ぼくたちにとって親というものは ぼくたちをきずつけるあいつのことだ。
ルドからおしえてもらった。母親って言うのは女の人で、子どもをうむ?人で、ぼくたちにとってはあいつのこと。父親って言うのは男の人で、女の人が子どもをうむのにひつよう?な人で、ぼくたちはまだ見たことのない人のこと、あとはいずれ知れるって言われた。
それをおしえてもらったあと、ルドといっしょに父親のことをあいつに聞いたことがあったけど、あいつはキーキー言いながらぼくたちをたたいてきただけで、ルドみたいにはおしえてくれなかった。
あいつは、ボクたちが4つになると あまり家に帰ってこなくなった。帰ってくるときはいつも怒ってて、ボクたちを見つけると追っかけてきてたたくんだ。
あいつは帰ってくると、ボクのことをいっぱい追っかけてくるんだ。ボクが父親と同じ色のかみの毛をしているからだって言われた。かみの毛をつかまれて ナイフで短くされたこともあるんだよ。そんなことがあってからは あいつが帰ってくると、ルドがボクの手をにぎって いっしょにまどから外に出るんだ。そうすれば、あいつはボクたちをたたけないからだってさ。
ルドはボクよりいろんなことを知ってるんだ。今はルドがボクのことをつれてってくれるけど、ボクもいっぱいべんきょうして、こんどはボクがルドをつれてってあげるんだ。
ルドはボクに いろんなことを教えてくれるけど・・・「僕がいなくなっても1人で歩けるように」って、小さい声でいつも言っているんだ。
「ボクはルドとぜったいにはなれないよ」
ボクがそう言ったらルドは、
「 この世に絶対なんて無いよ。その言葉は只の気休めにすぎない。・・・だけどそうだな…僕達が離れる事になったとしても、僕はいつか必ず、アディを見つけてみせるよ 」
そう言った。だからボクはこう返した
「じゃあ、ボクも必ず ルドを見つけるよ!」
そう言ったら、ルドはわらって、ボクの頭をなでてくれた。
ボクたちの家にはたくさんの本がある。ボクたちはあいつが近くに居ないときに その本を読んでべんきょうした。
ボクはルドとちがって、さいしょは文字が読めなかったけど、ルドが教えてくれたからすぐに読めるようになった。やっぱり、さいしょから本が読めるルドはスゴイって思った。
いくつもの本を読んで勉強していたある日、ルドに連れられ、2人で外に出かけるようになった。あいつに見つかるとすぐに家に戻されたけど、あいつに見つからないようにって考えながら 外に出るのは簡単だった。なんでボク達が 外に出ようと思ったかと言うと、、あいつ、自分のばっか用意して、ボク達にご飯をくれなくなったからなんだ。
ボクのお腹が鳴ったのがルドに聞こえた時は悔しかった。ご飯が出てきた時も、ルドはご飯が足りないって言ったボクのために 自分の分をボクにくれてた。ルドはボクよりも小さいのに、いつもボクにご飯をくれたんだ。だけど、、ボクはルドのお腹が鳴ったのを聞いたことがないんだ…。
だからボクは、家の中からお金とか宝石とかをがんばって探した。いっぱい探して、それでご飯を買って2人でお腹いっぱい食べたんだ。でも食べすぎちゃって、ルドに笑われちゃった。
・・・だけど、、ボクが見つけた宝石は、あいつが気に入ってた物だったらしくて、あいつはカンカンに怒ってた。2人で外に出ようとしたけど、ボクが転んじゃって あいつに捕まりそうになったんだ・・・けど、ルドが助けてくれた。
ボクを守って ルドがあいつにたくさん殴られた。あいつは用事があったみたいですぐに出て行ったけど、強く殴られたルドは血が出てうまく動けなくなってしまった。本に書いてあった通りにルドを手当てしたけど、ルドは熱を出してしまった。ルドはボクの頭をなでて大丈夫って何度も言ってくれたけど、ボクは怖かった。
ルドが寝た時に泣いてしまったけど、その時にボクは、もう泣かない、ボクもルドを守るんだって決めた。
外に出てからは ボク達が住んでる街を ルドと一緒に探索した。同じ街なのに、場所が変わるとまったく違うように感じた。
道が細いとこに行ったとき、ボク達は大勢の大人に囲まれた。ルドと一緒にお散歩してたのにじゃまされたからボクはちょっとムカついた。それで、その大人達をルドと一緒に倒してお金をもらった。ルドは大人の服をぬがして、売ったり、家がない子にあげたりしてた。
服をあげた子に「どうしてくれるの?」って聞かれて、ルドが「 タダではあげない、これは貸しだよ。 いずれ返してもらうさ 」って言ってた。だけどボクは、ルドがそれを返してもらおうと思ってないって知ってる。だから2人のとき、「どうしてウソを言ったの?」って聞いたら、「 嘘ではないさ。使えなくても良い、だけど使えたら、それはそれで万々歳ってやつだよ 」って返された。よく分かんないって言ったら、いずれ分かるからって言われた。
最近、ルドが難しい言葉を使うことが増えた。他の国の言葉も教えてくれるようになった。ルドは他の国に行ったことがないのに その言葉の読み書きができるんだって、やっぱりボクの兄弟はスゴイ!
僕達が裏道に入り浸るようになったため、そこを住処としていたやつらが追われるように 表通りに姿を表す事が 一時期多くなった。ルドが先導した先で、裏のやつらが表の人間を傷つけようとしている現場に遭遇することが多く、そういう察知能力でも付いてるのかと疑問に思い聞いてみても、「 なんとなくなんだけどね… 」としか返って来ないから、そういうものとして受け入れてしまった。こういうのを、勘が良いと言うんだろうね。
数年も経てば、僕達に歯向かう人間はこの街に居なくなった 。
しかし、街の中で よそ者を多く見かけるようになった。この街の犯罪件数は 他の街と比べ かなり少ないから、安全な生活を求めて 他の街から人がやってくるんだろうね。
来るだけならよかった。だけど そのよそ者達はこの街で盗みなどを働く。
僕達はそういうやつらを見かけたら倒して 街から弾いてるけど、そういう話は一向に減らなかった。僕達だけでは 街の全てに目を行き届かせることができなかった。
ルドはその事にイラついてた。ルドが言うには、「 街の秩序が乱される事が我慢ならない 」そうだ。
それからルドは、この街のストリートチルドレンに声をかけ、街の見廻りを頼み、その対価を渡していた。彼らの働きによってよそ者の動きを把握しやすくなり、不審な動きをしている者を早急に見つける事ができ、多くの者を ことを起こす前に対処する事が出来るようになった。
そして、この話を快く承諾した者は全員、前に貸しを与えたことのある者達だった。ルドの先読みには驚かされる。
そして、8歳を迎えた年、僕達は引き裂かれる事となった。