今のうちに戦闘の表現を練習しないと……
では、どうぞ!
「これからの予定だけど……」
歩きながらエリカさんが話始める。
そういえばこれからの予定って何一つ聞かされてないんだよなあ。
今はナグラを回っているところだ。食堂に病室、出撃ヘリの場所など、覚えることが多い。これからここで暮らすんだなあ、と思うと転校生の気分が味わえる。
「……ねえ、聞いてる?おーい、アキ!」
「ん?ごめん、聞いてなかった。ちょっと考え事してて……もう一回言ってくれる?」
「もう……じゃ、もう一回説明するね。
今から一人目の新型使いに会ってもらうよ。カルラっていうんだけど、強くてねぇ。そこらの神機使いじゃもう抜かれそうなレベルなんだよ。まだ日は浅いのに」
「カルラさんに会って、俺は何すればいいの?」
「挨拶ぐらいじゃない?ツバキさんの考えてることとか分かんないし。……あ!ツバキさんって言うのはさっきの……胸元がアレな人だよ。リンドウさんのお姉さんで、元神機使いなんだって」
あの鬼教か……ツバキさんとリンドウさんが本当に姉弟なんて……
「……似てないな」
「ふふっ……やっぱりそう思うよね!私も最初聞いたときはビックリしちゃってさ!でもツバキさんは怖いだけじゃなくて、みんなのこと考えてるんだよね。
無茶な命令出した上層部に文句言いに行くところ、何回か見てるんだ」
「話逸れちゃったね。カルラに会った後は訓練してもらうよ。いきなり実戦に出すなんてことはしないから安心して」
「俺まだ剣とか銃の種類決めてないんだけど大丈夫?」
「訓練は何回かやるから、色々使ってみて気に入ったのを使えばいいよ」
談笑しながら歩いて、しばらくして止まった。目的地か?
って俺の部屋じゃん!何考えてるんだこの人……
「そういえばアキの部屋ってここだったね。じゃあカルラとはお隣さんってことになるかな」
エリカさんが指差したのは隣のドアだった。
「ちなみに、私の部屋はベテラン区画のアキと同じ位置にあるから。何かあったらいつでも来て」
「じゃ、居るか確認しよっか」
ピンポーン
返事がない。
ピンポーン
返事がない。
「エリカさん、居ないんじゃ……」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンピンポーンピンポピンポピンポピンポ……
「うるさーい!寝かせてくださいよエリカさん!さっきまでヴァジュラ狩ってたんだから眠いんですよ……」
そう言いながら出てきたのは、毛布にくるまって顔だけ出した赤髪の女の子。毛布で分からないけど、体格はエリカさんと同じくらい。エリカさんは俺よりちょっと小さいくらいだ。
「おはよう、カルラ。今日は二人目の新型を連れてきたから紹介しようと思って」
「おはようございます、カルラさん。
涼風 アキです。アキって呼んでください。成り立ての新型神機使いです。よろしくお願いします」
出来るだけ爽やかな口調で言った。相手は女の子だからな、いい印象持たれたくて当然だ。男ならな!
先輩を抜きそうって言ってたから、勝手にゴッツい男だと思ってた。
数秒の沈黙の後、ドアが閉まった。風圧で髪が揺れる。唖然としている俺をエリカさんが面白そうな顔で見ている。
なんなんだよ!?
「俺、マズいことこと言った?」
「いや、大丈夫、ちょっと待ってて。面白くなるから」
「は?どういうこ……!」
再びドアが動いた。今度は開く方に、かなりの勢いで。そして……
「フェンリル極東支部、第一部隊所属、黒神 カルラです!
同じ新型として頑張っていきましよう!アドバイスはいつでもしてあげますよ!
あ、敬語は無しでお願いしますね!」
毛布を取っ払って、乱れてた髪もいつの間にか整えたカルラさんがいた。
右手を差し出しながら一気に言い切ったよこの人。エリカさんは吹き出すのを必死に押さえ込んでいる。
とりあえず手を握りながら、よろしくと言っておく。先輩として良いところ見せたかったとかか?面白い人だな。
「カルラさん、質問いいかな?」
「あ、私には『さん』付けも無しでお願いします。たぶん年下なんで」
「いや、でも」
「お 願 い し ま す ね」
「わ、分かった。じゃあ、剣って何を使ってる?どんなのがオススメ?」
「私は何でも使いますよ。ショートは手数、ロングは間合いの広さ、バスターは一撃の重さが特徴的ですね~。
訓練場で一通り振ってみたほうが良いと思いますよ!」
さらっとすごいこと言ってるよ。だいたいの旧型使いは、刀身の種類を変えることは滅多にない。ショートならショート、ロングならロング、バスターならバスターを使い込んでいく。
と、聞いたことがある。旧型でそれなのに、銃も扱う新型が刀身を何でも使えるって、すごいことなんじゃね?
やっぱ人は見かけによらないんだなあ……
「ありがとう。色々試してみるよ。決まったら報告するね」
「はい!楽しみに待ってます!
今度、一緒にお茶でも飲みましょうね。」
カルラが部屋に戻ったとたん、エリカさんが吹き出した。しばらく笑った後、
「あ~面白かった!
あの子、任務以外は寝てばかりなのよ。でも、後輩ができたら優しくしてあげるんだ、ってずーっと言っててね。
強いんだけど、一回寝るとなかなか起きないのが玉にキズなんだ~。面白い子でしょ?」
「かわいい人だなって思ったよ。極東っていい人が多いんだな」
いきなり睡眠薬を打ち込むようなやつはいるけど、と心の中で付け加える。
「じゃ、次は訓練だね」
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えっ?なんなの?何で銃持った悪魔が二人もいるの?何でこっちに向けてるの?申し訳なさそうな顔するくらいならやめてくださいよ!
サクヤさんとコウタ(は勝手に呼び捨てにした)って言ってたな。そういえば、サクヤさんってすごい人じゃなかった?
第一部隊って言ってたけど、極東の第一部隊って、世界でもトップレベルって言われてるんだろ?それくらいは知ってるさ。
「あの……これって」
「訓練よ」
エリカさんにバッサリ言い切られたよ。イジメの間違いじゃないのか?
すがるような思いでコウタを見る……首を横に振られた。ひでぇ。
「どんな攻撃でも当たらなければダメージにならないわ」
「訓練の説明をするわね。とにかく避けなさい。で、二人にタッチするの。タッチされたらそちらはもう撃たなくなるわ。二人ともタッチされた時点で訓練は終了。神機でのガードは自由よ」
「では早速、3、2、1、始め!」
「ちょ……まっ……」
「アキ、ごめんな。呼び捨て許してあげるからさ。威力は抑えてあるから怪我はしないと思う」
「ホントにごめんなさいね。エリカちゃんに頼まれたら断れないのよ」
あ、ヤバい
咄嗟に身を捻る。すぐ脇を紅い光が通り過ぎた。
この人たち、本当に当てるつもりだよ!人に向けて撃ってはいけませんって説明書に書いてなかったのか!?
「へえ、今のを避けるか。じゃ、これはどうかな!」
ここから訓練が本格的にスタートした。
アラガミと戦う前に死ぬかもしれない神機使いって世界初なんじゃ……?
黒神 カルラ (17)
原作主人公ポジションの新型使い
もちろん第一部隊所属
短期間でヴァジュラ討伐までやってのけた
武器は何でも使えるらしい