こちらS.O.N.G.内シンフォギア装者RADIO!!   作:とりなんこつ

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リアル頭身ではなく、絶唱しないのデフォルメ頭身でのやりとりだと思って読んで頂けると、より楽しめるかもデス。






第五回 マリア&クリス

クリス 「神は死んだッ!」

 

マリア 「…まあ、あの子がぶん殴っちゃったわね」

 

クリス 「いや、そっちの神じゃなくて、いやあれも神か。…ともかく、あたしが言いたいのは、世の中には神も仏もいねえ! って慣用句だッ!」

 

マリア 「まだ例の件を引きずっているワケ? それであの子にケーキを送りつけたのは良く分からないんだけど?」

 

クリス 「特製の茗荷入りのケーキさ。あれだけしこたま食ったクセに、記憶が飛ぶどころかただ腹下しただけだと、あのバカ!」

 

マリア 「茗荷を食べると物忘れがひどくなるんだっけ? お釈迦さまの弟子の逸話なんて、日本人でもろくろく知らないわよ」

 

クリス 「ぐ…ッ」

 

マリア 「苦しい時の神頼みってことなんでしょうけど、先だってのラジオを聴いたリスナー全員に茗荷を食べてもらうわけにはいかないでしょう?」

 

クリス 「くそ…ッ! あたしが一生背負っていかなきゃならない十字架がもう一つ増えた…ッ」

 

マリア 「はあ…。キスの一つや二つで飛んだカマトトだこと」

 

クリス 「…もうなんとでも言いやがれッ」

 

マリア 「あなたは反応がいちいち大袈裟なのよ。欧米じゃ、キスなんて挨拶替わりよ?」

 

クリス 「けど、ここは日本だろうがッ!」

 

マリア 「まあまあ。今日はそこらへんをレクチャーしてあげるから。これを聞けば、あなたもそんなに自分を卑下する必要もなくなるかもね」

 

クリス 「…ほ、本当かッ!?」

 

マリア 「多分ね。…司令、一つ貸しにしとくわ(ボソッ)」

 

クリス 「いま何かいったか?」

 

マリア 「いいえ。とにかく第五回S.O.N.G.内シンフォギア装者ラジオ始めるわ。最高のステージの幕を上げましょう!」

 

 

 

 

 

 

番組OP とどけ! happy♡うたずきん!

 

 

 

 

 

クリス 「あ、ありのままに起こったことを話すぜッ。『ラジオへの出演を断ろうと思って来たら、気が付いたらスタジオの席に座ってラジオ放送が始まっていた』なにをいっているか分かんねーと思うが」

 

マリア 「はいはい、言っていることは分かるから狼狽えない狼狽えない」

 

クリス 「別に狼狽えちゃいないけどさ…」

 

マリア 「ああ、涙目の上目使い。本当にあざと可愛いわねえ」

 

クリス 「あざと可愛いとかいうなッ」

 

マリア 「そうやって目をぐしぐしと拭う仕草も可愛いって、もう反則よね、この子は」

 

クリス 「知らねえよッ、自分じゃわかんねえよ、そんなのッ」

 

マリア 「そう、そこよ。あなたは自分でも自覚ないから、そんなところを弄られるワケ。まあ、愛されキャラの宿命よね」

 

クリス 「ぐッ! あたしが愛されキャラなわけが」

 

マリア 「はいストップ。これ以上は会話が無限ループだわ。いい? とにかくあなたは弄られやすい。そのことを自覚しなさい」

 

クリス 「分かったよ。あたしが弄られキャラだってのは薄々気づいてたし…」

 

マリア 「その上で、なぜ弄られやすいのか考えたことはある?」

 

クリス 「そこは…わっかんねぇんだよなー」

 

マリア 「あなたは普段、つんけんして泰然自若を装ってるクセに、弄られると激しく狼狽えたり初心(うぶ)な反応を返してくるじゃない? みんな、その落差が楽しいのよ。いわゆるギャップ萌えってやつ?」

 

クリス 「う…ッ。でも、あたしにはそんなのどうしようもないし」

 

マリア 「ええ、別にそこを無理に矯正する必要はないと思うわ。それでこそのあなたなんだから」

 

クリス 「そ、そうか。あたしはこのままでいいんだ…」

 

マリア 「…変に矯正したら、一部のコアファンから呪われそうだしね(ボソッ)」

 

クリス 「ん? いま何かいったか?」

 

マリア 「いいえ? とりあえずもう一回話を戻すけど、キスなんて欧米では挨拶替わりよ。これはOK?」

 

クリス 「で、でも、キスって好きな人に…」

 

マリア 「それも間違いではないけど、フランスなんかでは信愛の表現。家族同士で唇でキスを交わし合うなんてごく普通の光景よ?」

 

クリス 「か、家族で? 唇でッ!?」

 

マリア 「フィンランドやイラクの部族間なんかでは、男同士でも挨拶替わりに頬にキス、唇にもキスするらしいわよ」

 

クリス 「お、男同士でかよッ!?」

 

マリア 「そしてあなたは日本人とのハーフ。 欧米の血が半分流れているんだから、キスごときで動揺するのはおかしくない?」

 

クリス 「で、でも、ここは日本で…」

 

マリア 「…はあ。あのね、唇同士でしたわけでもない間接キスでしょ? 今時、そんなので動揺するなんて小学生レベルよ!」

 

クリス 「しょ、小学生レベルだとッ!?」

 

マリア 「初心なネンネじゃあるまいし、その程度で動揺するから、みんなもっと弄りたくなっちゃうわけ。堂々とさえしていれば、誰もそれ以上踏み込んでこないのにね」

 

クリス 「…そういうものなのか」

 

マリア 「そういうものよ。…そもそもあなた、誰かと実際にキスしたことあるの?」

 

クリス 「そ、そんなのラジオ放送でいえるかッ! ノーコメントだッ!」

 

マリア 「その反応だけで十分な答えになっているんだけど?」

 

クリス 「~~~ッ!!」

 

マリア 「うふふ、本当にいいキャラしているわあなたは。ところで、こんなのは知っている?」

 

クリス 「なんだこれ? …さくらんぼだな」

 

マリア 「これの実じゃなくて、軸を口に入れて、こうして、ンクンクっと」

 

クリス 「…さくらんぼの軸が蝶結びになってやがるッ!? いったいどうやったんだ!?」

 

マリア 「ほら、あなたもやってみたら?」

 

クリス 「…むぐむぐ……ペッ。ダメだ、いくらやっても結び目すら作れねえッ!?」

 

マリア 「これが出来る人はキスが上手って言われているわ。俗説だけどね」

 

クリス 「へえ、そうなのか…。ところで、なんでこれが出来るとキスが上手なんだ?」

 

マリア 「…え?」

 

クリス 「だって、キスってのは、く、唇と唇をくっつけるだけだろ? そこで何が上手下手に繋がるんだよ?」

 

マリア 「………本気でいっているの?」

 

クリス 「?」

 

マリア 「あー、えーと、それは…」

 

クリス 「それは?」

 

マリア 「く、詳しいことは『剣』に訊きなさい!!」

 

クリス 「はあ!? なんで先輩に!?」

 

マリア 「なんだかんだいってもわたしは施設暮らしの世間知らず。その点翼は、生き馬の目を抜く芸能界を長いキャリアで泳いでいる女。俗説のことはわたしよりよっぽど詳しいはずよ」

 

クリス 「…なるほど、そういうものなのかも」

 

マリア 「そうよ、ええ、きっと、多分、メイビー」

 

クリス 「わかった、今度訊いてみるわ」

 

マリア 「出来るなら、二人きりでこっそりと訊いてあげてね?」

 

クリス 「わーってるよ、こ、こんな小ッ恥ずかしいこと」

 

マリア 「なら、とりあえず良しッ。わたしのコーナーは終了して、質問コーナーにいってちょうだい」

 

クリス 「あ、ああ。えーと、RN(ラジオネーム)「ちょっとMIB辞めてきた」さんからです。『初めまして、デビューしたころからのマリアさんのファンです』だってよ」

 

マリア 「うふ、ありがとう」

 

クリス 「『ビルボードチャートを席巻したこともあるマリアさんは、言い寄ってくるセレブと様々な浮名を流したと噂されていますが、実際のところの凄いエピソードとかあったら教えてください』…って、いいのか、この質問?」

 

マリア 「大丈夫でしょう、これはローカル番組だし。いまさら外のマスコミに流す職員さんもいないでしょうしね」

 

クリス 「ならいいけどさ…」

 

マリア 「そうね、言い寄られた中で一番のお金持ちは、オイルダラーの人だったかしら? 本当にとんでもない大金持ち。地中海クルージングに誘われたんだけど、S.O.N.G.本部の船くらいある大きな豪華客船だったわ。それこそ、甲板に波が起きるプールとヘリポートとかまであったくらい」

 

クリス 「マ、マジか…!?」

 

マリア 「でね、その客船を『君のために買ったんだ。一週間くらいのんびりとクルージングしよう』って言われたの。これで断れると思う?」

 

クリス 「いや、普通無理だろッ。で、やっぱり行ったのかッ? それともまさか断ったのか?」

 

マリア 「…思い出すわ。地中海の輝かしい太陽。紺碧の澄み切った空。サングラスをかけて、バカラのグラス片手にデッキチェアで風を感じるわたし…」

 

クリス 「よく分かんないけど、なんか凄そうだな…」

 

マリア 「そして、波の起きるプールではしゃぐ調と切歌…」

 

クリス 「うん…うん?」

 

マリア 「けれど、次の日の朝には近くの港へ降ろされたの。『一週間くらいのんびりと』とか言っていたくせに。信じられる?」

 

クリス 「あたしは信じられるかも知れない」

 

マリア 「全然見たこともない港で、着の身着のままで途方にくれたわ。おまけにマムはまだ船に乗ったままだし」

 

クリス 「ナスターシャ教授まで連れていったのかよッ!?」 

 

マリア 「まったく、金持ちのクセに器の小さな男だったわよ。これがわたしが会った中で、一番凄くて不愉快な話かしら?」

 

クリス 「相手の男の器が小さいとかどうとかより、アンタらの常識がなかっただけじゃねえのか…?」

 

マリア 「金持ちだったら同伴者の一人や二人増えた程度で狼狽えるなッ!」

 

クリス 「うん。アンタが良いお母さんキャラだってのはよーっく分かったよ」

 

マリア 「って、もう時間なの? 名残惜しいけど、仕方ないわね」

 

クリス 「…ふぃ~。なんか色々と濃かったぜ、今回は」

 

マリア 「とにかく、あなたはいちいち動揺しないの。動揺すればするほど、自分でも恥ずかしくなるんだから」

 

クリス 「う、うん。色々とサンキューな」

 

マリア 「というわけで、さっそく司令に熱ーいキスでもしてきなさいな」

 

クリス 「だからなんでそーなるッ!?」

 

マリア 「ほら、簡単に動揺する」

 

クリス 「く、くそッ。人のこと手のひらで転がしやがって…」

 

マリア 「はい可愛い可愛い。ともあれ、第五回S.O.N.G.内シンフォギア装者RADIOもこれにて終幕よ。それでは次回の放送も、ついてこれるやつだけついてこいッ!」

 

 

 

 

クリス 「…ところで、船に取り残されたナスターシャ教授はどうしたんだ?」

 

マリア 「自力で泳いで戻ってきたわよ? バタフライで」

 

クリス 「マジかよッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

番組ED 初めてのチュウ Vocal:マリア・カデンツァヴナ・イヴ

 

 

 

 

 

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