ACの愉快な仲間たち(一部)と一緒に艦これの世界に来てしまった… 作:とある組織の生体兵器
「随分遅かったじゃない。」
また風邪ひいちゃってさ。あはは…。治った直後に無理するのはよくないね。
「はぁ…、健康でいなさい。風邪うつっちゃうでしょ?後で林檎をすって持ってきてあげるから治しなさい。…風邪をうつされるのが迷惑だからよ!」
あ、そうなんだ〜。で、ゲストは?
「……。……この人…。」
「あらぁ〜、天龍ちゃんから、随分と時が経っているわねぇ〜。」
龍田さんですね。あらすじを〜、どうぞっ!
あらすじよぉ〜
前回、教官が重い話をしたわぁ〜。自分たちがどれほど幸せなのか実感したわよぉ〜。天龍ちゃんが暗い顔をしたところ初めてみたわぁ〜。
…………
ジナイーダの部屋
「変わったね〜。」
「…何がだ?」
「昔は、こんなもの部屋に飾らなかったじゃん。」
佐藤中佐は海蛇のぬいぐるみを手に取る。
「…まぁな。平和ボケというやつかも知れん。」
「む、この手触り、感触…。へぇ、存外そんなものなの…。」
佐藤中佐はそれをなでなでしている。
「…ドミナントには黙っていたが、その言葉が世界を大破壊に追いやった兵器を起動させた者の言葉か?」
「もう!昔の話はしないでよ。あれ、本当に死ぬかと思ったんだから…。まぁ、あんなことになるなら依頼を受けなければ良いと思って、それで依頼を受けなくなったんだけど…。お金がなくなっちゃって、いざ依頼を探しても、中々なくって…。」
「あれで生きていて、何故騙されて死んだのかが納得できないな。」
ジナイーダは微妙な顔をして言う。
「…お前が死んだとき、どれほど悲しんだか知っているのか?」
「…本当にごめん。やっぱり、疲れたまま依頼を受けるのは良くなかったね…。」
「…全くだ…。こうして会えなかったら、謝ることもできないんだぞ…。もう二度と無茶しないでくれ…。」
「…あの依頼、報酬が高くてさ…。プレゼント買えると思ったんだよ…。それに、あれを逃したら、いつ依頼が来てくれるかわからなかったし…。」
「死んだら何もかもが台無しになるんだぞ。もう…、もう私のために無茶をして欲しくない…。」
「まさか死ぬなんて思ってなかったからさ…。」
「……。」
力なく微笑みながら言う。そして、5秒ほど沈黙の後…。
「…今夜は飲みに行くか…。」
「…そうだね…。」
二人は、伊良子酒保に向かった。
…………
執務室
「よっこらしょ…。」
ドミナントは夜、執務室で、明日の支度をしていた。
……明日もスムーズに進められるように準備しないと…。
とは言っても、書類を机の上に置き、ペンをチェックし、紅茶の在庫を確認するだけだが…。
「アイムシンカートゥートゥートゥートゥトゥ♪」
ドミナントは歌いながら支度をする。そこに…。
「ドミナントさん…。」
「アイムシンカートゥートゥ!?」
ドミナントは自分のすぐ後ろにセラフがいることに気づき、驚く。
「ど、どうした…?」
「…相談が…。」
「こんな夜じゃなくて…。いや、いい。話せ。」
ドミナントはセラフの真剣な顔に気づき、真面目になる。
「前話した、ジャックさんとの件なんですが…。」
「…決まったのか…?」
「…決断は少し早いと思っています。」
「…そうか。」
ドミナントは真剣に聞く。
「…データを見ようとしましたが、出来ませんでした…。」
「……。」
「…確率は低いままです。」
「…それで俺にどうしろと?」
「…その…、もし、するなら、少しだけお願いを聞いてくれますか…?」
「…内容による。」
「…受けて終わったら、また遊園地へ連れて行ってくれますか?」
「いいだろう。」
「…失敗しても、私のことを大事にしてくれますか…?」
「当たり前だ。」
「…もし、死んでしまったら…むぐ。」
「不吉なことを言うな。」
……フラグは立てないようにしないと…。
ドミナントはセラフの口を手で押さえる。そして離す。
「…わかりました。」
「失敗することを考えるな。成功することだけを考えろ。」
ドミナントは言い聞かせるように言う。
「…怖いです…。」
「…?」
「…とても怖いです…。」
「…そうなのか。」
……セラフがそんな事を言うのは初めてだな…。俺は、生か死なんていう状況になったことがないからな…。きっと、とてつもない恐怖なのだろう…。
ドミナントは考えて、セラフの頭を撫でる。
「…今日は添い寝してやる。俺がずっと頭を撫でているから、安心して眠ってくれ。」
「…ありがとうございます…。」
…………
伊良子酒保
「私はこっちがいいや。あはは。」
「…騒がしいのは苦手なのだがな。」
ジナイーダたちは奥ではなく、居酒屋の雰囲気な場所にいる。
「私のこと忘れてないかな?」
「話したこともない私に言わないでくれ。」
「…レシピ通りなのに何で料理まずいのかな…?」
「あぁ…。いつになったら、秘書艦の仕事回ってくるのかしら…?」
「あっ!これなに?」
「これ?ジャックさんのお店の新商品だよ。」
「私は司令官の私服持っているけどね!」
「ずるい〜。」
「何やかんやで、うちの出番なかったなぁ。」
「私もですよ?」
「一応登場しているんですがね…。」
艦娘たちが騒いでいる。
「…ここでは静かに飲めないぞ。」
「いいじゃん。騒がしい方が好きだよ?…静かな一人暮らしだった頃は寂しくて仕方なかったし。」
「はぁ…。お前の親はいなかったからな。…確か、事故で死んだのだったか…?」
「そうだよ…。私が物心つく前に死んじゃってね…。顔すらも覚えていないの…。」
「お前がレイヴンになるための貯金はどこから出てきたのだろうな…。」
「…あの頃、保険金などの制度もなかったからね…。多分、私がレイヴンになっても良いようにお金を貯めていたのかな?」
「レイヴンになりたい奴は少なくないからな。だが、大抵試験で落ちる。」
「まぁね。」
ジナイーダたちは話す。そして…。
「…そう思って見れば、誰に殺されたんだ?」
ジナイーダはただの興味だけで聞いた。
「…聞く?」
「ああ。私には知る権利があると思う。」
「…そう。」
佐藤中佐は少し苦い顔をしていた。
「…あいつよ…。」
「…?誰だ?」
「私が助けたのに、まさか裏切るなんて思ってなかったよ…。」
「…誰だ?」
「…わからない?私と一緒にいたあいつよ。裏切られることなど、傭兵の常とはいえ、まさか助けた相手に狙われるなんてね…。」
「…まさか、よくつるんでいた…。」
「そう、そいつよ…。」
「…あいつ…!」
佐藤中佐が悔しそうにし、ジナイーダは心の中で、怒りの感情が湧き出ていた。
……あいつはずっと私を騙していたのか…!親友を…、しかも、命の恩人を殺したのか…!誇りはないのか!?奴はシレアを殺し、私まで欺いた。そして、“そいつは殺された”という報告をして、今ものうのうと生きているのか!?許せん…!許せるものか…!
ジナイーダがそう思っていると…。
「あの…、どうかしましたか…?教官…?佐藤中佐…?」
三日月が声をかける。
「…!。なんだ?どうした?」
「…ハッ!…えっと…。どうしたの?」
ジナイーダたちが気づくと、あんなに騒がしかったのが嘘のように静まり返り、艦娘たちがジナイーダたちを見ている。
「その…、すごい殺気が出ていましたよ?全員、肌がピリついて、背筋が凍りましたから…。」
三日月が恐る恐る言う。
「…ああ。すまない。少しな…。」
「ごめんね。お酒まずくさせちゃって。」
二人は謝る。
「…理由は聞きませんが、辛いことがあるなら、遠回しに言ってください。直接聞かなくても良いです。それに、言った方が良くなる場合もありますから…。」
「あぁ…。すまないな。」
「ありがとね。」
そして、三日月が戻り、さっきのように騒がしくなる。
「…この世界はいい子たちばかりだね。」
「ああ…。そうだな。」
そして、二人は朝まで少しずつ飲むのだった。
…………
セラフの部屋
「ここに入るのは初めてだな。」
「入れるのは初めてですから。初めてじゃなかったらプライバシーの侵害です。」
「きついねぇ。」
ドミナントが入る。そして、セラフがベッドの上に横になる。
「…こんな感じか?」
「はい…。ありがとうございます。」
ドミナントが撫でる。
…………
「…あの、ドミナントさん…。」
「なんだ?」
数分後、セラフが甘えた声で呼ぶ。
「…私、受けます…。」
「そうか…。」
「だから…、明日、悔いのないように遊びに行きません…?」
「明日か…。明日は仕事があるのだが…。まぁいい。仕事など、既に意味をなさない。仲間の方が優先だ。」
「なら、いいんですか…?」
「ああ。約束しよう。」
ドミナントは約束する。
「ありがとう…、ござい…、ます…。Zzz…。」
「……。」
……お礼を言っている最中に寝るとは斬新だな。
ドミナントは起こさないように心の中で思う。そして、しばらく撫でたあと、自室に戻り、就寝した。
はい。終わりました93話。風邪の件もありますが、最終話に繋がるように、物語を調整しています。
登場人物紹介コーナー
海蛇のぬいぐるみ…外で買った。触り心地が良い。もふもふしている。
次回!第94話「鎮守府の外」お楽しみに!