おかげで投稿へのモチベが上がったため、
本来暫く書き溜めしてみようと思っていたのに、投稿してしまいました。
短編側のGS小説も続き書いてみようかな……。
ちなみに、実は最初の2話の次に書いてた話がこれだったりします。
当然間に色々話を書いたおかげで細かいところは色々と修正しましたが。
今読み直すとここだけ急に文字数が増えてますね(苦笑)
こういう時は分けた方が良いんでしょうか(苦悩)
「はぁ、はぁ、はぁ、ま、まだっすか……」
「だらしないわね、もうすぐよ」
いや、その荷物を持たせておいてだらしないは酷過ぎるだろう。
横島の背中には原作通りに巨大なリュックサックが背負わされている。
「だから持ってやるって言っただろ」
「うるさいわい、これ以上お前にええかっこさせてたまるか!」
「別に良いかっこした覚えはないんだが。せめて荷物を分けるとかあっただろ。実際俺の方が力あるんだし」
霊力がろくに使えない分、この無駄に有り余る体力だけは使わせてくれても良いんだが。
最近対抗してるのか横島も筋トレを始めたし、俺と組手なんかをすることが稀に発生している。いい傾向なのだろうか。
そんな事を考えていたら美神さんが口を開いた。
「そうよねぇ、横島君も無駄に体力あって異常なんだけど、それをはるかに超える体力ってのも異常すぎるわよねぇ。
だいたいそのちっちゃい身体のどこからあんな異常なパワーが出るのか知りたいわ」
「解剖とか国の研究者に売るとかナシですよ」
「チッ、ケチ」
ケチとかそういう問題じゃないだろ。
漫画の知識がなかったらツッコミどころ満載の会話だぞ今の。いや知識あろうがおかしいわ。
つかちっちゃい言うな。くそっ、俺だってこんな中1にすら見えるか怪しい身体になりたくてなったわけじゃないぞ。
「さて、着いたわよ」
「うわ、趣味悪」
「怖いですねぇ」
横島が嫌そうに顔を歪め、その後ろにおキヌちゃんが隠れる。
既にモテてるなぁコイツは。お前はルシオラがいるだろ!……まだいないか。
目の前には鬼の顔がついた門。鬼門だ。
「さて、開けるわよ」
「あ、待った!」
美神さんが門を開けようとするので、どうせ鬼門が止めるだろうとやめさせる。
「何よ、どうかしたの?シュウ君」
「いや、その鬼が用があるみたいだったので」
俺がそう言うと鬼門が口を開いた。
「少年よ良くぞ見破った!我ら鬼門が居る限りここを簡単に通すわけにはいかん!」
「我々の試練を超えない限りここが開くことは無いと思え!!」
鬼門達が威圧するように話す。でも確かこの後って……。
「あらお客様?」
「5秒とたたずに開いたわね」
やっぱりか。小竜姫様わざとそのタイミングで開けてません?
また原作キャラと会ったな。この人が本物の小竜姫様か……。かなり好きだったキャラだし、感動するものがあるな。
つか本物滅茶苦茶可愛いな。本当この世界綺麗な人も可愛い人も多すぎるだろ。
……強いんだろうなぁ。ちょっと小竜姫様の武術は個人的にも気になる。
そうこうしてる間に美神さんが鬼門を瞬殺。やっぱ一流だわこの人。
「こんなバカ鬼やあんたじゃ話にならないわ!管理人とやらに会わせてよ!」
「あ、美神さんやめ……!」
挑発する様な美神さんを止めつつ身構える。霊力をろくすっぽまともに操れない俺では小竜姫様の霊圧はキツイ。
しかし、時既に遅く、小竜姫様が霊圧を軽く開放する。
「くぅ……!」
「あなたは霊能力者のくせに目や頭に頼りすぎですよ。私がここの管理人の小竜姫です」
「な、なにこれ、さっきまでは何でも無かったのに、今はそこに居るだけで凄まじい霊圧だわ」
予想以上だな、俺なんか息をするのも若干キツイ。
早く多少なりとも霊力を操れる様にしないと、現時点では一般人よりだいぶ低いからな。
霊力にまだ目覚めてない横島でも俺よりはキツそうではない。
このままだと魔族との戦い時などそこに居ることすら出来なくなるだろう。
「絶対怒らせるなよ、横島」
「おい何で名指しなんだよシュウ」
「説明しなきゃ駄目か?」
「……いくら俺でも神様にちょっかい出すほどバカじゃねぇよ」
なんでちょっと考えた。
というか考えた結果そこまで自信満々に言うってことは信じていいのか?
確かお前、俺が知ってる知識では小竜姫様にちょっかい出してたと思ったんだが。
「えー、それではまず着替えを……」
「帯解くの手伝いますっ!これっすね!?行きますよ!!」
言ったそばから小竜姫様の腰帯を掴んで引っ張ろうとする横島。
マジかコイツ。
「私に無礼を働くと、仏罰が下りますので注意してくださいね!!」
――ブン!
「うわちっ!!」
小竜姫様が一瞬で剣を抜いて横島に向けて振り抜く。
それを紙一重で避ける横島。
当たりそうなら引っ張るつもりで構えてたものの、避けると解っていても冷や冷やするものがある。
コイツの脳みそマジでどうなってんだ。煩悩に素直すぎるだろ。
確か小竜姫様も手加減したって話だけど、それ当たったら死にますからね?
「ふむ、美神さんは面白いお仲間をお持ちですね」
「え?あぁ、馬鹿と体力馬鹿と自縛霊だから何も面白くないわよ?」
「馬鹿ってまさか俺っすか!」
「自縛霊じゃないですよー!」
「やっぱ体力馬鹿っつうのは俺ですか」
アンタヒデェな。神様相手に敬語諦めてるし。
しかし体力馬鹿は酷くない?
「へ?では今回修行されるのは」
「私だけよ」
「へぇ、シュウさんでしたか?霊能力は」
「皆無ですね。下手したら一般人より霊力を操る事には疎いです」
「ふむ……、確かに発している霊力は一般人のそれより低いようですね。ないわけではありませんが、扱い方がわかってない、といったところですか。
しかし、先程門のところで貴方だけが私の実力に気付いている様な素振りでしたが、何故わかったのですか?」
げ、やっぱ神様だけあって鋭いな。
知ってましたと言うわけにもいかないしな。
「いえ、足の運びや纏う雰囲気が只者ではなかったので、警戒しただけです。まさか神様とは思わず無礼を働きました」
「い、いえいえ、警戒くらいはして当然です。では、霊力は操れないですが武術はおやりになるんですね」
「あ、いやそんな大層なものではないです。ちょっと人より目が良くて人より体力があるくらいですよ」
「良く言うわよ。霊力も使ってない癖に早さも力も人類トップレベルじゃないの。
アンタ霊能力者目指すのやめてオリンピックでも目指せば?」
俺が否定していたら美神さんが余計なことを言ってしまった。
ほら小竜姫様の目が光ってる。
それは単純に元の世界とここの世界では力の基準が違うからで、俺だって元の世界だったらそこまで異常には強くないんだけど。
……まぁそれでも格闘技的には元の世界でも結構自信あったけども。
「ふむふむ、その歳で大したものです……横島さんも見学ですか?」
「へ?そりゃもう、俺もシュウもただのど素人ですよ。ワハハ」
「へぇ……」
横島と俺をまじまじと見る小竜姫様。
これは俺も目をつけられたかな。
しかし俺に主人公補正はないから横島を導いてあげてほしい。彼はこれから爆発的に成長するから。
「ちなみに俺とシュウは同い年っすけど」
「は?!」
神様、失礼を承知で言いたいわ。アンタもかい……。
今は美神さんが最初の敵と戦っているところだ。
何も起きなければ知識通り美神さんの勝ちだろう。二匹目のカトラスからもしかしたら流れが変わるかもしれないから注意しないとな。
そんな事を考えながら観戦していたら小竜姫様が近付いてきた。
「シュウさん、美神さんの修行が終わったら、私と少しだけ手合わせしませんか?」
はい?
予想外すぎて俺は多分アホな顔になってるだろう。
「な、何故そのような。武神様と私では相手にもなりませんよ?」
「あぁ、余り深く考えなくて結構ですよ。稽古の様なものだと捉えていただければ」
俺の言葉に両手を顔の横で振って答える小竜姫様。可愛いなこの人。
確かにこの機会に俺の体力でどこまでついて行けるか確かめておくのも手だ。個人的にも武神と試合える機会は相当興味がある。
……殺されなければ、という前提が大きくつくんだけどな。
「武神様のお相手をさせていただくなどとても光栄ですが、私も死にたくはないです。とても情けない話ですが」
「当然手加減もしますし死なせたりはしませんよ。正式な妙神山の修行ではありませんし、そもそも誤解されているかもしれませんが、美神さんが受けている修行がたまたま本人の希望で死ぬかパワーアップかの二択になる危険の高い修行であって、ここのコースによっては安全丁寧に時間をかけて修行するコースもあるので。極端な話、霊力皆無で武術のみの修行もここでは見ていますからね」
まぁコースで別れてるくらいだもんな。なら折角だしお言葉に甘えさせていただこうかな。
いきなり全開で試して警戒されても嫌だし、少しずつ様子見って感じで。
「では大変恐縮ですが受けさせて頂きます」
「はい。では後で。あ、それとちょっと肩の力を抜いても構いませんよ。お連れ様達はもっと気楽に話してますし」
「神様相手にあのままの彼らがおかしいかと思いますが」
マジでそう思う。神様とか俺初めて会ったし。当たり前だけど。
「私も堅苦し過ぎるのもどうかと思ってますので、結構ですよ」
小竜姫様、自分自身超がつくほど真面目で堅苦しいのに。そう考えたら少し笑えた。
「ねぇ、倒したんだけど。何いちゃついてんのよ」
「なにー!シュウてめぇ俺の小竜姫様といちゃつくなんて許さん!」
「俺の?」
横島、それはありえん、お前じゃあるまいし。
会ったばかりで、俺はお前と違ってモテるスキルがあるわけじゃないんだ。……見た目小学生高学年だし。
……なんか考えてたら横島を呪いたくなったけど、おキヌちゃんが黒い笑顔で横島の肩に乗ってるから許してやろう。
「なんでもありませんよ、それでは次ですね。出ませいカトラス!」
ここは確か……。
「美神さん、除霊時は不意打ちとかにも気をつけた方が良いですよ!」
「わかってるわよ!……って危なっ!!」
よし、寸前で気付いてカトラスの不意打ちをかわしてくれた。
「カトラス!私はまだ開始の合図を出してませんよ!」
小竜姫様の注意も聞く耳もたないカトラス。ケケケとか笑ってるし。主人に対してその態度は良い度胸してるな。
「私の言う事が聞けないのですね、それなら私が……」
「大丈夫よ、シュウ君のおかげで幸い怪我もなかったし、このまま続けるわ」
「……本来許すわけにはいかないのですが、何事もなかったことと、こちらの不手際なので続行を許可します」
よしよし、これで美神さんが無駄に怪我することは無いし、後は楽しく観戦してたら終わるだろう。怪我してて勝つなら今の状況で美神さんの勝ちは確定だろう。
……何か忘れてないか?
…………あぁ!!横島のシャドウ出しとかないと小竜姫様との戦いがキツイじゃないか!!
ど、どうする!いきなりやらかした!!く、こうなったら一か八かだが。
「小竜姫様、それでも今の行為は美神さんにとっては試合開始前に大怪我をしていたかもしれない危険な行為です。
幸い怪我もありませんでしたが、こちらに対する考慮もいただきたいのですが。神様相手に大変無礼ではありますが」
「……ふむ、例えばどのような」
「横島のシャドウを抜いて参戦させる、など如何でしょう。彼なら素人ですし、それほど戦力にはならないかと。大した意味はないと思いますが、ケジメとしてその辺りはしっかりさせておいた方が管理人の立場としても宜しいかと」
正直かなり厳しい言い訳なのは解ってる。滅茶苦茶言ってる自覚もある。
ただ、小竜姫様は横島の力に興味を持っているはずだ。……乗ってくれ。
「……わかりました。それくらいなら考慮致しましょう。むしろこちらの立場を考慮していただいた配慮と受け取ります。ありがとうございます」
小竜姫様、素直!
なんとかなった!すみません!そこまで考えてません!苦し紛れです!良心が痛みます!
文句を言う横島をスルーして小竜姫様が横島のシャドウを抜く。
後は大体俺が知ってる通りに流れてくれた。
横島の全く役に立ちそうにないシャドウに、美神さんは俺に参戦しろと言っていたが、俺の霊力のなさ解ってます?の一言ですぐ納得した。(なんだろう、正しいんだけど釈然としない)
結果、俺が知ってる流れよりは楽に勝ったようだ。まぁ、怪我もしてないし当然だろう。
「では、最後は私がお相手しましょう」
来たよムリゲー。まぁ、横島のシャドウも居るし、大体同じ流れになるだろうな。
うん、だいたい同じ流れ。
決して内容を省きたかったわけではない。ないったらない。
ちなみに今は横島のシャドウが小竜姫様の服に入っており、ちょっとドキドキしてるのは秘密だ。
とはいえ、そのまま同じ流れにしてしまうと、横島が小竜姫様の逆鱗(物理)に触れて妙神山が崩壊してしまうので、止めに入る。
「ハイ終了」
恐れながらも小竜姫様の背中に手を突っ込んで横島のシャドウを引きずりだす。
「あぁ、殺生な」
「殺生なじゃねぇよボケ!」
結構な力でシャドウを殴ったら消滅した。
しまった、と思い振り返ると、横島が頭にたんこぶを作って気絶していた。
悪い横島、本体にダメージいくの忘れてたわ。
隣を見ると小竜姫様が肩で息をしていた。
「はぁ、はぁ、た、助かりました。すみません、ありがとうございます」
「こちらこそすみません!いきなり女性の服の中に手を突っ込んだりして」
「い、いえ、あれをしてくれなければ大変な事になっていました」
逆鱗ですね、知ってます。
しかし妙神山崩壊は防げたが、問題は美神さんに最後の力を与えてくれるかどうかだ。
「で、私は合格?」
「あ、あのですねぇ……」
良い度胸してるよ美神さん。
小竜姫様もあきれ顔だ。とはいえ、合格にして貰わなきゃ困る。
「もしよろしければ合格にしていただけたら幸いです。一応力は示したかと」
「……むむむぅ」
一応フォローはしてみるが、これってやっぱり厳しいかな。でも一応美神さんが妙神山崩壊をお金積んで直すことで能力くれるくらいだし、思ったより美神さんが小竜姫様相手にちゃんと戦えてたことを考えたら、意外とOK出るとは思うんだけど……。
しかし、あまり褒められた手じゃないけど、あのまま妙神山を崩壊させてた方がすんなり話が進んだか。と言っても流石にあれはなぁ。
そんなことを考えている間も小竜姫様は腕を組んで悩んでいる。その姿はとてつもない力を持っている神様だと思わせないくらい可愛いらしい。
「本来やり直しを要求したいのですが、うーん、確かに思った以上に私相手に戦えてましたし、反則気味とはいえ許可を出したのも私ですし」
「やた!」
「ありがとうございます」
良かった、とりあえず俺がまたかき乱したことで悪い方向に向いたらどうしようかと思った。
最近色々とでしゃばりすぎなのかもしれない。ただ、やっぱりこの人達とのバイト生活、楽しいんだよなぁ……。
「ただし!」
終わったと思ってのんきにそんなことを考えていたら、ビシッと小竜姫様が指を立てて美神さんに詰め寄った。
「「え」」
「シュウさんが私と戦ってその結果次第です」
はい?どゆこと?
美神さんの実力と関係ないよね?
「あ、あの、美神さんの修行とは一切関係ないのでは……」
「いえ、優秀な霊能力者に必要とされる能力の中には味方の力をキチンと把握しておくことも必要です。その彼女が人類トップクラスの体術と言ったのであれば、流石に人類トップといかなくとも、それなりに動けないのであれば彼女の見極めは間違っているということです。それでは味方を死なせる危険もあります」
「ほへぇ~」
「……なるほどね」
いやおキヌちゃんに美神さん?俺が言うのもなんだけどそれはもの凄いこじつけだから。
単にこの神様俺と全力で戦ってみたいだけだから。……たぶん。
「私と戦う約束は既に済んでいたかと思いますが、まさか死にものぐるいの本気を見たいだけ、なんてことではないですよね?」
「…………モチロンデスヨ」
はいダウト。ホントこの神様嘘つけねぇな。
って俺の戦い次第で美神さんの今後が決まるとかマズイって!
「言いたい事は解ったけど、流石に武神相手に素人が戦えるわけないわ。
貴女の言い分ももっともだけど、それを言うなら監督者としてその戦いを許可できないわね」
「フム、それはもっともですね。最低限の見極めは出来ていると言えるでしょう。ただ当然私も彼に大けがをさせるつもりはありませんよ。まぁ、私としても貴女の実力は認めているので余り深く考えなくて良いですよ」
「チッ、私の為に絶対勝ちなさいよシュウ君」
笑いながら言う小竜姫様に対して、舌打ち一つ俺を睨みつける美神さん。
ちょ、無理ですって。
「いや、恐らく小竜姫様は勝たなくても美神さんに力をくれますよ。ですよね、小竜姫様!?というか勝つとか無理ですって本当に!?」
「えぇ、まぁよほど酷かったら先程伝えた理由で合格はあげられませんが」
やべ、美神さんのプレッシャーがキツイ。
これは無様な戦いしたらコ★ロ★スって視線だ……。
……多分本気で行かなきゃ死ぬだろうな。両方の意味で。
自分の実力がどうこうとか、いらないことを考えている場合ではない。
まだ俺の力を侮っているだろう最初に一気に決めるしかないだろう。
〈第三者目線〉
「では、行きますよ」
「お手柔らかにお願いします」
小竜姫に案内されて移動した、修行空間の中でも生身では入れない空間ではなく、ただただ広い場所で構えるシュウ。
「始め!」
「!!」
美神の掛け声がかかった瞬間にシュウの身体がぶれる。
小竜姫が目を見張り、自身の身体を前方に投げるように跳ぶ。その直後小竜姫が今居た場所をシュウの拳が通り過ぎた。
そのまま身体を捻って跳ねて、自分の真後ろに居たシュウに向き合う小竜姫。
「い、一瞬で私の後ろを取りますか……これは想像以上ですね」
冷や汗を垂らしながら笑って言う小竜姫にシュウも苦笑して返す。
「当然の結果かもしれませんが今のを避けられたらかなりヤバいですね。もう油断はしてくれなさそうですし」
「そう悲観することはないですよ。あくまで武の力を見たいので霊圧は抑えて出来る限り同じ条件で戦いますので」
「それでも武神様とやりあえるとは思えないですよ」
ぽりぽりと頬をかくシュウ。しかし小竜姫はとんでもない、と続ける。
「貴方は自分の力に対する自覚が低い様なので言っておきますが、今の動きを見ただけで、貴方が本当に人間か疑いたくなるほどにお強いですよ。一瞬見ただけですが思った通りでした。足の運びも見事なものです。体術だけなら恐らく神の領域に入っています。まぁこれからもう少し戦ってみて更に認識が変わるかもしれませんが」
「そ、それほどですか」
小竜姫の言葉に今度はシュウが冷や汗をたらす。
美神、おキヌ、そしていつの間にか起きていた横島もシュウの動きを見て口を開いたままになっている。
横島などは顎をおとしてアホ顔をさらしている。
「では、改めて行きますよ」
「はい、宜しくお願いします」
今度は正面から走るシュウ。それを真正面から剣は抜かず無手で迎え撃つ小竜姫。
ぶつかり合う瞬間ズドンと大きい音が響く。
「力も異常ですね。どれほどの鍛錬をすれば人間がこの様な筋肉を手に入れられるのか興味深いです」
「余裕そうに受け止められてますけどね」
「実はそれほど余裕はありませんよ」
「霊力使わずに、ですよね」
「それでも誇って良いと思いますよ、武神と打ち合えるんですから」
「それはもちろん恐れ多い限りです、よ!」
言いながらも凄まじいスピードで打ち合い、かわしあう二人。
観戦中の3人の顎はすべて落ちている。
シュウが右拳を繰り出し、小竜姫が左手でその拳を外に受け流す。その結果開いたシュウの胴に右手で掌底を繰り出すも、シュウが身体を捻ってかわし、その勢いのまま左手の裏拳で攻撃。それをしゃがむ事によりかわしたついでに足払いを放つも、シュウはバック転で下がって避ける。
「荒削りですが非常に良い動きです」
「ありがとうございます」
「修行をつけたら化けるでしょうね。どうです、正式に妙神山へ入山しませんか?」
小竜姫の言葉に驚き動揺を見せるシュウ。
「そ、それは非常に名誉なことです」
そう言って構えを解いて思案する素振りを見せる。
そして少し考えたあと申し訳なさそうに口を開いた。
「ですが……すみません、今は少しやることがあるので、考えさせてもらっても良いでしょうか」
「えぇ、もちろん急に答えを求めるつもりはありませんよ」
「折角の名誉なお誘いにも関わらず申し訳ありません」
「いえいえ、ですから、そう畏まらなくても良いですよ」
小竜姫の言葉に苦笑するシュウ。
そしてそんなシュウに対して構え直す小竜姫。雰囲気が変わる。
「さて、そろそろ決めさせていただきますよ」
「そうは、いきませんよ」
(まだ負けるわけにはいかない。恐らく美神さんへの合格は決まってるだろうが、こっちにも意地がある。
この世界で戦っていくには霊力のないおれは今のところ体術一本で行かなきゃいけない。
全力を出した時にどこまでいけるのかは試させて貰う……!)
小竜姫が仕掛けてくる前に一気に踏み出すシュウ。
全力で放った拳は、ズドンと言う音を立てて小竜姫を吹っ飛ばした。
「な、なるほど、もはや異常ですね」
ダメージは無い。
空は飛んでいないため空中で体勢を整えながらもコメントを絶やさない小竜姫。そのまま回って着地する。
そこにシュウの追撃が迫るが、それを身体を逸らす事でかわす小竜姫。
凄まじいラッシュをかわす小竜姫だったが、先程とは違い、手や足を使って捌いているその姿に余裕は見えない。
「まだ、そ、底が、ありますか!!こ、これは……末、恐ろしいです、ね!!」
少しずつさばききれなくなっている小竜姫だったが、そこにあわせて少しずつ反撃を入れているところは流石である。
互いに攻撃が当たる事も多くなってきていたところで、先に膝をついたのはシュウだった。
「はぁっ、はぁっ!」
「お見事です、人間のスタミナでここまで動き続けた事も含めて異常極まりないですが、流石にスタミナ切れみたいですね」
初めてこの世界で全力を出して動いたシュウはここにきてようやくスタミナ切れを迎えた。
そういう意味では初めてシュウは自分の身体の限界を知ることが出来たのだった。
「流石は、武神様、押されていると……、見せかけて、スタミナ切れを、待つとは……、おみそれしました」
「いえ、正直なところを言うとスタミナ切れを待つくらいしか手が思いつかなかったのが現状ですね。
アレ以上私が力を入れたら貴方にも大怪我を負わせる可能性もありましたし、本当に限界スレスレまで引き出されてしまいました。お見事です」
フンスと鼻から息を一つついて言う小竜姫に対し、少し息が整ってきたシュウが不安そうに口を開く。
「それで、美神さんの修行は……」
「もちろん合格です。というか元々合格はだすつもりでしたので当然ですね」
「よ、良かった……」
「ちなみに、私もまだまだ未熟の身、私に対しても何かありましたら遠慮なく言って下さい」
その言葉を聞いてふと、固まるが、少しして再起動して口を開くシュウ。
「……では、恐れながら、少し言動、戦い方が真っ直ぐ過ぎるかと。こと実戦の戦いでは、相手が自分と同じく型にはまった動きをするとは限りません。それどころか、相手が魔族だった場合などは、恐らくトリッキーな動きの方が多いでしょう。真っ直ぐがいけないとは言いませんが、度が過ぎると、どんな良いものも負けます。何にでも対応できる様、色々なことに目を向けられては如何かと思います」
シュウの言葉にポカンとする面々。美神などは顔を青くしている。
それを見てハッと顔色を変えて慌てて頭を下げるシュウ。
「と、とんだ無礼を!申し訳ありません!口が過ぎました!」
「いえ、老師にも散々言われていることです。今一戦交えただけの貴方に言われる程かと、何が武神かと、痛感したところです。助言としてありがたく頂戴します」
「そ、そんな恐れ多い」
戦々恐々と頭を下げるシュウは一つ息をつくのだった。
それから小竜姫に最後の力を貰った美神。
大きな力を見せたシュウに、何度か口を開きかけたが、諦めて口を閉ざし、何も言わずに妙神山を降りる準備を進めた。
〈シュウ目線(いつもの)〉
「では、これにて美神さんの修行を終了致します」
「これで力の底上げは完了ね。助かったわ」
小竜姫様の案内で入口へ戻るため来た廊下を戻る。
本来ならこの場所が崩れていた事を考えると、何とかそれを避ける事が出来て良かったと思う。
「あ、ちょっと先に門の所で待ってて貰っても良いですか?」
「なぁに?トイレ?さっさと済ませてきなさい」
「すみません、小竜姫様、お手洗いはどちらに」
「ふふ、まぁこれから山道を降りますしね。こちらです」
小竜姫様に案内され、用を足しながら考え事にふける。
一時はどうなることかと思ったけど、何とかなって良かった。
大体俺自身あそこまで小竜姫様とやりあえるとは思ってなかったしな。霊力使われたら全然相手にもならないだろうけど。
……つかマジでここまで体術が異常だとは思わなかった。悪霊や神魔族相手だとどうもできないかもしれないけど、人間相手なら後れを取る事はまずなさそうだな。……今なら雪之丞とかでも全然大丈夫だろう。
何とか霊力を身につけて横島や美神さんと並んで戦えるようにしたいし、そのためには小竜姫様に弟子入りするのは非常に都合が良いのは解ってるんだけど、美神さん達の傍にいないとこの先の展開が読み辛くなることを考えると迷いどころなんだよな。それ以上に自分があの人達と居たいと感じてるだけなのかもしれないけど。
でもしばらくは俺がいない方がそのままの道筋で進むだろうってのを考慮に入れて悩まないと。
とはいえ本当に知識通りの道筋で進むか不安なことを考えると一緒に居た方も……あ~!考え始めたらキリがないな。
仕方ない、一旦帰ってからゆっくり考えるか。
そう言えば小竜姫様へのアドバイスあれで良かったのかな、正直言うか迷ったんだけど、もしあれで何かプラスに働けばラッキー、くらいかな。
手を洗い、元の道を戻ろうと歩き始めたところで、神妙な顔をしている小竜姫様に呼びとめられた。
「シュウさん」
「はい?どうかしましたか?」
言いづらそうに口をもごもごさせる小竜姫様。何があったのだろう。
「……実はですね、私の師匠にあたるお方がシュウさんにお会いしたいと」
「斉天大聖様がですか?!」
しまった!と思い口をつぐんだがもう遅かった。
「ど、どうして老師の事を知っているんですか?!このことは人間の中で知る者はいないはず……!」
やってしまった。うっかりでは済まされないだろう。考え事をしていたなんて言い訳にもならない……。
自分の力を知れたことで浮かれてたのか、完全なポカをやってしまった。
ただ、やはりといっては何だけど、老師が動いたか。ここは覚悟するしかないな。
「……すみません、それに関しては後でお話しします。とりあえず老師の元へ案内をお願い出来ますでしょうか」
「…………わかりました。こちらへ」
うわぁ……もの凄い疑惑の視線を感じる。まぁ仕方ないだろう、後で出来る事なら説明したいけど、難しいな。なんとか誤魔化す事を考えた方がよさそうだ。
小竜姫様の後ろをしばらく歩くと、彼女は綺麗な扉の前で立ち止まった。
「……こちらです」
釈然としない表情で案内してくれた小竜姫様に頭を下げて扉を開く。
そこには予想通りの方が座っていた。……座敷でゲームしながら。
「老師」
「おぉ小竜姫、来たか」
「来たか、じゃありません。何故シュウさんをお呼びになられたのですか?老師が自ら名指しで人間を呼び出すなど前例がありませんよ。シュウさんはシュウさんで何故か老師の事を知っているし」
うわぁ、余計な事言わんといて。ほら老師の目が光ったよ。
小竜姫様の言葉を聞いてすぐ、ゲームを止めて振り返る斉天大聖老師。
「……ふむ、面白い男じゃの」
「斉天大聖老師、お目にかかれて光栄です。初めまして、シュウと言います」
掌と拳をあててお辞儀をする。神様の中でもかなり上位の存在であろう老師に失礼のない様に気をつけなくては。
「ほっ、堅苦しい挨拶など良い、そんなもの小竜姫だけで十分。「老師」……冗談じゃよ。
まぁよい、どうやら本当にワシの事は知っとる様じゃな。小竜姫、ちと席を外せ」
「老師?」
「心配せんでも小僧に手は出さんよ。人間にも関わらずあそこまで自分と戦えた男が気になっておるのかの?今まで色恋に疎かった分気になるのかもしれんが、ショタコ……じょ、冗談じゃ許せ」
老師の言葉に小竜姫様の身体から龍のオーラが……いくら俺の相手が嫌だからってそんなに怒らなくても良いじゃないですか。
小竜姫様はどうせ横島が気になってるんだろうけど。ケッ。なんだかこの世界に来てから横島の影響受けすぎてる気がしてきた……。気をつけよ。
「小竜姫」
おどけて汗を流す老師が気を取り直して小竜姫様の名前を呼ぶ。その表情は今までと違い、真剣そのものだ。
「……はぁ、わかりました」
何かを察したのか小竜姫様は部屋を出ていった。
「さて、何から話そうかの」
「……老師の加速部屋へ入れば魂が一部繋がってすべてを伝えられるのでは無いでしょうか」
「ほぅ、それも知っとるか。確かにそういう効果も出すことは可能じゃ。でも良いのか?知られたらマズイ、と顔に書いてあるぞ」
流石上位の神様だな。読心術も心得ている。
確かに知られたら消される可能性だってある。俺はこの世界にとってはイレギュラーでしかないのだから。しかし。
「…………構いません。むしろそれが最善かと。ただ、出来る事なら老師のみの記憶で留めていただきたいです。当然見てからそれは決めていただいて結構です、しかし」
「ワシも見ればそうする、と?」
「はい。その上で私の存在を消すと判断された場合、それも致し方ないでしょう」
「ふむ……コトは思ったよりも大きそうじゃな」
頭の良い相手とだと話が早くて良いね。
「さて、ではやるかの」
「お願いします」
「………………」
「………………」
加速世界に入った。目の前の猿にしか見えない神、斉天大聖は目を瞑って俺の前に座っている。
既に老師は俺と繋がった状態になり、全てを知ったはずだ。
ふと目を開き、その手に如意棒を展開した。
……やはり消される、か。横島の先を見れないのが残念だけど、覚悟はしていたことだ。
目を瞑る、……が衝撃は来ず、代わりに言葉が投げられた。
「なるほどの…………クックック、そう緊張せずとも良い。背中が痒かっただけじゃ」
は?
意味が解らず目を開くと、目の前でにやにやと俺の顔を覗きながら如意棒で背中を掻く老師が……。
…………やられた。
「冗談が過ぎます……」
へなへなと力なく座り込む。それを見てもう一つ笑い声をあげて如意棒を消す老師。
「もうちょっと力を抜け。お主にとっての物語の登場人物、それも神が目の前にいるからと言って、ワシ相手にそこまで緊張せずとも良い」
「無茶言わんで下さい。これが限界ですよ」
「良い良い、最初よりは多少砕けただけでも良かろう。さて、色々話したい事もあるが、まずお主の不安を取りはらってやろうかの、ワシはお主をイレギュラーとは思わんな」
はい?いきなり話が始まったと思ったら予想外な言葉を投げられてしまった。
「まず、確かにお主の言う通りこの世界は漫画の中のお話かもしれん、とはいえこの世界は今現在進んでおる。これが漫画の中の話なのか、小説なのか、そんな事はワシらにはわからんし知ったことではないわ。
ただこの世界は進んでおり、ここにある、という事だけ知っておれば良いのではないか?
ついでに言うとその世界のワシは加速世界に入った場合サル語しか話せんとお主の記憶上ではあるが、ワシはそんなことはない。
まぁ記憶違いなのか何なのかは知らんが、違いは良くも悪くもあるかもしれんの」
一息ついて続ける老師。
「次に、お主は間違いなく今、ここにおる。
この世界を主と考えた場合、お主は漫画の中に入ったと言うよりは並行世界から跳んできた、と考えた方がしっくりくるじゃろ。
つまり、既にお主もこの世界の流れの一部じゃ。単純にこの世界がどこに行きつくかを、似た様な世界観の漫画で知っておるにすぎんよ。
もひとつ言っておこうかの、お主がここに来て動いている時点で漫画の世界とは明らかな違いじゃ、簡単に漫画の世界と言うには難しいわい」
気付けば言葉を失っていた。老師の言葉をただ黙って聞く。
「当然今のも一つの考え方であり真理かどうかなんぞは解らん。だがどんな説だって立てる事は出来る。自分が持つ漫画に吸い込まれたと考えるも良かろう。ただ、そこに共通するのは、お主は今、ここで、生きておる、ということじゃ。自分を異物だと思いこまん事じゃな」
そこまで言ってキセルを咥えて一つ煙を吐く老師。
目から鱗どころではない。自分で否定していた自分の居場所を目の前の神は認めてくれると言っているのだ。
「老師……私は、ここにいて、良いんでしょうか」
「ワシが駄目と言ったところでお主はここにおるじゃろうが。
安心せい、ここは既にお主の世界じゃ。
それに、お主も元の世界に戻りたいと言うよりも、既にこの世界でやりたいことがあるんじゃろ?」
「はい……!」
「なら今はそんな事を考えるよりその分他に脳を働かせる事じゃな」
「はい!」
朗らかに笑いながら言う老師。頭が上がらないとはこの事だろう。
老師の言葉を胸に受け止めて噛み締めているとふと老師が歩きだした。
それに黙って付いていく。
「しかしあの小僧がワシの弟子になりあの様な目にあうとはの……。色々と不甲斐ない神でスマンなどと思うところは多々あるが、本当に知識通りあの未来が近付いてくるのであれば、何としても避けたい未来じゃの」
「えぇ、とはいえあの流れを大きく変えてしまうと流れが読み辛くなる上に、最悪……」
「世界の崩壊じゃの」
「……はい」
「当然じゃな、先に動いてあの結末以外になるとしたら神魔の戦争すらありえる。あの結末がベストだった、大抵の神魔がそう答えるじゃろう」
「しかし……!」
「わかっとる、ワシも伊達に不良神をやっとらん、そんな綺麗事はいらんし、気に入らんわ」
豪快に笑いながら言う老師をみて、初めて物語の孫悟空の影をみた気がした。
「ただの威張り散らす耄碌ジジイとでもおもっとったか?まだまだ若いし暴れられるぞ?ま、立場上それは最後の手段じゃがな」
その皺だらけの顔をニィと歪めて振り返る老師は、とても頼もしく見えた。
……さっきまでは。
「ぬ、お主中々やるの」
「……はぁ」
「思いもよらぬとはこのことか!このワシを苦戦させるとは、お主も武道馬鹿に見えて結構こなしとるな?!」
「……まぁ」
お気づきだろう。ゲームしてます。多分俺の目は死んでる気がする。
しかも前の世界にいた時からそれなりにゲームは齧っていたからそこそこに出来た事が向こうのお気に召した様だ。
「……あの、そろそろ」
「ん?おぉ、意外と限界きとるの。かなりの時間を過ごしたから当然か」
「へ?」
あ、忘れてた。この加速空間でゲームしてから修行したんだったな横島達は。
…………ん?ということはまさか……。
「正解じゃ、お主はいつの間にか最高レベルの修行を始めておったということじゃ」
「はぁ?!俺霊力ないの知ってますよね!!死んじゃいますよ!!」
「安心せい、いつものコースとは違うお主専用コースじゃ。霊力をコツコツ目覚めさせるのではなく、無理やり目覚めさせるコースじゃ」
「それも聞いてる限りどう考えても危ないでしょう!!」
「大丈夫大丈夫」
「大丈夫じゃねぇ!!」
相手が神様だと言う事を忘れて叫ぶ俺だった。
「ふむ、成功じゃの」
「……死ぬかと思った……」
「成功したとはいえ、お主が今まで全く霊力を使っていなかったせいで、いきなり使えるわけではないがの。本当に霊能力の才能無いなお主」
「……え、あの地獄を味わったのに結局使えないんですか?というか酷くないですか?さり気なく」
「まぁ、今のままではずっと使えなかったであろう霊力が、何かのきっかけさえあれば目覚める様になっただけマシと思え」
「…………詐欺師」
「何か言ったかの?それにワシとの修行の御蔭で体術も向上されたじゃろ」
「…………ペテン師」
「お主、中々良い根性しとるな」
「疲れ過ぎて脳みそが回らないんです。不敬をお許しください」
「だからと言って堅くなる必要もないんじゃが」
「じゃあくたばれクソジジイ」
「よし、修行もうワンセットじゃ」
「正直すみませんでした!!」
などとくだらないやりとりも行ったが、とにかく、俺は一歩、それはそれは大きな一歩、前に進んだ様だ。
その後は小竜姫様への言い訳を考えるのを忘れていた為、こっそり美神さん達と合流して山を降りた。
近々情報共有などを兼ねて何度か老師の元へ行く必要はあるだろう。
あ、その時の小竜姫様どうしよう……。
次に書いてた話が天龍とかメドーサとかの話だったりするので、また間を埋めていかないと。。
ちょっとモチベを大量文字に費やしすぎたので一旦休憩ですかね(笑)