狂犬が如く   作:マキシマムダンガル

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第七章 協力者

「はぁ、こんなのばっかり」

 

椛が大きくため息を吐くと

 

「やめろ

 椛つったか?

 ター坊に会いたいんだったな」

 

羽村が一声かけると

組員全員が大人しく座った

椛は驚きつつ

 

「えっ?会わせてくれるんですか?」

 

「おい」

 

羽村が声を掛けると

サングラスを掛けた男が出てきた

 

「へい」

 

「ター坊の所まで案内してやれ」

 

サングラスを掛けた男は椛の前に立ち

 

「来い」

 

椛はサングラスの男に連れられ

通称「ター坊」と呼ばれる

探偵の事務所に向かった

 

「お前、ター坊に何のようだ」

 

「まぁ、少し依頼をしようかと

 あなたお名前は?」

 

「東だ、松金組の若頭候補だ」

 

東 徹(ひがし とおる)松金組若頭候補

 

「そのター坊って人は元ヤクザとかそんな感じなんですか?」

 

「いや、ただ、前の組長が可愛がってたんだ」

 

「へぇ、組長に可愛がられるなんて

 随分と大物なんですねぇ」

 

「・・・」

 

東はどうやら先ほど文と繋がっている発言に

椛のことを怪しんでいる様子で

どうやら裏路地に案内されているようだ

 

「おやぁ、もしかしてぇ

 私を襲うつもりですかぁ?」

 

「お前のことが信用できなくてな

 ター坊に依頼する仕事ってのも

 気になるな」

 

「へぇ、教える気がない、と言ったらどうします?」

 

「力尽くにでも聞き出す」

 

東はムエタイの構えをした

どうやら東も本気のようだ

 

「あーらら、知りませんよ

 大怪我しても」

 

「出来るもならやってみろ」

 

椛も構えた

その瞬間に東は膝蹴りを

椛の顔面めがけて放った

椛は驚きつつも軽く横のそれて避けた

 

「全く、礼儀がなっていませんねぇ

 不意打ちなんて」

 

「やるじゃねぇか」

 

「安心してください貴方が弱すぎるだけです」

 

「言ってくれるじゃねぇか」

 

東は強烈なハイキックをするが

片手で防がれ

そのまま足を持たれてしまった

 

「諦めてもらえます?

 あんまり時間を取られるのは困るんですよ」

 

「ちっ!分かったから足を話してくれるか?」

 

「分かっていただきありがとうございます」

 

椛は手を離し

東は不服そうな顔で案内を始めた

 

二人は中道通り裏に入り

これまた小さなビルの中に入り

二階へ向かうと八神探偵事務所と書かれた扉があった

 

「ここだ」

 

東がそう言って扉を開くと

中には二人の男が暇そうに雑誌を読んでいた

 

「おう、久しぶりだなター坊」

 

「東!何だよ来るなら連絡してくれよ」

 

奥の椅子に座っている男は

東の友人なのか立ち上がり歓迎した

 

「椛、奥の方にいるのが八神

 こっちは俺の兄貴分の海藤さんだ」

 

八神探偵事務所所長八神 隆之(やがみ たかゆき)

そして、その調査員海藤 正治(かいとう まさはる)

二人は不思議そうに顔を見合わせた後

八神が

 

「どうしたんだよ、まさか彼女でも連れてきたのか!?」

 

「バカ言え、客を連れてきたんだよ」

 

「あぁ、なら早く言えよ

 どうぞこちらに」

 

海藤は顔に似合わず紳士的な態度で

海藤の座っている椅子の反対側にある椅子に案内した

 

「で、今回はどういったご用件で」

 

「実は、八神探偵が調査している

 この辺のヤクザ事情について教えていただきたくて」

 

「何?」

 

椛の発言に対し

八神は立ち上がり海藤の隣に座った

 

「何か訳ありってことで?」

 

「まぁ、少しね

 何か知っていますか?

 例えば()()()()についてとか」

 

八神は険しい表情になった

 

「何が目的だ」

 

「別に怪しいことをやっているわけではないですよ?

 ただ、近江連合について調べているだけで」

 

八神は少し悩んだ後

 

「何を企んでいるのか分からないが

 生憎とこの件については教えられない」

 

「どうしても、ですか?」

 

「あぁ」

 

二人は睨み合った

そして、一番最初に口を開いたのは意外にも海藤だった

 

「椛ちゃんだったか

 悪く思わないでくれよ

 流石にそう易々とこの話に首を突っ込ませるわけには・・・」

 

海藤が紳士的な態度で椛に話していると

 

「近江連合の勝矢って知ってますか?」

 

椛の発言にその場の全員が驚いた

ただの一般人だと思っていた椛が

近江連合の若頭の名前を出したのだ

 

「私、その人から直接

 仕事を頼まれていまして

 まぁ、そういう理由です

 話す気になってもらえました?」

 

「だったら、そっちも色々聞かせてもらおうか

 それが条件だ」

 

「あはは、なるほど交渉上手らしいですね」

 

「で、どうするんだ」

 

「分かりました、何でも話しますよ」

 

そして、椛は今までに起きたこと

現在どういう状況なのかを全てを話した

 

「なるほど、奇妙な状況だって事は分かった

 じゃあ、次はこっちか」

 

八神は立ち上がり本棚からファイルを取り出した

そのファイルには椛の知っている顔が並んでいた

 

「万田さんも調べていたんですね」

 

「あぁ、まさか殺されてるなんてな」

 

「その殺した犯人は見てないのか?」

 

「流石に人がごった返している中で

 たった一人の人間を見つけるなんて・・・」

 

「まぁ、そりゃあそうだよなぁ」

 

三人が肩を落としていると

椛は得意げな顔で

 

「でも、匂いなら分かりますけど」

 

「「「何!?」」」

 

椛のその発言に

三人は思わず声を揃えて驚いた

 

「ほ、本当なのか!」

 

八神は驚きのあまり立ち上がってそう言った

 

「えぇ、これでも白狼天狗

 嗅覚はかなり鋭いですよ」

 

「そ、そうは言っても

 匂いだけでどうこうできるものなのか?」

 

八神は落ち着きを取り戻し椅子に座り直した

 

「まぁ、神室町で匂いを辿るなんて至難の業ではありますけど

 今日中に探し回れば何とかはなるんじゃないですか」

 

「な、なんで今日中なんだ?」

 

「嗅覚が鋭いとは言え

 流石に警察犬ほどではないので

 匂いを覚えていられるのは今日限りです」

 

「なるほど、じゃあ早速やってみるか」

 

「分かった、二手に分れて調べよう

 海藤さんは東と

 俺は椛と探ってみよう」

 

「何!?俺らはどうやって調べるんだよ!

 あっ、もしかし椛ちゃんとデートするつもりだな」

 

海藤は立ち上がり八神に詰め寄った

 

「冗談言わないの

 海藤さんは万田がいた千石組の事務所を調べて欲しい

 で、俺らは万田を撃った犯人を調べる」

 

「へぇ、いいですね

 じゃあエスコートお願いしますね」

 

椛は笑みを浮べながら冗談を飛ばすと

 

「やっぱりデートするつもだなぁ!」

 

「あぁ、もう・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四人は二手に分れ調査を始めた

 

八神と椛は天下一通りを調査していた

 

「この辺で匂いが途切れていますね」

 

二人は匂いを頼りに進んでいると天下一通りの裏にある

ゴミ捨て場の前に着いた

 

「なるほど、変装するためなのか

 それとも、顔を隠すためにフードを被っていたのかは知らないが

 ここに服を捨てていったようだな」

 

「うーむ、弱りましたねぇ

 匂い以外の情報がないのでどうしようもないですし」

 

「なぁ、その賽の河原って出入り口ってどこにあるんだ?」

 

「ん?七福通りにある公園のマンホールに」

 

「あいつを頼ってみるか」

 

椛は八神に連れられて

劇場前通りにあるネットカフェに向かった

 

ネットカフェに入り

とある部屋の扉を開いた

すると中にはロン毛のオタク風の男がパソコンをいじっていた

 

「おや、八神氏でないでござるか」

 

「よぉ、九十九」

 

九十九 誠一(つくも せいいち)

所謂ネットカフェ難民で殆どこのネットカフェのこの部屋にいる

見た目とは裏腹にその辺にいる情報屋以上に情報を集める

知る人ぞ知る情報屋である

 

「どうしたでござる

 まさか、彼女が出来たから自慢でもしに来たでござるか?」

 

「お前もそんなこと言うのか

 違うよ、まぁ、調査強力してくれるって人だ」

 

「犬走 椛です

 よろしくお願いしますね九十九さん」

 

椛が手を差し出すと

九十九は少し固まった後

普通に握手をした

 

「で、九十九少し調べて欲しいことがあるんだ

 前に使ったユッターで検索するやつで」

 

「あぁ、あれでござるなちょっと待つでござる」

 

九十九はそう言うとパソコンで何かをすると

数分も経たぬうちに画面が切り替わり

ユッターの画面が出るが

通常の画面とは少し違うモノが出た

 

「何ですかコレ」

 

「管理者権限をハッキングして

 ユッターで投稿された位置情報を見ているのでござる

 さて、じゃあ検索ワードは何にするでござる?」

 

「七福通り 公園

 一旦コレで調べてみてくれ」

 

早速検索ワードを打つと

複数の位置情報が出てきた

 

「うーん、流石に多すぎるでござる

 もう少しないでござるか?」

 

「じゃあ、それにフード 男」

 

九十九は言われる通りに打ち込むと

かなり情報が絞られた

 

「かなりの数があるでござるが

 これなら多少は調べられるでござろう」

 

「これ、何か怪しくないですか?」

 

「ん?」

 

椛が指差したコメントは

「フードを被った男?がゴミ捨て場に行った後

 雀荘に入ってった

 何か不気味な雰囲気出してた~」

と書いてあった

 

「位置情報は天下一通りの周辺でござるな」

 

「天下一通りにある雀荘ってどこがある?」

 

「天下一通りなら【ららばい】一択ですね」

 

二人は早速ららばいに向かった

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