メソポタミアの時代に来て早5年。
ウルクを統治する王ギルガメッシュと相対し、死にかけたのは昔の話。今はとある神様と向き合っていた。
「まさか招かれるとは思いませんでしたよ、水神エンキ。」
「もとは招く気がなかったんだがねぇ。」
エンキ。それは工芸、水、知性、創造の神性を有するメソポタミアの神のうち1人。そんな大物に招かれて今は彼の神の根城にいるのだ。
招かれた訳は何となくわかる。だが、敢えて知らんぷりをする。
「それで、私のような1小市民に何の用ですか?」
「減らず口を…………俺が読んだわけは言わずとも分かってるだろうが。まぁいい。アヌやエンリルより先に接触出来ただけでも良好だ。」
「他の神々より先、ですか?」
「あぁ。お前さんは不穏分子に近いからな。イシュタル嗾けられて消されてたかもよ?」
「うひゃあ、理不尽過ぎますよ。まぁその理不尽さが神の売りですからねぇ。」
「おいコラ、あいつらと一緒にしてんじゃねぇよ。って、その事は今はいい。それより、このご時世をどう思う
「あちゃあ、バレてましたか。」
「あいつらと違って俺は
「率直に言って私以外に人間がいませんね。その辺にいるのは皆動く肉人形。知性はあれど理不尽に圧迫されて無いも同然。このままだと信仰する知性すら失せて神々は瓦解。死の星に早変わりしますね。神は神として、人は人として過ごしていかなければ……ね。」
この時代に来て以来抱えていたものをエア神にぶちまけた。特異点にはならないにしろ
「やはり、か。ギルガメッシュに乖離剣を渡したため自分じゃ袂を頒てねぇ。」
「ギルガメッシュに言おうとしても何処にいるかわからないですし。」
そう、ギルガメッシュは今不老不死の霊薬を求めて旅に出ているため不在なのだ。故に袂を頒てる者がいないのだ。
「そう。ギルガメッシュが何処にいるかが分からねぇ。だから、
「は?………………………………はぁ!?!?なに、馬鹿なことを言ってやがるんですか!?歴史改変などするわけないでしょう!?そもそも乖離剣すらないのにどうやってやれと言うんですか!?」
「あん?ギルガメッシュがやったって吹聴すりゃいいだろうが。それに乖離
エア神はなんてことないようにいいながら、ひとつの槍を取り出した。それは乖離剣に使われている3つの円筒状のものが縦に並んでおり、穂先と石突もあった。軽く触れると中央は固定されているが、上の筒と下の筒は逆方向に廻るようだ。
「穂先側から天、地、冥の属性を有している。原理は乖離剣と何ら変わらねぇから使えるだろうよ。人と神の袂を頒てたらそいつを持って行って構わねぇからこの時代から去りな。」
「あぁもう!分かりましたよ!やればいいんでしょうやれば!とっとと送ってください!善は急げ、ですよ!」
「ハイハイ。」
乖離槍にある筒を持ち、立ち上がるとエア神が俺を転移させた。場所はバビロニアにある城の天辺のようだ。早速はじめようか。
「宝具起動、天地を頒つは乖離の星!!兎に角神は人を手放して下さい!!!!
上の筒と下の筒が超光速回転を始め、空間の圧縮を始めた。周囲に被害が出かけてはいるが、少々問題は無いだろう。
そして、この宝具の起動に気付いた神々が天より降臨しようと天地を繋いだ。それを見計らって大投擲をする。
天地を繋ぐ門まで届き、空間を破壊する力の奔流が発揮された。門前に居た神々が肉塊へとなり、門を破壊。天と地が繋がることは二度と無かった。
「無事に成功しましたか。…………申し訳ありませんギルガメッシュ、孤独にしてしまうことをお詫び申し上げます。」
それを見届けてから乖離槍が落ちてきたのをキャッチしてギルガメッシュに謝罪。そして時間を操った。
次は紀元前2000年代にあったとされるギリシャ神話の時代へ向かうことにした。メソポタミア神話とほぼ同年代のため、脅威度も相応に高いだろう。
ギルガメッシュには悪いが、宝物庫から宝物を2割くすねて次元を跳躍するのであった。