やってみるさ。この素晴らしい世界で、俺に何ができるかわからないけど。   作:みっはー

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初投稿です。
仮面ライダークロス物の初投稿の第一話でいきなり仮面ライダーが死ぬところから始まる小説があるらしい。


プロローグ:小さな地球の話

「ぐ、うあ・・・」

 

宙を舞う青い薔薇の花弁、崩れ落ちる戦士。

三原修二。

彼は人類解放軍の主力メンバーだ。

数多の別れを乗り越え、人類のため、身近な仲間達のため、命がけで戦ってきた。

そんな彼の命運は今、尽きようとしていた。

人類の進化系、オルフェノクに支配された世界で、オルフェノクに唯一対抗できうる力を持った3本のベルトのうちのひとつ、デルタのベルトの力を使って戦ってきた彼だが、半ば不意打ちを受ける形で、戦いに敗れた。

同じ人類解放軍の仲間であり、3本のベルトのひとつ、カイザのベルトを持つ草加という男に呼び出された彼は、そこで待ち構えていた薔薇の意匠を持つオルフェノク・・・ローズオルフェノクの攻撃を受けた。

触れた者を瞬く間に灰にしてしまう攻撃に、変身すらできずに倒れたのだ。

倒れた時に三原の持っていたアタッシュケースが地面に落ち、その衝撃で蓋が開く。

中には三原の力の象徴であるデルタのベルト。

三原は灰になって崩れていく右手をベルトに向けて伸ばすが、既に左手は完全に灰になっていて、地面を這うことすらできない三原の手はベルトには届かない。

伸ばした右手も灰になっていくのを見つめながら、三原が最期に思い浮かべたのは、仲間達のことだった。

 

(草加・・・無事なのか?君もこのオルフェノクにやられてしまったのか?乾さん、真理、みんな・・・)

「ご、めん、な」

 

何に対する謝罪だったのか、その一言をこぼすと同時に三原の全身は灰になって消えた。

こうして人類は、またひとつ大きな力を失った。

 

 

★★★★★

 

 

誠にお気の毒ですが、貴方は死んでしまいました。

 

「は、はぁ・・・えっと・・・?」

 

三原は混乱の極致に立たされていた。

志半ばで倒れ、目が覚めたら薄暗い空間に佇んでおり、そこにいた女神を名乗る水色の長髪の女性に死んだことを告げられたのだ。

なるほど、自分は死んだのだろう。

三原もそれに異論はなかった。

オルフェノクに殺されて灰になっていくおぞましい感覚は今も思い出せる。

そこまではいいが、その後の展開がまるで理解できなかった。

アクアと名乗った女性曰く、三原には3つの選択肢がある。

1つは天国に行き、日がな日向ぼっこをして過ごすこと。

1つは記憶をなくし、元いた世界で赤ん坊として生まれ変わること。

そして最後は、そのままの体で異世界に旅立つこと。

女神アクアのおすすめは異世界らしい。

なんでも、その世界には魔王といわれる存在がおり、それが人類を脅かしているのだとか。

その魔王を打倒してほしいと。

三原は少しだけ考えると、異世界に転移することを選んだ。

彼は元の世界では、志半ばで倒れてしまった。

心残りであり、天国になんて行く気が起きない。

元の世界で赤ん坊になったとしても、それはもう三原修二ではなくなってしまう。

であれば、三原修二としてもう一度、人間のために戦いたかった。

そのことを女神アクアに伝えると、アクアは三原にカタログのようなものを渡した。

その中から好きな特殊能力を選び、それを使って魔王軍と戦ってほしいそうだ。

なるほど、確かに三原は今はデルタのベルトも持っていない。

デルタに変身したことで、"純粋な人間"とは言い辛いが、特別強力なわけでもない。

貰えるものは貰うべきだろう。

だがしかし、三原がカタログを開いてみると、予想外なことが起きていた。

全てのページをほぼ速読といえる速さで読み終わると、苦笑を浮かべて、

 

「あの、最初のページ以外白紙なんですけど・・・?」

 

その言葉を受けて、さきほどまで厳かな雰囲気を崩していなかった女神アクアが素っ頓狂な声をあげた。

 

「えぇ?そんなわけないじゃない。ちょっと見せて?」

 

女神然としていた態度はなんだったのか、

軽い足取りで三原の後ろに回り込むと、肩越しからカタログをのぞき込もうとする女神アクア。

三原の方が背が高いので、三原もあわせてかがんで、女神アクアが見えるようにしてあげた。

すると確かに、ページは最初のページ以外すべて白紙。

最初のページにも、特殊能力は1つしか載っていない。

『自分に一番馴染み深いものをひとつだけ異世界に持ち込める。

※ただし、自動で選ばれるので、任意で持っていくものを選択することはできない。』

 

「えぇー・・・なによこのゴミ能力。なんでこれしか無いのかしら?」

 

初めてのパターンに首をかしげるアクア。

この能力をつけて異世界に送り込んだとしても、

それは現代の物をひとつだけなにかしら持っている一般人というだけだ。

ちらりと困った顔をしている三原に目をやるアクア。

 

(体つきは結構ガッシリしてるけど、どことなくヘタレっぽいし・・・軍人とかじゃあないわよね。まさか一番馴染み深いものが武器になるような生活をしてたとも思えないし・・・丸腰の素人を送り込むのもちょっとアレよね。)

 

ちなみに、本来であればアクアの元には三原が生前どんな事をしていた人物なのか情報が送られてきている。

どうせパパッと選ばせて次々と死亡者を処理するだけだからと、面倒くさがったアクアが確認していないだけだ。

うーん、と頭をひねるアクア。

それを見た三原は。

 

「アクア・・・さん?俺はこれでもいいですよ。なにが持ち込めるかは大体想像がつくし、俺はそれがあればきっと戦えるから。」

 

三原のその言葉をうけて、アクアの顔がパッと明るくなった。

 

「あ、ほんと?じゃあ、それでいきましょ!でも、ひとつだけじゃあまりに可哀想だから、何個か適当に(・・・・・・)増やしておいてあげるわね!」

 

その言葉に、若干不穏なものを感じた三原。

 

「い、いや、ひとつで「あ、それと異世界の言語もわかるようにしておいてあげるわね!失敗したらちょっと頭がパーになっちゃうことがあるけど、大丈夫!きっと失敗しないから!」

 

「いや、え?パーになるの!?」

 

問答無用で三原の足元に光り輝く魔法陣が浮かび上がり、段々と光が強くなっていく。

 

「では、三原修二さん!願わくば、貴方が魔王を倒しますように!」

 

怒涛の勢いで一気に話が進んでしまい、目を白黒とさせる三原だったが、ひとつため息をつくと笑みを浮かべた。

 

「やってみるよ。・・・俺になにができるかわからないけど。」

 

 

★★★★★

 

 

三原を異世界に送ったアクアは、ふと三原の経歴を見てみることにした。

特殊能力のカタログがほぼ白紙だったのは、彼の経歴に関係しているのかと思ったのだ。

軽い気持ちで経歴の纏められたファイルを開いたアクアは硬直した。

 

「え、なにこれ。りゅうせいじゅく・・・?おるふぇのく・・・?じんるいかいほうぐん・・・?」

 

三原の経歴が明らかにぶっ飛んでいた。

というか、どうみてもアクアの管理している地球の人間ではない。

別の世界の地球の人間だった。

 

「や、やばいんですけど・・・別の神の管理してる魂を勝手に異世界に送り込んじゃったってことよね・・・?ばれたらめちゃめちゃ怒られるんですけど・・・」

 

というか、これは人間の魂なのだろうか?

妙にステータスが高いような・・・。

 

( ^ω^)・・・

 

アクアはパタン、と見ていたファイルを閉じると、部屋の暗がりに向かって全力でぶん投げた。

よし、見なかったことにしよう。

怒られる事を恐れたアクアは、この事実を隠蔽することに決めた。

 

余談だが、このことは普通にばれる。

普通にばれたのだが、その時女神アクアは諸事情で天界には既に居なかったため、

結果的にお咎めを受けることはなかった。

あげく、そのころには本人も三原の事を覚えてはいなかったようだ。




短いですが、ここで切ります。
次回以降はもう少し長くなるはず・・・
だいたい1万文字くらいを目標に1話とします。
だいたい週一くらいで投稿予定です。
書き溜めが溜まってきたらペースアップします。

デルタギアの作中での呼び方について。テレビ版では巧達は「〇〇ギア」という呼び方をあまりしていなかった記憶があり、拙作でも「〇〇のベルト」という呼び方にしています。しかし、読んでいて「〇〇ギア」のほうがスッと入ってくるのかなと。ご意見お聞かせください。

  • デルタのベルト(現状維持)。
  • デルタギア
  • いいから続き書くんだよ
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