東方逢魔幻譚 ~ Never Cross Phantasm.   作:時間ネコ

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第77話 綾羅

 人間の里。暖かな春の陽気に包まれたその場所は、今はある者の意思によって時空が固定されており、如何なる変化もない停止した世界となってしまっている。

 そこには人間の姿はない。彼らは人間の里というシステムの根幹を成す幻想郷の資源だ。人間が無作為に殺戮されては妖怪たちも困る。そもそも人間が容易に殺されてしまわないための人間の里という領域。今では里にさえも出現する怪物に備え、人間たちは夢の世界に隔離されている。

 

「…………」

 

 灰色のオーロラはこの里の上空に。波打ち舞い降りた鈍き光は幕壁となり、その波紋より一つの影を浮かび上がらせた。すでに懐から取り出したディケイドライバーを腰に当てた士も、帽子から取り出したミニ八卦炉を構える魔理沙も、オーロラより来たる者の到来を待つ。

 現れたのは原始的な装いに身を包む屈強な大男。上半身の肉体を剥き出しにした半裸の男が左の前腕に刻むはグロンギの誇りを表すタトゥだ。サイの紋章を持つズ・ザイン・ダは、未確認生命体第22号と呼ばれたサイ種怪人だった。

 

 怒りに染まった表情は血走った目を二人の人間(リント)に向けさせる。鍛え上げられた剛腕を掻き毟り、男は荒々しき鼻息のままに歯を食いしばり、その身に滾る屈辱を爆発させる。

 ズ集団最強たるサイの遺伝子。その破壊と殺戮への衝動を解き放ち、遥かな青空を仰いで。

 

「ウォオォォオオッ!!」

 

 高らかに咆哮するはズを統べる者としての意地か。地鳴りを伴うその迫力と共に、男の身は魔石ゲブロンの力によって捻じ曲がり、骨格さえも原子レベルで再構築。モーフィングパワーの影響は一瞬のうちに半裸の大男の姿を禍々しき異形へと変えていた。

 岩石の如く張り詰めた剛腕。腹筋さえも巨像のように堅牢な肉体となり、その両肩と脛を飾るは赤銅色の装甲。腰にはズ集団の証である赤銅色のゲドルードを帯び。悪意を滲ませる灰色の体躯の中でも、特に目立つのはその顔面だ。

 

 強靭な大顎と頭蓋に加え、鼻先にはやはりサイを思わせる雄々しき一本角。サイ種怪人たるズ・ザイン・ダは、かつての戦いでは五代(クウガ)のマイティキックさえ耐え切った。五代の成長で強化された二度目のマイティキックによって引導を渡されたが──

 その際に圧し折れた角も元に戻っている。復活に伴い本来の姿で蘇ったのだろうが、グロンギの再生能力、魔石ゲブロンが誇る治癒能力ならば、元より失った角の再生など造作もないだろう。

 

「……グロンギか。やっぱり、あのクウガの世界の絵と何か関係があるのか……」

 

「見るからにパワータイプって感じだな。あの角に刺さったら無事じゃ済まなさそうだ」

 

 士と魔理沙はその異形を警戒しつつも冷静な思考を崩さなかった。肌身を震わせてくる凄まじい気迫にも臆することなく。

 確かに相手は赤銅色のゲドルードを持つ者の中では最強と言って差し支えない相手ではあるが、すでに白銀色のゲドルードを持つグロンギとの交戦経験がある魔理沙や、長い旅の中でより強大な怪物たちと戦ってきた士にとってはそれはもはや並み居るグロンギの一体に過ぎないはずだ。

 

 俺は 俺の ゲゲルを やる! 妖怪など 知ったことか!

「ゴセパ ゴセン ゲゲル ゾジャス! ジョグバギ バゾ ギダダ ボドバ!」

 

 ただ血気盛んに殺意に滾るズ・ザイン・ダのサイの目は向き合う二人のリントへ。ただ力のみをもってズ集団の頂点に君臨した彼はサイの能力によって鋭い聴覚と嗅覚を得た代わりとして、視覚能力は他者に劣る。しかし、そのぼやけた視界に獲物を捉えた。

 獲物と定めたのは間違いなくリントであろう。聴覚と嗅覚以外の感覚が鈍いズ・ザイン・ダにとって、それが『殺してはならないただのリント』なのか『殺して力を奪ってもいい妖怪の力を持つリント』なのか──正しく判断することはできない。

 

 だがもはやそんなことはどうでもいい。彼はただゲゲルがしたいだけ。ンの復活など関係なく、聖なるゲゲルなど関係なく。かつてのまま、かつてと同様に、本来のゲゲルを行いたい。

 その一心のまま、ズ・ザイン・ダはラ集団が定めたルールを逸脱してオーロラを超えたのだ。

 

「相変わらずグギグギうるせえな。どうでもいいが、さっさと終わらせてもらうぜ」

 

 本能のままに荒れ狂い、止まった里の大地を蹴って突進してくる怪物に対し、士は怯むことなく左腰のライドブッカーから一枚のライダーカードを鋭く抜き取った。その絵柄は世界の破壊者たるディケイドを表す仮面。マゼンタ色の威光に染まりし、次元を歪めるほどの力を秘めたもの。

 

「変身!」

 

『カメンライド』『ディケイド!』

 

 正面に掲げたライダーカードをディケイドライバーに装填し、そのまま強く閉じれば、ディケイドライバーの中央に備わる灰色のレンズ、ワールドファインダーが赤く輝く。

 そこにディケイドの紋章を浮かび上がらせ、全身を包む無彩色は一瞬。すぐにレンズから飛び出した幾重ものライドプレートが仮面を飾っていきつつ、士の姿は無彩色からマゼンタ色に染まり、胸に掲げた罪業の十字を示す破壊者として顕現する。

 

 圧倒的な力がディケイドに受け止められた。ズ・ザイン・ダの突進が正面から士に激突し、ディケイドの両腕がそれを止めたのだ。あまりの衝撃と体重に士は押され、踏みしめる大地に足が地を削る跡を残すが、ディケイドの力が押し負けることはなかった。

 そのまま組み合った状態からズ・ザイン・ダは鼻先の巨大な角を振り下ろす。だが士は焦ることなく左膝を突き上げ怪物の腹を蹴り、怯んだ隙に右腕を離して左腰のライドブッカーへ。それをソードモードとして引き抜き、斬り上げる。

 ズ・ザイン・ダの装甲を微かに削り火花が散るが、怪物はそれを無視して右の拳を振り抜いてきたため、士は地を蹴って後退した。ライドブッカーをガンモードに切り替えて射撃を行うものの、どうやらズ・ザイン・ダの肉体もかなり強化されているらしく、剛腕を振るうだけで弾かれる。

 

 ディケイド……! お前を 殺して ズ・ザイン・ダ の 名を 上げてやる!!

「ディケイド……! ゴラゲゾ ボソギ デバゾ ガゲデ ジャスン ズ・ザイン・ダ!!」

 

「そうかよ。なら、やってみろ!」

 

 再び地を蹴って突進してくるズ・ザイン・ダの言葉に返した士の言葉は、理解できない言語への無意味な挑発ではない。なぜか理解できるグロンギ語に対する、会話として成立する言葉。しかしズ・ザイン・ダのほうは日本語が分からないため、士の言葉に反応はしない。

 だが、今度はディケイドと激突する直前にその突進は停止した。怪物の顔面を叩きつけた星屑の炸裂、スターダストミサイルの爆発がその勢いを弱めたのだ。

 

 怒りに満ちた顔で魔理沙のほうを見るズ・ザイン・ダ。それなりの威力を込めたが、まだ足りていない様子。魔理沙は一瞬焦った表情を見せるが、再びスターダストミサイルを放ち攻撃する。

 怪物はダメージによる怒りというより、眩い弾幕の光で邪魔をされたことに憤っていた。

 

 グゥ……ッ! やめろ! そんなもの 俺には 通用しない!

「グゥ……ッ! ジャレソ! ゴンバ ロボ ゴセビ パヅグ ジョグ ギバギ!」

 

 怪物は剛腕を振り上げて空気を裂くほどの拳を振り抜いてくる。その手首には以前までのグロンギのように腕輪のようなものは確認できない。魔理沙がそれを知る由はないが、ズ・ザイン・ダは無断でゲゲルを行っているため、かつてと同様にグゼパを与えられていないのである。

 にも関わらず、怪物の肉体には並みのグロンギを超える力が漲っていた。復活に際してさらなる力を得たというだけではない。それからも鍛え続けていたのだろう。グゼパなしでも身体に妖力を滾らせ得るほどに。

 風に揺らされた長い金髪が少し乱れてしまったのが気になるが、すぐに魔理沙は魔力の収束を開始し、軽やかに地を蹴って後退しつつ、ズ・ザイン・ダの振るう剛腕を避けながら距離を取る。

 

「……っ! 見た目通り、ずいぶんタフな奴だな……!」

 

 まだスペルカードを放つだけの魔力は練り切れていない。それでも焦ることなく、魔理沙は別のまとまりとして溜めておいた魔力を使い、消耗の少ない技で対応しながら本命となる魔力を練っていく。まずは左手に箒を現し光と共に上昇する【 アップスウィープ 】で空へ──

 ズ・ザイン・ダはすぐに魔理沙を見上げた。すかさず魔理沙は右手に持つミニ八卦炉から星屑の魔力を放ち、キラキラと輝く【 スプレッドスター 】として撃ち散らす。やはりダメージは心許ないが、意識を逸らすには十分だ。

 

 魔力で歪めた空間から現すのは悪魔の灯を込めた松明。実際には禍々しい魔力を育てた魔法の瓶である。ずっしりと重く不安定な魔力が宿るそれは魔理沙の手から投げられ、重力に従って落下。中の魔力が反応し、ズ・ザイン・ダの角にぶつかった瞬間に炸裂した。

 爆発に伴うは衝撃だけではない。まるで悪魔の住まう不浄の大地、揺らめく呪いの松明が如く、青白い魔力の炎が噴き出し怪物を焼き払うは、まさしく【 デビルダムトーチ 】の名の通り。

 

「こいつはおまけだ!」

 

 爆風に紛れながら魔理沙は箒を振り上げ、それを思いきりズ・ザイン・ダの頭部に振り下ろす。魔力を込めて強化してあるとはいえ、あの研ぎ澄まされた角はよほど堅牢らしい。ただ箒の一撃である【 マスィヴブルーム 】程度では圧し折れなかった。

 ただ黙って攻撃を受けているだけのズ・ザイン・ダではない。魔理沙の技を受け続けて多少なりともダメージを受けているが、まだ体力は万全。魔理沙に向かって剛腕を振り抜く。

 

 そこへ迷わず切り込んでいくはマゼンタ色の戦士。鋭く振り抜かれた刃は、次元を掠めて。

 

『アタックライド』『スラッシュ!』

 

「はぁっ!」

 

 巻き込まれないように距離を保っていた士はすぐにカードを装填してライドブッカー ソードモードに秘めた破壊のエネルギーを解き放った。

 ディケイドスラッシュによる法則の破壊でグロンギの肉体は斬り裂かれ、血を飛び散らせる。ズ・ザイン・ダはそこで初めて痛みに呻き微かに後退するも、すぐにこちらに向き直った。

 

 お前さえ 殺せば……! ……ッ!? ……ブッ、グウッ……!?

「ゴラゲ ガゲ ボソゲバ……! ……ッ!? ……ブッ、グウッ……!?」

 

 傷つき血を流す右腕を一瞥することさえなくズ・ザイン・ダは再び構える──だが。すぐにぐらりとよろめいたかと思うと、ディケイドの前で膝を着いてしまったではないか。

 口からも血を吐き、里の大地が赤く染まる。士はその光景を訝った。確かにディケイドスラッシュの一撃は怪物にダメージを与えた。だが腕を切りつけただけだ。出血こそしているもののこの程度のダメージが致命傷になっているとは思えない。

 

 ズ・ザイン・ダも同様に自身に起きている異常に目を回す。痛みは微々たるもののはず。しかし全身に走る悪寒と脳や臓器を侵すような苦痛は、吐き気を伴い己が意識を揺らしてくる。

 ──間違いない。ズ・ザイン・ダは、この感覚に覚えがあった。忌まわしき、この不快感に。

 

「…………っ!」

 

 ディケイドの翡翠色の複眼(ディメンションヴィジョン)が捉えたのは里の大気を微かに染める極めて微細な粒子のようなもの。自身と魔理沙、そしてズ・ザイン・ダとの戦闘に際して土煙が舞っていたため、それに紛れるようにして、何か異質な有機物が舞っている。

 大ショッカーが開発したディケイドの性能はその粒子を確かに捕捉した。それがもたらすものが何なのかは分からない。それは知識ではなく、大ショッカー大首領としての過去が伝えてくるネガフィルムめいて色褪せた記憶の欠片が、本能めいた警鐘となって士の身体を突き動かす。

 

「うわっ!?」

 

 傍で見ていた魔理沙の声。士は微細な粒子がこちらへ流れ来る僅かな隙に、近くにいた魔理沙の胸倉を掴み上げ、そのまま遥か後方にまで投げ飛ばしたのだ。

 何が何だか分からぬままに魔理沙は咄嗟に受け身を取って里の大地を転がるものの、砂に塗れた白黒のエプロンドレスを払うこともなく、衣服と同様に白黒と瞬かせていた目をキッと鋭く結び、すぐに立ち上がっては自分を投げた士に向かって不満の表情を(あらわ)にする。

 ずれてしまった帽子を直しながら士のほうに歩み寄ろうとするが、その歩みはライドブッカー ガンモードの射撃による足元への着弾で阻まれる。魔理沙は思わず足を止め士に向き直った。

 

「おい、何すんだ!」

 

「こっちに来るんじゃない! 死ぬぞ!」

 

 士とズ・ザイン・ダとの距離が開いてしまった魔理沙は非難の声を上げる。士の返答に冗談を言っている様子はない。ズ・ザイン・ダもすでに立ち上がり、士に向けて拳を振り上げるが、士はすぐにその拳を受け止めてはライドブッカーをソードモードに切り替えて斬りつけた。

 

「はぁ? お前、バカにしてるのか? 私だって戦え──」

 

 魔理沙はムッとした表情で眉を寄せるが、すぐに違和感に気がついた。少しずつ濃くなってくる薄く黄色い霧のような何か。最初は戦闘に際して生じた土煙かと思ったが──

 すぐにその微細な塵に似たそれの正体に思い至る。魔法の研究を行ってきた魔理沙が何度もその目で見てきた粉末。魔法の森で採取してきた魔力の触媒となる、菌類の子実体がもたらすもの。

 

「なんだこりゃ……キノコの胞子……か……?」

 

 空気中に舞い散った粒子はどんどんその範囲を拡大しているようだ。さらには濃度も増し、ディケイドとズ・ザイン・ダを包み込むように広がっていく。

 ズ・ザイン・ダは全身に満ちた妖力で必死に抗体を作り上げ、肺を腐らせるようなその粉末状の粒子、紛れもなくキノコの胞子と呼べるそれに対抗。一度の死を迎えて、復活を遂げた状態でなければグロンギでさえ無事では済まないほどの獰猛な繁殖力が、猛毒となり苛むのだ。

 

 士もまたその毒に対抗できていた。ディケイドの仮面に設けられた口部の『ブームボイス』には限定的ながら汚染された大気を浄化するフィルターのような機能があるらしい。そのおかげで、通常の呼吸でも胞子を吸い込まずにいられる。

 本来は声の振動を強力な波動と化して攻撃を行うための機構だが、ディケイドのシステムは変身者を守る機能にも優れていた。

 それでも、限界はある。これ以上、このまま戦闘を続ければディケイドのフィルターを侵食し、士の体内にまで胞子が入ってきてしまいかねない。それを察し、士は右脚を振り上げズ・ザイン・ダの腹に蹴りを入れる。破壊の力を込めた一撃により怪物を後方に蹴り飛ばすことができた。

 

「……くっ……」

 

 士はズ・ザイン・ダを蹴り飛ばした先にさらなる二つの影を見る。少しずつ晴れゆく胞子の中に見えたのは、不気味な装いに身を包んだ二人の人間らしき存在であった。

 やや後方にいる魔理沙もそれらを見て取った。それらは確かに人間の姿をしている。だが、滲み溢れる悪意は紛れもなく、ズ・ザイン・ダと同様に。否、それ以上に、彼らを邪悪なる殺戮の権化であるのだと──おぞましく表し示す。

 

 一人はタンクトップ状の黒い上衣に黄色い腹巻き、いくつもの首飾りと歴戦の傷痕を残した野性的な肌が特徴的な屈強な男。右目には深い傷が刻まれており、バンダナ状の装具で荒々しい黒髪をまとめた姿は、未確認生命体第25号、トラ種怪人『メ・ガドラ・ダ』の人間態のもの。

 

 その隣にて妖しく現れた男も虎のような男と同様に黒いタンクトップ状の上衣を纏っているが、こちらは野性的で屈強な筋肉質の身体というよりも、どこか中性的な雰囲気を持つ。長く伸ばした白い髪に白い帽子を飾る姿は、さながら不気味な菌糸の如く。

 首に巻いた紫色の布や、唇を染める黒。如何に人間の肉体を持ちて人間の文化を真似ようとも、その邪悪な在り方は隠せない。未確認生命体第26号、キノコ種怪人『メ・ギノガ・デ』の人間態は体内で生成した胞子を吐息と成し、人間の里の空気中に散布して毒の瘴気として放っていたのだ。

 

 お前がディケイドだな…… 待っていた

「お前がディケイドだな…… ラデ デギダ」

 

 相変わらず 美しくないね これだから、ズの奴らは

「ガギバ パサズ グヅ ブギブ バギベ これだから、ズの奴らは」

 

 雄々しき虎のような男は獲物を見定める低い姿勢で右手の甲に宿すトラのタトゥを掻く。その全身に刻まれた古傷は激しい戦いの歴史を語るもの。グロンギの再生力であればすぐに癒せるであろうそれらは、己が再生力を封印し、あえて自らの戒めとしてそのまま残されている。

 魔石ゲブロンの力により男の姿は変異を遂げた。漆黒に近く研ぎ澄まされた屈強な肉体はやはり虎の如く。金色に輝く長い頭髪に、顔面や全身に刻まれた金色の虎縞、そして人間態と同様に残る古傷に加えて、腰に輝く白銀のゲドルードさえ歴戦の象徴。

 

 妖しげな雰囲気を持つ白髪の男は不気味な笑みを湛えたまま、右手の甲に宿すキノコのタトゥに口づけを落とす。やや開かれた手の平、立てられた小指は彼の癖なのだろうか。

 人間態の白い姿とは一転し、その男の異形たる怪人態の姿は木の根を連想させる地味な茶色の肉体。肩と胸を覆う鈍色の装甲や亜麻色の腰布に加え、やはり腰に輝く白銀のゲドルードはメ集団の誇りを表すものであった。

 頭部はキノコの傘を思わせる独特の形状。見る者に生理的な嫌悪感を抱かせる無数の突起は、その地味な全身の色には似つかず、邪悪な殺意を感じさせるもの。自然に生まれしキノコの中でも、猛毒を持つものはその多くが派手な色を持たない。まさにその隠れた殺意を体現するかのよう。

 

「新手……だと……? それにこいつら、日本語を話せるのか……!?」

 

 魔理沙はやや距離を保った立ち位置で二つの異形を見た。グロンギの知能は遥かに高くなってきている。その進歩や成長、そして異質さが妖怪とはまた別次元の深淵を感じさせて、魔理沙は少しだけ恐怖に負けそうになる感覚に陥ってしまいそうになった。

 すぐに己を奮い立たせてミニ八卦炉を構える。まだ魔力は放ち切っていない。落ち着いて冷静に魔力を収束させれば、相手の隙を見て大技と言えるスペルカードを放つだけの余裕はある。

 

 何の つもりだ ギノガァ……! 俺は ただ ゲゲルを している だけだ!!

「バビン ヅロシザ ギノガァ……! ゴセパ ダザ ゲゲル ゾギデ ギス ザベザ!!」

 

 君には そんな 資格は ないよ もう そんなの とっくに 分かってるはず でしょ?

「ビリビパ ゴンバ ギバブパ バギジョ ログ ゴンバン ドブブビ パバ デデス ザズ ゼショ?」

 

 ズ・ザイン・ダは毒の胞子で苦しむ呼吸を必死に整え、怪人態となったメ・ギノガ・デの虚弱な肉体に掴みかかって抗議する。キノコの遺伝子を持つ異形の肉体は、サイやトラの肉体のように強靭な筋肉を持たない。まさしく菌糸めいた弱さで、肉体的にはズ集団にさえ劣るのだが──

 すでにズ・ザイン・ダはそんな彼の身体にさえ筋力で負けつつあるほど憔悴していた。グゼパを持たない身ではいくら妖力を滾らせようと、グゼパを持つメ・ギノガ・デの強化された毒の胞子に抗うのに限界があるらしい。

 

 かつての戦いではメ・ギノガ・デの胞子もここまで強力ではなかった。本来の使い方としては、標的となる獲物と唇を合わせることで体内へ直に胞子を注ぎ込んで一瞬のうちに内臓を腐敗させて殺害するというもの。ゲゲルにおいて、彼はそうしていた。

 しかし、一度の死を迎え、復活を遂げてからは妖力による毒の強化もあり、かつてクウガに敗北しては打たれて強くなった結果の『強化体』以上の力を身に着けたのだ。

 見た目は元の姿のままであれども、その身には頭部が赤くなった強化体の力がある。相変わらず肉体的には秀でたものはないが、その毒は直接注がずとも空気中への散布でも甚大な影響をもたらすほど。同様に、メ・ガドラ・ダもかつてより強く、より鋭く研ぎ澄まされた力を宿していた。

 

 黙れ……! それは この俺が 決める!

「ザラセ……! ゴセパ ボンゴセ グギレス!」

 

 すでに怪人態の姿のままでも分かるほど顔色が悪くなったズ・ザイン・ダは息を荒げ、メ・ギノガ・デに背を向ける。体力は限界に達しているが、その状態でもディケイドに対して敵愾心を燃やしているのは、クウガの世界そのものへの執着がためか。

 メ・ギノガ・デの胞子は本来ならば人間の体温ほどの熱がある環境でしか活動できない。しかし、強化体相当の力を持つ今の彼ならば、温度に関係なく胞子を操れる。空気中に散布された胞子でもズ・ザイン・ダには致命的だ。

 

 ふらつく身体を必死に滾らせ、ズ・ザイン・ダは背後に立つ二体のメ集団、メ・ガドラ・ダとメ・ギノガ・デの露払いをするように──彼にはそんな気はないにしろ、ただ真っ直ぐに。

 ディケイドを殺す。その本能的な恐怖と殺意に、大地を蹴り、サイらしく愚直な突進をする。

 

「……ちっ、三体まとめて相手にするのは分が悪すぎるぜ。ここは一気に……!」

 

 魔理沙はその手に構えたミニ八卦炉を一度自らの帽子へと戻す。敵が単体であれば、あるいは妖精のような有象無象であれば、高出力のマスタースパークなどで一掃するのは効果的と言えたかもしれないが、三体もの強者が一斉に襲い来れば、狙いを定める暇などない。

 放つべきはスターダストレヴァリエの系譜に連なる魔符。魔理沙は周囲に小型の魔法陣、宙に浮くいくつかのそれらを展開すると、突進するズ・ザイン・ダを見据えて魔力を放った。

 

「止まれってんだ! 魔符! ミルキーウェイ!!」

 

 心の中で星が瞬く感覚。スペルカードとして発動された【 魔符「ミルキーウェイ」 】の宣言により、魔理沙の周囲の魔法陣から煌びやかな星の弾幕が流れ溢れた。ズ・ザイン・ダが狙うはディケイドだったが、その眩い輝きと弾幕の衝撃に苛まれ、思わず足を止めてしまう。

 渦巻くは太陽系を内包する大いなる星々の海。天の川銀河を象徴する巨大な星の流れを渦と成し、スターダストレヴァリエより威力こそ落ちるが範囲を拡大したその弾幕により、メ・ギノガ・デの胞子の範囲外からズ・ザイン・ダの突進を止めたのだ。

 

 光熱のエネルギーは流星と溢れ、胞子の汚染を押し退けるものの、この程度では胞子の霧は散逸しない。スプレッドスターなどの通常ショットに比べてやはりスペルカードの規模となれば威力も各段に上がっているが、それでもスペルとしては牽制の範疇。怪物に致命傷は与えられない。

 

「続けて行かせてもらうぜ! ──恋符! ノンディレクショナルレーザー!!」

 

 ミルキーウェイの星々の光弾は確実にズ・ザイン・ダの防御を崩した。さらに広範囲がゆえに、胞子の霧の外側からというやや離れた距離があっても、ズ・ザイン・ダの背後にいたメ・ガドラ・ダ、メ・ギノガ・デにも微かなダメージを与え、防御に隙を見出すことができている。

 魔理沙はそれを見て、今度は魔法陣に星々の光ではなく恋焦がれる魔力を灯した。宣言と共に右手の平を前に向け、魔法陣からそれぞれ美しく七色に輝くいくつものレーザーを迸らせ。それらはそれぞれ真っ直ぐだが、魔法陣の向きにより様々な方向へ。

 

 星と光の魔法を愛する魔理沙の、星の弾幕たる魔符と対を成すのは、光の弾幕たる恋符の系譜。ともすれば誰かの魔法に憧れを抱いて真似をしたような、そんな純粋な光のエネルギー。ゆえに、その光の弾幕は恋の魔法とも称される。

 彼女が放つ【 恋符「ノンディレクショナルレーザー」 】は、魔法使いとしては大先輩、魔理沙個人にとっては友人に当たる紅魔館の知識、とある魔女の弾幕を自分なりに再現してみた一枚だ。無指向性(ノンディレクショナル)の名の通り、レーザーでありながら単体の対象を目標としてはいない。

 

 まるでスポットライトのように様々な角度から放たれるレーザーはやはり純粋な威力という点から見れば魔理沙の十八番であるマスタースパークには及ばず。しかし魔力の消費を抑えながら広範囲を薙ぎ払い、さらにはレーザーの矛先を悟らせにくいという利点があった。

 こういった魔法の視点は魔理沙にはなかったものだ。それゆえに、彼女は自分以外の魔法使いの魔法も見て学んでは自分の魔法にも取り入れ、目指すべき魔法使いの道への研鑽に繋げていく。

 

「グゥ……ゥウ……!!」

 

 先頭にいたズ・ザイン・ダはレーザーに焼かれ苦悶を零す。毒の胞子の影響か、あるいは彼が赤銅色のゲドルードに甘んじるズ集団の者だからか。メ・ガドラ・ダやメ・ギノガ・デも同様にノンディレクショナルレーザーの魔力に身を焼かれているが、大して怯んだ様子はない。

 まだ、どこか粗削りな弾幕。100年以上を生きた魔女のノンディレクショナルレーザーはもっと鋭く研ぎ澄まされ、美しく洗練されている。彼女は魔理沙がスペルカード相当の魔力を込めて放つこの弾幕を、通常弾幕ほどの魔力で放ってみせるのだ。

 

 魔理沙はそれを思う度に人間の魔法使いである自分と生まれついての魔女である妖怪の次元の彼女との差を思い知ってしまう。それでも食らいついていく。弱き人間の身で、魔女の領域へと。

 

「……こんな状況でまともに相手してたらこっちの身が持たねえ。一気に片をつける!」

 

 士もまた、ズ・ザイン・ダを目の前にして動きかねていた身を突き動かす。毒の胞子の影響はまだない。ディケイドのフィルターがなければ、士とて一瞬のうちに内臓を腐らせていたことだろう。それがいつ現実のものとなるかは、士にさえ分からないのである。

 仮面の下で冷や汗が落ちる。ディケイドとして長く戦ってきたつもりだが、大ショッカーのテクノロジーの全容を理解しているわけではない。心なしか仮面の内側に不愉快なむず痒さを感じ始めたことに焦り、すぐに左腰のライドブッカーから一枚のライダーカードを取り出した。

 

『アタックライド』『イリュージョン!』

 

 迷うことなくディケイドライバーにカードを叩き込む。赤く輝くワールドファインダーによってもたらされるは、左右それぞれに己とまったく同じ別次元の同一存在を写し出し、分身とする力。紛れもなくディケイド自身の能力である【 ディケイドイリュージョン 】だ。

 単なる分身というわけではない。次元を超え世界を渡るディケイドにしか成し得ぬ芸当。それは並行世界への接続を応用し、異なる時間軸に並び立つ自分自身の写真めいた複製体に自分の思考をトレースさせて意のままに操るというもの。

 あくまで量子化説的に自身の並行同位体を形成して写し出すだけで、実際に別世界の自分を呼び寄せているわけではないが──

 

 その性能はオリジナルのディケイドと変わらない。ディケイドの存在自体を写し出した仮初めの肉体は、門矢士という中身こそ伴わないものの、その思考・行動は本体である士のものに追従し、並列的な思考さえできれば個々を独立して操ることさえ可能となる。

 士にとってその操作は無意識のものだ。大ショッカーの頂点に座した身として、いくつもの並行世界を破壊してきて、これまで一度たりとも並行世界の自分と会ったことはないにも関わらず。

 

「…………」

 

 自分自身と同様に手足のように動かせる。その感覚は、ただ身体が覚えている。この手の中に宿した無数の世界のうち、歩まなかったもしもの世界、そのすべてが今ある自分の可能性として、たった一つの道として統合し、収束していくかのように。並び立つ因果を、重ねるように。

 

「な、なんだ? 分身した……のか?」

 

 写し出された複製体を見て訝る魔理沙を後目に、ディケイドの左右に並び立ったディケイドはそれぞれ独立して動き出した。士から見て左の者はライドブッカー ソードモードの刃を振り抜いてメ・ガドラ・ダの爪と鍔迫り合い、右の者はガンモードを構えつつ接近し、メ・ギノガ・デへ。

 

「はぁっ!」

 

「グゥゥ……ォオ……!」

 

 真ん中の一人、本体である自分自身は衰弱しつつあるズ・ザイン・ダと決着をつけるべく拳を交わす。すでにそれさえ受け止めることができず、怪物は腹部に重い一撃を響かせた。

 振り下ろされた額の一角をも避け切り、士は右脚を鉄槌としてズ・ザイン・ダを蹴り飛ばす。

 

「……こいつで終わらせてやるぜ」

 

 士は相手が体勢を整えるよりも早くカードを取り出した。黄色い縁取りに青い背景、金色の輝きでディケイドの紋章を刻んだそれを素早くディケイドライバーに収め、閉じる。

 

『ファイナルアタックライド』『ディ ディ ディ ディケイド!』

 

 目の前に浮き上がる幾重もの虚像は光の道を示すライダーカードのエネルギー。士はその場で地を蹴り天へと跳び上がり、右脚を鋭く伸ばしてズ・ザイン・ダに一直線。

 一枚一枚を突き破っては真っ直ぐに突き進む破壊の光──それは次元を貫くディケイドの蹴撃。

 

「……っ!?」

 

 その瞬間のことだ。微かに士の脳にモザイク状のノイズめいた虚像が走ったのは。この視界には確かにズ・ザイン・ダの姿が映し出されているのに、どこか脳の深層に記憶の想起のように、何か別の映像が一瞬だけ浮かび上がったのだ。

 見えたのは見覚えのある仰々しい最奥の間。おぞましく悪意を湛えた双頭の大鷲の意匠。そして赤き玉座にて世界を見下ろす己と、その眼下にて大首領たる者を崇める四つの影──

 

「グォォーーォォオオッ!!」

 

 ディメンションキックの一撃はズ・ザイン・ダを蹴り飛ばし、その断末魔の叫び声は己がゲブロンが解き放つ大爆発の轟音によって掻き消されていく。

 その場に着地した士は未だ一瞬見えた虚像の違和感が拭えなかったが、気にする余裕はない。ズ・ザイン・ダを撃破したのはいいが、未だに二体のメ集団のグロンギは健在のままだ。

 

 ──何か、おかしい。士は確かに思考を同期し、三人の自分で同時にファイナルアタックライドのカードを使用したつもりだったのだが。

 実際にディメンションキックを放ったのは本体たる自分だけ。あのとき思考に走ったノイズの影響か、同期がままならず分身体が上手く動かなかったのか。それどころか、分身体は本体の思考の乱れのフィードバックを受けてしまい、グロンギの目の前で明確な隙を晒してしまっていた。

 

「ぐぅ……あ……」

 

「……がっ……あ……」

 

 メ集団ほどの怪物を前にして、それは致命的だった。一体はメ・ガドラ・ダの強靭な爪で腹を穿たれ、モザイク状のデータの残骸を血のように零れさせている。もう一体はメ・ギノガ・デの腕に首を引き寄せられ、その唇による『死の接吻』を受けては体内に流し込まれた猛毒の胞子によって内側から存在が腐り落ちていく。

 どちらも、ディケイドイリュージョンで出現させた分身体の致死ダメージを超え、消滅。分身体へのダメージは本体には反映されないが、その光景は士を身震いさせるのに十分だった。

 

「……おい! 無事か!? ……っと、やられたのは分身体だけか」

 

「ああ。しかし、この瘴気みたいなのは何なんだ。邪魔でしょうがねえ」

 

 心配した様子でやや後方から声を張り上げる魔理沙。箒に乗って上空の安全圏から士の様子を見下ろすが、どうやら本体が無事だと分かり胸を撫で下ろす。

 今はまだ里のごく一部だけ。しかし風によってこの猛毒の胞子が広がってしまえば里には踏み入ることすらできなくなることだろう。魔法の森で生活し、人より多少は瘴気や胞子の影響に強いと自負している魔理沙でさえ、メ・ギノガ・デの胞子には常識を超えた獰猛な悪意が感じられた。

 

キノコ(あいつ)の胞子だよ、間違いない。一応、胞子対策の魔法は使えんこともないんだが……」

 

 本来はただの人間であれば、ここまでの距離に近づくだけで危険なものだ。顔を覆うものもない状態でメ・ギノガ・デを目視できるほどの近さにいる時点で、すでに怪物の毒胞子の影響を受けられる範囲内と言っていい。

 それでも彼女は魔法の森を拠点とし、キノコの扱いに長けているがために耐性はあった。それに加えて普段から毒キノコを扱うこともある魔法使いという身において、身を守るための魔力による防御は必須。魔力と瘴気に満ちた魔法の森では何が起こるか分からないため、ガスマスクのように自身に及ぶ空気の浄化を可能とする魔法は習得済みだ。

 かつて、香霖堂の店主である森近霖之助にミニ八卦炉を修理してもらったことがある。そのときつけ加えられた空気清浄機の機能を参考にして、その効果を高めた魔法。ある意味、これも魔女のレーザーと同様、恋の魔法に連なる想いの発露と言えなくもないのだろうか。

 

 それでも、メ・ギノガ・デの胞子は自然界や魔力によって生じた毒を遥かに超えているようだ。魔理沙が使える魔法でもあの瘴気の中ではまともな呼吸ができず、せいぜい持って数十秒といったところ。魔法を重ねがけすれば耐性も強化されるが、その状態であの二体と戦うのは難しい。

 

「さすがに毒が強すぎる。これじゃ近づけないぜ……って、お前は平気みたいだな」

 

「まぁ、俺は変身してるからな」

 

「……そんな仮面でどうにかなるのか? まぁいい。時間を稼いでてくれ。私が何とかする」

 

 魔理沙は箒に跨ったまま上空を旋回し二体の怪物のもとへ。怪訝そうな表情を仮面の下に浮かべた士を後目に、そのまま懐から青白い液体が満たされた魔法の小瓶、魔理沙の研究によって精製された『マジックポーション』を取り出すと、それをぐいっと一気に煽り、飲み干す。

 間髪入れずに放り投げた空の瓶を魔力と共に消失させ、自身を対象としてキノコの胞子対策の魔法を展開。直前に飲んだマジックポーションのおかげで魔力は一気に回復し、さらには一定時間、魔力の消耗を強引に抑える効果があることを利用して──

 

 人の身の限界を超えた魔力の活性化にやや心臓に重く負担がかかる。微かに歪めた自分の表情に気づかないフリをして、魔理沙は二重、三重に魔法をかけ、猛毒がひしめく瘴気の中に突入。

 まだ魔力はある。そのまま箒を右手に構え、魔理沙は続けてそちらに向けて魔力を込め始めた。

 

「おい、本当に死ぬ気か!?」

 

「うるさいな! ガスマスクなんて持ってきてないんだよ! それよりこっちを頼む!」

 

 魔力の収束自体はすぐに済むのだが、すでにこれだけ広範囲に瘴気が広がっているとなると普段通りの力では払い切れまい。渾身の魔力を込めて、胞子対策の魔法が維持されている間に、一瞬で全てを振り払えるようありったけの力で。

 士は魔理沙の意図が読めず困惑していたが、すぐにその目に覚悟を見た。迫り来るはトラの爪を振るう怪物と、魔理沙に接触して猛毒を流し込もうと這い寄る毒キノコの怪物。

 

 稼ぐ時間は一瞬でいい。瘴気の真ん中という無防備な獲物を守る、ほんの一瞬だけでいい。むしろ、狙う対象が明確に魔理沙であると判断できたがゆえに、士はすぐに反応することができた。

 

「ちっ!」

 

『アタックライド』『ブラスト!』

 

 判断は一瞬。士は迷わずカードを装填し、ライドブッカー ガンモードを水平に構えて薙ぎ払うように引き金を引いた。放たれた光弾はそれぞれメ・ガドラ・ダとメ・ギノガ・デを等しく撃ち抜き、破壊の炸裂によって相手を怯ませ、魔理沙への攻撃を中断させることに成功する。

 その直後だった。青白く輝き始めた魔理沙の箒。彼女はニヤリと笑みを浮かべ、思い切り振り被っては最後にもう一度、ダメ押しの魔力を注ぎ込み。細い腕を引き絞り一気に振り払った。

 

「そらっ! 綺麗さっぱり消え去りやがれっ! ミアズマスウィープ!!」

 

 魔力の解放と共に振り払われた箒は凄まじい突風を巻き起こし、かつ瘴気を吹き飛ばすというわけでもなく、浄化の魔力によってキノコの胞子は瞬く間にその姿を消していく。

 用途が限定的すぎて、もっぱら殴打のための技として用いていた【 ミアズマスウィープ 】は、まさしくその名の通り瘴気(ミアズマ)掃き払う(スウィープする)意図で発動されたのだ。

 

 その余波で放たれた青白い光の刃は二体の怪物を押し退ける衝撃となって、完全に掻き消された瘴気はすっかり清浄な空気となり。魔理沙は無意識のうちに胞子対策の魔法も解いては息を整え、マジックポーションの副作用で一気に減っていく魔力の気怠さに負けず己を奮い立たせる。

 

「……はぁ……はぁ……まだまだ……!」

 

 一度に魔力を消費しすぎたせいか、少しばかり視界に星が瞬く。高い山を飛んで空気の薄さを実感しているような、酸欠に似た苦しさに眩暈を覚えるが、この程度なら慣れたもの。

 二本目のマジックポーションを取り出し、飲み干す。全身に魔力が満ち渡っていく感覚は心地よいものの、その効果が続いている間に怪物を撃破し切れなければ──考えるのはやめておこう。

 

 リントの くせに 僕の吐息を 掻き消すなんて…… 許さない……!

「ブゲビン リント ボブン ドギビゾ バビベグ バンデ…… ジュス ガバギ……!」

 

「させるか!」

 

 魔理沙の行動により瘴気を払われたメ・ギノガ・デは狼狽えたように再び毒の胞子を放とうとするが、そんな隙を見逃す士ではない。ガンモードを維持したままのライドブッカーを相手に向け、引き金を引いて放った光弾はメ・ギノガ・デを怯ませた。

 すぐに魔理沙は息を整え、周囲に浮かべた魔法陣をメ・ギノガ・デの傍へ移動。それは魔理沙の独立武装(オプション)となり──

 

 湛えた魔力は先ほどまでの苛烈な光熱とは違う、霧雨の名に相応しき色。魔理沙としては純粋な火力に欠けるため、信条としている魔法の系統とは違うものの、霧雨──すなわち霧と雨。彼女が生まれ持つ彼女自身の『水』の属性と相性がいい魔力。それは怪物を確かに捕捉した。

 

「少しそこでおとなしくしてろっ! コールドインフェルノ!!」

 

 かつて山の神様とやらを拝みに行った際に使って以来の水行の気を持つ魔法。魔理沙が鳴らした指の意思を合図に、メ・ギノガ・デを包囲していたいくつかの魔法陣は青く燃え上がる水行の炎を噴き出した。

 そこに燃焼を伴う熱はない。むしろ魔力そのものを炎の形と成して、冷たい地獄を体現するかのように魔理沙の手元から離れた場所で持続的な攻撃と拘束を代行するというもの。

 

 放たれた【 コールドインフェルノ 】の魔法陣がメ・ギノガ・デを足止めしているあいだに、魔理沙は容赦なく襲いかかるメ・ガドラ・ダの爪を魔法陣の盾で防いだ。がりがりと削れていく光の欠片を見て臆する気持ちがないわけではないが、怯んでしまえばせっかくの魔力が無駄になる。

 

「くっ……!」

 

 メ・ガドラ・ダの爪を受け止めたまま右手の箒を構える。光の魔法陣越しにその柄を突き出し、箒の柄を銃身と成し魔力の流れを形成。再び爪が振り上げられたところに、魔理沙は箒の持ち手の先から青白く輝く魔力の光弾──【 ラジアルストライク 】を放った。

 少し収束に時間が必要だが通常の光弾より大きく威力も高い。その反動と至近距離での怪物への直撃による爆風の風圧を受けつつ怪物から距離を取り、魔理沙は軽やかに大地を踏みしめ、コールドインフェルノの魔力も途切れさせることなく。

 

 心の中に輝かせるは魔符の札。スターダストレヴァリエよりさらに眩く、ミルキーウェイよりもさらに美しい。彼女が胸に秘める想いは、力強くも華々しき星々を宿す宇宙(そら)への憧れ──

 

「……そろそろ終わらせてやるぜ! 魔空(まくう)! アステロイドベルト!!」

 

 魔理沙は心に散らせたスペルカードの名を宣言する。重ねた魔法陣の数々から降り注ぐは、星屑などと呼べるレベルの煌びやかな輝きではない。まさしく太陽系の狭間、軌道の中に満たされた小惑星帯、それら一つ一つが星と呼べる規模の【 魔空「アステロイドベルト」 】なる弾幕。

 実際にはラジアルストライクにも満たない小さな光弾ではあるが、その魔力量は思わず防御の姿勢を取ったメ・ガドラ・ダに流星が如き星々を幻視させた。

 

 一つ一つを拳で撃ち落とすが、全てを払い切れるわけではない。光弾は確実にメ・ガドラ・ダに直撃し、余波となる小さな魔力の波も加わって確実に怪物の身を削っていく。

 だがすでに怪物は弾幕の隙間を見切りつつあった。小惑星帯は見た目ほど密度が高くない。魔理沙のアステロイドベルトも、メ・ガドラ・ダはこの僅かな時間ですでに攻略しつつある。

 

 小癪な! 俺は 傷の数だけ 強くなる メ・ガドラ・ダ だ!!

「ボシャブバ! ゴセパ ビズンバ ズザベヅ ジョブバス メ・ガドラ・ダ ザ!!」

 

 気迫だけでいくつかの光弾が散るが、魔理沙はアステロイドベルトの魔力に紛れて小さく口角を上げた。相手は受けたダメージさえも自らの経験に加えてさらに強くなろうとしているが──

 

『ファイナルアタックライド』『ディ ディ ディ ディケイド!』

 

 すでに魔理沙の背後から駆け出していた士がディケイドライバーにカードを叩き込み、魔理沙の前に出たのを合図に、魔理沙は弾幕の展開に使っていた魔力供給を止める。

 降り注ぐ小惑星帯の光が止んだことに違和感を持つ暇さえ与えず、士は怪物の見据える前へ。

 

「はぁあああっ!!!」

 

「グゥゥーーォオオァァアアッ!!!」

 

 構えた刃はディメンションスラッシュの威光を帯びたライドブッカー ソードモード。魔理沙のアステロイドベルトが集中して削っていた胸の古傷をなぞるように、逆袈裟斬りに両断されたメ・ガドラ・ダは、その刃より解き放たれる破壊のエネルギーにゲドルードを反応させ。

 白銀のゲドルードはそのまま激しい炎を上げて、怪物を爆散させる。士はすぐに振り返り、未だ残されたままのメ・ギノガ・デを見た。

 

 アステロイドベルトの発動に魔力を割きすぎたせいか、コールドインフェルノの出力が低下している。その隙にメ・ギノガ・デは自身を包囲する魔法陣を叩き割り、再び胞子を吐こうとする。

 

 ……!! まさか…… まさか そんな…… 僕の 胞子がァ……!!

「……!! ラガバ…… ラガバ ゴンバ…… ボブン ゾグギグゥ……!!」

 

 その目論見は最初から潰えていた。魔理沙のコールドインフェルノは極低温の魔力を炎と成して吹きつけるもの。魔理沙の観察眼により、すでにメ・ギノガ・デの胞子が人間の体温ほどの温度でしか活動できないと思しきことは見抜かれていたようだ。

 今まで数々のキノコの胞子を見てきた彼女だからこそ胞子の振る舞いを見ただけでそれが判断できたのだろう。コールドインフェルノの冷気によってメ・ギノガ・デは身体の一部に霜が走り、凍結している部位もある。すでに体内の胞子も低温状態で活動が停止しており、再び空気中に散布できるほどに活性化させるには、人間の体温ほどにまで身体を暖めなくてはならない。

 

 コールドインフェルノを放ち続けた場所は気温も低下しているため、それすらメ・ギノガ・デにとっては困難であると言えよう。そして活動が抑制されているのは胞子だけではない。ぱりぱりと氷の欠片を落としつつも動こうとするメ・ギノガ・デの肉体も、冷える関節が軋みを上げる。

 

「キノコの専門家にキノコで挑もうなんて、100年は早いってこった。士!」

 

 魔理沙はすでに無力化されたと言っていい相手を前に、呼吸を整え落ち着いて魔力を回復する。もはやマジックポーションに頼るまでもない。心の星空に掲げたスペルカードは、今度こそ愛用の弾幕たちと言える恋符の系譜。

 ライドブッカー ソードモードの刀身を撫で上げた士も息を整え、それをガンモードに替えては再び先ほど使用したカードと同じものを取り出す。

 ディケイドライバーに装填すれば、赤く輝くワールドファインダーに破壊の宣告を聞き。

 

『ファイナルアタックライド』『ディ ディ ディ ディケイド!』

 

 無言で見据えるは懲りずに胞子を吐き出そうとして、冷たい息だけを放つしかないメ・ギノガ・デの姿。ゆっくりと右腕を上げて、ライドブッカー ガンモードを構える。

 銃口に灯る無慈悲な輝き。士の正面に並びしカードの虚像は、メ・ギノガ・デへの道となり。

 

「……っ! おい! ちょっと待て!」

 

 いざ引き金を引こうとした士を止める魔理沙。焦燥が感じられる声色に士も思わず指を止めてしまう。何事かと問う前に、すぐに目の前に立つメ・ギノガ・デの『変異』に目を奪われた。怪物は猛毒を持つ胞子の散布を諦めたようだったが、死を受け入れたわけではないらしい。

 先ほどまでの戦闘で傷ついた身体から異常な成長を遂げた子実体めいたものが生えてきている。メ・ギノガ・デはグゼパから妖力を吸収し、胞子の活性化こそままならずとも、己を構成している菌糸を強引に活性化させて細胞増殖を行っているようだ。

 

 このまま増殖が進めばメ・ギノガ・デは分裂し何体にも増えることが予測されるが、かといってただ撃破するだけでは爆散によって菌糸が飛び散り、確認できない里の閉所などで人知れず増殖、幻想郷の見えないところでまさしくキノコのような脅威となってしまうかもしれない──

 

 まだ 死なないよ……

「ラザギ ババ ギジョ……」

 

 かつての戦いにおいてもこの怪物はただでは死ななかった。クウガによって倒されても爆散した肉体の一部が川に落ち、その一部を元に驚異的な菌糸の増殖でもって自身のクローンを形成、新たなる脅威となり、クウガである五代雄介に本能的な戦慄を覚えさせるに至ったのだ。

 グゼパからの妖力はそのエネルギーが熱となり、メ・ギノガ・デの体温も上昇が始まっている。このままでは胞子の活性化をも招いてしまい、あの猛毒の瘴気が再展開されてしまうだろう。

 

「ちっ、往生際の悪い奴だな……! 輝け、恋風(こいかぜ)! スターライトタイフーン!!」

 

 魔理沙は再び両手に魔力を収束させつつ箒に跨って翔け出した。胞子を出せない今のメ・ギノガ・デになら接近しても即座に害はない。そのまま箒の上に両足を乗せてサーフィンめいた形で乗り直すと、先ほど心の中に描いていたスペルカードを渾身の魔力で発動する。

 自由になった両手で放つはノンディレクショナルレーザーに魔符たるスターダストレヴァリエの煌きを加えて威力を増した星屑との相乗。恋符でありながら星明かりの彩りをも兼ね備えた拡散系レーザーの完成系たる【 恋風「スターライトタイフーン」 】の瞬き。七色のレーザーは魔理沙を中心に輝き廻り──

 

 魔法陣からのレーザーに加えて魔理沙も星型の光弾を放ち続けてメ・ギノガ・デの菌糸増殖を妨害する。光熱の魔法はどうしようもなく怪物に熱を与え、胞子の活性化を促してしまうが、それを差し引いても、止め処ない恋風の台風はメ・ギノガ・デの菌糸を片っ端から削り取っていった。

 

「そらっ!」

 

 箒に両足を乗せたまま、魔理沙は己を中心としていたスターライトタイフーンの『台風の目』をメ・ギノガ・デを中心とした形に変える。魔理沙を中心に外向きに放たれていたレーザーは内側を向き、魔法陣によるドーム状の結界となった領域にメ・ギノガ・デは捕らわれた。

 今ならば怪物が爆散したとしても飛び散った肉片や菌糸は結界の中に閉じ込められ、吹き荒れる星明かりの魔力の中でほとんど掻き消されるはず。

 

 魔理沙はサーフィンのようなスタイルのままスターライトタイフーンの領域から離脱し、そのまま箒から飛び降りて士の隣に降り立った。士は言葉を交わすことなく魔理沙の意図を理解すると、下ろしていた右腕を上げて七色のスポットライトめいた光線に包まれた怪物に銃口を向ける。

 

「……ふっ!!」

 

 未だに輝き滾るはファイナルアタックライドの力。散逸させずに保持したままだったそのエネルギーはディケイドの右腕からライドブッカーの銃身を伝っていき、解き放たれた。

 カードの虚像を穿ち貫き突き進み、やがてディメンションブラストは菌糸を纏う怪物に着弾。

 

 ……許さない……!! ディケイド……ォオッ!!

「……ジュス ガバギ……!! ディケイド……ォオッ!!」

 

 白銀のゲドルードに刻まれた亀裂はメ・ギノガ・デの内側から破壊の光を滲み出す。そのまま、スターライトタイフーンの魔法陣に包まれた怪物は湧き上がるエネルギーに耐え切れず菌糸を飛び散らせて激しい爆散を遂げた。

 成長途中だった菌糸の欠片はビチャビチャと不快な音を立てて魔法陣の内側にて堰き止められ、そのまま地面に落下。掻き消されなかった一部の菌糸が塊となってはその場に残っていく。

 

「うげ……」

 

 魔理沙は魔法陣を解いてその残滓に近寄った。すでに原型を留めていられていないほどディメンションブラストによって破壊し尽くされてしまった肉体だが──

 未だに、菌糸そのものは生きている。動物でも植物でもない菌類に属する生物。その一つ一つが生命力を保持し、こんな姿になってもなお細胞増殖を続けようと蠢きながら、やはり既存の生物としては考えられない速度で己が体積を増やしていく。

 

 あまりにもおぞましいその光景に魔理沙は思わず顔を背けた。帽子の中から取り出したミニ八卦炉のつまみを調整し、過度な火力になりすぎない程度のパワーに切り替えながら、ゆっくりとその菌糸へ近づけ。純粋な炎で対象を焼き払う【 八卦ファイア 】でもって、蠢く菌糸を焼却した。

 

「ミギャアァアアアアアーーーッ……」

 

 耳を塞ぎたくなるような金切り声と共に、菌糸の塊は炎上。魔力による炎は確実にメ・ギノガ・デの残滓たる細胞を焼き尽くし、最後まで絶命を認めぬ菌糸たちに引導を渡す。

 立ち昇るは細胞が炭化した黒煙と吐き気を催す異臭。ミニ八卦炉を構える右腕を伸ばしたまま、魔理沙は思わず左手で自身の鼻を覆った。

 

 八卦ファイアはかつての逆様異変、お祓い棒やミニ八卦炉などの道具が鬼の妖力によって暴走してしまった際、妖器化したミニ八卦炉が過度な火力の炎を出していたときに便利な通常ショットとして使用していたもの。

 今でこそあのときより火力は落ちてしまっているが、ただ純粋に炎を放つショットとしては使い勝手が良く、普段から使っている。──もっとも、射程はかなり短いのだが。

 

 その炎を止め、完全に炭化した菌糸が消滅するのを見届けてから、ミニ八卦炉をしまう。それにしてもひどい悪臭だ。魔力も体力も使い果たし、一度大きく深呼吸がしたかったが、もはやそんな気になれず。マジックポーションの副作用で全身が気怠いが、勝利の余韻と思うこととしよう。

 

「…………」

 

 すでに倒した怪物には目もくれず、士はさっさと変身を解除して歩き出す。気になるのは怪物が現れる前に少しだけ見た光写真館の中だ。本当に自身が元いた場所と同じなのだろうか。

 

「ったく、ちょっとは戦いの余韻を楽しもうって気持ちをだな……」

 

 魔理沙の抗議も虚しく、士はやはりずかずかと光写真館の中へと戻っていく。入り口から廊下を超え、背景ロールの大部屋を抜けて、誰かを探している素振りを見せる士。

 居間を見る。撮影部屋を見る。そしてキッチンを見やり、遠慮がちにトイレを開けて、写真館の心臓とも言える暗室──今はただ部屋に染みついた酢酸の匂いだけが満ちるそこを微かに覗く。

 

「……やっぱり、誰もいないか……」

 

「誰かいるべきなのか? まぁ、どう見ても生活感はあるが」

 

 テーブルに残されたコーヒーや掃除された痕跡から見ても少し前まで人がいたことは間違いない。──そんな推理をするまでもなく、士はそこに人がいたことを知っているのだが。

 自分は背景ロールに写し出された不気味な絵に誘われるかのように、この幻想郷へと引きずり込まれた。その際に光写真館にいた他の人物も幻想郷に招かれているのだろうか。あるいは光写真館だけが幻想郷に結びつき、彼らは置き去りなのか。

 

 思考はオーロラの如く揺らめき、次元を飛び越えるように廻りゆく。されど、その万華鏡に光が差すことはついぞなく。成果はなかったと諦め、光写真館を出ようとした──そのとき。

 

「……ん?」

 

 光写真館の裏口たる扉、その磨り硝子に映るモザイク状の景色が奇妙に歪んでいることに気がついたのだ。士はゆっくりとその扉に手をかけ、魔理沙も訝しげに後を追いかける。

 扉を開けた先、その光景を見て、士も魔理沙も思わず言葉を失い、ただ呆気に取られた。

 

「あら? あんたたち……どっから入ってきたのよ……?」

 

 畳と障子の満ちた部屋──魔理沙にとっては馴染み深い幻想郷の空気。その一室で、五代雄介と共に呑気(のんき)煎餅(せんべい)をかじっている博麗霊夢の姿。

 間違いない。そこは里に来る前に士たちがいた場所。──幻想郷の要たる、博麗神社だった。




ズ集団代表、ズ・ザイン・ダさんです。戦闘能力だけならメの中堅くらいはありそう。
あとはみんなのトラウマのメ・ギノガ・デさん。幻想郷でキノコといったら魔理沙の担当です。

総集編やる傍らにおまけで戦っていたメ・ガドラ・ダさんについての思い出はあんまりないです。

次回、EPISODE 78『無貌』
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