たちが集まって遊んでいた。
「……。」
ドミナントは突っ立ったままだ。
……俺は約4時間何していたんだ…。一人で…。ぼっちで…。
ドミナントの目から水が流れているのは気のせいだろうか?
「あっ、司令官。呼びに行こうと思っていたところです。」
吹雪がパーティーハットを被り、美味しそうなものを皿に乗せて食べながら来た。
「……。」
「さぁ、司令官も楽しみましょう。」
「……。…いや、いい。帰る。」
「えっ?ど、どうして…?」
「帰りたいからだ。じゃぁな。」
「えっ?ちょ、司令官?司令官ー!」
ドミナントは廊下を走って行った。
「どうしたの?」
「司令官が…拗ねちゃった。」
「あー…。でも、来るから平気だよ。」
「そうでしょうか…?」
「平気平気。」
吹雪は廊下を少し眺めたあと、中に戻った。
…………
外
「寒い〜。寂しい〜。一人だけの大晦日〜。」
ドミナントは堤防を散歩する。波が穏やかだ。
「ん〜…。何しようかな。…少し座って休もうかな。」
ドミナントは堤防に座り、足をブラブラさせながら休む。
……今何時だろう?…11時30分か。あと少しで今年も終わりだな。
ドミナントは思う。
……今年は色々あったなぁ…。というより、着任して1年も経っていないのか。色々ありすぎだろ…。来年は平和な年が良いなぁ。
ドミナントは思うが、もちろん、平和にさせるつもりなどもとよりない。
……星がきれいだなぁ。それほど寒いのか。
ドミナントは空を見ながら思う。そこに…。
「…あら。」
「…む。」
「ん?赤城に加賀か…。どうしたんだ?」
「提督こそ。…私たちはそこのベンチに座って、穏やかな海と煌く星空を見に来ました。」
「…あらかた、拗ねているのでしょう。」
「…何故わかった?加賀。」
「そのような人物だからわかります。」
「そうか…。風邪をひかないようにな。病気は入渠では治らないからな。」
「分かっています。提督も風邪を引かないよう気を付けてください。」
「あなたが病気になったら、誰が指揮を取るんですか?そこのところを考えて行動してください。」
「ああ。わかっている。」
……加賀も、きつい言い方するけど、一応心配してくれているんだな…。
ドミナントが口元を緩めながら言う。
「…提督もベンチに座りません?」
「それは良い考えだが…。加賀はそれで良いのか?」
「私は赤城さんが望むことをします。」
「そうか。ありがとう。」
そして、ドミナントと赤城と加賀は堤防のベンチに座る。
「…今年も色々ありましたね。」
「…そうですね。」
「そうだな。」
「提督が着任されてから覚えているのは、弓道場を建設してくれたことと、畑に種を植えたこと、大本営へ連れて行ってもらえたこと、夜の鎮守府を探索したこと、『ミッドウェー』を共に倒したこと…。あと、話したりです。」
「そんなに提督と共に過ごしたんですか…。私はジャックさんと色々ありました。昔の話を聞かせてもらったり、話したり、共に提督を観察したり。…提督には、弓道場を建設してくれたことは感謝しています。」
「そうか…。そんなにあったか…。俺も色々あったなぁ…。今も覚えているのは、神様やAC勢と出かけたことや、一気に艦娘が増えたこと、旅行に行ったり、『ミッドウェー』と戦ったり、畑をしたり、養殖場の依頼をしたり、艦娘たちと話したり、大本営に行ったり。…爆発して消えそうになったけど。スティグロと戦ったり…色々だな。」
ドミナントたちは思い出しながら空を見る。
「今日は満月か…。」
そのうちに…。
「あっ、提督、あと30秒で今年が終わります。」
「長かったですね。」
「あと少しか…。」
ドミナントが言い終わった途端…。
「あっ!司令官いました!皆さん!急いで!」
吹雪がみんなを引き連れて来る。どうやら、結局探しに来てくれていたらしい。
「…別に楽しんでてよかったのに。」
「もう!いつまで拗ねているんですか!皆さん、司令官と一緒に年が変わる瞬間を過ごしたいから来たんです!」
吹雪が少し頬を膨らませながら言う。
「…そうか。なら、みんなこっちに来い。一緒に新しい年に変わる瞬間を過ごそう。」
ドミナントが口元を緩ませながら言う。
「あと10秒です。」
赤城が言う。
「さて、今年も色々あったな。」
「そうですね司令官。」
「…みんな、今まで俺のわがままに付き合ってくれて感謝する。」
「今まで?違います。これからもです。提督。」
「ふふっ。みんな、本当に…。」
「あと1秒…。」
「0…。」
「ありがとうな!」
ドミナントは笑顔で言った。嬉しそうで、優しい笑顔で。その時、大半の艦娘の顔が赤かったのは気のせいだろうか。いや、きっと気のせいではないのだろう。あのドミナントが、こんな笑顔を見せるのだから…。
…………
新しい年
「朝日ですね。」
「そうだな。」
「明るい…新年の…始まり…。」
「まさか、みんなここで起きているとは…。寒いだろう?」
「いいんです。司令官と一緒にいたいからです!」
「…そうか。さて、朝日を拝んで…。新年の抱負でもするか。」
「そうね。私は…もっと強くなるわ!駆逐艦とは思えないくらいの!」
「大きな抱負だな。霞なら絶対に出来るよ。断言できる。」
「う、うるさいわね!そ、そんなこと言ったって…嬉しくなんてないんだからねっ!」
「はっはっは。そうかそうか。」
「私は…遠征で失敗しないようにしたいです。こんな私でも、もっと司令官のお役に立ちたいです。」
「ありがとう三日月。その気持ちだけでも嬉しい。失敗なんて誰にでもあるんだからさ。別に気にしなくて良いんだよ。」
「本当に甘い男なのだな。…だが、私はこんな甘い男の下で、その男を支える存在になりたいな。」
「告白かな?」
「…そういう馬鹿なことを言うのはやめてほしいがな。」
「冗談だよ。ありがとうジナイーダ。」
「私も、ドミナントさんの支えになりたいです。」
「セラフもありがとう。感謝する。」
「ギャハハ!俺は今年も面白ければ文句はないかな?」
「そうか。面白い一年になると良いな。」
「私は、店が繁盛することだ。」
「ジャック、お前はいつレイヴンを転職して、店を本業にした?…まぁ、いいけど。」
「私は、今年ことドミナントに振り向いてもらう!」
「そうか。…もうとっくに振り向いてはいると思うがな。」
「…両思いになる!」
「まぁ、頑張れ。俺の気まぐれで、たまたま命中するかもしれんしな。」
「あれ?いつもならひどい言葉を送ってくるはずじゃ…?」
「そんなわけなかろう。俺は、お前のそういう真っ直ぐな気持ちは好きだけどな。」
「ど、どうしたの?ドミナント…。」
「何がだ?…どうした?」
艦娘たちも、愉快な仲間たちもキョトンとしている。
「これが提督の素ですか…。」
「結構素直なのね。」
「うん!司令官は可愛いね!」
「?俺が素直な感想を言うのはダメか?」
「いや、そういう感じじゃないんだけど…。」
「…つまり、俺は今まで、沢山のことを学んだり、体験したりした。それでさ、君たちがとても大切で、必要な存在かわかったんだ。そしてさ、今まで、そしてこれからも迷惑をかけてごめんって思っているし、君たちのことが大好きで、俺に慕ってくれてありがとうって思っていることを伝えただけだよ。」
「司令官…。」
「提督…。」
「しれぇ…。」
艦娘たちは笑顔になったり、口元を緩ませる。
「全く、本当に馬鹿だな。」
「?ジナイーダ?」
「私たちもお前のことをそう思っているんだ。いつも私たちに声をかけてくれるだけで、私たちは頑張れる。部下を思えば、上司も思われる。いい例だな。…もちろん、私もお前を支えたいと思っているしな。」
ジナイーダも口元を緩ませながら言う。
「…ありがとな。…じゃぁ、俺の新年の抱負は、艦娘のことを思い、何をどうするか考えて、しっかり指示を出し、休日でもなるべく艦娘や仲間と話したりして、楽しい時間を過ごす!それが俺の抱負だ!」
ドミナントが大声で言い、艦娘は笑っていたり、嬉しそうに目を細めていたり、口元を緩ませていたりした。
…………
「えー、新年、明けましておめでとうございます。これからも、どうか俺のわがままに付き合って…。」
「提督、それはもう聞いたよ。さっさと乾杯しよう?」
「…そうだな。じゃぁ、するか!かんぱ〜い!」
そう、ドミナントたちは新年会をしている。
「お料理はまだまだたくさんあります。好きなのを食べてください。」
セラフが笑顔で料理を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
セラフはそう言ったあと、席に着く。そこに…。
「て、提督…。」
「ん?天龍、どうした?」
「…俺が…。俺がお年玉が欲しいって言ったら変か…?」
「どこが変なの?あげるよ。銀行に数千万あるから、全員分として、1〜3万円くらい。欲しいものがないからたまるだけだし、鎮守府の運営は国が資金出してくれるし。第一、俺ここに住んでるし。ところで、何に使うんだ?」
「その…。」
「天龍ちゃんはぁ〜、提督に…。」
「わー!待て!龍田!内緒のはずだ!」
天龍が慌てて止める。
「内緒?」
「な、なんでもない!あとで話す!」
「そうか。わかった。はい、3万円。大事に、自分のことに使えよ。」
「え…。自分のこと…だけか…?」
「…他の人のためでも良い。大事に使えばな。」
「お、おう。」
天龍は席に着いた。もうすでに皆は食べ始めている。
…………
その夜
『提督…いいか…?』
天龍がドアをノックする。
「?どうした?」
ドミナントはドアを開ける。
「これ…作ってきたんだが…。食べてみてくれ…。」
「…カレー?美味しそうだな。」
「あ、ああ。感想は言わなくていい。そ、それじゃぁ、俺は部屋に戻…。」
「あらぁ〜、逃さないわよぉ〜。」
「た、龍田…。」
「天龍ちゃんがずっと部屋に閉じこもって作っていたのに、感想がないなんてひどい話よぉ〜。」
「む?そうなのか?天龍。」
「ち、違…。そ、そんなわけ、な、ないだろ…?ば、馬鹿らしい…。」
「…(慌てている天龍も可愛い。)」
「あらぁ〜、提督?何か言ったかしらぁ〜。」
「い、いや、何も言っていない。だから薙刀を出すのはやめよう。」
そして、ドミナントはカレーを食べる。
「う、美味い…か…?」
「む…。うまいぞ!これ!」
「そ、そうかそうか!ならよかった!」
「ありがとな。天龍。」
ドミナントは天龍の頭を撫でる。
「……。」
天龍は顔を赤くし、俯いて黙ってただ撫でられていた。
「ふふ。」
龍田はそれを見て、目を細めて嬉しそうだ。
「お小遣いまだ余っているだろう。それで好きなのを買うといい。」
「お、おう…。」
……可愛い。
ドミナントは調子に乗って30分近く撫でていたそうだ。
多分今までで最長。カルタとタコ上げ、羽つきはオチが丸見えなのでやめました。ジナイーダとセラフがガチバトルして、ドミナントが最下位、そして、タコは一番高くあげたのが主任で、飛ばなかったのが神様(あとでドミナントによしよししてもらった)。
今年もよろしくお願いします。