ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった…   作:とある組織の生体兵器

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はい、72話まで来れた…。
「あれ?一昨日、何かあった気がするけど?」
あぁ…。その日を書くにしたって、時間ないじゃん?そもそも時代違うし…。
「へぇー(棒)。」
……。すみません。実はネタがなかったです。
「うん。素直でよろしい。」
さて、そろそろあらすじに入りましょう。今日のゲストは?
「また知らない人。」
「ここは一体…?」
おー、ライウン。では、あらすじをどうぞ。
「やっと来たか。」

あらすじ
前回、秘書艦?とやらが遅れでっ…。

…噛んだな…。(ボソッ)
「見誤ったか…。命令だ、死んでくれ。」
ちょ、何で!?ギャァァ…。


72話 忘れないでください

…………

提督自室

 

「クー…クー…。」

 

現在、マルロクマルマル。ドミナントは寝ている。

 

コンコン…ガチャ

 

ノックして、笑顔で艦娘が入ってくる。そして、ドミナントを揺さぶり…。

 

「司令官、起きてください。」

 

起こす。

 

「…むにゃ?」

 

「朝です。」

 

「麻…。生えたの?」

 

「寝ぼけないでください…。」

 

艦娘は張り付けた笑顔をする。

 

「ふぁ〜…、今日の秘書艦は君かい?」

 

ドミナントは欠伸しながら起き、質問する。

 

「はい!ジャンケンで勝ちました!」

 

質問に元気よく答える艦娘。

 

「そっか〜。…で、名前は?」

 

「……。」

 

しかし、その質問をした途端に、さっきと打って変わり、機嫌の悪い顔になる。

 

「…どうした?」

 

「…冗談ですよね?」

 

「いや、冗談ではないが…。」

 

「……。忘れないでください。」

 

「すまんな。…で、名前は?」

 

「教えません。思い出してください。」

 

「えぇ…。」

 

ドミナントは思い出そうと、まじまじと見る。

 

……ふむ…。アホ毛があるな。目が金色。黒い制服。伸びた黒い髪。セミロング?。そして駆逐艦。…少し顔が赤いな。まぁ、異性に見られればそうなるか…。…うん。俺変態だな。

 

ドミナントは推理をし…。

 

「……初霜?」

 

「何でまだ秘書艦していない艦の名前が出るんですか…。」

 

「なるほど、一度は秘書艦をしたことがあるということだな。」

 

「さぁて、わかりません。」

 

ツンとしてしまっている。

 

……次間違えたらアウトの気がする。

 

ドミナントは慎重に考える。

 

……えっと…秘書艦の順で…。加古、那珂ちゃん、古鷹、…おぉ、古鷹型はコンプしたのか。いや、今それ関係ねぇし。えっと…、長門、多摩、三日月…ん?三日月?

 

ドミナントは再度確認する。そして、言う。

 

「三日月?」

 

「はい!」

 

笑顔で元気よく返事してくれた。

 

「三日月か…。すまんな。忘れていて。…それじゃぁ、仕事しますか。」

 

「はい。」

 

二人は、執務室へ行く。

 

…………

執務室

 

「終わった。いつもより時間かかったな…。」

 

ドミナントは、山のような書類を置いて、言う。提督用作戦報告書に時間がかかったみたいだ。

 

「お疲れ様です!」

 

三日月はすぐにお茶を出す。

 

「ありがとう。…さてと、じゃぁ行きますか。」

 

ドミナントは一瞬で飲みおわり、席を立つ。

 

「?どこへ?」

 

「倉庫だ。夕張が見せたいものがあるらしい。…まぁ、設計図だけどな。」

 

「……。」

 

三日月がまた少し不機嫌な顔をする。

 

「…どうした?」

 

「…何で夕張さんの名前だけ覚えているんですか…?」

 

「え…。それは…。」

 

「ひどいです!二人一緒にこの鎮守府に着任したのに!私だけ忘れるなんて!」

 

三日月はドミナントに怒鳴る。

 

「ご、ごめん…。」

 

……なぜ忘れないか教えてあげたいけど、この情報が漏れたら夕張がどんな行動にでるか…。

 

なぜ忘れないかというと、夕張はたくさんやらかしているので、ドミナントの中では要注意人物だからだ。例)レビヤタン事件、プロジェクトファンタズマ事件、セントエルモ事件、VOB事件など。

 

「む〜。」

 

そんなことを知らずに三日月が頬を膨らませる。

 

……可愛い…。

 

だが、ドミナントには逆効果であることを知らない。

 

…………

倉庫

 

「待ってました!提督!」

 

「うむ。」

 

倉庫に入るなり歓迎する夕張。

 

「…堅苦しい挨拶は抜いて、早速見せてくれ。」

 

「はい!これです!」

 

夕張が設計台の上で設計図を広げる。

 

パサ

 

「ふむ…。」

 

……何て書いてあるんだ?

 

夕張が殴り書きで書いたので全く読めないドミナント。

 

「どうですか?すごいでしょ?」

 

胸をそらす夕張。

 

「すまないが夕張。」

 

「なんですか?」

 

「字が汚くて読めない…。」

 

「…わかりました。説明します。」

 

夕張はドミナントの横に来て、説明する。

 

「これは、所謂二つの大きな機械です!」

 

「ほう。」

 

「一つは、広い施設みたいなもので、もう一つは、その施設が作るロボットです。」

 

「なるほど。」

 

「そのロボットを出撃させ、たとえ倒されたとしても、戦闘データがその施設に送られ、改善されたロボットが作られます。」

 

「…?」

 

「さらに!その施設も成長し、ロボットも成長します!」

 

「ちょ、ちょっと待…。」

 

「そう、つまり!これがあれば、深海棲艦の殲滅はおろか、世界征服も実現可能です!」

 

「やめろ!」

 

途中から夕張が暴走しかけているのをドミナントが止める。

 

「えぇ〜…。」

 

「“えー”じゃない。ジャックがブチ切れるぞ!捨てろ!」

 

「でも、せっかくの設計図…。」

 

「……。」

 

夕張がいつもより悲しそうな顔をする。

 

「……。夕張、いつも却下されて不思議に思っているだろう?」

 

ドミナントは優しく夕張に言う。

 

「はい…。」

 

「夕張、俺らのことを思っているのはわかる。でもね、そんな世界を滅ぼすこともできる代物を持ったってろくなことにならないよ。」

 

「それは分かってはいるんですけど…。」

 

「多分、夕張は褒められたいんじゃないかな?“自分はこれを作ることができるよー”って。」

 

「そんなことは…。」

 

「本当に?」

 

「……。」

 

「やっぱりね。正直に言うけど、夕張はすごいよ。現代科学では追いつけないくらいの技術や発想を持っている。認めているし、羨ましいよ。」

 

「……。」

 

「でもさ、俺たちは人々を守る立場なんだよ。そんなの作って、暴走しちゃったら何でそんなもの作ったの?って感じじゃん?」

 

「はい…。」

 

「だから、これからはこういうのを作ろうとしちゃダメだよ?みんなも夕張がすごく頑張っていることも知っているし、認めているんだから。」

 

「じゃぁ、私はどうすれば…。」

 

「別に兵器の開発を禁止したわけじゃない。規模の大きさの問題だよ。もう少し、ささやかな…。例えば、艦娘の武器とか開発してさ。」

 

「でも、それだと海域解放とか、遠征とかで失敗する可能性も…。」

 

「そのときはそのときだよ。運が悪かった…それだけのこと。夕張のせいじゃない。それより、そんな恐ろしい兵器が近くにあるだけでみんな不安にさせちゃうでしょ?」

 

「はい…。」

 

「まぁ、次出来たらまた言いに来て。しっかり見てあげるから。」

 

ドミナントはそう言って、夕張の頭を撫でる。

 

「しっかりやって。夕張はやればできる子だって知っているから。」

 

「うぅ…提督ぅ…。」

 

夕張は目を閉じ、ただ撫でられていた。

 

…………

執務室 ヒトナナマルマル

 

……さて、戻ってきたな。…て、寝てる?

 

「スー…スー…。」

 

椅子に座って、器用に寝ている三日月を見て思う。

 

……執務室は艦娘たちにとって、寝室みたいなものなのだろうか?いや、それよりも放っておくと風邪ひくな。

 

ドミナントは、自分の上着を羽織らせる。

 

……最近寒くなり始めているから、二枚着ていて助かった。

 

そして、ドミナントは紅茶を作り、飲み始める。

 

……このだだっ広い部屋に、椅子と机しかないというのもなんだな…。これから寒くなるのにストーブが無くて大丈夫だろうか…?このように秘書艦が寝たとき、椅子だと体を痛めるのではないだろうか…?

 

今まで気にしていなかった執務室を見る。

 

……家具…か…。妖精さんに頼むか?小人の親戚のような気がするし…。

 

(失礼です!)

 

「ん?」

 

ドミナントが床を見ると、妖精さんがいた。

 

……なんでここにいるんだ?

 

(おやつチェックです。偽りの依頼を受けないようにです。)

 

……なるほどな。ついに妖精さんにまで疑われるとは…。それより、家具を作ることはできないか?甘味やるぞ。

 

ドミナントは交渉しようとするが…。

 

(無理です。)

 

……え…。あの妖精さんが…甘味を欲しがらない…?何かの間違いじゃ…?

 

(普段どのように見ているです?コインがないと無理です。)

 

……コイン?

 

(ある任務を達成すると、大本営から送られてくるです。)

 

……そこまで詳しくなかったからなぁ…。この世界に転生?転移?すると知っていれば、プレイしておくべきだったな…。

 

ドミナントは後悔する。

 

……まぁいいや。その任務とやらは?

 

(我々は妖精さんです。知るわけないです。)

 

……そうか…。ならばセラフか大淀か…。

 

ドミナントが考え、妖精さんはいつのまにかいなくなっていた。すると…。

 

「ん〜…。!?。司令官の上着が何故…?」

 

三日月の目が覚める。

 

「目が覚めたか?」

 

……あれ?デジャヴ?まぁいいや。

 

「あっ。えっと…その…。」

 

あたふたしながら自分の身だしなみをチェックしている。

 

……うん、可愛い。すげぇよ…ミカは…。

 

ドミナントが一人考えていると…。

 

「おはようございます!司令官!」

 

三日月が笑顔で言う。

 

「ああ。おはよう。」

 

……と言っても、夕方だがな。

 

ドミナントは心の中で突っ込む。すると…。

 

「あの…起きた早々悪いんですけど…。」

 

「なんだ?」

 

「少し…撫でてくれませんか?」

 

それは、ドミナントが初めて聞く、三日月の“甘え”だった。断るドミナントではない。

 

「…ん。」

 

ドミナントは何も言わずに頭を撫でてあげると、嬉しそうに目を細めた。




はい。終わりましたが、まだ1日が続きますよ?最近、少しずつ字数が増えている気がします…。
登場人物紹介コーナー
三日月…ミカァ!バルバトスではありません。最初の4人のうちの1人。ジナイーダの授業のおかげで、三日月がいるだけで遠征の成功率80%を叩き出した。第4佐世保鎮守府の遠征最強格。
夕張…メロンちゃん。開発が大好き。前にドミナントからもらった本を大事に読み、セラフからの選別の道具を愛用している。最初の4人のうちの一人。セラフから学んだおかげで、現在の科学力を優に超えている。海に出るのはたまにでしかない。
妖精さん…甘味係。鎮守府内の甘味のある場所を全て把握している。姿を見せるのは稀である。
次回!第73話「災難の再来」お楽しみに!

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