ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
…………
第4佐世保鎮守府
「クリスマスー。クリスマスー。」
ドミナントが執務室でワクワクしている。
「なのに、どうしてそんなに怖がってるんだろう…。」
ビクッ
ドミナントが勝手に決めた秘書艦…本日は潮である。
……やっぱり、クリスマスだからクリスマスグラでしょ。とかの認識がよくなかったのかな…。
ドミナントは一生懸命仕事をしている潮を見て思う。
「…潮。」
「は、はい。」
「…嫌だったなら、無理しなくて良いんだよ。折角のクリスマスだし。」
「そんなこと…ありません。」
「ほんとー?」
「はい。」
「ふふ〜ん。だと良いが。」
ドミナントがそんなことを言いながらペンをコロコロ転がしていると、潮の後ろ姿からはみ出て見える、プレゼント箱に注目する。
「……。」
……気になる…。
そんなことを思い、触ると…。
「ひっ、あああああ!」
「!?」
驚いたのか、潮が悲鳴をあげたのだ。
バァァン!
「なんだ!?」
ジナイーダが悲鳴を聞いて突入して来た。もはや憲兵だ。
「ドミナント…。なにを…している…?」
「ま、待て!誤解だ!誤解!」
ドミナントが必死に弁解する。
「な!潮!」
怖がっている潮に同意を求めたが…。
「いきなり…後ろから…(プレゼント箱に)触られました…。」
「ほう…いきなり後ろから触られたのか…。」
「ちょ、待…。」
「死ねぃ!」
「やっぱりかー!」
ヒュー…ガシャァァァン!
久しぶりに、ジナイーダに掴まれて窓から投げられた。
…………
「アウチ…痛い…。」
ドミナントは想像以上に飛ばされて、何かの建物に落下した。
「ここはどこだ…?」
キョロキョロ見回していると…。
「赤城さん!大丈夫ですか!?」
ドンッ!
「ぐはぁ!」
ドシャァァ!
加賀がドミナントを突き飛ばし、下敷きになった赤城を心配する。
「赤城さん!赤城さん!」
「て、提督の下敷きに…。」
「何で嬉しそうな顔をしているんですか!?」
下敷きになった赤城は何故か嬉しそうな顔をし、加賀が本気で心配する。
「痛い…。」
「提督…どういう意味か説明してもらいますよ…?」
加賀がドミナントを睨み、手をバキバキ鳴らす。
「ちょ、待…。事故…事故です…。」
「説明…ですか?それは…。」
「い、いえ…。あの…まず、潮のプレゼント箱が気になりまして…。」
「……。」
「触ったら驚かれて…。」
「……。」
「ジナイーダに窓から捨てられて…。」
「……。」
「何故かこうなりました…。」
「…執務室と弓道場の距離は1980尺(約6000m)あるんですよ?納得がいきません。」
「いや、でも納得って言ったって…。」
「遊んでいたらこうなった。違いますか?」
「……。」
……否定が出来ないところがまた困る…。
ドミナントは何もいえない顔になった。
「……。」
加賀はこれ以上聞いても答えが出ないことを悟った。
「では、提督。」
「お、おう…。笑顔なところがまた怖い…。」
「歯を食いしばってください。」
「ゑ?」
バッゴォォォォォン!!!
「ぐはぁぁぁぁ!」
バッキャァァァ!
ドミナントは加賀にグーパンされ、吹っ飛んで弓道場にめり込んだ。
シューーーー…
「これで少しは懲りるでしょう。」
動かなくなったドミナントを横目に、赤城を心配するのだった。
…………
「すみませーん!」
「あら、潮さん。」
しばらくして、秘書艦である潮が走ってくる。
「こちらに提督が来てませんか…?」
「提督ならあそこです。」
「提督ー!」
加賀がめり込んだままのドミナントを指差し、潮が駆け寄った。
「て…い…と…く…!」
ギューーーー…!
『イテテテテ!千切れるって!潮!やめて!』
潮がドミナントを壁から引き抜こうと力任せて引っ張ったら…。
ズポッ!
「…え…?」
頭をなくしたドミナントが…。
「いやぁぁぁぁぁ!」
「うーん…ハッ!?…潮さん…?」
潮の悲鳴により、赤城が起き上がった。
ポンッ
「ふっふっふ…。加賀に殴られた仕返しだ。…て、あれ?」
ドミナントは服の中から顔を出して種明かししたが、潮は泡を吹いて気絶していた。
「あら、提督。どうかしましたか?」
「潮が気絶しちゃった。」
「まぁ、それは大変ですね。そこに毛布があるので、かけてあげてください。」
「了解!」
気絶させた張本人のドミナントが潮に毛布をかけてあげた。加賀はなんとも言えない顔をしていた。
「ところで、クリスマスですね。提督。」
「そうだねぇ〜。去年は…。…いた?」
「「いません…。」」
「…だよね…。去年は鈴熊と一緒にいたっけ…。今年はあの2人何してるかな…?…だが、今夜は違うプランがあるんでね…。皆んなでパーティーっぽい。するっぽい。夜ご飯に食堂に集まるっぽい。」
「何故夕立さん…?」
「そんなことよりも、プレゼントは用意してあるんですか?」
「あぁ、例のブツは予定通り今日の夕方には届くだろう…。」
「例のブツ…。」
「そうですか…それは楽しみですね…。」
「加賀さん!?」
「「フッフッフッフ…。」」
ドミナントと加賀が怪しげな笑みを浮かべて笑っている。そこに…。
「ハッ!?ここは…。」
潮が目覚める。
「アタマナクシタドミナントダヨー。」
「?」
「…覚えてないなら、それでいい。思い出さない方が良いこともある…。」
「???」
…………
「て、ことは提督の冗談だったんですか!?」
「あぁ、そうだ。」
「提督酷いです!本気で心配しましたから!」
「やったぜ。」
ドミナントは悪びれもなく言う。
「提督、彼女をからかい過ぎてはいけませんよ?」
「彼女は私たちが新米の時、護衛してくれました。」
「え?そうなの?」
「はい!」
「そっかー。…偉いな。」
「ありがとう…ございます!」
ドミナントが潮の頭を撫でる。
「ところで、皆の衆のプレゼントは決まった?」
「「……。」」
2人が目を合わせる。
「私たちにも貰えるんですか?」
「え?当然じゃん。去年ももらったでしょ?」
「そうですが…。提督のサイフを少し圧迫しているのかと…。」
「そんなの気にしちゃダメ!しかも、駆逐艦の前でそのセリフダメ!夢を壊さないで!」
「提督の…財布…?」
「ち、違うよー。」
潮が純粋な眼差しでドミナントがダメージを喰らう。加賀はしまったという顔をして、赤城は笑顔が張り付いている。
「とにかく、そういうことは気にしちゃダメ!」
「潮は…秘密です。」
「なぬっ…。(またサンタの格好か…。)」
「私は…。…ささやかな物で結構です。」
「そうか…。(また難しいことを…。)」
潮と赤城から情報を聞く。
「私は爆撃機『富嶽』の完全版を要求します。」
「よし!今日の晩ご飯はパーティーだから、俺の料理も振舞っちゃうぞー。」
「「提督の…手料理…!」」
「聞いていますか?」
加賀無茶な願いをスルーして、2人に言う。2人は嬉しそうな顔をした。
…………
「さて、無茶なことリストが段々増えてきたぞー。」
ドミナントと潮は執務室に戻らず、艦娘の部屋に行き、情報を集めて行く。
「でも、プレゼントするのはさんたさん?ですよね…?」
「うっ…。ま、まぁね…。」
嘘を突き通すのは難しい…。
……こりゃ、後でセラフとかにも手伝ってもらわないとな…。
そのリストを見ながら苦笑いして、セラフに頼ろうかと思った。すると…。
「あれ?提督ですか?」
「おや、その声は…えーっと…。あの…ほら…。あれだ…。」
ドミナントが声の主の艦娘を見て、人差し指を出しながら軽く振る。
「アラグマ!」
「違います!」
「冗談だ。阿武隈。」
「はいっ!」
阿武隈は名前を覚えてくれていることに心底嬉しそうな笑顔をする。
「丁度よかった。阿武隈はクリスマスに何か欲しいもの…いや、サンタから欲しいプレゼントある〜?」
「プレゼント…ですか。う〜ん…。…あっ!クリームです!」
「クリーム?」
「美容とかの…。」
阿武隈が雑誌を見せる。
「なるほど。それか。」
ドミナントがメモをする。
「協力ありがとう。ところで、クリスマスツリーのところは行った?娯楽室の…。」
「いえ、まだです!」
「なら、一緒に行こうか。」
「はい。」
三人で娯楽室へ向かう。
…………
娯楽室
ワイワイ…ガヤガヤ…
「今年は一際騒がしいな…。おっ、ビンゴしてる。良いなぁ〜。」
娯楽室は意外と広い。
『次は…45番だ。』
「当たったー!」
「やったー!」
ジャックが司会を務めているようだ。店に売れ残った物などを景品としているのだろう。番号を言い、阿鼻叫喚。はっきりと言うとうるさかった。ドミナントは可愛いなぁと思い、そのフィルターで声など聞こえない。潮は少し嫌な顔をしていた。そんなお楽しみムードが険悪ムードで台無しになるのは次の一言だった…。
「…はしゃいでる…。駆逐艦、ウザい。」
阿武隈が何気なく言ってしまった一言により…。
「は…?」
ゾワッッ!!
ドミナントの一言により一変、背筋が凍った。恐怖がAC勢以外を支配する。ビンゴをしていた艦娘たちも静まり返り、誰も動かない。振り向くことすら出来ない。潮はその顔のまま固まり、動けなくなった。
「阿武隈…今なんて言った…?俺の目の前で言ってみろ…。」
いつもは朗らかで優しそうな笑顔をするドミナントは、この時鬼教官と同じ顔をしていた。社畜の世界で幾つもの修羅場を潜り抜けた、歴戦の古兵がするまさにそれ。
「阿武隈…聞いているのか…?」
阿武隈は一瞬にして瞳の色が恐怖に変わり、歯がカタカタなるだけだ。目の縁には涙が溜まっている。時間が遅く感じてしまう。身体は動かない。呼吸困難になる一歩手前だ。
「なぁ…!阿武隈…!」
ドミナントは苛立ち気に阿武隈の名前を呼ぶ。阿武隈はこの世の終わりのような顔をしていた。
「そのくらいにしておけ。可哀想だ。」
すると、ジナイーダがドミナントの肩を叩く。すると、やっと動けるような空気になった。
へた…
「はぁ…はぁ…。」
潮と阿武隈が崩れ、呼吸をする。
「少し厄介だぞ。その気迫。周りの艦娘にまで影響を及ぼしている。」
「…そうだな…。」
ジナイーダが少しキツめの目で言い、ドミナントは少し目つきが和らいだ。
「全く…。折角盛り上がっていたのが白けたぞ…。」
ジャックが迷惑そうに言う。
「で?49番だっけぇ?ギャハハハハ!あれれ〜ハツユキン外れたね〜。ハハハハハ!」
主任はさっきのことなどまるで気にしていない。マイペースを崩さず、まだ盛り上がっていた時と同じノリだ。
「他の子もすごく怖がってしまったではありませんか。もう少し考えてください。」
「すみません…。」
セラフが少しムッとしている。
「あと少しでビンゴだったのに…。」
「そっちか…。」
今まで空気だった神様が、ビンゴを続けられないと思い、悲しそうな顔をしていた。
「…阿武隈、そういうことを言うのはドミナントの前ではNGだ。おそらく、誰かの口癖がうつったのだろう。次からは気をつけろ。」
「はい…。」
「ドミナント。お前も、それくらいなら聞き逃してやれ。聞き逃さなかったせいでこんなになっている。次は気をつけろ。」
「はい…。」
「全く。クリスマスの準備で私とセラフは忙しいんだ。」
ジナイーダは2人に言った後、廊下へ行った。
「カッコいい…。」
「やっぱり、教官さんには敵わないわねぇ〜…。」
「オレもあんな風に言えたらなぁ…。」
他の艦娘たちのジナイーダへの株が上昇した。
「…阿武隈。」
「は、はい…。」
ドミナントに言われ、阿武隈は少し恐怖しながら返事をする。
「…すまなかった。」
ドミナントが言う。
「だが、はしゃいでも良いではないか。クリスマスだもの。皆んな浮き足立つさ。阿武隈も、あんなにはしゃいだことは無かったか?旅行の時飛行機の隣の席だった時とか。」
「…はしゃいじゃいました…。」
「だろう?その時、みんなそう思っていたと思うよ?でも、誰も言わなかったじゃん。だから、そこを考えてくれれば何も言うことはないよ。次からは気をつければ良いし。じゃ!もうこんな話はやめ!ビンゴしよう?潮もね。」
「ふぇっ!?な、何の話ですか…?」
「…はい!」
潮は何も聞いていなかったらしく驚き、阿武隈が元気よく言う。
…………
「そう思ってみれば、潮と阿武隈って何か関係あるの?」
三人がジャックの店の売れ残…いや、景品を貰って話す。
「潮ちゃんにはとても感謝しています。」
「へぇ〜。…どうして?」
「レイテ沖海戦で、私がやられちゃった時…。付き添ってくれました。それに、沈んじゃう時…潮ちゃんが乗員を助けてくれたんです。」
「…そう…なんだ…。」
ドミナントは阿武隈の話を真剣に聞く。
……潮…そんなこともしたんだ…。
ドミナントが、景品の人形を嬉しそうに眺めている潮を見る。
……すごいじゃないか…。立派だよ。
ドミナントが潮の頭を撫でながら思う。潮は何故撫でられているか分からなかったが、気持ちよかったのでそのまま撫でられた。
…………
「そろそろ11時ですね。」
「ん?そういやまだ朝だったな。」
ドミナントが時計を見る。
「お昼はどうしようか…。…て、あれ?何してるの?」
お握りを握っている潮。
「ふぅ…狭霧さんに持っていくんです。」
「ふぅ〜ん。ところで、お昼は何食べたい?」
「お昼…。…提督の好きなところで大丈夫です。」
「好きなところって…。」
そんなことを話しているうちに出来上がった。
「これを持っていきます!」
「そっか。」
……潮の姉だっけ…?…良い子だな。…2人だけにしてあげよう。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
ドミナントは執務室に残り、昼食をどうするか考えていた。
…………
「ただいま戻りました。」
「おかえり。お昼は間宮さんのところでいい?」
「はい!」
「よっしゃ、行くか。」
…………
間宮
「ちわー。」
「こんにちは。」
2人が間宮の所に来る。ちなみに、本来の店名は「甘味処間宮」なのだから場違いでもあるが…。
「あら、提督と潮ちゃん。いらっしゃい。」
間宮さんが柔らかな表情で出迎えてくれる。
「そうだなぁ…。お腹すいたから、ガッツのあるものを食べたいな。」
「ガッツのある…。」
間宮さんは難しそうな顔をした。
「私は…おむすびに…。」
先程握っていて食べたくなったのか、潮は握り飯を注文する。
「お二方…食堂と間違えていませんか…?」
「いや、俺はあんなこと言ったけど、純粋に間宮さんの作るカレーを所望していたんだけど…。」
「私も、間宮さんの作るおむすびを…。」
……かつてないほど提督と潮ちゃんに期待されてる…!?
間宮さんは心の中でそんなことを思う。
「この間宮…!受けた注文は必ず出します…!それが私です!私は補給艦!それ以上でも以下でもありません!いざ!」
「おぉ…。」
ハチマキをキリリと締めてキッチンへ行く間宮。伊良子は微妙な顔をしていた。
…………
「どうぞ!」
「おぉ…!」
「わぁ…!」
間宮さんが出した、キラキラ輝く料理に2人が目を瞬かせた。
「うまい!」
「美味しいです!」
2人が食べるなり言う。間宮さんは満足そうな顔だ。伊良子は子供っぽいなぁと思いながら見ていた。
「……。」
一方、間宮さんは潮を柔らかな表情で横目に見ていた。
……潮ちゃん…。私を助けてくれた1人…。あの時…。救助してくれた子…。
どうやら、間宮さんも潮に助けられたことがあったみたいだった。
…………
「ぷはー。美味しかったぜ…。」
「そうですね。」
2人が笑顔で、会計を済ませた後歩いている。
「ハラショオオオオオ!」
「きゃっ!?」
「む!そのセリフは…ボリスb…。」
いきなり大声がして、振り向いてみると…。
「ひび…Верныйだ。信頼できると言う意味の名なんだ。」
「なんだВерныйか。」
「驚きました…。」
Верныйがいた。
「ハラショー。」
「ハラショオオオオオ!」
「やはり、第4佐世保の響だな…。」
「?」
「ところで、どうしたんだい?」
ドミナントが聞く。
「暁たちや他の艦の欲しいものリスト…。」
「… Верный(ヴェールヌイ)…。」
「リスト…?」
潮が聞き、ドミナントがВерныйを雲行きの怪しい顔で見る。Верныйには協力してもらっているようだ。色々な報酬をつけている。
「あ…えと…。…司令官にリストを渡して、手紙を出してもらうんだよ。」
「あっ、なるほど。」
Верный回避成功。
「ありがとう。Верный。君のおかげで、俺には内緒にする者の欲しいものがわかったよ。これで、心置きなく手紙を書ける。」
「役に立てたのなら嬉しいよ。」
「と、言うわけでВерныйにはこの暗号文を与えよう。」
「暗号文?」
ドミナントがВерныйにどこからともなく出した暗号文を渡す。
「ドミナントからの挑戦状。それじゃ。」
ドミナントと潮が行く。
……今夜のプレゼントは楽しみにしておけって書いてあるからなぁ…ふふふ。
ドミナントがそう思っていたが…。
「……。」
……は、ハラショー…。どう見ても買い物のメモにしか見えない…。高度な暗号…?敵に知られないようにするのが暗号…。つまり、艦娘の能力が試されている…。解いて、司令官をギャフンと言わせてみよう。
Верныйは、にんじん、パセリ、砂糖、紅茶、じゃがいも、シャンパン、七面鳥…などなど書かれたメモを見ながら歩いて行くのだった。ちなみに、今夜のパーティーの料理の材料だ。
…………
「次は曙ちゃんに会いに行きたいです。」
「何か会いに行く旅になってない?…まぁ良いけど。てか、ここから部屋近いから良いけど。」
廊下を歩きながら2人が話す。
「曙かぁ〜…。」
……いつもいつもクソクソ言ってる奴だよなぁ…。俺が何したってんだ。
もちろん、いつもクソクソ言っている曙にも、そういう理由がある。それは史実に関するが…。…クリスマスに話す内容ではないので、言いません。が、ドミナントに対しては完全なとばっちりである。
……まぁ、一人で堤防にいる時とか寂しそうにしてるから、声かけてあげるんだけどねぇ。…その時「クソ提督」って言葉が少しだけ嬉しそうに言うから、嫌いじゃないってのは分かるけど…。態々会いたいとは思わないな…。…少しからかってみるか…。
「あ…クソ提督。」
そんなことを考えていると、曙と遭遇する。丁度部屋に戻る最中だったらしい。
「曙ちゃん。プレゼントは何にしたのか聞こうと思って…。」
「クソ提督がいるから話せないわ。」
「……。」
「?」
曙は不審がる。いつもなら笑いながら流すドミナントが、冷たい目で見ていたからだ。
……どうだ。曙。この表情を見て動揺するか…?
しかし、ドミナントは心の中では全く気にしておらず、反応を見て可愛がろうと思っている。
「…まぁいいわ。」
……おっ。ガード固。
平然を装ってはいるが、曙は内心動揺している。
「提督はここに来たくなさそうでしたけど。」
「え…?」
……潮?どうした?
潮が突然言い出す。曙は少し驚いたような声を出した。
……提督の思っているように、少し動揺して可愛い曙ちゃんを見たい…!
潮はドミナントと同じ気持ちだった。ドミナントの意図に気付き、少し追い詰めてわたふたしているところを見たいのだろう。そして盛大に種明かしをするのだ。こんなに愉快な鎮守府が他にあるだろうか…。
「そ、そう…。クソ提督なんてどうでも良いけど。」
……動揺しているな…?ふっふっふ…あと一息だ。
ドミナントが思い、潮が頷く。
「…そうだな。俺はクソ提督だ。それ以上でも以下でもない。そんな曙に朗報がある。」
「え?」
話しかけられて内心ホッとする曙。しかし、どん底に突き落とされてしまう。
「前々からクソクソ言ってたよね?」
「え…ええ。」
「そんなクソな上司に従うのは嫌であろう。」
「…ええ、そうね。」
「そんな曙に朗報。前々から元帥殿にお願いしていた異動の話が決まったのだ。」
「…え…?」
「曙は明日から第1大湊鎮守府へ異動だよ。俺とはもう二度と顔を合わせることがないほど遠いから、思い出さずに済むでしょ〜?それに、提督も優しいし。」
「……。」
「何より、職場でマイナス言葉ばかり言っているようでは、環境も悪くなると思うし。」
「……。」
「ま、そんな訳で曙は異動するよ。」
「そ、そんなの…。だ、第一、1人居なくなったら…。う、潮!潮はどうなの!?」
曙は藁にもすがるような顔で潮に同意を求める。
……あれ?やりすぎちゃった…?
2人が思う。明らかにやりすぎの雰囲気だ。しかし…。
……だが、ここを乗り越えた後の曙の表情も見てみたい…。
ドミナントが悪い顔をする。
「潮も同意してるよ?ね?」
「は、はい。」
……提督…。何か良い考えが…?
潮は何も考えずに同意した。
「そ…そう…。で、でも部屋が…。」
「大丈夫。向こうの曙がこっちに変わるから。提督の話だと、めちゃくちゃ良い子らしいよ?クソクソ言わないらしいし。」
曙はこの世の終わりのような顔をした。しかし、数分後元の顔に戻り…。
「そ、そう!私もこんなクソ提督と一緒にいなくて済々するわ…!さよなら!」
曙はそう言ったあと、部屋に入ってしまった。
「…潮…やりすぎ…?もしかしてだけど…。」
「提督…これは想定の…。」
「範囲外だよぉ…。」
「…ですよね…。」
2人が外でコソコソ話す。そして、ドアに耳を当てると…。
『グスッ…ヒック…ヒック…。どうせ私なんか…。どうしてクソっていっちゃったの…。グスッ…。私の馬鹿…。ヒック…。もう言わないって言ったら…。ヒック…取り消してくれるかしら…?グスッ…。あのク…提督…。グスッ…どうしても言っちゃう…。』
「「……。」」
すすり泣く声と一緒にそんな言葉が聞こえた。これがからかっただけだと分れば、2人は間違いなく怒られるだろう…。
「…でも、言わないわけにはいかないよね…。」
「はい…。」
2人が頷き…。
ガチャ…
「曙ちゃん…。」
「ぼのさーん…。」
2人がドアからそっと顔を出す。
「…!ク…提督!潮…ちゃん!」
「「!」」
2人が、言葉遣いを直そうとしていたことに気づいた。ちなみに、曙はトランクに荷物を入れていた最中だった。
「もう…言葉遣いを変えるから…!クソなんて言わないから…!ほら!ク…提督!提督!ほら!言えるから…!良い子になるから…!」
「ぐふっ…。」
曙が涙目で必死に懇願して、ドミナントの心にダメージを負わせた。
「曙ちゃん。」
「潮…ちゃん…!お願い…ここにいさせてくれるように…。」
「曙ちゃん。落ち着いて。これは冗談です。」
「グスッ…冗談…?」
「…冗談です。」
曙がドミナントを見る。ドミナントは殺されることを覚悟していた。
「良かった…!良かったわ…!本当に…。」
潮に抱きつき、曙がめちゃくちゃ喜んでいる。嬉し涙を流している。怒られると思っていた2人は拍子抜けだ。
「…提督…。」
そんな時、潮が申し訳なさそうにドミナントを見る。
「うん。分かってる。ちょっと冗談が過ぎた。もう二度としないようにしよう…。こんな冗談…。」
…………
「ク…提督。」
「良いよ。今までの呼び名で。自由に呼びな。名前なんて所詮飾りだし。」
忘れているかもしれないが、ドミナント自身本名ではない。
「本当…?捨てたり異動させたりしないわよね…?」
「ああ。本当だ。我が名にかけて!」
「ク…ソ…提督…。」
曙が試すように言う。
「おうおう。クソ提督だぞー。プレゼントは何が良い〜?」
「…内緒…。」
「結局かい!」
「曙ちゃんは提督からのプレゼントがほしいって言ってましたよ?」
「潮!」
「ふふ〜ん。」
「な、何か文句あるの!?クソ提督!」
……これだ!!
曙が真っ赤になって言う。2人はやっと追い続けたものに手が届いた気がする。艦娘馬鹿…その称号はドミナントにこそふさわしい…。
…………
夕方 門
「今年もポストの中がぎっしりだ…。まぁ、会った人全員に出してるから何も言えないけど…。」
「?」
ドミナントがはみ出そうなポストからカードを取り出す。
「全部クリスマスカードだ。」
「わぁ〜。素晴らしいと思います。提督。」
「まぁ、そうだよね…。」
一枚一枚ドミナントが見る。
…………
今年も演習!演習!演習!血の滲む努力でお前たちを越える!
第3呉鎮守府!
…………
今年もホワイトクリスマ〜ス。今年も注文ありがとね!粗品も同封されてるから、使って。ジナにもよろしくね!
第2舞鶴鎮守府
…………
メリークリスマス。『ドミナント』。北方海域の不明な深海棲艦の連絡ありがとう。機会があったら伺うから、その時お礼も兼ねてゆっくり話しましょう。
第1大湊警備府
…………
クリスマスだ。この間は当旅館をご利用いただき感謝する。また今度会おう。その時は、例の物の貸し借りしようではないか。
第2佐世保鎮守府
…………
拝啓 ドミナント様
メリークリスマス。やぁ、今年もこのカードを書いた。中山だ。あれから責任を持って指揮を任された時から艦娘たちは1人も轟沈させていない。平和にのんびり暮らすことがここの決まりだ。そちらも平和そうで何よりだ。連絡があればすぐに駆けつけることを忘れるな。遠慮はいらない。
第2横須賀鎮守府
…………
拝啓 ドミナント大佐
や。今年は初めてカードを書いた。…どこかの鎮守府にこんなカードを送るのは初めてでよく分からない気持ちだ。と、そんな話はさて置きメリークリスマス。今は猪のステーキを食しながら書いている。カードに匂いがあったらすまない。それと、憲兵たち諸君は皆元気だ。憲兵沙汰にならないように気をつけろ。
第49憲兵隊一同
…………
拝啓 第4佐世保鎮守府 ドミナント様
寒い季節になりました。そちらはいかがお過ごしでしょうか。こちらは今年も寒くて乾燥した気候です。武蔵のLENIを教えていただきありがとうございました。今も関係は良好です。またいつか大本営にお越しください。メリークリスマス。
敬具 大本営 大和
…………
拝啓 ドミナント大佐
メリークリスマス。ドミナント君、元気かね?こちらは大和と年末仕事で大忙しの毎日だ。と、書いても、これを書いている時点で忙しくなさそうに感じるだろうが…。…ハッキリと言うと書くのは義務になっている。だが、勘違いしないでくれ。君や信頼のおける鎮守府には心の底からの言葉だ。そして、何かあったら遠慮なく連絡してくれ。全力で対応する。
大本営 武田元帥
…………
Guten Tag(こんにちは). 私はビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルク。覚えているかしら。今年もクリスマスの季節なのね。早いわね。あなたたちが来てくれたおかげで、こちらはとても良い環境や信頼関係を築けたわ。それに、たまにAdmiral(提督)の夢を見るの。あなたたちにお礼を言っている…。それと、皆んなも会いたがっているから、たまには来なさい。
パラオ泊地提督 Bismarck.
…………
「今年も来たか…。」
ドミナントがカードを一枚一枚眺める。新たにパラオ泊地まで来ていた。
「第4呉がないけど…。…あっ、あそこはクリスマスとか海外文化だからないのか。」
ドミナントが気づいたが…。
「危ないです!」
「ぬわっ!」
ヒュンッカッ!
ドミナントの顔のすぐ隣に矢文が飛び、門の壁に突き刺さった。
「いつか殺されるんじゃないかと思う…。」
ドミナントが矢文を壁から引き抜き、内容を見る。
…………
第4佐世保
世俗にてはくりすます?と呼ばらるる日にかような文を出したでござる。今度そちらに友として邪魔する。
(世間ではクリスマスと呼ばれる日に手紙を出しました。今度、そちらに友人としてお邪魔します。)
第4呉鎮守府 瀬戸大佐 (川内)
…………
「カッコ内が川内さん…。川内さんが訳してくれたんだ…。ありがたいな…。」
「沢山の人からカードや文が届いていますね。」
ドミナントは川内の苦労を知る。潮は羨ましそうに見ていた。すると…。
ブウウウン…
門にトラックが来た。
「やっと来やがった。マジで重いのかよ。今日で記録を更新させてもらうぜ。筋肉がぁ。」
「何を言っているのか、正直意味が不明です。」
ドミナントがトラックの積み荷を見ながら言い、潮に言われる。
『お届けものでーす。食品なので、取扱注意です。』
「はーい。」
ドミナントが巨大な箱を渡される。
『ここにサインしてください。』
「渡す前に言ってくださいよ…!潮…頼む…!」
「あっ、はい。」
潮はスラスラとサインをした。
『それでは、いつも海軍運送をごりようありがとうございます。』
トラックの運転手は行ってしまった。
「好きでわざわざ海軍運送してもらってるわけじゃないぞ…!」
そう、この場所は世間では極秘のため、運送会社も限られるのだ。
「潮…その箱運んで…。」
「ダジャレは10点です。」
「潮こそ意味不明だよ…!俺は言った覚えないよ…!」
ドミナントが重すぎると思ったのか、AC化した。そして、キャスター付きの板に箱を一瞬で積み重ねる。
「ふぅ。これくらいか。じゃ、この荷物を運ぼうか。」
「はい。」
ドミナントがACのため、2人とも重さを感じなかった。
…………
食堂
「提督。例のブツは?」
「これだぜ。」
「「フッフッフッフ…。」」
2人が悪い顔でにやける。
「あの…これは…?」
「見せてやろう。」
ドミナントが箱を開けた。
「産地直送七面鳥だ!」
「あの五航戦の顔を見たいですね。」
潮は、そんな2人を見てほのぼのした。
…………
翔鶴型の部屋
「ハックション!」
「どうしたの?瑞鶴。風邪かしら?」
「どうやら、私のことを誰かが噂したようね…。そして、なぜか無性に腹が立って来たわ。」
「?」
どうやら、瑞鶴は噂されているようだ。
…………
食堂
「では〜。本日はクリスマス!皆、美味しい料理を沢山たんまり食べてくれ!セラフたちが腕を奮ってくれた!そして、俺の作ったものもある!残さず食え!いただきます!」
「「「いただきます!」」」
ワーワー!
艦娘たちが食べる食べる。
「クリスマス。素敵ですね。」
「ほら。一杯あるよ。故郷の味だ。」
「提督、ありがとうございます。素敵です♪」
潮とドミナントが笑顔になる。
「クリスマス…?別にあたしには関係ないけど。…まぁ、ケーキは、食べるけど…ね?」
「お肉美味しい〜。」
「提督!今年こそは一杯やろう!」
「たまには酔うのも悪くないか?て、飲んだら暴走しちゃうからオレンジジュースで。」
「子供か!」
「今年は提督と一緒にいることは出来ませんでしたわ…。」
「熊野が落ち込んじゃってるね〜。ま、私も少し寂しいけどね。手袋が温めてくれるよ。」
「俺のプレゼントは刀だ!刀!」
「銃刀法違反で逮捕ですよ…?それは…。」
「あら〜でも、セラフさんも銃を持ってるわよね〜?」
「あれは…護身用です。」
「電、これ美味しいわよ。」
「司令官さんの手料理なのです!」
「ハラショー…にんじんは古来より中国の…。じゃがいもは日本では北海道が産地で…。」
「一人前のレディーとして、エレファント(エレガント)に食べるのよ!」
「クリスマス…今日の夜はお休みです。伊良子ちゃんも楽しみなさい。」
「美味しそう〜!」
「紅茶がなんとも…。美味しいデース!」
「赤城さん…。本当に大丈夫ですか…?」
「そういう加賀さんもジャックさんばかり見ているではありませんか。」
「ギャハハハハ!う〜んこの七面鳥美味いね〜。あれれ〜食べないんですか〜?」
「わざと言ってるでしょ!?爆撃されたいの!?」
「瑞鶴、今はおめでたい席だから…。」
「私の出番無かったです…。」
「夕張ちゃん。来年こそはあるといいね。」
そんな感じで各々が楽しそうに会話しながら食べて行く。そんな光景を見て、ドミナントも嬉しそうにする。社畜の世界では、決して見ることのなかったであろう、楽しそうな景色。皆んな笑って、ゆっくり楽しそうに食べる。そんなクリスマス。
…………
夜
「で、結局これかい。」
「ふふっ。お似合いですよ。提督。」
潮は、何となく正体に気付いていたようなので、ドミナントが明かした。毎年、秘書艦や他に手伝ってくれた艦とは一緒にいる決まりみたいになっている。
「今年もそれだね〜。あははは!」
「で、結局神様も一緒か〜。」
ドミナントはプレゼントを配りに行く。
……天龍は刀が良かったみたいだけど、ダメだから刀を模した危険じゃないおもちゃ。鈴熊は強い装備…15.2cm10連装砲改。ロックオン付き。暁は…俺の仕事を楽にさせて…だと…?なんて良い子なんだ…。なんでも叶う券一枚あげちゃう。ひび… Верныйはみんなで遊べる人生ゲーム…と、おまけの小型ドローン。
ドミナントはそんな感じで次々配って行く。
「さてと…。今年も来たか。主任…。お前には石炭があるぞ?お?」
部屋の前でそんなことを呟くドミナント。しかし…。
……あれ?いない…。
ジナイーダやセラフの部屋に行くが…。
……いない…。
そして、全ての艦娘たちに配ったあと、一旦神様のところへ戻る。
「ジナイーダたちが…。」
「遅かったな。」
「遅かったじゃないか…。」
「遅いですね。」
「言葉は不要かなぁ〜?」
「いた。」
皆集まっていた。
「で、どうしてここに?」
「私が呼んじゃった。」
「神様…。」
神様が悪びれもなく言う。
「だって、皆んな一緒の方が楽しいし。」
「まぁな…。」
「今日は違うところのイルミネーション行こう!皆んなで少し遠出してさ。」
「潮は俺の背中に乗ってか。」
「そう!」
神様が計画する。五島ではなく、九州のどこかだ。
「じゃ、元帥たちに言わないとな。クリスマスの日は皆んなイルミネーションとか行きたいみたいで、元帥たちも起きてるから。」
そして、連絡を入れる。大和さんが笑顔で対応してくれた。
「じゃ、行きますか!」
…………
「綺麗〜!」
「素敵ですね。提督。」
「そうだね。」
「私のいた世界には無かったな…。…良いところだ。」
「そうですね。」
「商品開発したら売れそうだ。」
「今はそういうこと省こうよ〜。」
ドミナント御一行と潮がいる。海軍権力というものは素晴らしい。…もちろん、相応のお金がかかるが…。
…………
「さてと、一通り見終わったところで、皆にプレゼントがある。」
「「「?」」」
全て見終わったあと、ドミナントが言う。そして、袋を開けた。
「神様には俺の作った耳当て。」
「嬉しい!」
「潮にはこれ。俺の作った帽子。」
「ありがとうございます!提督!」
「ジナイーダには最新ゲーム機。いつも暇してるって言ってたからね。」
「おぉ…。欲しかったものだ。…ありがと…。」
「セラフは俺の作った安眠マスク。前欲しいって言ってたし。」
「ありがとうございます!ドミナントさん。一生大切に使います!」
「ジャックは新しい店だったな…。折り畳み式で少し小さいけど…。これしかなかった…。」
「それだけでも嬉しいさ。礼を言う。」
「主任には、保湿機をあげるよ。喉がキツイだろうし…。」
「ギャハハ!冬は特にね〜。それに、今渡されても…。」
ドミナントが一通り配り終わる。
「じゃぁ、毎年恒例の記念写真!」
神様が写真機を取り出す。そして、時間をセットして並んだ。
「1+1は古いよな。」
「そうだね〜。」
「ミソスープ。」
「それは違うぞジャック。」
「ちなみに、チーズって言うのはチーの発音で口角が上がり笑顔になるからみたいです。」
「そうなんですか。」
「知らなかった…。」
「そろそろシャッターが切るぞ。各々笑顔になれば良かろう。」
そんな会話をして…。
カシャッ
皆、思い思いの笑顔で写真が撮れた。
「また来ましょうね!」
潮が幸せそうな笑顔で言い、全員が頷いた。
…………
第4佐世保鎮守府 提督自室
「さてと…。寝るか。」
遊びに遊んだ明けごろ、朝日が登る少し前…。地平線がオレンジ色に明るいころ…。
「また謎のプレゼント…。」
すると…。
タッタッタッ…
「!今度こそ正体を!」
すぐ近くから音がして、ドミナントが窓から覗く。
「メリークリスマース!」
やはり、赤い服を着たおじさんがトナカイに乗って朝日へ向かって行っていた。
「…メリークリスマス。」
自然とその言葉が出てきて、口元が緩んだ。
…………
三日後
「司令官…どうしても解けない…。」
「まだ悩んでたの…?」
Верныйは三日間、とても考えていたようだ。
なんだか面倒になっちゃった…。
「まーたそんなこと言って…。」
おぉ…懐かしい瑞鶴…。五航戦の急に踊り出す人…。
「イベントあるけど、全く進んでいないじゃない。」
時間がないんだよ…。こう見えても筆者は忙しいんでね。
「はぁ…。」
ため息つきたいのはこっちだよ…。てか、まだ見続けている人なんていないと思うし…。もう、今まで書いたストックしていたもの公開しようかな…。時系列無茶苦茶で、未完の章とかあるけど…。
「それはやめなさい。質が落ちるわよ…この小説の…。」
別にねぇ…。図書館の奥の本棚の一番上にある、埃を被ったものなんて誰が見るのさ…。
「…それ言っちゃおしまいじゃない…。」
もうさ…疲れて来ちゃって…。案は浮かばないし…。
「…筆者さんはそれでも投稿するじゃない。どんな筆者さんにも言えることだけど、筆者さんたちがいないと私たちは真っ白な紙に閉じ込められた、動きも話すこともできない人形のような物なのよ。ううん、存在もしてない。筆者さんたちが書くから私たちに命が吹き込まれる。続けるって簡単なように見えて、とても難しいことなのよ。時には間違えちゃったり、転んだり、ぶつかる時もあるかも知れない。それでも続けているから、人々は喜んだり楽しんだり暇潰しになったり…つまらなかったり、下手だったり、人気なんてなかったり…。例えそうだとしても、プラスのことと何も変わらない。沢山の人に感情や思いを伝える手助けになっているの。それに、筆者さんの目標はACと艦これのクロスオーバー作品が増えることでしょう?」
…うん。
「なら、頑張りなさい。私も…この私もこの小説で応援してあげるから。」
…ありがとう。元気出て来た。
「そう。その粋よ。」
じゃ、近いうちに投稿するか!
「ええ。」
瑞鶴のクリスマスグラは無かったけど…。
「嘘おっしゃい!あるわよ!」
知ってる。
「なっ!からかってるの!?」
うん。
「爆撃するわ!発艦始め!」
うぉっ!冗談だったのに!
ドガァァァン!
ぐふぁ!
「どうよ!」
……。
「何?私の威力に声も出ないのかしら?」
…ふふふ…いや。瑞鶴の爆撃を受けたのが久しぶりでさ。なんか、これだなぁーってね。
「な…。……。…もう…爆撃する気がなくなっちゃったじゃない…。馬鹿…。」
ひどっ。…これだね。次のイベントの日にまた会おうっ!
「見てくれる読者さんがいれば良いけど。」
それを言うなって…。