束に連れられて、千秋は束の研究所に到着していた。
始めてくる場所に、不安と恐怖。
本来の人間なら持っている感情すら無く、千秋は辺りを見回していた。
束「あーくん!この瞬間を死ぬほど待ちわびてたんだよ?今まで大変だったでしょ?」
そう言って束は、千秋を力強く抱き締めた。
それに答えるように、千秋も軽くだが抱き返した。
束「これからの準備とかで時間がかかっちゃったけど、ちゃんと私が・・・」
束は千秋の耳から、補聴器を取り外しポケットにしまいこんだ。
束「あーくんをしっかりと管理してくからね。」
いきなりまた、音が消えたことで千秋は不思議に思っていた。
束「これまでの仕打ち、普通の人間なら確実に死ぬ。それほどのダメージだけども、あーくんはしっかりと生きてる。それは、あーくんの生命力と回復力、それがずば抜けて高いからなんだよ。そんな逸材、ちーちゃんなんかに壊されちゃ勿体ないよ。」
そう言って束は、千秋の首筋に注射で何かの薬物を打ち込んだ。
すると今まで感じたことのない体の熱さ、そして痛みに千秋はその場に倒れこんで苦しみ出した。
束「ISの研究以外に、色んな薬の研究もしてるんだけど、それを検証する大事な被験者が見つからなかったんだよ?でもそこに、あーくんが現れた。あーくん程、適した人間はいない。だから、あーくんはこれから束さんがあーくんの全てを管理するからね。」
それから、体が回復したと思うと新たな薬を摂取させられ、この度に様々な痛みを味わっていた。
そんな日が何日も続いたある日、千秋は不思議な夢を見ていた。
アイン『久しぶりだな千秋。俺が見ないうちに凄い事になっているな。まぁ、ある意味普段と変わらないか。』
千秋の専用機、アインザームカイトがいつぶりかに話しかけてきた。
そして目の前に、アインザームカイトの姿が現れた。
アイン『お前は耐えてきた。この世の理不尽な仕打ちに、他人からの悪意に。そして、自分でも気づいていない様々な感情を身につけた。』
そう言うとアインは千秋を抱き締めた。
機械の体なのに、今までの誰よりも優しく暖かいそれに千秋は涙を流した。
アイン『そうだ。この世で、本当にお前を理解しお前を愛し、お前を救えるのは、もはや俺しかいない。俺の考えが理解できてるだろ?なら、全て終わらせてやる。この俺がお前を本当の幸せに案内してやるよ。』
そうして目が覚めると、千秋はアインを身に纏っていた。
そしてカメラで見ていた束が、大急ぎで部屋に入ってきた。
アイン「やっとだ。今まで千秋を育ててくれて感謝するよ皆様よ。さて・・・せめてのも恩返しに、千秋の幸せの舞台に案内してやるよ。」
束「何が目的なんだい。お前は所詮私が創ったおもちゃなんだよ!」
そう言って停止スイッチを押したが、何も起こらず困惑していた。
アイン「無駄だ。今の俺はISではない。文字通り千秋と一体となった存在だ。さて、お前にここでこれまでのお礼をしても良いが、役者が揃ってないんでな。学園で待ってるぜ」
そう言ってアインは、天井を破壊してIS学園へと飛んでいってしまった。