狂犬が如く   作:マキシマムダンガル

9 / 9
第八章 挑戦状

八神と椛の二人は天下一通りにあるららばいについた

 

二人は扉を開き中に入ると

十数人の客が麻雀を打っている

 

「この中にまだ犯人がいるのか?」

 

「えぇ、まだいるらしいですよ?」

 

椛は自信満々にそう言った

 

「本当か!?どこに」

 

「まぁ、見ていてください」

 

椛はそう言うと

一番奥の雀卓で麻雀を打っている

スーツの男の後ろに立った

その瞬間、椛はまるで蛇のように

スーツの内ポケットに手を入れると

一瞬にしてその中から拳銃を取り出し

男の後頭部に銃口を向けた

 

「随分物騒なモノを持っているんですね

 護身用ならもっとバレないようにしないと」

 

男は黙って両手を挙げた

 

「貴方が万田さんを撃った犯人ですね」

 

周りの客がざわつき混乱が起きる寸前で椛は大きな声で

 

「店員さん

 少しの間お店を借りたいのですが

 よろしいでしょうか?」

 

椛は店員に睨みを利かせると

店員は萎縮して黙って頷き

その場の全員が静かに出て行った

 

「さぁ、邪魔者はいなくなりました

 色々話してもらいますよ」

 

「あの中の誰かが警察に電話するとは考えないのか?」

 

「さぁ?するかもしれませんねぇ

 だから、早く話してもらえます?

 あんまり気が長くないので」

 

男は手を挙げた状態で

立ち上がり椛の方へ振り向いた

 

「あなたの雇い主は誰です

 暗殺屋さん」

 

「なんで俺が殺し屋と分かった」

 

「内ポケットに拳銃を入れるだけならまだしも

 ホルスターを付ける素人なんて聞いたことありませんよ

 それに、拳銃を長いこと持っていると特有のたこができるそうですよ?」

 

「なるほど、流石だな犬走 椛」

 

「ホントに有名人ですねぇ私は

 で、雇い主は誰です?

 今さら黙り決め込むのはなしですよ」

 

椛はそう言いながら

男の顔面に銃口を向け直した

 

「高嶋会だ」

 

「何?」

 

「近江連合の高嶋会に仕事を依頼されて

 万田を殺すように指示された」

 

「なぜ身内を?」

 

「さぁな、俺が知るわけないだろ」

 

その時、椛ははっきりと殺意を感じ取り

殺し屋を蹴り飛ばし自分も伏せた

すると、窓ガラスが割れて

弾丸が男の顔が合った場所を通過して

壁にめり込んだ

 

「痛っ、まさか俺が助けられるとはな」

 

「これ、返します」

 

椛はそう言うと拳銃を男に返した

 

「な!?どういうつもりだ」

 

「まぁ、流石に死なれるのは寝覚めが悪いので」

 

「俺がこれでお前を殺すとは考えないのか」

 

「弾丸が一発しか入ってないのに?」

 

「何?」

 

男が拳銃を見るとマガジンが外されていた

 

「ニ対一でしかも弾は一発だけ

 それで勝って、なおかつ他の殺し屋から

 逃げ切る自信があるのであれば

 好きにすればいいんじゃないですか?」

 

椛はしてやったという表情で

マガジンをちらつかせた

 

「分かった、どのみちしばらく身を隠す必要があるからな

 大人しくしているよ」

 

「交渉成立、どうぞ返します」

 

男は拳銃をリロードし

立ち上がった

 

「そう言えば

 お名前を聞いてませんでしたね」

 

荒瀬 史朗(あらせ しろう)、よく覚えておけ

 次はこうはいかないぞ」

 

「えぇ、三分くらいは覚えておきます」

 

「食えない女だ」

 

荒瀬は一言そう言うと

ららばいの裏口から出ていった

 

「どうです八神さん、以外と手際がいいでしょう?」

 

「ははっ、探偵向いてるんじゃないか?」

 

「さて、じゃあ、さっさと出ますか」

 

二人は荒瀬と同じく裏口から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人はミレニアムタワー前の花壇に座って作戦を練っていた

 

「どうしましょうかねぇ、流石にこのまま突っ込むわけにもいきませんし」

 

「そうだな、もう少し情報収集するとしよう

 椛はどうするんだ?」

 

「そうですねぇ、一度勝矢さんに会いに行きます」

 

二人は電話番号を交換した後

別れた

 

椛は勝矢に会うため電話をした

 

「どうも勝矢さん色々と報告したいことがあるんですけど」

 

「そうですか、なら、お手数ですが神室ヒルズまで来ていただけますか?

 そこでお話しましょう」

 

「わかりました、ではまた後で」

 

椛は電話を切り神室ヒルズへ向かおうとすると

椛を取り囲むように男達が立ちはだかった

 

「何ですか?ナンパならよそでやってください」

 

「お前が椛だな」

 

椛は男達の胸元に付いているバッチを見ると

そこには高嶋会の代紋を掲げていた

 

「はぁ、人気者は大変ですねぇ」

 

「恨むんなら余計なことに首を突っ込んだ自分を恨むんだなぁ」

 

「なら、貴方方も返り討ちにあっても私を恨まないでくださいね」

 

椛は満面の笑みでそう言うと

男達は襲いかかってきた

が、しかし、まるで当然の如く

全員あっさりと返り討ちになった

 

「ふぅ、勢いが止まりませんよ」

 

そう言って伸びをしていると

真っ赤なジャケットに黒いズボン

そして、オールバックに杖をついた男がやって来た

 

普通の人なら何かしら身体に障害を持っていると

思うかもしれないが

椛は違った

 

その男を見た瞬間

こちらを殺しに来た殺し屋と確信した

そして、おそらく男の持っている杖が武器であると

椛は感じた

が、しかしその予想を大きく上回った

 

「おやおや、今度はなかなかやり手が来たようで」

 

「聞きしに勝る強さだな」

 

男は杖を突きながら近寄ってきた

そして、ついに杖の射程範囲に入った

 

椛は杖で攻撃すると考え

杖を掴んでしまおうと手を伸ばしたが

杖は持ち手の部分が上に伸びた

それと同時に銀色に光る物が出てきた

 

椛が杖だと思っていたものは隠し刀だったのだ

油断していたがギリギリで後ろに下がり避けた

 

「ほぉ、中々やるじゃないか」

 

「流石にヒヤッとしましたよ

 銃刀法ってご存知?」

 

「油断している方が悪い

 だろう?」

 

「全く、この世界は本当に治安が悪いですねぇ」

 

「それが極道に喧嘩を売った結果だ!」

 

男は刀を構えて椛に襲いかかってくる

椛は刀を避けつつ周辺に目線を送ると

その目線の先にあるモノがあった

 

「アレだ!」

 

椛は飛び込み転がりながら落ちていた

鉄パイプを手に取り

立ち上がると構えた

 

「まさか、そんなモノで俺に太刀打ち出来るとでも?」

 

「ヨユーってヤツですよ

 師匠と比べれば

 赤子の手を捻るより楽な作業よ

 ってね!」

 

椛は一気に間合いを詰めて攻撃を仕掛けた

男は咄嗟に刀で防御するが

その華奢な腕からは想像できないほどの

腕力で男は後ろへ吹き飛んだ

足元には男が踏ん張った後が

きっきりと残っている

 

「貴様・・・本当にカタギか?」

 

「さぁ?どうでしょう」

 

椛は鉄パイプを握りながら不気味に笑う

男は思わずたじろぐが

 

「女風情にやられてたまるか!」

 

男は攻撃しようと突っ込んでくるが

まるで勝負にはならず

男は一瞬にして地面に伏した

 

「さてと、少し調べてみますか」

 

男の懐を探ってみると

中には一枚の封が聞かれていない手紙が出てきた

中身を見てみると

 

「これを見とるアホんだら

 お前の実力はこの手紙を見てる時点で察したわ

 おどれみたいなのをわしは待っとった

 ご褒美に神室ヒルズの中にある

 レストランをごちそうしたるわ

 夜の8時に来い

 高嶋会会長 矢島 平八(やじま へいはち)

 

椛は手紙を見た瞬間

にやりと笑みを浮べて

神室ヒルズへと向かった


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。