ただそこにある絶望   作:なめらかプリン丸

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第15話

アイン「さて、一応出来る所まではやってみるか。おそらく、無人機を15秒くらいは出来るとは思うんだけどな~。」

 

アインザームカイトは、意味ありげなことばを呟きながら無人機を見ていた。

 

鈴音「私達の戦いを邪魔するし、攻撃してくるしで何者なのあれ?」

 

一夏「わかんねぇ。わかんねぇけど、まさか。」

 

一夏は目の前のISに怯えていた。

対峙しても感じることが出来ない、相手の感情。

 

そして、まるで無機質かの様な動きにアインザームカイトを連想していたからだ。

 

だが、それでも入り口が封鎖され外部とも連絡が取れない今の状況で目の前の敵を倒せるのは自分達しかいない。

そして側には、鈴音がいる。

 

一夏は、自分の頬を叩き気合いを入れた。

 

一夏「なぁ、鈴音。あいつの気を引くことって出来るか?もし隙が出来れば、俺が何とかしてみせる!」

 

鈴音「はっ、大きく出たわね。そんなこと朝飯前よ!?それよりも、あんたこそヘマしないでよね。」

 

二人は顔を見合わせた。

そして、無人機へと向かっていった。

 

一夏は近距離で、鈴音は中距離で攻撃を仕掛けながら相手の出方を見ていた。

即席では在ったが、少しずつ無人機を追い詰めていった。

 

無人機はその行動を完全にプログラムされているせいか、一定の行動しか取れていない。

一夏は、無人機の動きを見ながら零落白夜を発動させるタイミングを伺っていた。 

 

動きが一定とは言え、相手の反撃もありあまり悠長に時間をかけている暇は無かった。

もし自分がミスをすればもう後はない。

 

それが一夏により緊張感を与えていた。

 

アイン「なんだあいつら。あれの動き、よくわかってるじゃん。これじゃあ俺の出番は無さそうだなぁ。」

 

まるでオモチャを取られた子供の様に不貞腐れていたアインザームカイトだったが、次には不敵に微笑んだ。

 

アイン「じゃあ、試験もかねてやってみるか・・・」

 

鈴音の砲撃にひるんだその一瞬を、一夏は見逃さなかった。

ここしかない!!

 

この絶好のタイミングをのがさまいと、一夏は零落白夜を発動させた。

 

そして一気に勝負をつけるために、無人機に斬りかかった。

 

その瞬間、明らかに今までとはちがううごきを見せた無人機に戸惑いを隠せなかった。

スピードもつけてしまい、もう一夏は止まることが出来なかった。

 

一夏(ヤバイ!!やられる!!)

 

反撃しようとした無人機だったが、突然糸の切れたマリオネットの様に動かなくなってしまった。

 

その変化に戸惑いはしたものの、予定通り一夏は無人機に攻撃をヒットさせ、無事に無人機の無力に成功した。

 

自分のシールドエネルギーを使い果たした一夏は、百式を解除してその場に座り込んだ。

 

鈴音「やったじゃない!まさか、そんな奥の手を隠してたなんてね。」

 

一夏「隠してたって訳じゃ無いけどよ。」

 

一段落ついた二人は、笑いながら話していた。

 

アイン「あれ?っかしいな。もうちょい出来ると思ったんだけどな。」

 

束「ねぇ、あのISに何かしたでしょ?最後は明らかに束さんの知らない動きになってたよ。」

 

アイン「んなこと知らんよ。俺は所詮コアだぞ?何が出来るってんだよ?」

 

束「なら良いけど。さて、そろそろアイン様にオモチャを送り込んだから、楽しんでね。」

 

束からの通信がキレて、アインは内心大笑いだった。

 

アイン(やっぱ、変化に気づいたか。でも、原因はわかんねぇか。フッ、まだネタバラシは早いな。もっとおもしろくなってからかね?)

 

雑談していた二人の前に、今度は3機の無人機が現れた。その3機は、明らかにさっきまでのとは違うおぞましい雰囲気を醸し出していた。

突然の不意打ちに驚いた二人だったが、かたやエネルギー切れ。

かたや一人。

 

勝機は目に見えて無かった。

 

一夏「鈴音、ここは俺が食い止める!!だから、お前は早く逃げろ!」

 

鈴音「何言ってるのよ!?エネルギー切れのあんたに何が出来るの!?ここは闘えるわたしが!」

 

アイン「おいおい、そいつらは俺のオモチャだぞ?お遊戯の時間はとうに終わってるんだよ。さっさと、二人して失せな。」

 


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