ただそこにある絶望   作:なめらかプリン丸

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第13話

クラス代表を決める決闘から一夜明け、事態は混沌としていた。

クラス中のアイドルとも言うべき一夏は骨折、代表候補生のセシリアは全治1か月の大怪我。

 

 

当人達でなくても、誰が仕出かしたのか考える必要も無かった。

あの時以来、千冬は千秋を見ていなかった。

 

大事な弟が大怪我をおい、それどころでは無かったからである。

そしてもうひとつ、千秋に対して恐れが産まれていた。

 

そして次の日、一夏を心配する生徒で教室はごった返していた。

 

千冬「お前達、チャイムが聞こえなかったのか?」

 

千冬の一喝で生徒達は席に戻ったが、千秋の姿が見えなかった。

心配になった千冬だったが、そのときに扉が開き千秋が入ってきた。

 

千秋の姿を見て、生徒達は激しい敵意と殺意を向けた。

そして千冬は、絶句して言葉が出なかった。

 

なぜなら、千秋の右目が無かったからだ。

それを見て、原因がすぐにわかった。

 

自分が千秋に傷を負わせた。

あの時の攻撃が、そうだったのだと理解した。

 

山田「クラス代表は、一夏くんに決まりました・・・。」

 

当然、歓迎ムードになるわけは無く、静寂に包まれていた。

そして授業が終わり、千冬は千秋に話をしようとしたが、それよりも早く千秋は生徒達に捕まってしまった。

 

生徒1「ふざけないでよ!!どんな卑怯な手を使ったか知らないけど、セシリアさんや一夏くんにあんなこと!!」

 

生徒2「そうよ!!死ね!!死ね!!」

 

生徒達は罵倒を繰り返し、千秋に暴行を加えた。

今の生徒達には、千秋は邪魔な存在そのものにしか思えず、既に人として扱う気は全く無かった。

 

殴る蹴るでは収まらず、壁に向かって思い切り叩き付けたり、鼻をへし折ったりした。

既に動けなくなっていてもお構い無く、その場に放置し次の休み時間には別の生徒が、また次の休み時間には別の生徒が入れ替わり立ち替わりで千秋を痛め付けた。

 

山田「織斑先生、お話があります。千秋くんの事なんですが・・・。」

 

千冬「わかっている。私も大人だ。少しずつあいつとは距離を置くしかあるまい。」

 

千秋が置かれている現状を知ってか知らずか、千冬は1教師としての判断を下していた。

 

そんな様子を何処かでモニタリングしていた束は、大喜びをしていた。

 

アイン『お前の予定通り、千秋はクラスにとっての敵になり、千冬は一夏を痛め付けた千秋に対しての不信感を抱いたな。』

 

束「うんうん。これで後は、全校生徒の敵になるようにすれば、誰もあーくんの味方はいなくなる。そうすれば、あーくんは私だけとあーくんになってくれる!!」

 

アイン『それはどうでもいいけどよ?いい加減俺もあの程度じゃ、飽き飽きしてるんだよ。敵にするなら、誰か殺した方が手っ取り早いだろ?』

 

束「まぁまぁ、落ち着いてよ。下手に大事になったら、それこそ遊べないよ?もうすぐ、クラス代表戦ってやつがある。その時に、飛びっきりのオモチャを用意するから。」

 

アイン『オモチャねぇ、まぁ千秋の心を生長させる為には、戦う必要があるからな。そのオモチャってので、当分は我慢しとくか。』

 

アインとの通信を切った束は、ボロボロに踞っている千秋を見て、恍惚としていた。

 

束「長かったよね?もうすぐだよ?もうすぐ、私があーくんを救いだして上げるよ。あーくんを幸せに出来るのはこの私しかいないからね。」

 

束「待っててねあーくん。ちーちゃんなんかにあーくんの幸せの邪魔は絶対にさせないからね。だって、私しか本当のあーくんを愛してない。あーくんしか、私を幸せにしてくれないから・・・愛してるよあーくん♪」

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