ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
…………
第4佐世保 執務室
「ん〜♪ん〜。」
ここに機嫌よく一人で仕事をしているのはここの提督のドミナント。
……今日はバレンタインだからなぁ〜。艦娘がチョコレートをくれる日だ。まぁ、三日月や夕張、如月と吹雪からは貰えるよな〜。…恋愛対象にはならないけど。…それって最低かな?
ドミナントは1人思う。そして…。
「仕事終わり〜。さて、少し散歩でもするか。」
ドミナントは期待を胸に膨らませながら執務室の外へ出た。
…………
キッチン
「では、これよりバレンタイン特別チョコレート作りを始めます。」
ワーワー
キッチンには、ドミナントと主任、ジャック以外の艦娘やセラフたちが集まっている。
「本日はバレンタインデー。好きな人、もしくは世話になった人にチョコレートをあげる、年に一回の気になる相手に想いを伝える日…。失敗したくないですよね。皆さん、それぞれに想い人がいるはずです。その想いが実る様、愛情をたっぷり込めて作りましょう。ちなみに情報は共有であり、いないと思いますが、他人を蹴落とす様な真似、抜け駆けをしようとした人には漏れなく報告しますのでそのつもりで。」
セラフが笑顔で、最後の方怖い感じで締めて、それぞれが動き出す。
「吹雪ちゃん、何か司令官の好きなものとか知ってる?」
「前も聞かれた様な気がするけど…。確か雪風さんの話ではお寿司みたい。」
「そう…なんだ。…チョコ寿司…。」
「うん。初雪ちゃん、それだけはやめた方が良いよ…。司令官にメシマズ認定されちゃうから…。」
「…チョコレートをお寿司の形にするのは?」
「…ギリギリアウトなんじゃないかな…。」
「…龍田、なんで心配そうに見ているんだ?」
「なんか失敗しそうで…。」
「そんなわけねぇだろ。チョコレートを砕いて、溶かして、型に入れるだけだぞ?」
「そうなんだけどぉ〜…。」
「なぁに。この天龍さまのチョコレートを見て驚くが良い。」
「天龍さん!電子レンジから煙が出てますよ!?」
「何ぃ!?」
「やっぱりねぇ〜…。」
「確かに驚きました…。」
「赤城さん、ジャックさんはどのようなちょこれーとをお望みなんでしょうか…?」
「甘いのは少し無理そうな顔ですよね。」
「いえ、甘いのは平気です。」
「なんでそんなことわかるんですか?」
「…?顔を見れば分かりますが。甘いものを貰って食べている時など少し眉が1度くらい下がります。あれは少し嬉しい時の反応です。」
「加賀さんが一番よく分かってそうじゃないですか…。そんな些細な変化分かりません…。」
「ただ、ジナイーダさんは分かりません。」
「何故ですか?」
「よく見て…。…いえ、無数の戦場を駆けてきたから表情に出さないようにしているからですね。」
「…つまり、四六時中ジャックさんに夢中だから、他のものがあまり視界に入らないんですね。」
「……。」
「…提督はどのようなチョコレートを望んでいるんでしょうか?」
「…そうですね…。甘いものが好きそうな顔ですね。」
「そうですね。ですが、甘すぎるものも好きではないですね。紅茶に合いそうな甘さ…ですね。表情は出ますが、たまに表情と心情が一致していない時もありますし…。」
「何故そこまで…。」
「見れば分かりますよ。目の奥を見ると、面白いほど思っていることが伝わりますよ?」
「……。」
「…いつも世話になっている人…。」
「どうしたのぉ〜?三日月ちゃん。」
「如月ちゃん、チョコレートって、1人だけにしかあげちゃいけないの?」
「えっ?…いいえ〜。そんな決まりはないはずよ〜。」
「そうですか!なら良かったです!」
「…チョコレート…。失敗して変な形になっちゃいました…。」
「大丈夫です!貰うだけでも嬉しいはずです!司令官はそんな些細なことで怒る最低なクズ人間とは違うことは知っているでしょう?」
「そうだけど…。」
「まぁ、形は大事だよね。でも、完璧じゃない方が嬉しい人もいるから。下手だけど一生懸命作った感じがして。」
「セントエルモちゃん、誰に作ってるの?」
「夕張ちゃんやドミナント提督、ジナイーダ先生にセラフ警備長、主任教官とジャック策士、そして神様。世話になってる人全員に。」
「偉いね。確かに、今の私がいるのは沢山の人…機械?が育ててくれたからだよね。私も作ろ。」
「…チョコ…レート…。司令官…喜ぶ、かな…?」
「ボクも、余計かもしれないけどボク達が主役の日だもんね。きっと喜んでくれるよ。」
「そうっぽい。多分楽しみにしているっぽい。」
「出来たのです!」
「一人前のレディとして当然よ!」
「ハラショー。…でも、包み込む箱やラッピングは?」
「あっ。」
「ここにあるわ。私が用意してあげたんだから。」
「ありがとう雷。」
「…惚れ薬は入れてないですよね?」
「そんなことしたら、今回は間違いなく天界へ直送されちゃうからね…。」
全員試行錯誤して作っている。
「…ふふ。なんだか、微笑ましいですね。」
「お前が始めといて、後は高みの見物か。」
ジナイーダとセラフが話す。
「私はもう作ってありますので。…ジナイーダさんは?」
「私か…。…市販のもので大丈夫だろう?」
「ザ・義理チョコみたいな感じですね。それではドミナントさんは振り向きませんよ?」
「別に良い。私とあいつは友でいれば、それ以上は望まない。」
「謙虚な人ですね。」
「本音だ。…そういう感じではないんだ。私はあいつと親友でいれば、それで良いのだ。」
ジナイーダが素に戻り、少しだけ儚げなさが漂っていた。
……今少しだけ心の奥を見ることが出来ましたが…。それ以上の関係になってしまって、失った時のことを考えていますね…。深い絶望…。失うことへの恐怖…。溢れる後悔…。
セラフはジナイーダを横目に見て思う。
「…私は、一度親友を失っている。あれ以上の悲しみはもう味わいたくないのでな。」
ジナイーダは一言言った後に艦娘たちのところへ行った。
…………
廊下
「ん〜。…て、主任か?」
「あれ?俺と2人で会うのなんて珍しいねぇ。」
「確かに。」
ドミナントが歩いていると主任と鉢合わせる。
「なんか艦娘が見えないんだけど〜、知っているかな?」
「えっ?いないの?…多分、どこかでチョコレートでも作ってるんだよ。」
「?」
「バレンタインデーっていう記念日だから。チョコレートは黒くて甘い奴。」
「…小人が持ってる奴?」
「妖精さんね。まぁ、そんな感じだよ。」
2人で歩きながら話す。
「う〜ん、楽しみだぁ。ま!今日貰えないかもしれないけどさ!ギャハハハハハ!」
「…それはないだろう。いい子達だ。お前みたいなイカレ野郎でもくれるさ。」
「もしもーし!今の全部聞いていたよ〜。傷つく様な言葉もさぁ。」
2人が歩いていると…。
「む。ドミナントに主任か?」
「あっジャック。て、何してんの?」
「チョコレート、箱やラッピング販売だ。」
「傭兵やめて店を本業にしたのか…。」
ジャックが店を広げていた。様々な種類のラッピングの色や、箱がある。ハートはもちろん、星や三角、四角や正12面体の形をしたものまで。
「艦娘を見た?」
「ああ。数時間前にな。列が4つ出来るほど大繁盛だ。」
「儲かってるな。で、今は誰もいないと。」
「ああ。その時間帯が終わったらさっぱりとな。」
「へー。…ジャックはチョコレート貰った?」
「いや。一つもだ。」
「甘いのダメそうな顔だもんね。」
「む。この顔は生まれつきだ。それに、苦手でもない。」
「そうなのか?」
「ああ。」
ドミナントたちが話す。
「…暇なら、そこら辺散歩しないか?」
「…そうだな。」
そして、ジャックが店に休業の札を出そうとしたら…。
「待ってー!」
1人の艦娘が走ってくる。
「ん?皐月か?」
「し、しし司令官!?な、なんでここに…?」
「暇だから。で、皐月は何買いに来たの?」
「…チョコレート…。」
「そっか〜。失敗したのか〜。」
「……。」
「いつも俺にかわいいって言うけど、お前のほうが可愛いじゃないか。」
「ん…。」
ドミナントは皐月の頭を撫でる。
「…誰に作ってたの?」
「…司令官。」
「…ありがとう。ホワイトデー楽しみにしてろよ。」
「…うん。」
そして、ドミナントが撫でるのをやめて、皐月が買い物をしてどこかに走っていく。
「…リア充だね〜。ジャック、トマト売ってる?」
「ああ。代金はいらん。あとで投げつけるか。」
走っていく皐月を見ながらニヤニヤしていているドミナントの後ろで、ジャックたちが話す。だが…。
「ジャックさん。」
後ろから聞いたことがある声を聞く。
「…加賀か?」
「はい。」
「…何か欲しいものがあるのか?」
「はい。」
「何が良い?」
「…ジャックさんのお好みで。」
「む…。そうだな…。ドミナントにやるのなら、これはどうだ?」
「いえ。提督のはもう作ってあります。(市販のチョコレートを。)」
「そうか…。…じゃぁ、誰にだ?」
「……。あとのお楽しみです。」
「む…。なら、この形はどうだ?誰にでも好かれそうな色をしている。」
「…ジャックさんはどう思いますか?」
「私か?私は…少し似合わないな。私が好きな色はこれだ。」
「なら、それにします。」
「…こんな私が勧めたので良いのか?」
「はい。間違いがないからです。」
「そこまで信用されているとはな…。」
そして、加賀が買い物を終えて皐月と同じ方向へ歩いて行く。
「……。」
主任はそれを見ていて察していた。
「…で、主任。あとでドミナントに投げつけることだが…。」
「あ、そうなんだ〜。で?」
「…?」
主任は冷たく返した。そして…。
「さて、じゃぁ、毎年恒例のあのシーンやりますか。」
「「?」」
「いざ、靴入れへ。」
…………
玄関
「やってきたきたバレンタイン。」
ガチャ
ドミナントが靴入れロッカーを開ける。
「おかしいな〜?何かが間違ってるとは思わないか?」
「ドミナント、過度な期待はより絶望を深くするぞ。」
「俺の靴入れどうかな〜?」
ガチャ
主任が開ける。
「あれれ〜?何かが間違っているとは思わない〜?」
「主任、諦めはいたずらに自分を傷つけることを防いでくれるぞ。」
「うん。これだな。」
ドミナントは納得する。そして…。
「ジャックはどうだろうな〜?」
「どうせ何もないと思うが…。まぁ、開けてみるか。」
ジャックがロッカーを開ける。すると…。
ガラ
「「「!?」」」
一つだけ転がってきた。
「…誰から?」
ドミナントが興味ありありに聞く。
「…分からん。」
だが、名前も書いてない箱では誰のものかわからない。
「…そうか。」
ドミナントはソワソワしている。何せ、自分の娘(の様な存在)がチョコレートをジャックに送ったのだ。気にならないはずがない。
「ま、俺には何もないけどね〜。」
「…しっかり確認した?」
ドミナントが主任のロッカーを漁る。
「…あるじゃん。」
「「!?」」
主任の靴入れロッカーの中のよくわからない場所から取り出す。
「ほら。…名前ないけど。」
「いーじゃん。」
主任は嬉しそうだ。
「つまり、俺だけなしか…。」
ドミナントは少し残念そうだ。
「まぁ、まだ一日は始まったばかりだ。これから渡されるかもしれんだろう?」
「…まぁね。」
そして、ドミナントたちは娯楽室へ向かった。
…………
キッチン
「では、皆さん。これでチョコレート作り、およびラッピングを終了します。それぞれ想い人に渡しに行きましょう。タイミングは自分で考えてくださいね。」
セラフが皆の前で言う。全員終わった様だ。
「タイミング…。一番大事なこと…。」
「司令官に渡すタイミング…。」
それぞれがざわめく。そこに…。
「終わったから行く。早めに渡しておいた方が良いだろう。」
ジナイーダが1人行く。
「…凄いわね。私もあれくらい素直に渡せたら…。」
「叢雲さん、素直に渡せない時はロッカーや執務室に置くのも手です。」
「…でも、それだとなんか申し訳なくて…。」
「まぁ、司令官もそれだと気づきにくいでしょうし…。第一、本命と受け取ってくれるかどうかも…。」
「私たちのことを娘の様に思っているらしいからな…。恋愛対象としては見てくれないだろう…。」
「工夫しなくてはいけませんね。」
「…そう思ってみればこんなにチョコレートあげて、提督困らないかな…?」
「「「あっ…。」」」
全員が困った顔をする。
「…大きすぎるのは逆にダメでしたか…。」
「チョコレートの食べ過ぎで糖尿病になって苦しむかも知れませんね…。」
「肥満になってしまったら…。…気持ちは変わらないと思いますが…。少し…ね…。」
反省する艦娘もいれば…。
「やはり、甘さは少しの方で正解でしたね。」
「持ち運びやすいものを選んでよかったかも。」
「低脂肪チョコレートを選んで良かったわ。」
よく考えていた艦娘もいる様だ。
「まぁ、最終的には気持ちだよね。大きさ、味関係なく貰えるってだけでも嬉しい人はいるから。」
「そう…ね。うまく…出来なかった…けど…、司令官…は…嬉しい…はず…。」
「…まぁね。」
だが、結論がすぐに出て、気にせずに部屋を後にしていく艦娘たち。
「…まだいるのはどうしてですか?」
セラフが残った艦娘たちを気にする。
「いざ渡す時のセリフも考えないと…。」
「あと、シミュレーションもしておかないと、渡すときに何も出来なかったら意味がありませんから。」
「計算も大事です。」
計画を立てている子たちもいる。
「…すごいですね。てっきり、すぐに渡しに行くのかと…。」
「む。そこまで私たちは単純ではありません。…と、セラフさんにもこれを。よく世話になってもらっているので。」
赤城がセラフにチョコレートをあげる。
「ありがとうございます。私からも皆さんにあるんですが…。ここだとヒイキ扱いされそうなので、後で娯楽室に置きに行きます。」
セラフが微笑みながら言う。
「私も世話になっているのであげます。」
「私も…。」
「ボクも…。」
艦娘たちがセラフにどんどん渡していく。
「…これだけでもう両手一杯ですね…。ドミナントさんはどうなさるのでしょうか…?あと、これで部屋を閉めます…。各自解散で…。」
セラフは呟きながら自室に戻り、色々準備をしていく。
…………
娯楽室
「…主任…。貴様…裏切るのか…。」
「ま、いいんじゃないの?どうでも。あっちが残った方が面白いよ。」
「仲間割れだと…。ダメだ…。出来ん…。協力プレイでもっても届かんとは…。」
『Game Over』
三人はゲームをしている。ちなみに、今やっているのは負けイベントである。
「あの火炎放射器がチートすぎる…。」
「空から降ってくる爆弾を避けながらだもんね〜。」
「不規則に足場が移動する…。炎の中に突っ込んだりバルカンの嵐の場所へワープしたり…。」
三人が愚痴をこぼす。そこに…。
「楽しくやってるな。」
ジナイーダがやってきた。
「楽しいもんか。負けイベなのに。」
「そうか。それより、これを受け取れ。私からの気持ちだ。」
ドミナントたちはチョコレートをもらう。
「チョコレートを入手しました。」
「解析不能です。」
「ギャハハハハ!」
反応は三者三様。
「ありがとう。」
「礼を言う。」
「ありがとね〜。」
だが、気持ちは同じだった。
「それより、まだたくさんの艦娘が来るぞ。」
ジナイーダが言った途端…。
「あっ!いました!」
三日月がやってくる。…いや、沢山の艦娘か…。
「ちょ、多っ!?また苦しい思いは嫌だよ!?」
ドミナントは前、ぎゅうぎゅう詰めにされたことがあった。
「まぁ、諦めて受けとれ。艦娘たちの気持ちだ。…まさか、受け取らないと言う、無い選択肢を選ぶわけではあるまいな…?」
「いや、受け取るから…。銃をナチュラルに取り出すのやめようね?」
「そうか。」
そんなことを話しているうちに…。
「司令官!三日月特製のチョコケーキです!受け取ってください!」
「勿論だ。三日月、ありがとう。」
「Hey提督ー!burning Love!な、chocolates(チョコレート)を持ってきたヨー!」
「大きいな。ありがとう金剛。」
「司令官、大きなハートのチョコ作ったんですよ。はい。」
「吹雪、なんか溶けてない?あ、ありがとう。」
「あれ!?溶けてる!?」
「はいっ。夕張からのチョコレート。ちゃ〜〜んと果汁も入ってるんだから。ホントよ?」
「夕張だけに?ありがとう。」
「はぁーい。寝食を惜しんで作り上げた、如月の気持ちを込めたチョコレート。ちゃんと最後まで食べてね。」
「当然だ。残すやつなんているのか?ありがとう如月。」
……寝食を惜しんで?それに、まだAMIDAいるんだ…。
5人からチョコレートをもらう。主任がうらめしそうに見ていた。
「まぁ、金剛を忘れていたけど、ノルマ達成…か。あとはジャックと主任だけ…と。」
ドミナントは艦娘から5個もらう。
「ま、いいんじゃないの?どうでも。」
「主任が拗ねてる…。」
「俺は人間の可能性が見たいんだ…。」
「思い出したかの様に言うのやめてくんない?」
ドミナントと主任が楽しそうに会話しているところに…。
「あっ!もちろん主任さんの物もあります!」
三日月が主任に出してくれる。
「いーじゃん!ありがとね〜。」
「いえいえ。」
主任と三日月が話す。
「…司令官〜。」
「ん?どうした?」
如月がドミナントのことを呼ぶ。
「実は、少し気になることが〜。」
「…何?」
如月が楽しそうに会話している三日月を横目に、小声で言う。ドミナントも小声になる。
「三日月ちゃん、もしかしたら主任さんのことが好きなのかも知れないわぁ。」
「何っ!?」
「しっ。」
「…ごめん。で、何で?何でそんなことが言えるの?」
「実は、作っている最中に聞いてきたのよぉ。」
「…主任の好みとか?」
「ええ。前に世話になったとかで…。」
「まぁ、一番最初に主任に声をかけたのが三日月だからね。だが俺の私服もあげた気がするんだが…。」
「司令官も好きで、主任さんも好きなんじゃないかしらぁ?」
「マジか。確かに、ラッピングが青いからね…。主任を意識しているのか…。」
「まぁ、如月が思ったことだからわからないけどぉ。」
2人が話していると…。
「司令官?何を話しているんですか?」
「ん?あぁ、なんでもないよ。」
ドミナントは何でもなさそうにする。
「そうですか。それと、ジャックさんにもあります。」
「礼を言う。」
三日月がチョコケーキをジャックに渡す。
「美味しいはずです!」
「だろうねぇ。」
「それじゃぁ、失礼します。」
渡すだけ渡して、三日月はどこか行った。
……あれは部屋に行ってベッドの上で恥ずかしがる奴ねぇ。
如月はそう思ったあと、頭にいるAMIDAにチョコレートを食べさせてから自室に戻った。実際、その通りだった。
「…取り敢えず、俺は部屋に戻るよ。チョコレートを置きに。」
「そうか。ちゃんと食べてやれよ?」
「勿論だ。…て、主任はもう食べているのか。」
「う〜ん。中々美味い。」
そして、ドミナントは自室に戻る。しかし道中…。
「なっ。…あのだな…。一応用意しておいたんだ。陸奥のやつがだな、こういうのは大事だと…。…これなんだ。どうだろうか?」
「ありがとう長門。陸奥はこの鎮守府にいないけどね。」
「なっ……。」
……顔を真っ赤にして可愛い…。
「し・れ・え!チョコ、あげます!買ってきたチョコです!おいしいと思います。」
「ありがとう雪風。」
……市販か〜。
「一生懸命作りました。チョコ、よかったら召し上がって。…でも私、料理とかあまりしたことがなくって……すみません。」
「貰えるだけありがたいさ。白雪。」
……白雪…だよね?前秘書艦やった…。
「手作りチョコ、よし。気合十分、よし。この季節は、恋も戦いも、負けません!」
「ありがと。比叡、負けるなよ。」
……誰と勝負してるんだ…?
「提督…もしよかったら、この榛名のチョコレートもらっていただけますか?」
「当たり前じゃないか。ありがとう榛名。」
……むしろ、くれ。
「甘さよし、ほろ苦さよし、包装よし!よーし、大丈夫!しっ、司令!こちらを!」
「霧島もありがとう。ぐちゃぐちゃな包装でも大丈夫だけどね。」
……少し緊張しているのがわかる…。可愛い。
「提督。よかったら、この…ちょこれいとを、受け取っていただけないでしょうか?…よかったら…。」
「ありがとう扶桑。受け取るの一択だよ。」
……よかったら?だと?だぁい歓迎だよ。
「姉さま。この山城、チョコレートを差し上げます!提督?仕方ないですね。はい、これ。」
「う、うむ。ありがとう山城。」
……余り物感スッゲー出てるもの貰われた。…まぁ、嬉しいけど。
「はい、提督。睦月からのチョコ、差し上げます!えへへ、どうぞです♪」
「ありがとう睦月。味わって食べるよ。」
……可愛い…。ひたすら可愛い…。5億アグニカポイント。
「しれーかんにぃ、ふみつきのあまーいチョコのプレゼント、あ・げ・る・ねー♪…(私の邪魔をする者皆死ねば良い。)」
……可愛い天使の声だ…。…ん?顔の見えない角度で最後何か聞こえた様な…?
「バレンタインなど下らない。そう思うよな?提督。…思わないのか…?思っているんだろう…?」
「…そうだな…。長月は用意してないのか…。」
「…え、司令官、そんなにガッカリ…。なんか、すまん…。」
……まぁ、そう思う艦娘もいるよね。十人十色だもん。…え?悲しいかって?そんなわけ…。別に死ぬわけじゃないし…。うん…。
「提督、チョコあげるにゃ。…マタタビじゃないにゃ。多摩のチョコにゃ。………にゃー。」
「お、おう。ありがとう多摩。」
……最後変だったけど…。本当にマタタビ入ってないよな?てか、恥ずかしそうな声で言って、すごく可愛いんだけど…。
「司令官、これ、どう?長良の特性、チョコケーキ!食べてみて食べてみて!」
「お、おう。」
……今食べるのか。
「…むぐむぐ…。」
「…どう?」
「うみゃーがや。」
「う、うみゃ…?」
「…美味いって意味。ちなみに名古屋弁だよ。」
「なら良かったです!」
……かわゆす。
「提督、バレンタインでも夜戦だよ!」
「流石川内だよ…。…あっ、でもチョコレートくれるんだ。ありがとう。」
……夜戦バカの意味がわかった気がする。…ん?夜戦(意味深)?
「提督、受け取っていただけたら嬉しいです。」
「お、おう。神通ありがとう。」
……なんか事務的っすね。
「那珂ちゃんはー、もっちろん義理チョコなんだけどー、これ、あげるね。きゃはっ♪」
「貰えるだけありがたいよ。那珂ちゃんはアイドルだからね。」
……まぁ、自称アイドルですからね。
「ぁ、はい!ボクのチョコ、食べてみてね。味は保証しないけど…。」
「そうか。なら食べてみよう。…もぐもぐ…。」
「…どう?」
「美味しいよ。もがみんのチョコ。」
「良かったぁ!ボクも嬉しいよ!」
……喜ぶもがみんも可愛いなぁ〜。
「提督、こ、これ、受け取ってください!」
「ありがとう古鷹エルさん。」
「あ、ありがとうございます!」
「こっちこそ…。本当に嬉しい。」
……古鷹はいい奴だ。優しい子だしな。
「んー。まぁ、なんてーの?チョコってやつ?あたしも一応用意しといたよ。ほれ。」
「ありがとう加古。礼を言う。」
……加古はやる気ない感じだけど、いい奴なのは確かだな。いい子だ。
「提督…あの、よかったら、こちらを受け取っていただけますか?これは私からです。」
「妙高さんはピシッとしてますね。勿論、受け取りますよ。」
……妙高さんは事務的だけど、一応恥じらっている。…可愛いな。
「あっ、あの!司令官さん!こっ、このチョコレート、よ、よかったら、受け取ってください!」
「羽黒もか。ありがとう。いくらでも受け取るよ。」
……羽黒…。顔を赤くして渡してくれる。…結構可愛いな。
「し、司令官!ちょ、チョコ作ったわ!一人前のレディーとして…あの、その…。」
「ありがとう暁。暁は一人前のレディーだなぁ。」
……暁も可愛いなぁ〜。あとで飴でもあげよう。
「司令官、ロシア風のチョコ、あげる。…どこがロシア風なのかって?それは…内緒だ。」
「ありがとうВерный(ヴェールヌイ)。そして…。ハラショォッ!」
「ハラシォォォォ!私には祖国がある。負けるわけにはいかない。」
……すっかりボリスビッチが板についてるな…。まぁ、それも良…いや、良くはないな。可愛さを目指す様に仕向けよう。
「じゃーん!雷の手作りチョコを用意したわ!司令官、よーく味わって食べるのよ?はいっ!」
「ありがとう雷。最初から味わう予定だけど。」
……雷はおかんだからなぁ〜。甘えて良いのよオーラが出てるから、ついつい甘えそうになるんだよね〜。
「あの、司令官さん、電の本気のチョコ、差し上げるのです!こちらなのです!」
「お、おう。ありがとう電。」
……本気と書いてマジ。でかいな。本当に。…まぁ、金剛よりは小さいけど。
「提督。一応これ、ボクからも渡しておくね。…邪魔、かな?」
「そんなことないよ時雨。だぁい歓迎だよ。僕はチョコレートを貰いたい。」
……ギブミー!チョコレート!
「えっと、このチョコレートあげるっぽい。夕立、結構頑張って作ったっぽい。」
「ありがとう夕立。大切に食べるよ。」
……あの夕立が…か…。まぁ、番犬付きだけど、可愛いから尚OKだな。
「てーとく、今年は手作りで作ってみました。どうでしょうか…?あたし的にはOKなんですけど…。」
「ありがとう阿武隈。去年もらってないけどね。手作り嬉しいなぁ。」
……可愛いなぁ。例えどんな形でも、どんな味でももらうだけ嬉しいのさ。
「このトリュフ作ったんだー!提督、食べて〜♪」
「お、おう鬼怒。今か…。パクッ。」
「…えへへ、どう?辛い?甘い?1つだけ甘い、ロシアンチョコ仕様なのだ〜。」
「うん。辛い。7択で1つ出すのは難しいな…。」
……バレンタインってこんなチョコレートも貰うのか…。貰ったことなかったからなぁ。
「提督、私が本気で作ったチョコレート…食べる?」
「頂こう。瑞鳳ありがとう。」
……食べりゅぅぅぅぅ!
「あの!あげる!…あとで、食べて、ね…。」
「食べない奴はいないだろう?山風。」
……山風もあれから少し心を開いてくれたし。素直な子は可愛いな。
そして、ドミナントは自室の前まで来る。
「思わぬチョコレートも手に入ったことだし。…にしても…。両手が塞がって開けられないという悲劇。」
ドミナントが扉の前で立っていると…。
「提督!ば、バレンタインです!このチョコケーキをどう…。」
五月雨が走ってきて…。
ツルンッ
ドシンッ
「ぞっ!」
転んだ。
「いたた…。て、あれ!?」
「五月雨、大丈夫か?」
「それよりも、チョコケーキが…。て、ああ〜〜〜!!」
「どうした?」
「提督!上です!」
「上?」
ドミナントが上を見る。するとそこには宙に浮かんで真っ直ぐな放物線を描いてやってくるチョコケーキがあった…。
「…まずいな。」
今のドミナントにキャッチするという選択肢はない。両手が他のチョコレートやケーキなどでいっぱいなのだ。
「うぅ…。」
五月雨は自分のドジを悔やんで少し泣いていた。
「…普通のカッチョいい男なら決断をするが…。俺はこうする。」
そして、ドミナントはキャッチをした。
「!?提督…。」
「ほーあ(どうだ)!いひゃか(見たか)!?ふうーおおほこあらえきあいこーいあ(普通の男なら出来ない行為だ)!」
口で受け止めたのだ。
「…すごく格好は悪いですけど…嬉しいです。」
五月雨は苦笑いしながらも、そんな格好をしてまで受け取ってくれたドミナントに感謝していた。
「ろこおえさみあえ(ところで五月雨)、ろああええくんあい(ドア開けてくんない)?」
「わかりました。」
ガチャ
「どうぞ。」
「あいあおう(ありがとう)。あひおかんひょーはあおえいうかあ(味の感想は後で言うから)。」
「はい。それでは。」
五月雨がどこかへ行った。
「…いおふおおおひゃあいお(荷物もおろさないと)…。」
ガララララ…
とりあえず机の上に全てのチョコレートやケーキを置く。
「…もぐもぐ…。…むぐっ。」
ドミナントは五月雨のチョコケーキを食べたが、急いで水を飲む。
「ガブガブ…。…ふぅ…。…すっごく失礼だけど…、これチョコじゃなくてコゲだ…。」
ドミナントは水を飲み終わり、ゲンナリする。
……まぁ、俺のために作ってくれただけでもすごく嬉しいんだけどね…。
そんなことを思う。
「…にしても、全部義理だよな?本命は吹雪たち以外無いと思うし。だが、チョコはチョコだ。ホワイトデーでもしっかり返すのが礼儀だろう。長月はなかったけど働いてくれているし、戦果も出しているからあげよう。」
ドミナントが独り言を呟いていると…。
コンコンガチャ
「やぁ!ドミナント!遊びに行こう!」
「おう神様。できればノックの後少し間を開いてくれるとありがたいぞ。」
神様がやってきた。
「今日はバレンタイン!遊びに行こう?」
「うーん…。鎮守府の中なら良いんだけどね。なんせ、極秘な場所だから。」
「思い出したかの様に極秘鎮守府設定言うのやめて?デートしたり買い物したり、遊園地行ったり、旅行へ行ったりしてるよね?」
「あれ、大本営や先輩神様が裏で手を回していたんだって。」
「何その都合の良い情報…。」
神様は微妙な顔をする。
「ま!とにかく行こう?」
「しゃーないな。」
そして、ドミナントは神様と散歩しに行こうとしたが…。
「…ん?何この紙…?」
机の上のチョコレートたちの下に手紙があったのだ。
「どうしたの?」
「なんかよく見ると手紙みたいなものがわんさかと…。」
ドミナントたちが手紙を見る。
…………
ヒトナナマルマル 堤防
…………
ヒトロクサンマル 自主練場
…………
ヒトゴーマルマル 倉庫
…………
ヒトロクマルマル 弓道場
…………
ヒトナナサンマル 演習場
…………
ヒトハチサンマル 屋上
…………
ヒトゴーサンマル 玄関
…………
「…呼び出されたね。」
「…そうだな。」
ドミナントと神様が会話する。
「つまり、3時に倉庫、3時30分に玄関、4時弓道場、4時30分に自主練場、5時に堤防、5時30分に演習場、6時30分に屋上か…。」
「…そうだね。」
「…じゃぁ、行くか。」
「えっ?でもまだ2時だよ?」
「余裕を持って行くんだよ。」
「へ〜そう。なら、私はここで待ってるね。」
「?なんで?」
「なんでって…。気持ちわかるでしょ。早く行ってきなさい。」
バタン!
神様がドミナントを閉め出す。
……あいつがか…。珍しいな。俺を閉じ込めることはともかく、閉め出すとは…。
ドミナントはそう思いながら行った。
…………
「…まぁ、独占したい気持ちもあるけど…。フェアじゃないとね…。」
神様はドミナントのベッドに入りながら言うのだった。
…………
道中
「まずは倉庫…か。…倉庫に呼び出し…タンク…。」
ドミナントが歩いていると…。
「あ、あのっ!」
「ん?」
後ろから声が聞こえてきた。
「叢雲か。どうした?」
「こ、これっ!そこに落ちてたわよっ!…あ"っ、私が買ってきたわけじゃないんだからっ!あんたのじゃないの?…早く持って行ってよ!」
叢雲がチョコの箱を片手にそっぽ向きながら言う。
……フッフッフ。絶対に叢雲のだな。恥じらいを隠すのも可愛い。…このまま受け取っても良いが、俺はもう少しからかいたいのでね。
ドミナントはニヤニヤしながら思い…。
「あー、叢雲。」
「何よ!早く持って行ってよ!」
「俺、落としてないんだよね。」
「…えっ?」
「道中もらったチョコレートは自室に置いてきたから今ないの。それに、一個、一瞬でも落としてないし。ケーキは口でキャッチしたしね。」
「……。」
「誰のかな?正直に言おうか。」
……可愛い!
顔を赤くしてワナワナしている叢雲に、ドミナントはその感想しかなかった。
「なっ…こ…馬鹿っ!」
「ありがとうございます!!」
「何礼を言ってるの!?本当に馬鹿!」
叢雲は無理矢理ドミナントの手に渡しながら走って行った。
「あ〜可愛かった!…でも、少し悪いことしちゃったな…。」
ドミナントはニヤニヤしながら倉庫へ向かった。
…………
倉庫
「……。」
乙女が春用の格好にマフラーをしてチョコレートを両手で胸に抱きながら立っている。現在時刻2時30分だ。
「…時間が過ぎるのが遅く感じます…。」
そう、ここにいるのはセラフだ。実はもう2時から待っているのだ。
「まぁ、私も渡すけどね。」
セントエルモもいた。夕張やジャックたちには渡しているから、後はドミナントだけのようだ。
「こんなに早くから待っているけど、来るのは確か3時だよね?早すぎない?」
「少し緊張してしまって…。何度も頭の中でシミュレーションをしています。」
「完璧主義者って奴だね。ドミナント提督もこんなに早くから待っているって知ってるのかな?」
「…おそらく、伝わらないはずです…。」
「だよね〜。」
2人が話していると…。
「ゴーゴーリムファイアエビノカラアゲ」
ドミナントが歌を口ずさみながらやってきた。
「…毎回思うんだけど、よくわからない歌を歌ってるよね…。」
「…そうですね…。」
2人が話していると…。
「随分と調子良さそうだねぇ。3時に誰かがここに来るとも知らずに…。」
ドミナントが2人を見つけて近づく。
「3時からここに誰か来るみたいだから、席を外してもらえる?」
「3時…ですか。おそらく、私たちが呼び出しました。」
「セラフたちか。」
「あの…その…。これ…を…。どう…ぞ。」
「おー、チョコレート。ありがとうセラフ。」
……可愛いな。…ハート型…か…。まぁ、確か俺に好意があるような気がするけど…。こんな美人と俺とじゃ釣り合い取れないよな…アハハ…。
「ドミナント提督、これは私から。」
「セントエルモも?ありがとね。」
……セントエルモもくれるんだ…。今度出撃させてあげよう。いい子だし。
ドミナントはそう思う。
「…ドミナント提督。」
「何?」
「…一応言うけど、セラフさんのは本命だよ?」
「セ、セントエルモさん…。」
「知ってるよ。告白された…様な気がするし。」
「しました!」
「ご、ごめん…。」
「忘れないでくださいね…!」
「すみません…。」
ドミナントとセラフが話す。
「まぁ、返事が出来ない優柔不断な奴と一緒にいてくれてありがたいよ。ホワイトデー楽しみにしてろ。」
「期待しないで待ってます。」
「忘れないでねー。」
「へいへい。」
そして、ドミナントは玄関向かう。
…………
道中
「玄関か〜。」
ドミナントが呟きながら歩いていると…。
「あら、提督。」
「ん?間宮さんと伊良湖ちゃんか?」
後ろから声が聞こえて、振り向き様に答える。
「はい。今日は特別な日なので、チョコレートを差し上げます。」
「私からも、頑張っている人にあげたいです。」
「おお!?まさか、2人に貰えるとは思っていなかった。ありがとう!」
ドミナントは、2人にお礼を言う。
「いえいえ、提督こそ頑張っているので。」
「当然です!」
「2人とも、本当にありがとうね。」
ドミナントは2人を撫でる。
「あっ、それと一つ提督に質問が…。」
「どうした?」
伊良湖がドミナントに尋ねる。
「皐月ちゃんから受け取りましたか?」
「いや、受け取っていない。」
「そうですか…。皐月ちゃん頑張っていましたよ。」
「そうなのか?」
「まぁ、少しだけ手伝いましたけど…。」
「そうか。…まぁ、もらったら礼を言っておくよ。それと、皐月のチョコ作りを手伝ってくれてありがとな。」
ドミナントは礼を言ったあと急いで玄関へ向かった。
…………
玄関
「ん〜。次は玄関だよな…。」
ドミナントが呟きながら玄関に来ると…。
「提督…!」
「ん?どこ…?」
姿が見えないが、声が聞こえる。
「提督!こちらです。」
「ん?翔鶴か?」
あたりを見回して、鎮守府の壁の色と半分一体化して、カモフラージュ率80%の翔鶴をようやく見つける。
「…翔鶴が俺を呼ぶのは珍しいな…。緊急か?」
ドミナントが急いで行く。
「あっ、急がなくても大丈夫。私もちょうど今来たところなんです。あの、提督…もしよかったら…。」
「翔鶴もくれるのか。ありがたい。」
翔鶴からチョコレートを渡される。
「ありがとう翔鶴。」
「いえ、私のほんの気持ちです…。いつまでも提督を続けてくださいね。」
「もちろん。この世界が消滅…あるいは俺が死ぬまで続けるさ。」
「…変な言い方ですけど、言いたいことはわかります。」
翔鶴がそういったあと…。
「て、提督…?何を…?」
「ん〜?翔鶴の出番が最近あまりないからさ〜。そういうシーンが無くても頑張っているのは知ってるから。翔鶴は良い子だよ。」
ドミナントが翔鶴の頭を撫でている。
「…瑞鶴とは違って拒否しないんだな。」
「…瑞鶴は…少し…照れ隠し…も…ありますから…。」
翔鶴がドミナントの呟きに嬉しそうに目を閉じて言う。
「そうか…。」
そして、一定時間過ぎたあと、ドミナントは弓道場へ向かった。
…………
弓道場
「赤城さん、まだ少し早いのでは?」
「いえ、こういうものは早い方が良いのです。」
「しかし、少し冷えますよ。」
「大丈夫ですよ。加賀さんは中で待っていても平気ですから。」
「赤城さんを置いて行けません。」
ドミナントを待っている赤城と加賀が話す。
「あっ、来ました。」
「…2、1…0。提督、遅刻です。」
「ハァ、ハァ…。加賀厳しいな…。」
ドミナントが走ってきた。
「提督、こちらのチョコを良かったら…。」
「もらおう。」
ドミナントが即答して赤城からチョコを入手する。
「あっ、はい!お返しなんていりません。うふふっ♪」
「そうはいくか。ホワイトデーを楽しみにしてろよ。」
「それと、紅茶に合う様に甘さは控えております。」
「そこまでしてくれるとは…。本当に礼を言う…。」
そう言ってドミナントは赤城の頭を撫でる。
「赤城…。いつもありがとな…。」
「提督…。」
ドミナントと赤城が良い雰囲気なところに…。
「提督、甘いものがお好きでしたらこれを。」
「お、おう。加賀。今渡すか…。」
加賀が邪魔をしようと言わんばかりにチョコレートを渡してきた。
「…もう…。」
赤城が少し頬を膨らませている。
……可愛い。
……可愛い。
だが、ドミナントと加賀には逆効果なのは赤城自身知らない。
…………
道中
「んー。」
ドミナントが歩いていると…。
「司令官!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえる。
「皐月か。どうした?」
「司令官、チョコあげるよ。ボクの手作りさ!」
「ほう。伊良湖に手伝ってもらった…。」
「なっ、そ、そんなことないよ!ホントだよぉ!」
「皐月、嘘はいかんぜよ。まぁ、貰えるだけありがたいんだけどね…。」
ドミナントは恥ずかしがっている皐月からチョコレートを入手する。
「…皐月は可愛いなぁ〜。」
「司令…官…こそ…。可愛い…よ…。」
ドミナントが頭を撫でながら言い、皐月が嬉しそうにする。
……皐月くらいだろうな…。こんな冴えないおっさんを”可愛い"って言ってくれるの…。ちゃんとお礼をしないとな。
ドミナントはそう思い、しばらく撫でたあと自主練場に向かった。
…………
自主練場
「…なんとか間に合ったか…?」
ドミナントが時計を確認する。
「…4時25分…。セーフ…。」
ドミナントが休んでいると…。
「…あっ。」
瑞鶴がやってくる。
「おう瑞鶴。お前か。」
「そうよ。」
「…最近筆者の具合はどうだ?」
「ネタが行き詰まっていて、案がないらしいわ。」
「そうか…。」
そして、瑞鶴がドミナントの前に立ち…。
「て、提督さん。どうせきっと私だけだと思うから…、かわいそうだからチョコあげるわ。ほら…ちゃんとお返ししてよね。」
「おう。ホワイトデー楽しみにしてろよ。」
……翔鶴…。まさか、瑞鶴には渡すことを知らせていないのか…?てか、瑞鶴の話が本当なら、良い子過ぎるだろ…。
ドミナントは心の中で思う。
「瑞鶴、お前は優しくて良い子だな。」
「えっ…。いきなりどうしたの…?」
「なんでもないさ…。」
「???」
…………
堤防
「ん〜。次は誰だろう?」
ドミナントが堤防に行く。すると…。
「よっ、提督。待ち兼ねたぜ。俺の世界水準を軽く超えたチョコやるよっ。」
「て、天龍!?おま…いつの間にそんな女の子らしいこと出来たんだよ…。」
「おい!提督!今凄く失礼なこと言ったぞ!」
「す、すまん…。つい…。」
「…まぁいいや。それより、ほら。」
「う、うむ。ありがとう。」
ドミナントは天龍のチョコレートを受け取るが…。
「…あっ、すまん手を触って…。…何時間ここにいた?」
「な、なんでそんなことを聞くんだ?」
「手が冷た過ぎるぞ…。」
「…そっ、そんなに長時間待ってねぇよ…。」
「いいから答えろ。」
「…2時間…。」
「馬鹿野郎が。こんな寒い中俺のためにそんなに長時間待つなよ。遅れてきても良いんだ。お前が風邪をひいたら元も子もないだろう…。」
「け、けどよぉ…。」
「駄目。次からはそうしないように反省しなさい。…ほら、マフラーあげるから。」
ドミナントは首にあるマフラーを天龍に巻いてあげる。
「…!?でも、それがねぇと提督が寒いんじゃ…。」
「ああ、寒いよ。でも天龍、お前が寒い思いをすれば、俺がかわりに寒い思いをする。そう心の中で戒めろ。そうすれば、もうこんなに長い間待たないだろう?」
「で、でも…。長官を待たせるのは…。」
「ん〜?マフラーだけでは足りないか?上着もあげるよ?」
「い、いや!いい。なんでもない…。」
「そうか。…まぁ、そういう心構えは嫌いじゃないさ。」
ドミナントは天龍の頭を撫でる。天龍は嬉しそうにしている。
「…褒められれば、また撫でてくれるか…?」
「当たり前だ。…というより、抱きしめることは出来ないからな。これが俺の許容範囲の精一杯の愛情表現だ。」
「ん…。」
天龍は嬉しそうに目を細めた。
「あらあら〜。天龍ちゃんが落ちちゃったわぁ〜。」
「た、龍田!?」
「龍田もいたのか?」
堤防の岩の陰から龍田が姿を現した。
「ええ。天龍ちゃんが心配になって〜。」
「そうか。」
「…どうしたの?何を物欲しげな目で見ているの?欲しがり屋さん、しっかり味わうと良いわ。」
「俺そんな目をしてたか?まぁ、ありがたいけど。」
……おそらく、これが龍田の愛情表現なんだろうなぁ〜。
ドミナントは龍田のチョコレートを受け取り、思う。
「…ところで提督〜。」
「ん?なんだ?」
「私には撫でないのかしらぁ〜?」
「えっ?でも、前は腕を切り落とすって…。」
「なぁ〜にぃ〜?」
「い、いえ。何でもないです。」
そして、ドミナントは2人を両手で撫でたのだった。
…………
演習場
「すっかり遅くなってしまった…。いるかな?…いたら謝らないと…。」
ドミナントがAC化して、海の上の演習場の中に入る。すると…。
ドヴェーーー!ドヴェーーー!ドヴェーーー!…!
ゴゴゴゴゴ…ガシャァン!
ガラガラガラ…ガシャァン!ビビビビビ…!
シャキン!シャキン!シャキン!…!
「!?」
演習場の扉が閉まり、デスマッチ戦用のステージに切り替わる。扉は電圧二千万Vの電流が流れ、天井が閉じて曇りの日の様な明るさになり、壁が鉄の刺で埋まる。
「だ、騙して悪いがだ…。油断していた…。」
ドミナントはかすれた声で言う。
「…5分遅刻だ。」
「5分遅れただけでデスマッチ!?」
ドミナントはどこからかの声に叫ぶ。
「…ところで、誰だ?」
「大和型2番艦であり、元『ミッドウェー』だ。」
「…武蔵か。」
武蔵が姿を現す。
「…で、何の様だったんだ?」
「…提督よ。チョコレートを用意した。」
「へぇー。くれるの?」
「この武蔵のチョコレートが欲しかったら、ここでデスマッチを挑み、勝ってみろ!」
「遅刻関係なくデスマッチにする予定だっただろ!?」
ドミナントがツッコミを入れている最中に武蔵が艤装でドミナントに狙いを定める。
「ちょ、ちょ…。俺のペイント弾じゃないんだけど…。」
「何を言う?私の装甲は伊達ではないぞ。」
「まぁ、そうだけど…。一応ね…。怖いじゃん。」
「…その優しさは嬉しいな。…そこの部屋の中にたっぷりあるから、取ってこい。」
「お、おう。」
そして、ドミナントは部屋の中に入る。
……さて、どうしたものか…。ここで逃げるのも手だな…。時間も押しているし…。第一、間に合わなかったら他の艦娘にも迷惑だ…。…だが、武蔵も作ってくれたんだよね…。もらわないと言う選択肢はない…か。
そして、ドミナントはペイント弾を武器に敷き詰めて出て来た。
「…?てっきり逃げたものかと…。」
「お前がわざわざ作ってくれたのに、なんでそれを貰えないんだ?別名『仲間の証』だぞ?お前を倒して、それを証明してみせる!」
「ほう…。なら、少し私も本気をダスカ…!」
「半分『ミッドウェー』に戻ってない?まぁいいけど。」
そして、ドミナントたちのチョコレートをかけたバトルが始まる。すると、上にモニターが映し出される。
『READY GO!!!』
どこかで聞いた様な声を聞いた途端、武蔵とドミナントが撃つ。全身がオレンジに染る、もしくは威力余って大破、残りAP10%を切った方が負けだ。
「武蔵も中々やるな。」
ドミナントはロックして撃っているが、武蔵がギリギリで回避してくる。
「…はっきり言って、提督の実力はそこまでではないと思っていたが…。他の教官と違って動きや、攻撃するタイミングが独特だな…。」
武蔵も相変わらず撃ち続けているが、独特にブースターを使ったり、後ろに回り込もうとしたり、ブレード(ペンキの水圧で出来ている)を当ててこようとしたりして中々武蔵の攻撃範囲に入ろうとしない。
「だが、この武蔵、提督にも負けられん。」
「ほう。同じだな。上司として負けるわけにはいかないな。」
両者とも回避しながら言う。…だが、完璧に回避はすることが出来ない。少しずつ染まっていく。
『グリッドワン!残りペンキ範囲50%!』
「ちっ。」
武蔵が舌打ちする。
「勝負はこれからだ!」
『両グリッド!接戦を展開!』
・
・
・
…………
「提督…私より弱いと思っていたのに…。」
『グリッドワン!戦闘不能!よって、ドミナントの勝利です!』
「まだまだ部下には負けられんよ。」
結局、ドミナントの勝利だ。だが、余裕かましているが、ギリギリの戦いだった。そして、武蔵がチョコレートを持ってドミナントの前に行く。
「その…疲れたら食べてくれ…。遠慮はいらん!」
「いま疲れているけど…。あとで味わって食べるよ。」
「そ、そうか…。」
「…おめでとう。今日から君は相棒だ。」
「お、おう。期待してくれ。」
そして、ドミナントは武蔵を撫でたあと、演習場を出て行った。
…………
道中 外
「次はどこだっけ…?」
ドミナントが呟きながら歩いていると…。
『久しぶりじゃのう。』
「どこからか先輩神様の声が…。」
『ここじゃ。』
ピカーー!
「うわっ。」
カッ!
ドミナントが光の眩しさで目を手で塞いだあと再度見る。
「…やっぱり先輩神様でしたか…。」
「そうじゃ!」
「…着物の色は今回は赤いんですね。」
「世間で言うバレンタインじゃからのう。天界では規則はないが、雰囲気を変えてみたのじゃ!」
「似合ってますね。…ところで、何か御用で?」
「お主〜、わかっておるじゃろ。ちょこれいとを持ってきたのじゃ。」
「へぇ〜。先輩神様がね…。」
「なんじゃ?不満か?」
「い、いえ…。ただ、意外だなと…。」
「…妾でも料理はするのじゃ。乙女の嗜みじゃ。後輩も出来るじゃろ?」
「まぁ、出来ますが…。」
「教えたのは妾じゃからのう。」
「せ、先輩神様が教えたんですか!?」
「そうじゃ。」
先輩神様はどうだと胸をそらす。
「そうなんですか…。」
「それより、ちょこれいとじゃ。受け取ってくれ。もちろん、後輩の分もお主の仲間の分もあるのじゃ。」
「あ、ありがとうございます。」
……先輩神様からチョコレートを貰えるとは…。
ドミナントはチョコレートを受け取りながら思う。
「それじゃぁ、妾はこれから仕事があるからのう。実に名残惜しいが、そろそろ帰るのじゃ。」
そう言ったあと、光の球になる。
「あっ、はい。またいらしてくださいね。」
『当然じゃ』
ドミナントと別れの挨拶をした後、空へ消えて行った。
「…やっぱり、良い人じゃないか。」
ドミナントはそう言ったあと、歩き始める。が。
「…ん?」
鎮守府の前にトラックがあるのを見つける。
「すみませーん。」
そして、運転手に声をかける。海軍の人だ。
「はい。」
「ここに何か御用でしょうか…?」
「あなたがドミナントさんですね。」
「えっ?はい…。」
「第2舞鶴鎮守府、大湊警備府、大本営から食品の荷物です。」
「そ、そんなにですか…?」
「それでは、下ろしますね。」
そして、海軍の運転手がドミナントにチョコレートを渡していく。
「私もそれくらい欲しい限りです。それでは…。」
そして、運転手は戻って行った。
「…佐藤中佐(シレア)、星奈、大和さん…。本当にありがたい限りだ…。」
ドミナントは両手のそれを持って鎮守府の中に入り、佐藤中佐の、ジナイーダとドミナント宛のチョコレートはそれぞれの部屋に、大和は愉快な仲間たち全員に作っていたため、全員に配った。星奈(八神)のものはドミナントにしか送られていなかったので、武蔵たちのと一緒に自室に置いて行った。
…………
道中 中
「屋上か…。告白でもされるのかな…?阻止しなければ…。」
ドミナントが呟きながら歩いているとキッチンから…。
『〜♪』
「?」
可愛らしい鼻歌が聞こえて来る。
……誰だろう?
ドミナントはそう思いながらキッチンに入る。
「ふふっ、作っちゃった。大鳳特製、彗星艦爆型チョコレート。提督、ちゃんと食べてくれるかな?…ふふっ、綺麗に包もうっと。」
可愛らしいことをしている大鳳がいた。
「大鳳か。」
「ひゃぁっ!?て、てて提督!?お、おお驚かさないでください!」
「お、おう…。すまん…。そんなに驚くとは思ってなかったから…。」
凄く驚いている大鳳にドミナント自身が驚いた。そして…。
「それ何?」
「…こ、これは…。」
「誰にあげるの?」
「…わかって言ってますよね?」
そして、大鳳がチョコをドミナントの前に出し…。
「提督…受け取ってください。」
「…ありがとう。大鳳、お前からも貰えて俺は幸せ者だ…。ホワイトデーではしっかり感謝の気持ちを伝えなければ…!」
「な、泣いているんですか…?」
「義理でも嬉しいよ…。本当に…。」
「そ、そうですか…。」
……義理では無いのですが…。
大鳳は言おうと思ったが、少しドミナントとの距離を置いているため言わなかった。
…………
屋上
「最後はここか…。誰だろう?」
ドミナントが屋上に来ると…。
「や!遅かったね。」
「んあ?神様か?部屋にいるんじゃなかったのか?」
「わざわざ手紙を一緒に読むフリをして、追加しておいたの。」
「なるほどな。」
屋上のベンチにバックがあった。
……あのバックの中にチョコレートが入っているんだな…。少し大きいな…。
ドミナントが思いながら神様のところへ行こうとする。すると…。
ブーーン
「ん?」
ドミナントの携帯にメールが入る。
「ごめん、神様。少し見るよ。」
「……。」
……メールとは珍しい。誰からだろう?
メールを見る。差出人は神様からだった。
「なんだ神様か。目の前にいるんだから、言葉で言えよ…。」
ドミナントが苦笑いしながらも内容を見るが…。
名前: 神様
件名:
ごめん」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
さよなら。
か〜な〜し〜みの〜向こ〜へと〜、辿り〜つけるなら〜…。
ドミナントは背筋が凍った。そして、神様を急いで見る。
「か、かかかか、かみ、かみ、神様、や、ややややめ、やめてね…?」
ドミナントが言葉にならない言葉をあげて、必死に神様に言う。
「…?」
だが、神様は不思議そうな顔をする。
「何が?」
「こ、こここれ、これのこと…。」
ドミナントが必死にメールを見せる。
「?あぁ、これね…。初雪?から渡す前にこのメールを送れば、恋が成就するって…。」
神様が最後の方、顔を赤くして俯いて小声で言う。
「そ、そうか…?…そうか…。…よかった…。」
ドミナントはすごく安心した。
「初雪…覚えてろよ…。」
ドミナントは恨めしそうに呟く。
「これどういう意味なの?」
「えっ?これ?これは…。」
ドミナントは言葉が詰まる。
……言えない…。このメールのあと何度も包丁で腹を刺されるなんて…。
ドミナントは思う。つまり、これをそのまま言えば、本気の想いでドミナントに送ったこのメールが逆効果だと知り、悲しませてしまうからだ。
「これは…。…うん。大好きってこと。」
「”ごめん"って書いてあるのに?」
「うん。」
「…違うでしょ。目が泳いでるもの。」
「…はい。違います…。」
「やっぱりね。どうせ逆効果なんでしょ?」
「当たりです…。」
「やっぱりね。」
神様がやれやれと言う。
「…知ってたのか?」
「まぁね。まぁ、その方が面白いから。」
「…俺の寿命が結構縮んだぞ。」
「…そこまでなんだ…。」
ドミナントが疲れ切った顔で言い、神様が本気で心配する。
「ところで、これ…。」
神様がバックの中からハート型のチョコレートを出す。
「私の大好きなドミナントにあげる。一生懸命作ったよ。…惚れ薬とかは入ってないし、変な物とか入ってないから。それと、甘さは少なめにしてあるし、紅茶にも合う様に作ってあるから。」
神様が恥じらいながらもチョコをドミナントの前に出す。
「…受け取って…くれるよね?」
「…ああ。」
ドミナントは本命チョコを入手する。
「…ところで、どうした?」
「…何が?」
「なんかいつもと違うぞ?」
「そ、そうかな…?」
神様は無理に笑顔をした後…。
「実は、なんか今日少し体が変でさ…。なんか、ドミナントといると胸が苦しくなるのはいつものことなんだけど、今日はもっと…締め付けられる様な…緊張なのかな…?いつもよりドキドキしちゃって…しかも、身体が変にポカポカしちゃって…。」
ガバッ
そして、ドミナントに抱きつく。いつもより締め付けが強かった。そして、抱きしめながらゆっくりと顔を上げ…。
「私の身体…どうかしちゃったのかな…?」
神様が上目遣いで、弱々しい目で聞いてくる。
……何これ!?めっちゃ可愛い!誰!?この美少女!?
ドミナントは見たことのない神様を見て、心の中ですごく動揺している。
「う、うむ…。」
ドミナントは目を合わせずに言う。
「…ドミナントのことが好きで好きで堪らなくて…。でも、それ以上のことにならなくて…。だから、今日チョコレート渡したんだけど…、私の身体はいつにも増して変になっちゃって…。」
「そ、そう…か…?」
「身体が変なのが少し怖くて…。わかる…かな…?胸がドキドキしちゃって…。」
「お、おう…。」
神様の心臓の音が服を通じて伝わる。心拍数も、音も大きい。
「…ドミナントなら…私の身体を癒せる気がして…。」
「ど、どうすれば良いんだ…?」
「このままでいれば…、治るかな…?」
「わ、わかった。このままだな。」
ドミナントは神様を抱きしめながら話した。
…………
数十分後
「ご、ごめん。」
「?どうした?」
「さっき、結構弱いところ見せちゃって…。」
「別に良い。」
「良くないよ!私は元気が取り柄なんだから!」
「そうか。」
神様とドミナントが話す。
「…弱々しかった方がすごく可愛かったな。」
「ひどい!今は可愛くないってこと?」
「そうかもな。」
「む〜!」
神様が頬を膨らませる。
「…まぁ、こっちも可愛い…か。」
「本当!?」
「…そういうところは敏感なんだな。」
ドミナントが苦笑いをして、神様が嬉しそうにする。
「さてと、じゃぁ、中に入るか。寒いし。」
「そうだね。…でも、もう少しドミナントといたい!」
「…マジか。」
そして、ドミナントはベンチに座り、隣に神様の席を開ける。
「ありがとう!」
神様は嬉しそうにそこに座った。少し体が震えている。
「…上着の中に入れ。」
「!?」
ドミナントが上着の中に神様を入れる。
「ありがとう。」
「別に良い。」
「…えへへ。あったかい…。」
「…そうか。」
……まぁ、普通にしておけば可愛いんだけどね。
神様とドミナントは甘い時間を過ごした。
…………
時間が変わり、場所も変わった場所。
「む。そろそろ3時か。」
ジャックが時計を見る。
「ギャハハハハ。どうかしたのかな?」
「加賀に弓道場へ向かう様言われている。」
「あ、そうなんだ〜。」
主任は一つでも貰えたことに満足なのか、冷たくは言わない。
「では、行ってくる。」
ジャックは歩いて行った。
「…チョコレートかぁ〜。…クールだよね。いつも。」
主任が呟いていると…。
「あ、あのっ!」
「ん〜?」
「これは電からなのです!」
「!?」
電が主任にチョコレートを渡しに来てくれたのだ。
「いーじゃん!中々やるじゃない?」
主任は嬉しそうに受け取る。
「電のチョコなのです!味わって欲しいのです!」
「ありがたいよぉ〜。」
電が渡してくれて、主任がものすごく喜んでいる。そこに…。
「主任さん!私からも…。」
「今まで世話になってるからな。」
「これをどうぞ!」
「ボクからの気持ちだよ。」
他の艦娘たちもどんどん渡していく。
「主任さん…。」
「「「いつもありがとうございます!」」」
「最高だ貴様らぁぁぁぁ!」
娯楽室に楽しそうな笑い声が響いた。
…………
弓道場
「遅かったじゃないですか。」
「む。先に言われるとは…。」
ジャックが着く頃には加賀はもうすでにスタンバイしていた。
「ジャックさん、甘いものがお好きでしたらこれを。…いえ、意味はありません…。」
「そうか。礼を言う。」
加賀からチョコレートをもらうジャック。
「…ジャックさんの好みに合う様に作りました。特に意味はありませんが。」
「そうか。」
「…指摘しないんですか?」
「ああ。そこを問い詰めるのは野暮だろう。」
ジャックが言う。ドミナントだったら指摘しまくりだろう。
「…私は、ジャックさんに好意を抱いています。」
「そうか。」
「…ジャックさんは…私のことをどう思いますか?」
「どうも思わん。」
「…そうですか。」
加賀はとてもがっくししている。顔には出さないが。
「…だが、これだけは確実に言えることがある。」
「…なんでしょうか…?」
「嫌いではない。」
「!?」
加賀はジャックの言葉に驚いている。顔には出さないが。
……つまり、嫌いではないなら、好きになる可能性が大いにあるということ!今のがわかっただけで十分です!
加賀は思い…。
「…ありがとうございます。」
「礼を言う必要はない。本当のことだ。」
ジャックが短くそういった後、自室に向かって行った。
…………
道中
「ジャック、こ、これ、うち、一生懸命作った、「ちょこれーと」っちゅう奴や。甘いもん嫌いやったら別に…。」
「頂こう。」
「あっ、もう食っとる!?…どや?おいしい?」
「普通だな。」
「うぅ、お、美味しいって言えや〜!」
「偽善では失礼だろう。…まぁ、嬉しかったがな。」
「本当か!?」
ジャックが喜ぶ龍驤をあとに歩いていると…。
「ジャック〜、島風のチョコあげるよ〜。誰のよりも早く食べてね。ほら、早く早く〜。」
「…もうすでに食べたがな。」
「えぇ〜。」
「…まぁ、チョコレートだな。美味いな。」
「やったぁ!」
喜ぶ島風を後に、またジャックは歩き出す。
「ジャックさん。あの…よかったら、こちらを、その…。受け取って頂けますと、神通、ありがたい…です。」
「頂こう。…カラスは恩を忘れない。覚えておくぞ。」
「ありがとう…ございます。」
「ジャックさん。あの、すみません。大淀からのチョコレートも受け取っていただけますか?」
「もらおう。」
「あっ、ありがとうございます。手作りなんです。」
「それは嬉しいな。」
ジャックはそれなりにモテている。
「ジャックさん!これあげるでち!ゴーヤ特製『ゴーヤチョコ』でち!」
「相変わらずの語尾だな。…普通のとどう違うんだ?」
「…内緒でち!」
「そうか。」
しかも、いちいち詮索したりしない。
「ジャ、ジャックさん。このチョコレート…よかったらもらってください。…あっ、甘いです♪」
「そうか。礼を言うぞか…。…かし…ま。」
「はいっ♪」
それに危なかったが、名前は忘れない。ドミナントの性格と似て非なる性格である。真逆は言い過ぎだが。
「ふぅ。ここまで貰えるとはな。…まぁ、かりは返すが。」
そして、ジャックは自室に戻った。
…………
「「「さて、ホワイトデー…。どうするか…。」」」
三人は場所は違うが、同時に言った。
瑞鶴からのチョコレート貰い損ねた…。
「残念だったわね!そう簡単にはあげないわ!」
くっ…。公式のTwitterを随時確認するべきだったか…。
「例え、今反省しても後の祭り!来年まで我慢ね!」
…まぁ、来年だとグラ出て嬉しさ二倍だったりね。
「うっ…。」
楽しみだなぁ〜。
「……。…今回あげたほうがよかったかも…。」
まぁ、後の祭りって奴だよ。運命だと思って受け入れろ。
「…まぁ、来年まで続けてくれるのはありがたいわね…。」
おっ。瑞鶴に褒められたぜ。…て、どうした?妙にしおしおしてるじゃないか。
「…待たされる方は本当に辛いんだから…。たまにはログインしてほしい。本当にたまにでいいの…。3日に一回でも。一週間に一回でも…。…一ヶ月に一回でも…。」
……。
「毎日…毎日待っているの。今日来なければ、明日来るんじゃないか。って。認めたくないけど、楽しみなの…。話すことが…。一緒にやることが…。」
……。
「だから…。いつまでも…。ずっと…、ずっと続けて欲しいの。半年に一回でも良い。忘れて欲しくないの…。わがままなのはわかってるわ…。でも…。でも、待たされる身にもなってみなさいよ…。」
……。…そうか。
「うん…。」
…明日ログインするか。寂しがり屋さんのためにさ。
「……。」
…撫でても文句言わないんだな。普段もそれくらい素直ならなぁ〜。
「…何か言った?」
あっ、いえ。なんでもないです…。はい…。…フッフッフ…。
「…ふふ。ふふふ。何笑ってるのよ。笑いがうつっちゃったじゃない。」
いや、なんだ…。やっぱり、こんな関係が良いなって。
「……。そうね。ふふ。」
フッフッフ。
追伸、バレンタイン当日に書き始めて、ネタ不足により遅くなりました。今までの登場人物を書くのは疲れます…。(特別話以外)