《平和の 象徴を 殺せ》
突如現れた敵を見るなり、13号は大きな声でとっさに叫んだ。
「委員長!今すぐ学校まで駆けてこの事を伝えてください!」
飯田がビクりと反応する。
「しかし!クラスのみんなを置いて行くなど...」
「飯田‼︎いいから走れって‼︎」
「くそう‼︎」
歯を食いしばり、一瞬戸惑いの色を見せた飯田だが、意を決して出口に向かって走り出した。
その様子を見て、八百万が咄嗟に声を出す。
「13号先生!わざわざ飯田さんに行かせずとも、なんらかの方法で連絡を取れば良かったのでは...」
そこまで言った所で轟が横から口を出した。
「現れたのはここだけか学校全体か...何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういうことが出来る"個性"がいるってことだ。だから、恐らくは電波も妨害されて学校に連絡は取れねぇ。だから13号は飯田を真っ先に行かせたんだろ。」
轟は淡々と説明を続ける。
「校舎と離れた隔離空間。そこに少人数が入る時間割...バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された
「...ッ!」
その説明を聞いた八百万は悔しそうに下唇を噛みしめた。
「あの敵達は私が相手をします。みんなはひとかたまりになって、その場から離れないように‼︎」
一人で向かおうとする13号の背後から麗日が慌てて声を出す。
「でも‼︎先生は救助活動が主なヒーロー....戦闘経験はあまりないんじゃ....」
それを聞いた13号はゆっくりと振り返り、
「麗日さん。一芸だけじゃ、ヒーローは務まりませんよ!」
そう言い残し、敵の元へと飛び降りる。
「バカだぜあのヒーロー。戦闘向きじゃねぇ癖にこの数相手にやり合うだ?笑わせてくれる!」
敵の中央に立った13号に向かって周りの敵が一斉に襲いかかる。
「敵の真ん中に来るとは大マヌケが!」
しかし、その瞬間13号に襲いかかった敵がその場から姿を消した。
「...ッ!」
周りの敵がざわつき始める。
「僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込みチリにする個性。吸い込まれる覚悟がある人だけかかってきて下さい。」
「多対一でも全くハンデを感じさせない立ち回り....どんなものでも吸い込める個性...そして吸い込まれたら死という恐怖で行動すら鈍らせる.....なるほど....」
「嫌だなプロヒーロー。有象無象じゃ歯が立たない。」
真ん中のリーダー格だと思われる男がイラつきながら首をガリガリと掻き毟る。
その姿を見ていた生徒達。
その時だった。
《緑谷side》
ものすごい悪寒と共に、走り出す飯田君の向かう先に何もない所から敵側の個性と思われる黒いモヤが現れたのは。
「っ‼︎」
そのモヤは徐々に形を成していき、みるみる人の形へと変わっていく。すると突如そのモヤから暗く重い声が響いてくる。
「させませんよ。初めまして我々は敵連合。せんえつながら...この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは...」
「平和の象徴、オールマイトに....」
「
は?
みんなに混乱が生まれる。そんな事は気にせず目の前の敵は淡々と話を続ける。
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるはず...ですが何か変更があったのでしょうか?まあ、それとは関係なく...私の役目はこれ。」
敵がそこまで言った時、両脇をものすごい速度で何かが通過したかと思えば、目の前にかっちゃんと切島くんが飛び出した。すでにエンジン全開の二人が、その勢いのまま敵に迎撃を食らわせる。
BooooM!
SKLIT‼︎
「その前に俺たちにやられることは、考えてなかったか!?」
「おいクソメガネ‼︎ここは任せて、テメェは今のうちにさっさと行きやがれ!」
「っ‼︎言葉遣いは気に入らないが恩に切る‼︎」
飯田君は敵の怯んだその隙に物凄い速さで出口へと消えて行った。
「しまった...逃してしまった....早く報告をしなければ..,」
ゾワッ‼︎‼︎
「危ない危ない...そう、生徒とはいえど優秀な金の卵」
(かっちゃん達の攻撃が...聞いてないのか...?)
《散らして...嬲り....殺す。》
その瞬間、僕らの視界は黒いモヤで閉ざされた。
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雄英高校 仮眠室
「んー...13号くんに繋がらない...」
13号が電話に出ず、オールマイトは困っていた。
「いかなる理由であれ勤務時間外の都合で教鞭を放り出す...とても愚かしい事をしていた。終わりがけに行って何を語れよう?後10分程なら体ももつだろうし...」
「私が行く!」
血を吹きながら、そう決意した所で目の前のドアが開いた。
「待ちなよ!」
「校長先生!?」
「yes!ネズミなのか犬なのか熊なのか、隠してその正体はーー校長さ!」
真っ白な毛並みにスーツを着こなしたこのネズミのような生き物こそが雄英高校の校長だ。
オールマイトが目線を合わせるために低く屈む。
「本日も大変整った毛並みでいらっしゃる!」
「秘ケツはケラチンさ!人間にこの色艶は出せやしないのさ!その話は後にして...」
突如、放送が乱れる。
「ザザッ...!先生方、大至急職員室にお集まりください!もう一度繰り返します。大至急職員室にお集まりください!USJに敵が襲撃してきました!」
「!!!」
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《USJ side》
13号が襲いかかってくる敵を次々とブラックホールで吸い込んで行く。徐々に数が減り、奥にいるリーダー格の男と目があった。
「はぁ、はぁ、あれが...この敵達の親玉....アイツを倒せば.....」
連戦に次ぐ連戦で疲れを隠せない13号は、少しずつ動きが鈍くなっていく。ふと目線を下に下げた時だった。
顔を上げると、先程いた場所にリーダー格の男がいない事に気づく。
(あの男は....一体どこに....‼︎)
その時だった。背後から悪寒とともに首に違和感を感じた。
「がはっっ.......‼︎」
後ろを振り返るとリーダー格の男が首の根元をしっかりと掴んでいた。
「分かりづらいけど....ブラックホールを出す間にタイムラグがある。そしてその間隔は段々と長くなってる。」
敵のトップに掴まれた部分からボロボロと崩れ落ちていく。
「無理をするなよ。13号。」
「...ッ!」
(コスチュームが.....崩れた!)
「その個性じゃ長期決戦は向いてなくないか?それでも真正面から飛び込んできたのは生徒に安心を与えるためか?ところでヒーロー。」
「‼︎」
13号は正面に気配を感じ、顔を前に戻すと、時すでに遅く大きな手が自分の視界を遮り頭を潰されるのを確かに感じた。
「本命は俺じゃない。」
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《緑谷side》
峰田君と蛙吹さんのおかげで敵との戦闘、初勝利を手にした僕達は、少し強くなった気でいた。プロヒーローだから大丈夫だろうと、どこがで安心していた。プロの世界。敵。僕らはまだ何も見えちゃいなかったんだ。
「対 平和の象徴 改人 "脳無"」
そう呼ばれる化け物は、13号の助けに来た僕らの心を軽々とへし折った。僕らの眼前にはボロボロになって下敷きになった13号とその上にまたがる異形な怪物。
な、なんだあいつは...まるで化け物じゃないか....!
(はぁ....はぁ....上手く....息が吸えない.....!)
「死柄木 弔」
そう呼ばれたリーダー格の男の横に、黒霧と呼ばれる先程の黒いモヤの男が現れる。
飯田君を逃した件について、話していたようだけど上手く聞き取れなかった。
「プロヒーロー何十人も相手じゃ敵わない....あぁ...ゲームオーバーだ...」
(ゲームオーバー....?何の話だ?)
その横で、脳無が倒れた13号の頭を持ち上げ、地面に叩きつける。
バキバキという音とともに、13号の意識はさらに薄れる。
「脳無が13号を潰している間に、少しでも平和の象徴として矜持を潰しておこう...」
ブワッ‼︎
風が収まり、目を開けると目の前では死柄木弔が、蛙吹さんの頭を掴む寸前だった。
(やばいやばいやばいやばい逃げて!逃げて蛙吹さん‼︎)
「脳無」
SMAAAAAASH‼︎‼︎
渾身のパンチで、起きた砂埃が収まると目の前には13号の側にいたはずの脳無が受け止めており、なおかつダメージはさほどないようだった。
(速っ....ていうか...効いてない...?)
「まあいいや....まずはお前から‼︎」
(僕が覚悟を決めたその時だった。入り口をブチ破る爆音と、希望の声が聞こえたのは。)
「私が来た!」
「あーー....コンテニューだ」
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《太陽side inトイレ》
「ふぅ.....長く険しい戦いだったよ......これですっきり!」
ドゴォォォォォォォォン‼︎
「わわっ!すごい振動...勝己君またぶっ放しちゃったのかな.,.?でもさっきから何回もなってるような....早く戻らないと....授業終わっちゃう.....!」」
太陽は全速力で場内に戻った。(50m走11秒台)
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《太陽side》
「授業終わっちゃう終わっちゃう.....え?」
驚くのも無理はない。
太陽の目の前には穴の空いた天井、視界を遮るほどの砂煙、そしてボロボロになったオールマイト。そして明らかに敵対する勢力。
(ここは雄英で...,ヒーロー科最難関で....,プロヒーローがたくさんいて...オールマイトはNo.1ヒーローで....それなのに....それなのに...)
「何でこんな所に敵が!!??」
死柄木の毟る速度が徐々に早くなる。
ガリガリガリガリガリ
「衰えた?嘘だろ....このチートが....うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「死柄木弔...落ち着いてください....ダメージは確実に表れている。私と連携すればまだやれるチャンスはあるかと....それに.....」
「そうだな黒霧....それに脳無は......
もう一体いる。」
久々に書いたので(前回は貯め書き)文章構成に違和感を感じるかもしれません。もっと