オリ主がGS世界で色々変えようと奮闘するお話   作:ミニパノ

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ちょっち短いですがタイガー登場回です。タイガーの口調難しい……。
※今回シュウがいつも以上に壊れます。

コメント付き評価頂いた方々ありがとうございます。
感想と違ってお礼を言う場所が無いのでこの場所で失礼します。


12:トラ・虎・とら

「今日は転校生を紹介するぞー」

 

「女の子か?!女の子だな?!」

 

「横島くんはいつもそれね」

 

先生の言葉を聞いてすぐに身を乗り出して叫び始める横島。

朝っぱらから元気だなオイ。

愛子も呆れてるぞ。この子はこの子でだいぶクラスに馴染んだよなぁ。

 

「おい、入ってきていいぞ」

 

「はい」

 

横島を無視した先生の手招きで教室に入ってきたのは。

 

「く、クラスの半分がおなご……?!」

 

2メートル超えの巨漢だった。

タイガーかぁ。で、でけぇなぁ……。

 

 

 

 

あの後女性恐怖症のタイガー寅吉は教室の扉を破壊しながら走って逃げていった。

そして連れ戻す様に言われたのが、俺と横島だったわけで。

 

「へー、じゃあお前エミさんの助手なのか」

 

「そうジャケン、聞けばお二人もゴーストスイーパーの助手、仲良ぉしてツカサイ」

 

「おぅ、お前モテそうに無いから仲間な」

 

「お前の基準ってそこしかないの?」

 

校舎裏でエミさんの写真を持ってブツブツ言っていたタイガーと俺達は、ゴーストスイーパーの助手という共通点もあってすぐに仲良くなった。

と言っても、今回エミさんが美神さんにまた勝負を仕掛けてくるんだよなぁ。

しかもコイツはその切り札、のハズなんだけどなぁ。

ちょっと探ってみるか。

 

「タイガーって、エミさんと美神さんが対立してるのは知ってるんだろ?」

 

「そうジャノー、話は良く聞かされとるケエ知っとるが。お二人と友達になれたし、出来れば仲良ぉして欲しいんジャが」

 

「確かになぁ。あの二人、どっちも一流なんだから協力したら凄いお金生み出しそうだよな。二人とも美人だし、ええ身体しとるし」

 

「後半はともかく前半は同意するよ」

 

本当、あれでいがみ合ってなければ凄いパートナーになると思うんだけどな。

 

 

 

「それにしても驚いたノー、シュウさんは飛び級ジャと思っとったケン」

 

「れっきとした17歳です」

 

多分。

いや、こないだのこと考えると肉体年齢自体が子供の可能性高いから、これ年齢詐称になるのかな?

 

「お前らこうやって並んで見ると絶対に同い年には見えんぞ」

 

「だろうな。俺は言わずもがな、タイガーもだいぶ一般男児からはかけ離れてる体格だよなぁ」

 

「クラスの奴らお前のこと妖怪だと勘違いしとるぞ」

 

横島の言葉を聞いて改めて見る。

横島も結構身長高いはずだが、それより遥かに高い。

身体の大きさも相まって、同じ人類とは思えんな。

 

「まぁこの見た目ジャケン、慣れとります」

 

「お互い苦労するな」

 

でもコイツ彼女出来るんだよなぁ。

まぁ話してみた感じ、性格はかなり良さそうだし、納得は出来るけど。

 

 

 

 

「げ」

 

「あ、エミさん」

 

3人で授業そっちのけでたむろしてたら突然エミさんが現れた。

恐らくタイガーに用事だろう。

それにしても出会い頭にご挨拶だなぁ。

 

「な、なんでオタク達がここにいるワケ?!」

 

まぁ敵の助手と自分の助手が仲良さそうに雑談してたら焦るよなぁ。

タイガーのことは秘密にしたいだろうし。

 

「いや俺らもここの高校通ってますし、タイガーは俺らと同じクラスになったところですよ。というかむしろエミさんが居るほうがおかしいですからね?」

 

「お、同じクラス……そ、その話令子には?」

 

「まだっすね」

 

横島の返答にエミさんの目が光る。

あ、これはアカン流れ。

そういえば横島この流れで捕まってたよな。

 

「タイガーは対令子用の秘密兵器なワケ。おたくたちは見てはいけないものを見たワケ」

 

「「秘密兵器を同じ学校にいれんじゃねー!」」

 

「タイガー、二人を拘束しなさい」

 

俺たちのツッコミもどこ吹く風、淡々とタイガーに捕獲を指示するエミさん。

 

「な、何故ですエミさん、お二人はわっしの友達なのに……!」

 

そんなことを言いながらもテキパキと横島を縄で縛り付けているタイガー。

言ってることとやってることがおかしいだろ。エミさんに対しては条件反射で動いてるのかこいつ?

 

「しっかり縛り上げとるじゃないかー!お前なんか友達じゃないわい!!」

 

そしてそのまま今度は俺の元へ巨体が迫ってくる。

当然捕まってやるつもりは無いのでタイガーの腕を掻い潜り、足元から後ろへ回り込む。

 

「チッ、シュウを捕まえるのは難しいワケ。タイガー、やるわよ!」

 

「えぇ?!ここ学校ですよ?!」

 

「シュウ相手には使うしか無いワケ!!」

 

え?何やるつもり?

エミさんが笛を出して、タイガーが虎に……ってまずい!!

 

 

 

 

 

 

<横島視点>

 

「はぁ、なんとかなったワケ」

 

ため息をついて笛を下ろすエミさん。

タイガーは状況について行けていないらしく、シュウを心配そうに見ている。

 

「こ、ここまでする必要があったんですかいノー」

 

「シュウはね、おたくでも抑えられないパワーととんでもないスピードを持ってるのよ」

 

「えぇ?!ぱ、パワーもですカイノー?!」

 

「そうよ。でも霊力が皆無だからね。この手に限るワケ」

 

やれやれ、とタイガーへの説明を切り上げてシュウを改めて見るエミさん。

その目には少しの罪悪感と憐れみが含まれていた。

 

 

 

 

「え?小竜姫様?なんでここに?えぇ?!いやいや、俺じゃないですよ?違いますって!いくら俺が甘いもの好きだからって、小竜姫様が取っておいたショートケーキに手を付けるわけないじゃないですか!!目怖っ!や、やめてください!!怖いですって!ちょ、霊力まで出してほ、本気じゃないですか!修行?!嘘だ!絶対私怨だ!訴えるよ!そして勝つよ!……い、いやだ!どこにつれてくの?!くらいよせまいよこわいよー!ぼ、ぼくじゃない!ぼくじゃないのにぃー!!びえぇぇぇぇぇぇん!!」

 

そう、シュウはタイガーの精神攻撃を受けて幻覚を見せられていた。

 

「な、なんか幼児退行してません?」

 

縛られた状態で、同情しながらシュウに目を向けてエミさんに問う。

問われたエミさんも目を逸らしながら額に汗を貼り付けてどこか誤魔化すように答える。

 

「た、多分精神汚染が予定より効きすぎているのね。令子のやつ、霊的防御は教えてないのかしら」

 

「し、しかしこれは……」

 

タイガーが改めてシュウを見るが……。

 

「やだー!こわいよー!!美神さーん!おキヌちゃーん!よこちまー!」

 

完全に肉体に精神が引っ張られているようにしか見えないなこれ。

ある意味見た目通りの反応に見えなくも無いけどな。

って誰がよこちまだコラ。

 

「ま、シュウの名誉のためにも無かったことにしてあげて、忘れてあげた方が良さそうね」

 

「と言いつつなんで録画してるのでせう……」

 

「え?いやこういうの好きなお姉さま方って結構いそうじゃない?何かあった時のシュウへの切り札なワケ」

 

俺のツッコミを受けて、むしろ開き直ったかのような説明をしながら、シュウの痴態をビデオカメラに収めるエミさんだった。

 

 

 

 

 

 

<シュウ目線>

 

「……………………ころして」

 

「だ、大丈夫だって、ほら、俺なんて縛られてるのにこんなに元気!!」

 

「わっしらは何も見んかったケエ!何もなかったケン!」

 

縛られたままガッチャンガッチャンと腕を振る横島に、何故か必死に俺のフォローをしようとするタイガーを見てため息を吐く。

あの痴態は無いだろうよ……。

 

「しっかしエミさんもエゲツないよなぁ。シュウが邪魔しに来ない様にってのは理解できるけど、まっさかあの映像を見せて心を折りに来るとは……。流石は美神さんのライバル、俺でもあそこまでエグいことは出来んぞ」

 

体育座りした足の間に頭を押し付ける。

……なんも考えたくない……。

 

「さてタイガー!行くわよ!今度こそ令子のGS生命もおしまいよ!」

 

これからエミさんは美神さんのところに対決に行くようだ。

何でこの人こんなに元気なの?

……なんも考えたくない……。

あ、出て行った。

 

「お、おい!今回はマジで美神さんヤバいんじゃないか?!」

「うん」

「いや、うんじゃなく。助けに行かないと!」

「うん……。いってきて……。」

「あかん、コイツまだ若干幼児退行したまんまや……!」

「だ、誰が幼児じゃー!!はっ、俺は何を……!」

 

横島のいらん言葉でかろうじて意識を取り戻す。

そうだった、今回は横島が助けに行かないと本当に美神さん大ピンチなんだった!

 

「よ、よし、俺の拘束を解いてく」

「どっせーい」ぶちぶち

「あ、何でも無いです」

 

いやほどくより引きちぎる方が早いやん。

ただ……。

 

「行け横島!俺は限界だ!」

「なんでじゃー!!俺だけに行かせようったってそうは……!」

「いや、心を誤魔化すのが……」

 

言いながら膝をつく。

いや無理だって……。あの映像、よりによってエミさんに握られているんだぞ?

考えないようにしても、先程の映像を思い出してしまう。

……死にたい。

なんだよ、よこちまって、パピリオかよ。

 

「あー……、行ってくるわ」

「うん……、行ってらっしゃい」

 

そこからの記憶はない。

気付いたらアパートの自分の部屋で寝てた。

 

その後聞いた話では、一応美神さんはエミさんに勝ったらしい。

正確には勝負に勝ったけど、エミさんのターゲットだったヤクザがよほど怖い目にあったのか自首してしまったので、依頼としては達成、エミさんの勝ちだとか。

あれ?でも美神さんもヤクザからの依頼料自体は貰ってるらしいから引き分けかな?

 

ちなみに、横島が気を使ったのか、美神さんやおキヌちゃんは俺たちが捕まった時の詳細は知らなかった。

横島には感謝だ。

 

つまり、あの黒歴史を知っているのは、エミさん、タイガー、横島の3人だけとなる。

ということはあの3人を消せば……ゲフンゲフン、いかんいかん、思考が危ない方面に堕ちるところだった。

 

…………うん、忘れよう!

無かったことにしよう!

目を逸らしておけば何も起きないさ!

 

とにかく美神さんが無事で良かった良かった!

それにタイガーとの関係も良好に築けたし!

同じクラスにGS助手仲間が増えたし!

良いことしか無いな!最近!!」

 

「シュウ、隣まで聞こえとるぞ。というか途中から口に出てる」

 

「げ、横島いつのまに!」

 

「お前が現実逃避始めたくらいかな。鍵空いてたぞ」

 

「……き、気をつけます」

 

「おう」

 

横島は自分の部屋に戻っていった。

思考を途中から口に出すとか、本当に横島の影響受けすぎだなぁ。

……マジで気をつけよう。

この癖は身を滅ぼしそうだ。

 

そういえば、ピートがそろそろGS試験受けるとか言ってたな。

ということは、そろそろ、その時期なのか。また大きな踏ん張りどころだ。

そしてずっと考えていた俺が変えたいことの1つ目がようやく。

気を引き締め直さないとな。

 




やり過ぎた感。



全然関係ないですが、原作小竜姫様が天龍相手に「ダメといったら…ダメでございます!」と言った時の迫力、実際に見たらどれほどの威力なんでしょうね。
少なくとも身体は硬直しそうですが。

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