目がさめる。
今日は5/1。
ゴールデンウィークかと思いきやこの日だけ学校がある。
俺は高校生だが一人暮らし。
親とはとうの昔に縁を切った。
男にしか目がない母親と、女にしか目がない父親だった。
1人で生きるすべを手に入れてから苦労はそうない。
バイトも楽だ。
人付き合いもそれなりに出来ているだろうし。
無論高校の友達だっている。
それはおいおい紹介しよう。
で、だ。
今俺は目覚めた訳だが、なぜ目の前に女の子がいる?
「目が覚めたんだね、おはよう」
取り敢えず首根っこ掴んで外へ出しておいた。
「酷いじゃないかー!!!」
ドンドンドン!とドアを叩く音。
五月蝿いてか、近所迷惑。
「何?」
「何?じゃないでしょ??私は貴方のものなんだけど??」
「あ、そういうの良いです…」
「良いですじゃない訳??貴方をこれまで幾度となく起こしてきたのは私ではなくて??」
「??」
「だーかーらー!目覚まし時計!そう言わなきゃ分からない?」
「なるほど…え?」
部屋に戻る。
時計が無い。
「…俄かには信じられない」
「そうかもね。じゃあ、貴方に出来ない事してあげる」
「え?」
目覚まし時計と名乗る女の子が手を握ってくる。
気が遠くなった気がした。
彼女の目に長針と短針が現れている。それが少しずつ動いて。
ドアの先が暗くなる。
光る電灯。
「なるほど…」
「只今の時刻は深夜2時でーすっ」
ニコニコ笑う。
あーやべ。
「え?ちょ…!?」
<ただいま映像が乱れております>
「いや…急に吐くとか…」
「引くな、胃が一瞬で締め付けられたわ」
「私に腫れててもダメってことかーま、慣れだよ慣れ」
「てか、これ。使って良いの?」
「ん?ダメなの?」
「ダメだろ」
「だって貴方は私を何度も戻したりしてたけど?」
「それは時間合わせるためだろ…って、電池は?」
「無いよ」
「何で動いてる?」
「ご飯」
「何故そこだけ人間???」
「ま、良いから良いから。時間戻しちゃったし、これやると疲れるし、寝よ?」
「うん。って言えるか?」
「言えよ」
「こわ」
「全く、それじゃ私ここね」
「ソファーに寝るところは律儀なのな」
「まぁねーこれから増えるかもだし」
「は?」
「そいじゃ、おやすみー」
「え……あ、おやすみ」
終わりだ。
夢だったら良いなぁ。
あーーーーー夢じゃないねーーーー
二度目の5/1朝。
「はい、おはよー」
「おはよー」
ご飯を用意する。
もちろん2人分。
「うん、んまい!」
「はぁ…胃に穴開くわこれ」
「さっさと準備して学校行ってこーい」
「はいはい、帰ってきたら消えててくれ」
「そんな事言うと吐かせるよ?」
「すみませんでした。出来れば窓とか開けて空気の入れ替えしといて下さい」
「良し」