初代雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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始まり
霧雲 0.5


某国のとある街。この街には、とある双子の兄弟が住んでいる。

 

双子の姿は、それはそれはそっくりで、違いは髪の質と色だけだった

1人はプラチナブロンドで、もう1人はライトグレーの髪。双子の目は綺麗な青色をしている。

 

幼い頃から 彼らはいつも共に居る。だが、彼らとその親が一緒に居るところを見たことがある者は両手で数えられるほどしか居ないだろう。 彼らの住んでいる場所の近くに居る者達は、その理由を知っている。

 

 

双子が生まれてから、彼らの父親を見た者は居ない。それはそうだろう、彼らの父親は家に帰らず、職場と数多くいる愛人の家を行き来しているのだから。

双子が4歳になった頃から、彼らの母親は姿を見せなくなった。それはそうだろう、彼らの母親は夫の不倫をどこからか知り、自分も他の男の元で暮らすようになったのだから。

 

 

 

双子は同年代の子達と比べて頭が良かった。彼らは両親にとって、自分達が興味の対象外だと気づくのにそれほど時間は掛からなかった。

 

彼らは先ず 知識を得た。(さいわ)い、家には多くの本があった、文字を読むことも 彼らには造作もなかった。

 

彼らは自分達の家を漁った。 金目のものを探すためだ、それを売り 金に変え、食料などの必要な物を買う。はじめの頃は 母親がよく使う物に手を出してしまい 厄介な事にもなったが、彼らは学習し、同じ過ちはくり返さない。

 

知識を得た彼らは、外に出て裏道を歩くようになった。一歩裏に入ると 一気に治安の悪くなるこの街で、その行為は命に関わる。だが、彼らは普通ではなかった。複数の大人に囲まれても、彼らは堂々としていた。それどころか、ものの数分で、そこにいた大人達を全て倒し、使える物を得ていた。

あの双子は異常だ。そんな話が裏に広まるのに それほど時間は掛からなかった。

 

ある時を境に、この街の犯罪が激減していた。それは 双子は毎日のように裏道へと向かうようになった時からだと気づくのに時間は掛からなかった。

 

街人はそんな双子を恐れた。いつか自分が狙われるのではないかと。 しかし、双子が表の街人に手を出す事はなかった。彼らが手を出すのは、彼らに手を出した者や表の人間に手を上げた者だけだった。

 

そんな双子を 街人達は見守るようになった。よく、気づかれないようにしながら 食べ物を与えている者もいた。

 

 

彼らのお陰でこの街の治安が良くなっている

 

 

数年が経った頃、いきなり 双子が姿をくらませた。ある街人は、双子の父親の姿を見たと言っていた。 今更あの双子に何の用だ。 そう思っても、所詮は他人の子供、自分達は何もできない。 それ以来、双子の姿を見た者は居ないと言う。

 

これだから貴族は。そう思った街人はどれほどいただろう。

双子が居なくなってから、その街の犯罪率はぐんと上がった。それは双子が動くようになる前よりも高くなった。今まで双子に抑えられていた犯罪者予備軍が一気に活動を始めたからだろう。彼らが居た頃に彼らに協力していた子供達も居たが、所詮は双子ありきのものだったようだ。

 

数年後、1人の女性が犯罪者によって亡き者にされた。その女性は、あの双子の……

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