ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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一年以上あきましたー。


特別話 ホワイトデー

…………

 

「今日は年に一度のWhite day...。実は、アメリカなどではホワイトデーなどはなく、日本発祥だと言われている…。」

 

ドミナントが独り言を暗い部屋で呟いた。

 

「…そろそろ準備をしなければな…。」

 

バンッ!

 

電気をつけたそこは執務室ではなく、調理室。

 

「…バレンタインデーのお返しに…ありきたりだが、クッキーをあげるか。」

 

席から立ち上がり、オーブンを確認して材料を確認する。

 

「…セラフ…。やってくれるのはありがたいんだけどね…。今回は余計かな…。」

 

材料はどれくらいか、艦娘の数、作り方などを記したメモと、袋に小分けされた材料、そしてオーブンの点検まで済んでいた。ドミナントは自分の手作りを渡したいため、その小分けされた袋の材料を全部出して、艦娘の数以外のメモを捨てて、別のオーブンのある場所へ移動する。

 

「では、作ろう。てか、ジャックらはどうすんだ…?来てないけど…。…まさか、スーパーの奴で終わらせるつもりじゃ…。」

 

ドミナントの頭にそんなことがよぎり、材料を放ってジャックの部屋へ直行する。

 

…………

 

コンコン

 

「ジャック、いるか?」

 

『いる。』

 

「邪魔するよ。」

 

ドミナントが部屋に入ると…。

 

「これから行くところだ。共についてくるか?」

 

「やっぱり…。」

 

外へ行く私服を着ていた。

 

「ジャック…。艦娘達は俺らの手作りをずっと待ってるんだぜ…。」

 

「待っていると言われてもいまいちピンとこないな。」

 

「とにかく、一緒に来て作るぞ。」

 

ドミナントは否応なしにジャックを引きずって行った。

 

…………

 

「今日はホワイトデー♪司令官からお返しにっ♪」

 

吹雪は部屋でそんなことを機嫌よく言う。

 

「ホワイトデーって、日本発祥みたいだよ…。」

 

初雪がドミナントと同じことを言う。

 

「そうなんだ〜。…初雪ちゃんあげた?」

 

「寝てたかも…。」

 

「私はちゃんとあげたよ!」

 

吹雪はどうだと言わんばかりにドヤ顔をしたが…。

 

「でも、溶けているやつでしょう?」

 

白雪が言う。

 

「もしかしたら…。溶けていたから…失敗作を…渡されるかも…。」

 

「…え?」

 

「司令官なら、あり得るかも知れないわね…。」

 

「じょ、冗談キツイよ?二人とも…。」

 

二人が不安を煽り、吹雪が少し心配する。

 

「まぁ、どうなるかは結果次第ね。例えそれがなんであろうとも、満足すればいいけど…。」

 

「なんかとても不安になってきちゃった…。」

 

吹雪のテンションががくっとさがった。

 

…………

 

「では、クッキー作りを始める。」

 

「「……。」」

 

主任とジャックは乗り気ではないようだ。効率を求めるジャックは面倒であり、製品版の方が美味いため、時間の無駄だと考え…。主任は眠そうな目を擦っていた。

 

「まず生地だ。今回は外はサクサク中はしっとりを目指す。焦がしたやつをあげるのは終身刑だと思わねば。」

 

ドミナントは手際良く生地を作る。

 

「…ジャック?」

 

「…やらなければならんのか?」

 

「バレンタインデーに、チョコレートをくれた子たちが悲しむ姿を見たいのなら、市販でも構わないんじゃないか?」

 

「…いいだろう。やろう。卑怯な言い方までするとは…。」

 

ジャックは渋々クッキー作りをする。主任はふざける元気がないのか、黙々と始めていた。

 

…………

 

「はぁ…。」

 

「どうした?」

 

「少し心配で…。」

 

「少し分かるかも。」

 

ため息を吐いたセラフ、ジナイーダ、神様が屋上で話す。

 

「ドミナントなら、問題はないだろう。あいつは義理堅い。必ずもらった人数分返すだろう。」

 

「いえ、そうではなく…。あの二人が…。」

 

「…主任とジャック・Oか…。」

 

「あの二人、なんか色々面倒を起こしそうだよね…。」

 

「ジャックさんは変なところで細かいですから、本日が終わってしまう可能性もありますし…。主任さんは逆に大雑把なので、とても食べられるようなものじゃないものを作る気も…。」

 

「まぁ、あの二人はな…。」

 

「この鎮守府の男って、客観的に見ると変人だもんね…。」

 

「否定は出来んな。…いや、私たちもだろう。生物的に。」

 

「それもそうですね…。ははは…。」

 

「「「はぁ…。」」」

 

女性陣のトップの3人はそんなことを言い、ため息をついた。

 

…………

 

「では、俺は出来たけど…。ジャックは?」

 

「私も出来上がったところだ。」

 

「主任?」

 

「俺も出来たんじゃな〜い?ま、お返しのお下がりだけどねぇ。」

 

「じゃ、各々配りに行こ〜。」

 

「一つ味見…。」

 

「こら!主任!手を出すな!クッキーに手を出すな!分かったかぁ!」

 

「いかん!そいつには手を出すな!」

 

「二人して言わなくても…。ギャハハハハハ!」

 

ドミナントらは調理室を出た。

 

…………

 

「考え直してください。飛べば処理機に吸い込まれてグチャグチャです。」

 

「その通り!」

 

わーわー

 

「?」

 

何やらキッチンで騒いでいる。

 

「おい、何してるんだ?」

 

「「あっ、提督…。」」

 

「一航戦のお二人が何してるんだか…。」

 

「瑞鶴も一緒に止めてあげてましたけどね。」

 

赤城と加賀だ。周りにその他もろもろがいる。

 

「で、何してるんだ?」

 

「赤城さんが食の大切さを皆に…。」

 

「何が『食の大切さ』よ。最後に残していた鮭の皮を残飯と間違われて捨てられちゃったから、稼動中の処理機に行こうとしていたのを止めていたんじゃない。」

 

「…マジで?」

 

青い一航戦が説明しようとしたところ、本当のことを七面鳥五航戦が話した。

 

「赤城…。いくらなんでも意地汚すぎるぞ…。まぁ、食にそこまで敬意を持っている所はすごいがな。」

 

ドミナントがやれやれとする。翔鶴は張り付けた笑顔だ。

 

「そんな悲しそうな顔をするな…。今日が何の日か忘れたのか?」

 

「今日…。…!」

 

「……。」

 

「あっ!今日は…!」

 

「ふふふ。」

 

赤城が悲しそうな顔から一変、嬉しそうな顔に変わった。

 

「そんな4人にあっと驚くプレゼントをあげよう。」

 

ドミナントがクッキーをあげる。

 

「提督…このクッキーを、チョコのお返しに?こんなに沢山!?では、一つ…ううーん美味しい♪…でも、鮭の皮…。」

 

「そうか。美味しいなら本望だろう。」

 

……だが、俺のクッキーは鮭の皮以下なのか…?

 

「お返しですか?そうですか。」

 

……加賀はなんか事務的に貰われた…。嬉しいのか…?加賀は…。

 

「提督さん、チョコのお返しくれるの?」

 

「当然だぜ。元社畜の俺に勝てるもんか。それと、翔鶴も…。」

 

「提督、これを私に?お返し、ですか?あらやだ、ありがとうございます!楽しみです♪」

 

「やったー!え、翔鶴姉にも?なんでなんで?!」

 

「え…。だって、翔鶴もくれたし…。」

 

「微妙に納得出来ない!!」

 

「瑞鶴?瑞鶴、何を怒っているの?」

 

……翔鶴…。やっぱり、瑞鶴に言っていなかったな…。とぼけた顔までして…。さすが姐さんだよ…。

 

ドミナントは一先ず姉妹のことを放って、先へ進んで行く。

 

…………

 

「次はフフ怖の代名詞…。」

 

「あ、提督。」

 

「天龍だ。」

 

ドミナントは態々天龍の部屋まで来たのだ。

 

「なんだよ、俺になんかくれるのか?」

 

「くれるもなにも…。今日はホワイトデーだよ?」

 

「…ホワイト?なんだそりゃ…。」

 

「バレンタインデーに乙女らしかった天龍とは大違いだな…。いいだろう。私が説明する。」

 

ドミナントは天龍に分かりやすく説明した。

 

「と、言うわけでクッキーあげる。」

 

「…あっ…ん…えっ…ありがとな…。」

 

「…ホントにわかってる?」

 

……天龍…。もう少しだけでも乙女になれば可愛いのに…。……。…いや、天龍は天龍だな。今のままが良いか。

 

ドミナントと天龍がドアで話していると…。

 

「あら〜?提督〜?」

 

「おう、龍田。」

 

「おかえり…龍田。」

 

龍田がやってきた。

 

「そうだ。丁度いいや。これ、あげる。」

 

「あら~私に?いいのかしら? ありがたく頂戴するわね。……勿論、私にだけよねぇ?」

 

「騙して悪いが、天龍にも配っている。それに、不平等なことはしない。くれた人に渡す。それだけだ。」

 

「律儀ね〜。」

 

……今龍田の目がめちゃくちゃ怖かった…。龍田に睨まれると怖くてたまらなくなるんですぐに分かる。

 

ドミナントは突き刺さる視線を背に、歩いて行った。

 

…………

 

「よぉ、三日月。てか、やっぱり娯楽室にいたか。」

 

ドミナントは娯楽室の入り口から顔を覗かせる。

 

「皆んなソワソワしてやがる…。可愛いなぁ。」

 

「変態ですよ…。」

 

「そうか?まぁいい。三日月にもあげるよ。変態のクッキー。」

 

「えっ!?このクッキー、頂けるんですか!?有難うございます、大切に頂きます!」

 

「おう。」

 

……変態クッキーを大切に頂く…。なんか笑えるな。

 

「ヘェ!イー!提督ぅー、私へのホワイトデーのBigなお返しは何ですカー?」

 

「お返しをすると言ったな。あれは嘘だ。」

 

「NOOOOOOO!!」

 

「冗談だから…。はい、金剛は特別に大きなクッキー。」

 

「oh!thank youネー!提督ー!」

 

……実は、あのチョコレートのせいで血糖値に問題が発生したんだよな…。安心しろ。そのクッキーも中々に甘いからな…。

 

「クッキー、貰ってもいいんですか?私、チョコ失敗しちゃったのに…。」

 

……まずい!ブッキーが少し悲しそうな顔をしている…!ホワイトデーに女の子を泣かせるなんて問題外!貰ってくれないかもしれない!つまり、ジナイーダにより俺の命が…。

 

「い、いや!ねぇ!溶けたからなんだ!ホットチョコレートがなんだ!とても美味かった!これホント!だからお礼!」

 

「え、珍しいホットチョコのお礼、ですか? ああっ、すみません…。」

 

「謝んなくていいよー。」

 

……何とか受け取ってくれた…。あぁ、良かった…。

 

「夕張にもあげる。」

 

「え? 提督、これを私に? ありがとう♪ 早速、開けて食べてしまっても、いいかしら~?」

 

「どうぞお好きにしてください。」

 

……もちろん、紅茶の入ったチョコレートだぜ。夕張は果汁を入れたから、俺は紅茶を入れる…遊び心あるな〜。

 

「えーっと、如月ちゃんと提督にクッキー焼いたんだけど…食べて、くれるかにゃー?」

 

「…睦月?逆じゃない?…まぁ食べるけど。むしろ、く…。…いや。」

 

「あ、睦月ちゃん、このクッキーを如月に?ありがとう。大切に食べるわね?うふふふ♪」

 

「今食べてほしいにゃ〜。」

 

ドミナントと如月が睦月のクッキーを食べる。

 

「うん。美味しい。美味すぎるわ。もっと食わせろ。」

 

「美味ねぇ〜。」

 

「やったぁ!」

 

睦月が嬉しそうな顔をした。

 

「…それと、なんか対抗しているみたいで今渡すのは少しあれだけど、渡しておくね。寝食を惜しんで作り上げた俺のクッキーだ。」

 

ドミナントが睦月と如月に渡す。

 

「ありがとうございます!」

 

「美味しそうねぇ〜。」

 

……二人とも嬉しそうに…。ひたすら可愛いぞ…。俺に理性がなかったら尊死している…。

 

ドミナントはそんなことを思った。

 

「さてと…。もういないな。なら、俺はセラフのところへ渡しに行く。楽しいホワイトデーを過ごしてくれ。」

 

「「「はい!」」」

 

ドミナントは行き、艦娘達は嬉しそうな顔をしていた。

 

…………

道中

 

「重い…。」

 

ドミナントは沢山のクッキー袋を持っていた。

 

「ふぅ…。あっ!長門!良いところに!」

 

廊下から歩いてくる長門を見つけて、呼ぶ。

 

「はい。長門にもあげる。いつもお疲れ様。」

 

ドミナントがクッキー袋を長門に渡した。

 

「これが、例のお返しというものか。ありがたい。これは、胸が熱くなるものだな。いただこう、嬉しいぞ!」

 

……かわいいな…。いつもは鋭い目つきなのに。

 

長門が生き生きとして言うものだから、ドミナントの心も自然と明るくなる。

 

「しれえ…チョコのお返しほしいです!」

 

「まさかの催促来たよ…。ほれ。これだ。」

 

「あ、これですね! ありがとです! 食べます!」

 

ドミナントの手から、雪風がクッキー袋を手に取った。

 

「司令官、このクッキーは?…はっ、貰ったらお返しを、という文化。そうなのですね?私も再度のお返ししないと。何がいいかしら…。」

 

「シラユキ…なにを…言ってる…?そんな和のおもてなし要素無いから。」

 

「え、違う、の?」

 

「ああそうだ。白雪は変なところが抜けてるな…。」

 

分かって言っている白雪にドミナントが大真面目に捉えた。

 

「司令、お姉さま見ませんでした? せっかくクッキー焼いたのにー…あの、味見します?」

 

「ありがとう。いただくよ。それと、クッキーあげよう。」

 

……相変わらず金剛が好きだな…。比叡…。てか、なんだこれ…。……。…!このクッキー…クソまずいぞ!土を食った方がマシなんじゃないか!?金剛め…逃げたんだな…。

 

「榛名にもやろう。俺のクッキー。」

 

「えぇっ?チョコレートのお返しだなんて、そんな…榛名には、もったいないです…嬉しいです♪」

 

……その100万ドルの笑顔。浄化…され…る……。

 

「そうですねー、チョコレートのお返しは、特に気にしないでください。ええ、特には…。」

 

「逃すか。あんたにも食べさせてやんよ。どんなもんじゃい。」

 

……謙虚だなぁ…。けど、こっちも命がかかってるんでねぇ。貰ってくれないと…。

 

「扶桑もあげるー。」

 

「提督。これを、ちょこれいとのお返しに?嬉しいです。」

 

「そりゃよかったよ。」

 

「姉さま、山城、姉さまにこぉんなにクッキー焼いたんです!」

 

「あっ、山城も来た。」

 

「…え、何です、それ? …うわ。」

 

「…あら、どうしたの、山城?」

 

「引かないでくんない?逆に俺は山城の作った量に脱帽だよ…。」

 

……実質、俺よりも多いしな…。クッキー渡してからも睨んでくるのやめてくれない…?扶桑は幸せそうな笑みをしてるし…。可愛いし…。

 

「文月にもあげよう。そして世に文月のあらんことを…。」

 

「しれーかん、ありがとー♪ …あれ? これ伊良湖ちゃんがいつもつくってるのと…まさか…。(しれーかんのご意志に逆らう愚か者を抹殺せよ!!)

 

「いや、俺の手作りだよ…。」

 

……君のような勘のいいガキは嫌いだよ。

 

「はい。去年俺に君だけくれなかったけど、いつも頑張ってるからご褒美だよ♪」

 

「ぅ…お返しされる理由はないのだが…。すまん、来年は必ず用意する。」

 

「……。気にしなくていいよ。いや、マジで。」

 

……笑ってくれるかと思ったら違う展開になっちゃった…。

 

「多摩にもあげるよ。」

 

「いただくにゃ。」

 

……可愛いなぁ。可愛いなぁ…。

 

「長良にもあげるー。」

 

「ありがとうございます!」

 

……ハァハァ息切らしてるよ…。走ってたのかな…?発情と間違われるぞ…。

 

「ほい川内。」

 

「くれるの?ありがとう!今度絶対、夜戦してよね!」

 

「ああ。」

 

……夜戦(意味深)。

 

「神通さんにもあげますよ。」

 

「ホワイトデーのお礼ですか?ありがとうございます。」

 

……相変わらず事務的だな…。

 

「BANG!BANG!BANG!撃ち抜く那珂ちゃん。」

 

「キャハッ☆…て!提督ー!それ那珂ちゃんのセリフー!…?提督ー、これはー?ファンの贈り物?」

 

「とでも、言うと思っていたのかい?」

 

「あっ、提督の!?ありがとー!楽屋で食べるね♪」

 

「おうよ。」

 

……楽屋あったっけ…?まさか、部屋を楽屋と言い張る気じゃ…。

 

「最上ん発見!クッキーを…。」

 

「提督、なあに? チョコのお返しは何がいいかって? そうだなあ、一日提督に甘える券、とか、どう?」

 

「あげ…。…甘える券…。」

 

…………

 

『提督〜、遊びに行こう!』

 

『提督、アイス美味しいね!』

 

『あれ買って欲しいな〜。』

 

…………

 

……娘に甘えられる…。…いいな。

 

「そ、そうか?なら、作って…。」

 

「なあんてね、冗談だよ。さみしがりやの甘えん坊さんは提督の方だもん。…ふふっ、これも冗談さ。」

 

「…そうか。まぁ、とりあえずクッキーだよ。」

 

……掴めない性格だな…。もがみん…。

 

「古鷹エル様にお供えを…。」

 

「こちらを?!提督、ありがとうございます!嬉しい♪」

 

……あれは…天使だ…。

 

「うお!提督、気ぃ利くじゃん!ちゃんとお返しくれるんだ~。いいね♪寝る前の楽しみにしよっと。サンキューな!」

 

「寝る前は太る…。」

 

「おい!折角楽しみにしてたのを台無しにしちゃダメだぞ!」

 

……でも、大事に食べてくれるなら、こんなに嬉しいことはない。

 

「はい、妙高さんも。」

 

「え?提督、このクッキーを私に?ありがとうございます♪頂きます…。うふふ、うれしい♪」

 

……妙高さん…。すっこく嬉しそう…。

 

「羽黒にも、丹精込めて作ったクッキーあげる。」

 

「え…?この、可愛らしいクッキーを…私に!?司令官さん…本当に…ひっく…ありがとうございますぅ……ぐすっ、うぅ~……。」

 

「ちょ、待…!泣かないで。もっとあげるから…。」

 

……羽黒…。今までどんな生活してきたんだよ…。泣くなんて…。

 

「司令官、レディーに対するチョコのお返しは…。」

 

「もちろん、第四駆逐にもあるぞ。一人前のレディー様。」

 

「あぁ、これね!…あぁ、後で開けるわ!」

 

……そう、自称レディーにはチョコチップクッキーだッ!

 

「司令官、これは何だい?」

 

「なんだと思う?」

 

「…お返し?Спасибо.いただくよ。」

 

「300貰おう。」

 

「資本主義者め…。吾輩には祖国がある。負けられない…。ハラショオオオオオ!」

 

……もう混ざりすぎてごちゃごちゃだ…。

 

「これ、チョコのお返し?」

 

「その通り!」

 

「じゃあ、雷、司令官のためにもっとも~っと働いちゃうねっ?」

 

「1日8時間以内なら、なんでも良いぞ。」

 

……8時間超えは流石にアウトだけど…。

 

「ほわわぁ…司令官さん、チョコのお返し、頂けるのですか!?あの…ありがとう…なのです!」

 

「どういたしましてなのです。」

 

……艦娘は貰われることを考慮に入れてないのか…?お返しって、大事だろう…。何事においても…。

 

「シグレンもあげよう。」

 

「提督。これ、は…僕に?ありがとう♪」

 

「どういたしまして。」

 

……可愛い…ただひたすらに可愛かった…。

 

「夕立にも…。」

 

「提督さん、この包みは?いい匂い…クッキーっぽい!もしかして手作りっぽい!?」

 

「もちろんさー。」

 

……流石番猫…いや、番犬付き…。鼻がきくな…。

 

「阿武隈にもあげようじゃあないか。」

 

「てーとくがあたしに…?てーとくの手作り…!?」

 

「ああそうだ。て、今開けるんだ…。」

 

「えへへへ、不恰好なところが可愛いですねぇ。あたし的には大事にいただきます」

 

「そうか…。嬉しい限りだ…。」

 

……阿武隈…。大事にしてくれるならありがたいな…。でも、とっておいてカビが生えたなんてオチじゃ…。

 

「鬼怒にも特別なクッキーをあげよう…。」

 

「提督、このクッキーくれるの?わーい!ありがと…ぅ~っ!!??」

 

「へっへっへ…。」

 

「辛いよこれ…え、チョコのお返し?くっそぉ~、マジパナイっ!!」

 

「あの時のお返しだ。中にはハバネロのタネがぎっしり…。…のやつがあったが、どうやら当たりを引いたようだな…。」

 

「…もし当たっていたら…?」

 

「口の中は大火傷だ。」

 

……運が良いな…。けど、運で戦いは決まらない…。

 

「えっ、提督、これ、私に?」

 

「なんかときめかしちゃっているようだが…。今日はホワイトデーだ。」

 

「ぁ…チョコレートのお返しですか?ありがとうございます♪」

 

……なるほど…。まぁ、アリなんじゃないか?瑞鳳。

 

「山風もね。チョコレート美味しかたよ。」

 

「これ…!いいの…!?…ありがと…ありがとぉ……ッ。」

 

「何もそんなにありがたみを持たなくても…。」

 

……艦娘と言うのは、普段はお返しをもらえないのがウリなのか…?

 

「五月雨にもプレゼントだ。」

 

「え…。く、くれるんですか?ありがとうございます!大事にします!」

 

……そんな幸せそうな顔して…。後で落として全部パーなんて、そんなドジを踏まないように気をつけてね。

 

そんなこんなしているうちに、セラフの部屋の前だ。

 

「道中会っている間に、随分減ったな。」

 

ドミナントは残りの小分けしてあるクッキーを見る。

 

「軽くて助かる。」

 

コンコン

 

「……。」

 

シーン…

 

「…外出中かな?…仕方ない…。次は…武蔵だったか…?」

 

ノックしても反応がないため、一先ず部屋を後にするドミナント。すると…。

 

「あっ、叢雲…。」

 

「……。」

 

叢雲が待っているように立っていた。

 

「はい、ホワイトデーおめでとう。」

 

「いらないわよ。…でも、食べ物を無駄にするのは勿体無いから、食べてあげるわ。」

 

「ふーん。いや、別にいらないなら他の子にあげるし。無理にもらわれてもお互い気持ち良くないからね。…どうしたの?」

 

「……。」

 

「いや、いらないなら他の欲しい子にあげるから、返して?それとも、そんなに楽しみにしてたのかな?」

 

ドミナントがからかいたくて、意地悪を言うが…。

 

「……。」

 

「…嘘だよ。そんな悲しそうな顔で返却しようとしないで?ね?それは叢雲のために作ったんだから…。悪かったよ。謝る。」

 

とても悲しいのを我慢した顔でクッキーを返そうとしてきたため、止めてあげた。

 

「ところで、セラフしらない?」

 

「セラフさん?確か、屋上にいたような…。」

 

「そっか。ありがとう。」

 

ドミナントは屋上へ走って行った。

 

…………

屋上

 

「誰か…いるか…?」

 

「いるよー!」

 

「おるぞ。」

 

「神様か…。先輩神様もいるな。」

 

二人ともいた。

 

「今日の着物は白いですね…。」

 

「もちろん、ほわいとでー?じゃからじゃ。ほわいとでーとは、日本発祥の文化でのぉ…。」

 

「あっ知ってるんで大丈夫です。」

 

「…そうか。」

 

先輩神様が説明しようとしたが、知っていると言われてしまった。

 

「ところで、御二方にもクッキーがあるので、いかがですぅ?」

 

「くれるの!?本当に!?ありがとう!」

 

「ありがたいのぉ。天界に菓子はあまりないからの。」

 

二人が嬉しそうに貰って、早速食す。

 

「美味しい!」

 

「美味じゃ…!」

 

「そいつは嬉しいねぇ。ところで、セラフどこにいるかわかる?」

 

「セラフ…なら、倉庫じゃない?」

 

「倉庫か。分かった。行こう。」

 

「ん〜。」

 

ドミナントが倉庫へ歩いて行く。

 

…………

倉庫

 

「やっといたぜ…。」

 

「あっ、ドミナントさん。」

 

「ドミナント提督。」

 

セントエルモとセラフが待っていた。

 

「はい、バレンタインデーありがとね。」

 

「クッキーですね♪ありがとうございます。」

 

……セラフは相変わらず嬉しそうだね。

 

「美味しそう。」

 

……セントエルモもヨダレを拭こうか…。

 

ドミナントがそんな感想を述べた。

 

…………

甘味処 間宮

 

「ちはー。」

 

「あら提督。」

 

「ホワイトデーのクッキーをお届けに参りました〜。」

 

ドミナントが休業中と書かれた札を無視して入り、伊良子と間宮にクッキーを渡す。

 

「「ありがとうございます!」」

 

「いいんだよ。いつも頑張っているし、あの時のお返し。がんばってね!」

 

ドミナントはそう言ったあと、忙しいのかすぐに店を出た。

 

「…折角、何か作ってあげようと休業にしましたのに…。」

 

「提督って、そういうの分かんないのかな…?」

 

二人はため息をついた。ドミナントに女心は分からないのだ。いや、分かっていても、分からないフリをすることが多い。

 

…………

道中

 

「おっ、皐月。」

 

「あっ、司令官。」

 

皐月と会う。

 

「皐月にも会う予定だったから、丁度良いか。」

 

ドミナントが袋の中を漁る。

 

「皐月にもあげる。バレンタインデーありがとね。」

 

「ふぇ?ボクにくれるの?相変わらずかわいいなぁ…!ありがとう、司令官!」

 

皐月はクッキーをもらって、心底嬉しそうな笑顔をした。

 

……かわいいなぁ…!

 

ドミナントも同じことを考えたのはいうまでもない。

 

…………

演習場

 

「提督よ、来たぞ。」

 

「来たか、武蔵。」

 

演習場に二人、ドミナントと武蔵がいる。

 

「ところで、本当に近くに上手い皿うどんが食べられる店が本当にあるのか?」

 

「……。」

 

ピッ!

 

ドミナントは無言で手にあったボタンを押した。

 

ドヴェーーー!ドヴェーーー!ドヴェーーー!…!

 

ゴゴゴゴゴ…ガシャァン!

 

ガラガラガラ…ガシャァン!ビビビビビ…!

 

シャキン!シャキン!シャキン!…!

 

「!?」

 

武蔵が周りを見た。これはバレンタインデーの状況と同じだ。

 

「よく来てくれた。残念だが、皿うどん専門店などはじめからない。だまして悪いが仕事なんでな。死んでもらおう。」

 

ドミナントがペイント弾を構える。

 

「やはりな…。そんな気がしていた。」

 

武蔵は事前に分かっていたらしく、同じくペイント弾を装填してあった。

 


武蔵 Lv.99

 

V.S

 

ドミナント Lv.??


 

READY

 

GO!!

 

開始した途端、両者ともペイント弾を撃つ。ルールは前と同様のようだ。

 

「この前の敗北を勝利で塗り直してやろう!」

 

『グリッド2の攻撃が空中で連続HIT!!!』

 

「おぉ…。やるな。武蔵。」

 

『グリッド1のブレードがHIT!』

 

「大和型の装甲は伊達ではない!」

 

『グリッド2の攻撃が連続HIT!!!グリッド1!危険温度が続いている!』

 

「やるな!」

 

「今度は負けないさ!」

 

『両グリット!接戦を展開!』

 

…………

 

『グリット1!行動不能!よって、武蔵の勝利です!!!』

 

「私は大和型。その改良二番艦だからな。当然か。しかし、礼は受け取ろう。」

 

武蔵はMVPを取り、余裕そうでいるが、実際はとても危なかった。ドミナントが本気を出していたら当然、やられていたであろう。…いや、それとも…。

 

「ついに部下に負けたー!」

 

「ふっふっふ…。」

 

「と、言うわけで俺に勝った戦利品だ。受け取れ。」

 

ドミナントはクッキーをあげる。

 

「なに?これを、私に?提督よ、ありがとう。見慣れぬ戦闘糧食だが、いただこう。」

 

「戦闘糧食じゃないけど…。まぁ、本人がそう思っているならそれでいいか。」

 

ドミナントは気持ちの良さそうな笑顔をして、武蔵も満足した笑顔になった。

 

…………

 

「次はここだな。そして、もうクッキーは大和さんや星奈提督、佐藤中佐に届いている頃だろう。喜んでもらえてるといいなぁ。」

 

ドミナントはそんなことを呟きながら、ドアをノックした。

 

「はい。て、提督!?」

 

「ああ。熊にでも見えたか?これはあの時のお返しだよ。大鳳。」

 

「あっ、バレンタインデーの…。ありがとうございます!」

 

「別にいいさ。クッキーだから、大事な物をしまう場所に入れちゃダメだよ。腐ってカビでも生えたら大変なことに…。」

 

「……。わかりました。」

 

大鳳は後で入れておこうなどと考えていたのだろう。

 

……本当、大鳳もあの時、かわいかったな。こんな娘たちがいるなんて、世の中の父親は羨ましがること間違いなしだ。え?ケッコン?なんのことやら…。

 

…………

ジナイーダの部屋

 

「よお、やってるな。」

 

「ノックがして、来てみたらお前か。」

 

「ああそうだ。で、バレンタインデーのお返しさ。」

 

「……。…忘れていなかったのか…。」

 

「うん。はい。クッキー。」

 

「……。」

 

ジナイーダはクッキーを受け取り、何も言わずにお礼を述べるような動作をした。

 

「ところで、ジャックたちは?」

 

「来たぞ。数分前にな。」

 

「良かった…。ちゃんと配っていて。」

 

「まぁ、あの二人だ。心配にもなるさ。」

 

「まぁね。ジナイーダもお疲れ様。」

 

「お前もな。」

 

二人はそんな会話をした。

 

…………

ジャックサイド

 

ソワソワ…ソワソワ…

 

「加賀さん?どうかしましたか?」

 

「なんでもございません。」

 

ドミナントが来たあと、加賀がソワソワしている。…と言っても、目に見えてソワソワしてないが…。

 

「ここにいたか。」

 

「ジャックさん。」

 

「あー…。」

 

加賀が言い、赤城が納得した顔をした。

 

「これはくっきー?というものだ。試行錯誤して作ったが、中々上手く出来なくてな…。口に合えば良いのだが…。」

 

「そうですか。いただいておきます。」

 

「ふふふ。」

 

赤城はなんともなさそうな加賀の顔を見て笑う。分かっているのだ。嬉しいことが。

 

「む。そこにいるのは龍驤だな。これを渡そう。」

 

「なんや?これ、お返し?うちに?あぁ~、めっちゃうれしいで! ありがとうな!」

 

龍驤が喜ぶ。ジャックは無表情だ。そして、龍驤を後に次の目的地に歩いて行く。

 

「島風だったな。これはあの時のお返し…。」

 

「ごちそうさま〜。」

 

「…早いな。」

 

食べ終わった島風を後に、またも歩くジャック。

 

「神通、これは礼だ。」

 

「これを…。ありがとう…ございます。大切にいただきます。」

 

「大淀もだ。」

 

「ありがとうございます。」

 

ジャックもちゃんと覚えている。助けられた恩は忘れず、必ず返すのがモットーだ。

 

「伊58にもやろう。」

 

「てーとく、これ、ゴーヤチョコのお返し?ほんとに?わーお!ごちそうさまでち!」

 

「鹿島、お前にもだ。」

 

「提督さん、これを私に?ありがとうございます。 美味しそ~♪ いただきます。えへへっ♪」

 

ジャックはもらった艦娘全てにあげ、ある部屋の前に立つ。

 

コンコン

 

「ジャック・O。お前か。」

 

「ああ。」

 

ジナイーダだ。

 

「これはあの時もらったお返しだ。礼を言う…。」

 

「…別に構わない。」

 

「…貴様も、この鎮守府で少し気が緩み始めたな。」

 

「…?」

 

「昔の、データを見る限りだと、貴様にはそういうことに全く興味がなかったように見えた。」

 

「…貴様もな。…これが平和だと感じてから、私は緩みすぎているのかも知れん。」

 

「だが、その平和も捨てたものでもない…か。」

 

「ああ。」

 

「…同感だ。」

 

ジャックはそう言い残して、過ぎていった。

 

「…そうだな。」

 

「見てたよルーキー!中々やるじゃない?ハハハハハ!」

 

「主任!」

 

「プレゼント…気にいるといいけど…。」

 

「…なんだ…!?これは…!?大規模コジマ反応を確認…!」

 

「失礼だね〜!ギャハハハハハ!」

 

「まぁ、嬉しいがな…。…嬉しいか?」

 

「ま、どうでもいいんじゃな〜い?」

 

「ところで、皆に配ったのか?」

 

「いいや〜。」

 

「配っておけよ。」

 

「配るさ〜。ハハハハハ…!」

 

「…悪い顔だな。」

 

主任は何か企んでいた。

 

…………

夜 外

 

「こんな時に夜の外なんてなんのようだ…?しかも皆を集めて…。」

 

艦娘やドミナントらが外にいる。

 

「レディースエン!ジェントルメーン!みんなにプレゼントがあるんだよぉ〜。ギャハハハハハ!」

 

「やっと来やがった…。主任、要件はなんだ?」

 

「クッキーのプレゼント…気にいるといいけど…。」

 

「クッキー?まぁ、良いんじゃないのか?」

 

「けど、そのまま配るのは面白くないなぁ〜。と、言うわけで…打ち上げることにしたよぉ〜!ギャハハハハハ!」

 

「!?主任…!貴様…何をするつもりだ!?」

 

「ちょっとお手伝いをね!!」

 

主任が何やら導火線に火をつけた。

 

ドーーーン!!!

 

「クッキーが花火に!」

 

「食べ物を粗末にするな!」

 

ワーワー!

 

艦娘やドミナントから一斉ブーイング。

 

「あれれ〜?何言っているのかな?あれは君たちのだよ〜?」

 

「ちょ、おま…!きたねーぞ!」

 

「キャッチしないと落ちちゃうよ〜?じゃ!頑張ってぇ〜!」

 

主任はそう言い残したあと消えた。

 

「「「うおおおおおお!!!」」」

 

艦娘やドミナントたちは無駄にさせないように、全てキャッチする予定だ。ある意味、主任らしかった。まぁ、後で一斉攻撃されたが…。

そんなこんなのホワイトデー。しかし、怒った後また笑い飛ばせるのだから、良い1日だったのだろう。




チョコレートもらえたぜ!
「よかったじゃない。」
瑞鶴のグラはなかったけど…。
「そんなもんよ。世の中なんて。」
悟られた…。二次元の存在に悟られた…。まぁ、ホワイトデーにあげるよ。
「クッキー?」
ああ。楽しみにしてろ。
「やったー!」
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