こちらS.O.N.G.内シンフォギア装者RADIO!! 作:とりなんこつ
クリス 「…そりゃ、次はあたしの番だろうとは思ってたよ? それが順当ってヤツだろうな。けどよ」
響 「? どうしたのクリスちゃん?」
クリス 「なんでこのバカとまた組まされるんだよッ!?」
響 「もちろんクリスちゃんが一人じゃ色々と大変だろうからねッ! 今日はわたしがアシスタントです!」
クリス 「心の底から大きなお世話だ! てしょずらしいんだよッ!」
響 「もう、クリスちゃんったら照れちゃって。可愛いなあ」
クリス 「おまえ頼むから人の話を聞けッ!」
響 「さあて今回でいよいよ第三回目! 本日のゲストは『かつての
クリス 「ちょッ、まてッ、なんだよその説明はッ!?」
響 「そしてアシスタントは、『握った拳は神をも殺すッ! でもゴキブリだけは勘弁な!』の、不肖わたくし立花響でお送りしますッ!」
クリス 「すげえんだがショボいんだかわかんねえぞッ!?」
響 「ほら、クリスちゃん、タイトルコール!」
クリス 「…くそッ! 第三回S.O.N.G.内シンフォギア装者RADIO! 始めるぜッ!」
番組OP 「放課後モノクローム」
クリス 「なんであたしの番にOPの曲が変わってるんだよッ!」
響 「そりゃ今日はクリスちゃんスペシャルだからねッ!」
クリス 「おまけになんで歌い手がまたおっさんなんだッ!?」
響 「スペシャルってことで、師匠もめっちゃ張り切ってました!」
クリス 「…なんか勝手にスペシャルとかほざいてるけどな、あたしはなーんも自前の企画なんて用意してきてねーぞ」
響 「ふっふっふ、こんなこともあろうかとわたしがめちゃくちゃ楽しいコーナーを企画してきたよ! こんなこともあろうかと!」
クリス 「嘘つけ! やる気満々じゃねーか!」
響 「まあまあ。この場合、準備してなかったクリスちゃんも悪いってことで」
クリス 「ぐッ…そういわれると返しづらい…ッ!」
響 「わたしが企画したのはズバリこれですッ! 『物真似アテレコクイズ』~ッ!」
クリス 「企画の是非はともかく、なんか色々と盛りすぎてねえか?」
響 「このラジオを聞いているみなさん! 実は、クリスちゃんはとーっても声真似が上手なんですよッ!」
クリス 「おいこら、なに勝手なこと抜かしてやがるッ!?」
響 「え~、この間のエルフナインちゃんの声なんかすっごい好評だったじゃん」
クリス 「い、いや、まあ、あれは…」
響 「というわけで! ただの声真似だけじゃ面白くない! わたしが今からある人物の物真似をしますので、それをクリスちゃんが声を真似てアテレコし、わたしが誰の真似をしているのか当ててもらいたいと思いま~すッ!」
クリス 「いまさら指摘するのも疲れたんだけど、ラジオじゃおまえが誰の物真似してるか見えねーしわからねーぞ」
響 「それはクリスちゃんの実況でカバーをお願いしますッ」
クリス 「やっぱりな…」
響 「それじゃあ第一問、行きますよッ!?」
クリス 「こうなりゃヤケだ! なんでも来やがれッ!」
響 「…………」
クリス 「あ、ああ。おまえが喋っちゃ台無しだよな。えーと…なんだ、その長い棒の先端にバナナをつけたやつは? それをくるくる回して…ああ、だいたい分かった」
響 「では、答えを声真似でどうぞッ!」
クリス 「『…デスデスデスぅッ』」
響 「はい正解! 答えはイガリマをもった切歌ちゃんでした~ッ!」
クリス 「………」
響 「クリスちゃん、すっごいそっくりだったよ~! あれ? なんで黙っているの?」
クリス 「恥ずかしいんだよ! 察しろこのバカッ!」
響 「では、続いて第二問! これは誰の真似でしょうかッ!」
クリス 「…くッ! 両手にお盆を持ってからの…イナバウアー? って腰がグキッていったぞいま!?」
響 「つつつ…ッ、こ、答えをどうぞ」
クリス 「『…それこそが、偽善』」
響 「ピンポンピンポン! 大正解~ッ! シュルシャガナを振り回す調ちゃんでした~ッ!」
クリス 「おまえバカだけど身体を張った努力くらいは認めてやるわ」
響 「では第三問。これはどうですかッ!?」
クリス 「白衣にベルトして…なんだよ、その右手にはめたパペットのぬいぐるみは? 雑すぎるだろッ!」
響 「さあさ、答えは!?」
クリス 「『僕は英雄になるッ!』」
響 「正解! ウェル博士でしたッ! 凄いよクリスちゃん! 今のは完全に男の人の声だったよ、どうやったのッ!?」
クリス 「…うるせぇ! させておいてそこは聞くなッ!」
響 「ではいよいよ最終問題。これは誰の真似でしょうか!」
クリス 「なんか黒いローブみたいなものを羽織って…誰だよ、わっかんねーぞ」
響 「じゃあ大ヒント! これは修道服みたいな感じです」
クリス 「修道服~? これまた大雑把すぎてマジでわかんねーな…」
響 「もう! クリスちゃん! これはナスターシャ教授の真似だよ!」
クリス 「ああ、ナスターシャ教授かッ! …って、あたしはあの人とほとんど絡んでないから声真似なんてできねーぞ?」
響 「あれ? そーだっけ?」
クリス 「おい、どう落とすんだよ、これ」
響 「…………」
クリス 「…………」
響 「………こ、困った時のスペイン宗教裁判~♪」
クリス 「ぶふぅッ!? お、おまえ本当に幾つなんだッ!?」
響 「このネタに反応できるクリスちゃんも大概だと思うけどなー…。ともかく、気を取り直して、質問コーナーへ行きましょうッ!」
クリス 「こいつ、無理やりオチつけやがった」
響 「えーと、
クリス 「あー、その話か…」
響 「あれ? もしかして答えづらかったりする?」
クリス 「いや…。そうだな、これもいい機会かも知れないな。その質問の答えはちーっとばっかり長くなるけど、構わないか?」
響 「う、うん」
クリス 「ここS.O.N.G.で働いている人は、二課から出向している人がほとんどだと思う。だから、昔、あたしがフィーネとつるんであんたらと敵対していたことは知っているはずだ」
クリス 「けどよ、何回も失敗したおかげで、フィーネからも見限られちまってなー。結果として一文無しで放りだされちまってさ。あれは辛かったぜ」
クリス 「頼れる人間も安全に寛げる場所もない。おまけにじくじくと嫌に骨身に沁みる雨まで降ってきやがる。廃棄されたマンションの一室で、飲まず食わずで膝を抱えて一人震えるしかなかった」
クリス 「そこに―――いきなりおっさんはやってきたんだ。まるで自宅に帰ってくるみたいな気軽さで、正直ぎょっとしたさ。そんで「差し入れだ」って食い物を渡されたけど、あたしは素直に受け取れなかった。当時のあたしは、大人ってやつをまるで信用できなかったんだよ」
クリス 「するとおっさんは、持っていたパンを一口齧り、牛乳パックも一口飲んでから手渡してくれた。毒なんか入ってないって身を持って証明してくれたんだな。あの時ひったくるようにして貪ったあんぱんと牛乳は、とんでもなく美味かったよ」
クリス 「だから、その時からあんぱんと牛乳はあたしの好物になったんだ。言うなれば、初めて大人ってやつを信用してみようかな、って思った味なんだ」
響 「クリスちゃん…」
クリス 「おっと、長々と悪かったな」
響 「ううん、それはいいけど。そんなお話して大丈夫だったの?」
クリス 「構わないさ。みんなに聞いてもらいたかったんだ。あたしなりのケジメってヤツかな」
響 「そうじゃなくて、師匠と間接キスしたことだよ」
クリス 「………は?」
響 「だって、師匠の齧ったパンと口をつけた牛乳を飲んだんでしょ? それって間接キスじゃん」
クリス 「…止めろッ! 誰かこのラジオの収録を止めてくれ! そしてカットだ! 編集してあたしの話の替わりに羅刹インストールを…!」
響 「これって生放送だってば」
クリス 「…………う」
響 「う?」
クリス 「うわああああああああああああああああああああああんッッ!」
ガチャガチャバタンッ!
響 「…えーと、クリスちゃんが逃げっていっちゃったんだけど、どうしたらいいのかな?」
響 「ま、いないなら仕方ないよねッ! では、締める前にお知らせです。わたしたちがお送りした装者RADIOは、S.O.N.G.職員専用のサーバーに順次アーカイブされていきます。これで、いつでも好きな時に自由に聴き直すことが出来ますねッ!」
響 「第三回S.O.N.G.内シンフォギア装者RADIOはこれでおしまいですッ! みなさん、クリスちゃんを見かけたらそっとしておいてあげて下さいねッ! ではまた~!」
番組ED 勝手にしやがれ Vocal:雪音クリス