こんなご時世ですが少しでも楽しんでいただける方がいるといいなと思い、続きを投稿させていただきます。
といっても、またちょっとした話を挟んでおりますのであまり話は進んでませんが。。。
書くたびに書き方忘れてる気がしますが「元々大した文章書けてないので大丈夫」と無理やり納得することにしました(苦笑)
そろそろ話を進めていこうと思いますが、もう一話メインじゃない話を挟むと思います。
「修行……ですか?」
「そうなの~ウチのコが~式神に頼りすぎだから~、式神を貸し出す代わりにお二人をお借りしたのよ~」
六道家の当主が、泣き顔の冥子さんの横で俺と横島に説明してくれた内容は、俺達が何故六道家に呼び出されたかを理解するには十分な内容だった。
本来タイガーと横島が担当するはずだった、冥子さんとチームを組んで修行する話が俺と横島の二人に変わるとは。
美神さんはまぁ式神12枚も借りれるなら二つ返事だったんだろうな。
「令子さんからも~二人の修行になるから是非って~」
意外にも俺と横島のことも思ってくれていたらしい。
「そういえばお前最近結構霊力使って戦えてるよな。実際どれくらいできるんだっけ?」
「使ってるって言ってもうっすら霊力載せて殴る蹴るする程度だぞ。それもずっと出来るわけじゃないし、ちゃんと霊力放射したら3秒がせいぜいだわ」
「へー、1秒伸びてるじゃねーか」
「そういうお前だって霊波刀もサイキックソーサも自由自在に使えてるじゃないか。最近美神さんから1人での依頼任されたりしてるんだろ?」
「まぁまだまだ先輩として負けるわけにはいかねーからなー」
カラカラと笑いながら俺の頭を撫でる横島。
くそぅ、いい加減子供扱いやめろってーの。
「冥子、いつまで泣いてるんですか~。早速二人と一緒に依頼に行ってきなさい~」
「だってだって~、私~、式神がいないと~」
「いいから~、さっさと~行ってきなさい~!!」
「きゃ~!!」
横島が原作よりかなり強くなってる気がするからあまり心配することないとは思うけど、
実際冥子さんは本当に大丈夫なんだろうか。
当主に追い出されるように依頼場所に向かう冥子さんを見てため息一つついてしまうのだった。
ちなみに、影に入ってくれと言われたが丁重にお断りした。
「で、実際俺達はどこまでやればいいですか?」
「え~?全部倒してくれちゃって大丈夫よ~」
「それじゃアンタの修行にならんでしょーが!」
冥子さんのすっとぼけた回答に横島がツッコミを入れる。
俺達は依頼書に記載されていた、所謂幽霊トンネルと呼ばれているトンネルを歩いていた。
3人とも懐中電灯持参である。
「とりあえず今回の依頼の内容を」
「えっと~、このトンネルに悪霊が~3体いるって話よ~」
「ちょうどいいじゃないですか、じゃあ1人1体倒すってことで」
「そうね~、じゃあこういうのは最後に怖いのが出てきそうだから~、私は最初にいかせてもらうわね~」
「アンタ本当にプロか?!」
……まぁいいか、正直俺も横島も普通に除霊できる程度にはなってるし。
横島と冥子さんの漫才を横目に先を懐中電灯で照らす。特に異常はなし。
俺は御札が必要だけど、今回は六道家が全部お金出してくれる事になってるから一応使い放題だし、どうとでもなるか。
『せっかくの機会だから御札は切り札にしてなるべく自身の霊力で倒すんだな』
「そうだねぇ、そろそろそれくらい出来ないとな」
確かに良い機会だからなるべく道具は使わないようにしようか。
実際横島は出来てるわけだし。
『来たぞ冥子殿』
「え?」
心眼が言った瞬間、目の前に雑魚霊が1体飛び出してきた。
「き、きゃー!きゃー!きゃー!」
「め、冥子さん、あれただの雑魚霊ですよ?!」
一瞬でパニックになる冥子さん、式神は居ないが霊力の放出が雑魚霊を襲う。
当然のように一瞬で蒸発する雑魚霊。
いや本当にバケモンみたいな霊力量だな。羨ましい。
「へ?や、やった?わたし~、式神無しで悪霊をやっつけたのね~?」
「いや、まぁ、はい……」
実際間違いではないな。
本人が満足そうだから良いか。
「んじゃ次はシュウが行くか?」
「ほんと最近余裕だな横島、良いよ先いけよ」
「そうか?わかった」
『……本当に横島は成長したな』
心眼の感慨深そうな声が響く。
いやいや、心眼さんまだまだこの男強くなって成長するんですよ。
「ピンチになったらいつでも助けろよ?!」
『……はぁ。……横島、出番だぞ』
横島の残念なお言葉にため息を付きつつも周りの警戒をしていた心眼からの注意が飛ぶ。
すると、先程の雑魚霊よりは強そうな人型タイプの悪霊が飛びかかってきた。
「どっせーい!」
いきなり飛び込んできた悪霊の横っ腹に霊波のこもった蹴りをあわせる横島。
それを食らって叩き落された悪霊に向かってハンズオブグローリーを伸ばして追撃。
串刺しになった悪霊を釣り上げるようにハンズオブグローリーで遠くに投げる。
「とどめじゃー!」
ある程度距離が離れた悪霊にサイキックソーサーを投げつける横島。
投げられたそれはきれいにコントロールされ、悪霊に吸い込まれるように命中。
悪霊を消し飛ばす程度の爆発が起きた。
大爆発を起こしてないあたり、込めた霊力量もコントロール出来ているらしい。
「……強くなりすぎじゃね?」
「はーっはっはっは、どうじゃ!お前ばっかりええカッコはさせんぞ!」
ガッツポーズをとって高笑いする横島。
まさかここまで強くなってるとは思わなかった。
今すぐ独立してもトンデモ難易度の依頼とかじゃなければ普通に営業できるプロGSレベルじゃないのかこれは。
『シュウ、霊力を乗せて攻撃出来るようになって少し油断してたな?』
「……ちょっと」
心眼に痛いところを突かれる。
やっぱまだまだ強くならないとな。
「すご~い、横島君~もうすぐにでもプロのGS出来るわよ~」
「冥子さんが俺を褒めてくれた?!これはもう愛の告白と受け取っても「良くねぇよ」アダダダダダ!!」
冥子さんに飛びかかろうとする横島の顔面を掴んで『ちょっと』握る。
「割れる!俺の頭が割れるからやめろシュウ!グロい感じになる!」
「大丈夫だ、そんなに簡単に人の頭は割れないよ」
「お前が言っても説得力がねぇよゴリぎゃー!!痛い痛い痛い!」
誰がゴリラだ全く。
『シュウ。お主の担当、思ったより強そうだぞ』
「なぬ?」
心眼の言葉を聞いて横島の顔から手を離して振り返ると、そこには女性の姿をした幽霊が立っていた。
……え、なにそれ怖いやん……。
ただでさえ暗いトンネルで怖いのを騒いで誤魔化してたのに。
『見た目もお前にとっては脅威かもしれんが、アレはそれ以前に強いぞ』
「マジかよ、マジで最初から順番に強いのが出てくるとかどういうことなの」
「えっへん」
「褒めてませんよ冥子さん」
下を向いたままブツブツとなにかを呟いていた女性の幽霊がこっちを見る。
瞬間、俺の右下に幽霊が移動していた。
俺を下から笑いながら見上げる霊。こわい。
既に向こうもやる気なのか手をつかもうとしてきている。
ほぼ反射で反応して少しだけ霊力を足に纏わせて蹴り上げる。
『はやい……?!』
いや、早いとかじゃない、多分瞬間移動的なあれだ。
まともに食らってくれたものの、案の定霊力が足りなかったのか空中で回転して着地する霊。
「め、めめめ冥子さん!思ったよりやばいっすよ!全員でやったほうが」
「そ、そうね~、そうしたほうが良さそう~」
横島の狼狽える声を聞いて流石にプロだということか、すぐに気持ちを入れ替えてキンッという音を立てて神通棍を構える冥子さん。使えたんですね。でも涙目なのは仕方ないんですかね。
『横島、シュウにあれを』
「おぉ!そっか、今こそってやつだな!」
「は?」
心眼の突然の言葉にポンと手を打って懐をあさる横島。
「受け取れシュウ!ピンチに登場新アイテムだ!」
「は?」
横島が投げてきたものをキャッチする。
……メリケンサック?
『それならお前が拳に霊力を乗せるよりは霊力を込めた攻撃ができるはずだ』
「え、なにこれ」
『神通ナックル、今説明したとおりだ。物理的ダメージを霊力に変換できるアイテムらしい。
ただ変換率が悪すぎて、ちょっと霊力を乗せるだけでもとんでもない物理エネルギーが必要とかで使えるものが居なかったらしい。
それでお主が本気で殴れば多少なりとも霊力が生み出せるはずだ』
え、なんでそんなもんを横島が持ってて今になって渡してくるの?
『折角のサプライズプレゼントだし、渡すタイミング考えるわ、と横島が言ってからそのタイミングが全然来なかっただけだ』
「えー……」
まぁいいや、幽霊も気を使ってるのかちょっと待ってくれてるし、使ってみるか。
貰ったメリケンサックを握って構える。
構えた瞬間、また幽霊が消える。今度は後ろらしい。
振り返りながらメリケンサックを装着した右手で裏拳を顔面に叩き込む。
あ、メリケンサック部分使えてない。
とそのまま悪霊が吹き飛ぶ前に拳を引いて顔面に叩き込む。
確かに殴った感触から霊力が発されていることがわかる。
が、幽霊は怯みもせず俺の腕を掴んで捻った。
景色が回る。
『な……!シュウの力でも霊力が少なすぎるのか……!』
マジかよこの幽霊、霊力使いながら武術も使うのかよ。
空中を舞いながら余計なことを考えた瞬間、逆さまになった俺の顔面に幽霊の掌底が炸裂した。
目の前が一瞬真っ白になって背景が走る。
一瞬で遠くなった幽霊が挑発的に笑っているように見えた。
……上等だよ。
身体をひねって着地してそのまま走る。
あの程度の威力だと霊力が出ないなら仕方ない。
全力で神通ナックルを握る。ビキッという音が手の中でなった気がするが関係ない。
目の前に迫った瞬間、余裕を見せていた幽霊から笑みが消えた。
「うらぁ!!」
俺の全力で振りぬいた拳が幽霊にぶつかった瞬間、辺りが溢れる霊力の光に包まれた。
昼間かと思うほどの光に包まれた幽霊はそのまま消えた。
光がおさまり、辺りに静けさが広がる。
「す……すげぇ!すげぇよ心眼!横島!この神通ナックルがあれば俺も幽霊と戦えるぞ!自分でも信じられないくらい霊力が……?」
大興奮してはしゃぐ俺だったが、周りの様子がおかしいと感じて言葉が止まる。
横島を見る。
「…………」
目をそらす横島。
心眼に目線を向ける。
『…………』
心眼も黙って目を閉じた。
「え?」
動揺する俺に、冥子さんが遠慮気味に話しかけてくれた。
「あの~、シュウくん、神通ナックルって~、シュウくんの手の中にあるその粉々のもののことかしら~?」
「はい?」
冥子さんに言われて手元に視線を落とす。
そこには、俺が全力で握ってとんでもない威力の霊波攻撃を放ってくれた
今回の功労者である神通ナックルさんだったものの残骸があった。
…………。
…………。
…………。
…………。
「…………これって予備とかは」
「『ない』」
苦笑いしながら言った俺の言葉に心眼と横島の無慈悲な言葉が返される。
珍しい横島の真顔での返しに何とも言えない気分になる。
「……ですよね~」
俺の空しい言葉がトンネル内に響き、何とも言えない空気に包まれたまま俺たちは帰宅した。
そして、一応依頼は無事達成したということと、
美神さん側で式紙を使いこなせなかったことから今回の助手交換騒動は終わった。
……泣いてなんかないやい。
残念、神通ナッコォはシュウくんの力に耐えきれませんでした。
「じんつうなっくるは、おともなくくずれさった」