「いいだろう」
バミューダは数秒考えたのちに彼らの条件を飲んだ。
答えが出る間の数秒間は空気が張り詰めていたが、未来を知っている僕にとってはこの約束が
すると突然、バミューダが僕がいる
「そこの君、出ておいでよ」
( 一応幻術で姿を隠してるんだけどな……。
まあ、最初から気づかれるようにしていたんだけどね )
「「!」」
「ソルドーネ!」
僕は姿を隠すことをやめて森から出た。
僕が居ることに気がついてなかった3人がとても驚いているのが目に入る。
うん、やはり人が驚いている姿を見るのは楽しいな。
「何故ここにお前が…。シモンファミリーはどうした」
「 彼らには僕の部下を付けてきた、だから安全面に問題はないよ 」
訝しげに問いかけてきた
「それにしても……、気になる気配を感じて来てみれば、面白そうなのがいるね」
ソルドーネは
その顔はどことなく楽しそうだ。
「 話は聞こえていたよ。
そうだな…。
僕もボンゴレファミリー霧雲の守護者として約束を立てよう 」
「 もし子孫らが争う事になった場合、その代の霧雲の守護者はシモンに味方する 」
「何を言って!」
「――いいだろう」
「――ただし、霧雲の守護者はボスと他の守護者の戦いに参加することを禁ずる」
「 構わないよ 」
コザァートの言葉を遮ってバミューダはソルドーネが言う約束を条件付きで了承した。
ソルドーネはそれに軽くうなずいて答えた。
*
その後、色々とあったが、ソルドーネはジョットからの命で、しばらくの間シモンファミリー護衛に付くことになった。
デイモンに違和感を持たれないようにと、ソルドーネは現在争っている敵対組織への潜入をジョットに命じられたという事になっている。
ソルドーネ自身は潜入していないが、ソルドーネの部下が数人、もうすでに多数の組織に潜入済である為、それを知らないデイモンが気づくことはないだろう。というよりソルドーネが気づかせない。全力で隠す。徹底的に隠す。
こうして、ソルドーネはシモンファミリーを、
*
僕は最近、どうしても、周りの彼らを気持ち悪いと思ってしまう。
彼ら(デイモン除く)の優しさが、僕にまとわりついてくる。
ああ、本当に――
――
*
あれから数年が経った。
「 ゴホッゴホッ ゴフッ! 」 ビチャ!!
「 ハァ ハァ ハァ 」
口元に付いた赤黒い液体を手の甲で
「 リングを…、ハァ 返しに行かないとだね 」
*
目を開けると、僕は懐かしい場所に立っていた。
並盛神社
それは僕の始まりの場所
( ふうん。 ここに来たということは…… )
「 僕は、また転生することになるのかい? 」
「その通りじゃ」
目の前に現れたのは金髪ツインテールの幼女。いつものロリっ子だ。
「おぬしと会うのはこれで4回目じゃの。元気にしておったか?」
「 特に問題はないよ。病気で早死したけど 」
見上げてくるロリっ子に僕はそう返した。
「フム。そうかそうか。
病気は無病息災系の特典でも与えん限り ワシにはどうしようもないのぉ。
それでさっそく、次の転生のことじゃが。
転生先はおぬしと言うソルドーネが存在していた世界と同じ世界の未来じゃ。10代目ふぁみりーの時代、つまりは原作軸じゃな」
「 ふうん。わかったよ 」
「? なんじゃおぬし、いつもと違って素直じゃの」
「 なんだい素直って。……ただうだうだ言うのもめんどくさくなってね。
この転生現象はデイモンがスレている事や、Gがジョットを好いている事と同じ、そういうものと、認識しただけだよ 」
「ウム。早めにそう認識を改めてもらえたのは良かったのじゃ」
「 それに、元々僕自身が果たすために、
そう、ソルドーネはニヤリと笑った。
「――では、送るぞ。達者でな」
ロリっ子がそう言うと、ソルドーネの姿が一瞬にして消えた。
彼はまた生まれ変わる。
ロリっ子はふと、空を見上げる。
見上げた先では新たに雲が一つ形成されていた。
続きは第3転生「10代目雲の〜」