ただそこにある絶望   作:なめらかプリン丸

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第11話

アイン「さて、先ずは腹ごしらえからかな。どれどれ・・・。」

 

それはセシリアの顔を覗き込み、呼吸をしているのを確認すると、顔面を殴り付けた。

明らかに動く気配が無いセシリアへの追撃に、我慢が出来ず一夏はそれに向かって蹴りを入れた。

 

その感触は、明らかにISとは違う機械的な感触では無かった。

生物的な感触を持ち、まるで脈打つかの様に、外皮が動いていた。

 

そんな攻撃に意識すら見せず、それは考え事をしていた。

まるで、幼い子供が虫をどう殺そうか考えている様であり、一夏はゾッとした。

 

セシリア「っ、な、なんですの貴方は!!」

 

アイン「俺か?そう言えば自己紹介がまだだったな。俺はアインザームカイト。どこぞの狂った天才の自信作であり、ある意味末っ子って奴だな。」

 

千冬「狂った天才だと・・・。やはりこいつは、束のせいか!!」

 

束『ピンポンピンポン~。大正解。これこそ、束さんの最高傑作にして、あーくんの心だよん。』

 

学園の放送をジャックしたのか、応援席から束のおどけた声が聞こえてきた。

 

千冬「ふざけるな!!あれが千秋の心だと?ふざけるのも大概にしろよ・・・。」

 

束『そんな事無いよ?もうすぐ、言ってる意味がわかるから。お~い、アイン。やっちゃって良いよ。』

 

まるでその言葉を待っていたのか、アインは不気味にニヤリと笑い、一夏の方を見た。

いきなりの方向転換で一夏は、身構えた。

 

アイン「やっとか。好き嫌いはねぇけどよ、不味い雑魚ばかりじゃつまんねぇからな。さてと・・・。」

 

ゆっくりと、手を合わせながらアインは一夏に近づいて来た。

専用機を貰えたとは言え、まだ初心者。今の一夏に白式を乗りこなす事が出来ないのは、一夏自身重々承知である。

 

唯一の武器である雪片弐型を構え、アインに斬りかかった。

その斬撃をアインは全く防ごうとはせず、自分の左腕をまるで差し出すかの様に刀に合わせた。

 

するとアインの左腕は切り落とされた。

 

アイン「ぎゃ~痛いよ~。斬られちゃったよ~。」

 

自分がしたことの衝撃に耐えきれない一夏は、嘔吐してしまった。

機械では無く、生身を斬った様な感触。一般人である一夏に耐えれる筈が無い。

 

アインの腕はすぐさま回復して、吐いている一夏を見て不思議そうにしていた。

 

アイン「何してんだ?これくらい普通だろ?たかが、左腕を切断しただけじゃねぇか。なぁ?」

 

一夏「な、何いってんだよ!腕だぞ!?」

 

一夏の問い掛けに、より不思議そうな顔をした。

 

アイン「だってよ。現にこいつがそうじゃん?」

 

そう言ってアインは、自分を。

いや、中にいる千秋を指差した。

 

束『凄いでしょ?アインは、あーくんが今まで受けてきた痛み、苦しみが全く通じないんだよ。そして、その攻撃は例えISだろうが防げない特別製!正にあーくん専用って感じだね。』

 

まるで誉めろと言わんばかりのテンションで束が言うと、千冬の怒りは押さえられなかった。

 

千冬「貴様!!お前のしている事は、千秋の人生を侮辱しているんだぞ!!」

 

束『何言ってるの?束さんは、あーくんの人生を力に変えただけだよ?言うなれば、あーくんの肯定。侮辱してるのは、ちーちゃんの方でしょ?まぁ、あーくんの今から眼をそらしてる時点で分かるわけ無いか。』

 

アイン「どうした?ほら、早く攻撃してこいよ?ほら。俺は無防備だぞ?ほら、ほら!!殴る蹴るは、普通なんだろ?他者を痛め付けるのは、常識何だろ?」

 

一夏「そんな訳無いだろ!!そんな狂った考えが普通な訳無いだろ!!」

 

攻撃してこない一夏に痺れを切らしたのか、アインは一夏を殴った。

 

アイン「良く言うぜ。自分だって、イカれてる癖に。なぁ、一夏。だってお前は、こいつが拒まない事を良いことに、自分の性欲を解消する為だけにこいつを犯し続けた癖によ。」

 

千冬に聞こえない様に耳元でそうささやくと、一夏は反射的にアインを斬りつけた。

アインを斬る度に、本当に出血しているかのように血が吹き出ているが、今の一夏にはそれを気にも止めない程冷静じゃ無くなっていた。

 

アイン「ほら見ろ~。そうだろ?相手を容赦なく傷つけることが常識じゃ無ければな。」

 

アイン「実の親父に!!ゴミの様に扱われ!!犯され!!暴力を振るわれ!!自分の感情や人間性を失ったこいつがおかしいみたいじゃ無いかよ!!」

 

そう言ってアインは、カウンター気味に一夏の頭部に蹴りを喰らわせた。

 

あまりの一撃に、一夏は白式から戻ってしまった。

 

アイン「さて、今日のところは右で良いかな。」

 

倒れている一夏の右腕を軽く上げ、肘のところに足を当てた。

それが何を意味するのか理解した千冬は、窓を突き破り闘技場へと突撃していった。

 

だが、千冬の制止も間に合わずアインはそのまま肘を踏みつけ、一夏の右腕が鈍い音を鳴らしながら、曲がってはいけない方向へと曲がってしまった。

 

一夏「グァァァァァァ!!」

 

あまりの痛さにのたうち回る一夏だったが、その声が煩かったのか、アインは一夏の喉を蹴った。

 

アイン「これくらいで騒ぐなや。こいつは、どんな仕打ちを受けようが呻き声ひとつ出さなかったぞ?

てか、喋れないだけか。」

 

アインは楽しそうに笑った。

すると、飛んできた千冬がアインのみぎめを潰すように攻撃をした。

 

その一撃が見えていたが、敢えてアインは避けようとはせずに千冬の攻撃を受けた。

そしてアインの右目は潰れてしまい、流血していた。

 

アイン「あ~あ、こんな酷いことしゃって。これじゃあ、俺も恐ろしくて元に戻れないね。

でも、目的はちゃんと果たせたからな。意外と簡単すぎて拍子抜けだったな。」

 

そう言うとアインは、千秋の体に戻っていった。

打鉄も解け、千秋はその場に倒れてピクリとも動かなかった。

 

千冬「大丈夫か!!おい、一夏!!」

 

倒れた千秋の横を過ぎていき、千冬は一夏へと駆け寄った。

 

千冬「おい!!今すぐ救護班を呼べ!!一夏が大変な状態だ!!」

 

そんな千冬の行動を見て、束がご満悦なのか笑いすぎて涙が出ていた。

 

アイン『何だ。アンタの言ったとおりじゃん。ホント、可哀想な男だな。』

 

束「これで良い。それでこそ、ちーちゃんだよ。真っ先にいっくんに駆け寄る、お姉ちゃんの鏡だね。はぁ、可哀想なあーくん。アインのダメージがそのまま生身に反映するだなんて、考えてもないなら。ま、あーくんの右目は必要経費って所だね。」

 

千冬の来も知らずにすすんできている束の計画、それが凡人に理解できる範疇では無いが、千秋に幸せが訪れない事だけは理解できるであろう。




最高!!まさに性癖丸出しって感じ!!
こんなに可哀想な主人公書いてると、自分がおかしくなった錯覚に陥りますね。
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