アインは、IS学園へ向かいながら千冬の携帯電話に着信をいれた。
2コールがした後、知らない番号からの着信だったからか、恐る恐る電話に出る千冬を嘲笑うかの様に、アインは嬉しそうに笑っていた。
アイン「久し振りだな?俺の事覚えてるか?」
千冬「その声は!貴様、千秋は無事なのか!?」
アイン「なんだ覚えてんのかよ。お前の事だから、邪魔な千秋もろとも、忘れてるかと思ったよ。まぁ、今から近くの浜辺に来い。面白い物を見せてやるよ。」
と、一方的に言い終わると、そのまま電話を切ってしまった。
そしてその後、自分の座標を高度な暗号に変えて、束の研究所に送りつけた。
アイン「あいつの事だ。ものの数分で暗号を解いて場所を完璧に特定するだろうな。
だが、それだけの時間が有れば、全ての準備が整うな。」
アインはまるで、明日遠足を控えた子供の様に無邪気に笑っていた・・・。
電話を受けた千冬は、罠かもしれないその誘いに居てもたってもいられなくなっていた。
臨海学校の途中ではあるが、それでも千秋が近くにくる。
その事実だけで、頭が一杯になってしまった。
そして意を決して浜辺に行くことにした。
だが、その違和感がある挙動に気がついた一夏達の尾行にすら、気が付かない程、周りが見えていなかった。
近くの浜辺についた千冬は、急いで辺りを見回した。
もしかしたら、アインでは無くて千秋がいるかも知れない。
無に等しい可能性を信じていたのだ。
アイン「ん?なにをキョロキョロしてるんだ?もしかして、自分の欲望だけが、また叶うと思ってたのか?」
それを嘲笑うかの様に、アインが目の前に現れた。
千冬「欲望だと!?なにをふざけた事・・・」
全てを言い終わる前に、アインが千冬の言葉を止めた。
そして、千冬の後ろを指差した。
アイン「色々と楽しみたいが、先ずは前菜からたのしもうかな。
おい!ラウラ・ボーデヴィッヒ。出てこい!」
アインに名指しされ、千冬はまさかいるとは思わなかったのか、驚きを隠せなかった。
だが、アインの目的の人物では無く、出てきたのは一夏だった。
アイン「ほぅ。これはこれは。優しい一夏君は、友達の代わりに出てきたのは。」
アインは小馬鹿にするように言った。
一夏「お前がラウラになんの様があるのかは知らない。だが、お前みたいな化物に、ラウラを近付けさせない!」
一夏の発言に、アインは涙を拭う様な動きを見せた。
アイン「いや~。カッコいいね。自己犠牲。それでこそ、誰からも愛される人間の行動だよ。だが、それならなぜ、千秋はムクワレナイ!!」
いきなり口調が変わり、余りの雰囲気に一夏達は圧倒されていた。
アイン「おっと、すまない。お前と遊んでいてもいいんだが、それよりまずは、やるべき事をしなくちゃな。」
そう言うと、目の前からアインが消えてしまった。
そしてラウラの悲鳴が聞こえたかと思うと、ラウラの髪を掴んだアインが現れた。
そしてラウラを、浜辺の方へと投げ飛ばすと、軽い足取りでアインはラウラの方へと近づいていった。
アイン「お前は以前、千秋に向かって人形だのゴミだのと罵ったな。俺から言わせて貰えば、お前の誕生過程から考えれば、お前の方がお人形だろ?まぁ、その辺は別にいいや。」
そう言うとアインは、自分の右腕をショットガンへの変換させた。
そして自分の右目をえぐりだした。
するとその右目は、ショットガンの弾へと変わり、それを装填した。
アイン「お前が貶したこの可愛そうな千秋の、おぞましい千秋の全てを味わってみよろ?」
そう言って銃口をラウラにむけた。
一夏や千冬が急いで助けようと走り出したが、それを見てニッコリと笑うと躊躇い無くラウラを銃撃した。