あれ、前回を半年ぶりくらいの顔してしれっと投稿したけど、
実は一年近く経ってたってマジですか。
……時間が経つのが早いなぁ(遠い目
「マジかよ……」
改めて見渡す。
人影どころか音もしない。
ただ森が続いている。
「最悪だ」
一番恐れていたことが起きてしまった。
横島達と同じ時代に飛べたかも、場所がどこかも、何もわからない。
しかもよりによって今日心眼を忘れた自分の額に一発拳を当てる。
まずは冷静に、ここがどこでいつなのかを把握しないといけない。
……歩こう、ここにいても仕方ない。
少し歩いたところで、すぐに気付いた。
「戦闘音?」
何かしらの鳴き声と、それと同時に響く戦闘音。
これは横島達か?
そう希望を抱いてその音に向かって走る。
すぐに開けた場所に出た。
そこで見たものは期待していた横島たちの姿ではなかった。
更にいうと俺の想定を超えたものだった。
「テレサ?!」
「シュウ?!よ……フン、やっぱりアンタもここにいたのね、悪運の強いこと」
いつもの憎まれ口を叩きながらも、テレサの目の前にいたガーゴイルの攻撃を避けながら弾丸を叩き込んでいる。
「お前あの時、間に合ってたんだな」
「グギャウ?!」
言いながら飛び上がって叩き下ろすように蹴りをガーゴイルの首筋に下ろす。
ズゥン、という音を立ててガーゴイルの頭が落ちる。
「相変わらず規格外の戦闘能力ね。キモ。あんたなんか探さなくてもこの時代で生きていけたかもしれないわね」
「言いすぎじゃね?!……ってこの時代?ってことはここは過去か未来か?」
タイムスリップをしたことは知っているが、大げさに驚くように見せる。
問題は場所と時間だ。
「えぇ、ここはスイス・イタリア付近、時代は1242年よ」
「な……!」
流石に時間を細かくは覚えていない。
が、中世ヨーロッパではある。あとは横島たちがいることを願うしかない。
「恐らく計測した波動を見た感じだと、美神令子の能力でしょうね、家系に時間移動能力者でもいるのかしら」
「そういえば美神さんのお母さんは前にタイムスリップしてきて昔の美神さんを預けていったことがあるな」
「それね。まぁ安心しなさい。まず、姉さん、美神、横島は私達と同じくこの時代、しかもそれほど遠くない場所にいるみたいよ。姉さんの信号と、姉さん経由であの二人の霊波を検知したわ」
「ほんとか!」
「えぇ、アンタだけ姉さんとは一緒にいないわ弱すぎる霊波だわで、場所が全くわからなかったのよ。カスみたいな霊力だったからね。下手したら別の時代や場所に飛んでお陀仏だったわよ、惜しかったわね」
まずは一安心だ。憎まれ口は無視し、ガッツポーズも一旦我慢してテレサに続きを促す。
「ついでに、ここは昔カオスが若い頃に姉さんのモデルになったマリア姫と一緒に過ごしていた時間であり場所よ。カオスの協力を得られればあれでも一応天才なんだから、美神と合わせてなんとかしてくれるかもしれないわ」
よぉっしゃー!
今度はガッツポーズを隠せなかった。
まぁいいか、何も知らなくてもこの情報はガッツポーズものだろう。
「というわけだから、姉さん達と合流するわよ。体力だけはあるんだから一気に行くわよ」
「了解!いやぁテレサがいて助かったわ」
「……フン、せいぜい感謝するのね」
いや本当に感謝だ。一人だったら折角同じ時代場所にとんでるのに、気付かずに詰んでたかもしれないな。
かなりの時間こうして走っている気がするんだけどどういうことですかねテレサさん。
「おい、夜が明けるぞ」
「だから言ったでしょ、アンタは体力だけは馬鹿みたいにあるんだから一気に行くわよって」
現在俺とテレサはかなりのスピードで移動している。
が、もう夜が明けるというのにまだ到着しない。
これ普通の人が普通に歩いてたら何日かかかってたんじゃないのか?
「そういえば、お前は充電大丈夫なのか?」
「えぇ、姉さんの前にフル充電したばかりだったから、まぁ合流してもお釣りが十分ってとこね」
「それは良かった。場所がわからないのも問題だけど、重いお前運びながら目的地につく気がしなアダッ?!」
頭に衝撃を受けて派手に転ぶ。当然だ、このスピードで不意打ちを食らって転ばないほうがおかしい。
「なにすんだアホ!」
「レディに重いの方がどうかと思うけどねぇ私は」
げ、なんか怒ってる。そういうの気にするのかよお前。
一応気にしてるなら謝っとこ。
「すまん」
「フン。それより、姉さん達、こんなところにいるみたいよ」
「へ?あぁ着いたのか、それなら普通に言ってくれる?」
俺の抗議は無視して何かを見上げるテレサ。
その目線の先には大きな城があった。
あれ、これってもうドクターヌルと戦ってたりする?
「変ね、ここはデータ上マリア姫が住んでいた城だけど、戦争でもあるのかしら。ものものしいわね」
「中からもバタバタと戦闘音が聞こえるぞ」
「人間の聴力じゃないわね、気持ち悪「酷くない?!」まぁいいわ、一応その戦闘音の方に行ってみましょう。私のセンサーもそれをひろってるわ」
崖と城壁は一気に駆け上がって超える。
城の適当な窓を見つけて飛び移る。
はめ込みなのか開く形をしていないため、肘で割って中に入る。
テレサも空を飛んでついてくる。体が小さい(自分で言ってて凹むが)俺はともかく、テレサも通れるくらいの大きめの窓である。
「あんたやけに慣れてるわね。ドロボーでもしてた?」
「人聞き悪いな。侵入任務みたいなのを何回かやったことあるだけだって」
「そんなもん何回も経験してんじゃないわよ」
雑談しながら爆発音がしている場所に近づく。
またも爆発音が響く。
派手にやってるなぁ。
「これは美神の霊波ね、何かと戦ってるわ」
「じゃあ加勢したほうが良さそうだな」
「その壁の向こうよ」
「了解!」
言われた壁を蹴り破る。
「あんたね、城の壁蹴り破るとかどんな脚力してんのよドン引きするわ」
「やかましい!」
「シュウくん?!」
「それにテレサも?!」
突然壁を突き破って現れた俺達に反応したのは予想通り横島と美神さんだった。
その目の前にはタコの姿になっているドクターヌルらしき魔族がいた。
「ふっふっふ、何やら獲物が増えましたが、私の足には8つの力がやどっているのですよ?全員ここで死になさい!」
「とりあえず状況説明は後で!このドクターヌルが敵よ!」
「「了解」」
美神さんの言葉に一言だけ返事をしてヌルに向き直る俺とテレサ。
というか結構ギリギリだったんじゃないか?
確かこの足の攻撃で氷の攻撃が横島に刺さって死ぬんだったよな。
何発目だったけなぁ、最初は炎とかだったか?
まぁ何の足だろうが油断するつもりはないけど。
「まずはこれだけ人数がいるのです。減らしましょうか」
ヌルが言いながら一つの足を振る。
そこから氷の散弾が大量に飛んでくる。
いきなりか?!
「テレサ!」
テレサの防御を信じて、一瞬で美神さんと横島の前に立ちふさがる。
二人はまだヌルの攻撃に構えられていない。
二人に当たる範囲だけ集中して飛んでくる氷の弾を周りに弾く。
目の前に来たものを右手で払い、左側に来たものを下に叩き落とす。
左右の手で弾きながらも下段に飛んできたものは足で軌道をそらす。
「なに?!」
「ふぅ」
全ての攻撃をしのいで一息。
構える。
視界の端では銃で落としたのかテレサの腕から硝煙が上がっている。
「貴様もドクターカオスの作品か!いやそんなことより何だ貴様は、人間の動きではないぞ、魔族か?!」
「誰が魔族だ!」
「アンタよ。本当にキモい動きばっかりしてるわね」
「なにお前、最近は俺のこと悪口でダメージ与える方針にしたの?」
テレサが普通に物理で来るより悪口のほうがよっぽど効果的な気がしてきた。
結構凹むぞこれ。
「いや相変わらず人間やめてるなお前」
「横島には言われたくない」
「言ってる場合じゃないわよ!」
「その通り、これならどうですか、炎の足です」
言われるが早いか炎が飛んでくる。
流石に炎は弾けない。
ので右手と左手にうっすら霊力を纏わせて上下に構えた腕を一気に入れ替えるように回す。
「ち、散らしただと?」
この世界の身体能力なら、って色々漫画の技試したときにこれが出来た時はテンション上がって練習しただけだったけど、練習しておいてよかった。
流石に霊波砲とか霊波に特化したものだと今の俺じゃ難しいけど、どちらかというとただの炎よりである先程の攻撃であれば回し受けで散らせる。
といってもこいつはあと雷とかの攻撃を持ってるはずだから流石にそれは受け流せない。
「早く人間になれると良いわね」
「美神さんまでそういう事言うのやめてくれません?」
苦笑しながらもこのあとどうするか考える。
いつまでも防戦では負ける。いくら何度も出てくる敵じゃないとはいえ、相手は魔族だ。
考え事をしている間にヌルが爆発する。
「っしゃあ!よそ見するからやアホ!」
「ぬぅ!」
「でかした横島くん、移動するわよ!」
横島が投げたサイキックソーサーがキレイにヌルの顔面にあたって爆発したようで、ヌルが視界を奪われ怯む。
その間にいつからいたのかバロンが床に穴を開けて吠える。
みんながその中に飛び込む間に視界を取り戻そうとしているヌルの顔面に拳を叩き込む。
「がぁ?!」
魔族のヌルに大したダメージは与えられないと思うが、吹き飛ばすという意味での嫌がらせくらいはできる。
ヌルは大きな声を上げながら後ろの壁を何枚も突き破りながら吹き飛んでいった。
すぐにみんなの後を追って穴に飛び込む。
「ヌルは一応殴り飛ばしましたけど、多分ダメージはないです。どうしますか美神さん」
「この時代のカオスが今ヌルの力の元を断つために色々やってるはずなんだけど、まだかしら」
「なるほど、時間を稼げばいいって感じですか」
「そうね、一旦ここでもう一度迎撃するわよ」
言われて降りてきた穴を見上げて構える。
テレサも銃口を上に向けて、横島はハンズオブグローリーを構え、美神さんは神通棍を構える。
少しの間。
全員が上を警戒している中、念の為、周りも警戒しながら視線を巡らせる。
美神さんの横の壁にヒビが入ったのを見た瞬間、美神さんを押しどけて壁に向かって拳を繰り出す。
壁を破って現れたヌルの顔面を拳がとらえる。
「っ!」
今度は吹き飛ばず、俺の拳がヌルの顔面を貫く。
やったか、と思った瞬間ヌルの顔面が一瞬で元に戻る。
「死ね」
後ろに下がる俺に向けて一本の足を振るヌル。
そこから現れた雷を見てまだ空中にいる俺は一応避けようと身をよじる。
その瞬間、テレサが俺を突き飛ばして右半身をヌルに向けながら雷を受ける。
「ちっ!」
「テレサ!」
舌打ち一つしながら下がるテレサ。
右腕が焦げ付いているのが見える。
「しぶといですねぇ!」
言いながら更に雷の足をふろうとするヌル。
「こっち!」
美神さんが言いながら後ろの扉を開けて飛び込む。
全員がそれに続いて一つの部屋にたどり着く。
そこには若き頃のドクターカオスとマリア姫であろう人、そしてマリアがいた。
「まだやってるの?!ヌルの力が思ったより強いわ、このままだとジリ貧よ!」
「せかすな!少しの手順を間違えると暴走するのだ!」
「停止じゃなくて逆操作とかってできないのか?」
「おぬしは……美神どのが言っていたシュウとやらか。逆操作だと?出来なくはないが賭けになるぞ。それに、お主達が時間を稼いでくれたおかげでもう少しで停止まで」
「ここで何をしている!」
「げ、来た」
ヌルが勢いよく飛び込んでくる。
と同時に氷が大量に飛んでくる。
先ほどと同じように一番前に出て飛んでくる氷を処理する。
その瞬間、会話しながらも手を動かしていたカオスがニヤリと笑う。
「これで止まる!」
「何?!やめろ!!」
ヌルが静止の声を上げるがカオスがそれより先に何かのスイッチを押す。
今までけたたましい音を立てていた地獄炉が最後のゴオンという音を立てて止まる。
「ば、馬鹿な」
「これで無限のエネルギーはなくなったわ、一気にヌルの魔力が減ったわね。人間界地上で魔族が全力出せるなんておかしいと思ったのよ!」
「さらに、これでどうなるかな?」
言いながらカオスが地獄炉を操作する。
「ち、チカラが抜ける?!」
「一気に逆操作は危険すぎるが、そこの小僧が言っていた逆操作はいいアイデアでな、ある程度の手順を踏めばこの通りよ」
「この短時間で地獄炉の操作を把握したというのか?!」
「私は天才だぞ?」
カオスが勝ち誇ったように言うのと、美神さんがヌルに向けて精霊石を投げるのは同時だった。
轟音を上げてヌルが爆炎に包まれる。
そこにマリアとテレサが銃を連射する。
「グォォォ!」
「効いてるわ、このまま押し切るわよ」
「舐めるなぁ!」
爆炎から飛び出したヌルがいくつかの足を振ろうとしたところに横島のハンズオブグローリーが足を切り飛ばす。
切り飛ばした足がモンスターになるが、ヌルの足が新たに生えてはこない。
無限に回復することは出来ないようだ。
新しく表れたモンスターを殴り飛ばしてヌルに向きなおる。
殴ったモンスターは一撃で腹から千切れ飛ぶ。
テレサが焦げ付いた右腕を左手で外す。
「これは右腕のお返しよ」
外した右腕の穴が光りだす。
そして、それは放たれた。
いうなればそれは霊波砲といってもいいものだった。
青白い光線がヌルに当たると同時に爆発する。
え、あれ何、こわ、いつの間にカオスのやつ新しい武器を。
「貴様等!調子に乗るな!」
「いえ、あなたはこれでおしまい、極楽に行きなさい!」
「ば、ばかなぁぁぁ!」
反撃に移ろうとしたしぶといヌルが攻撃に移る前に、
いつの間にかヌルの真上に飛び上がっていた美神さんの神通棍がヌルの脳天に突き刺さる。
流石のヌルもこれには耐えきれずに消滅した。
……はぁ、一晩走り続けていきなり戦闘することになるとは思ってなかった。
疲れた様子を隠しもせずに座り込む。
これ、少しでも遅かったら間に合わなかったんじゃないか?
3回くらいに分けて連続投稿しようと思ってたけど、
短すぎたのでまとめて投稿。
ちょっとだけのストックはこれで消えました。
一日も保たなかった。。
次くらいは早めに投稿したいなぁ。。