フランの異世界召喚記   作:松雨

27 / 83
もう1つの作品との掛け持ちの為、1話辺りの文字数をそれと同じくらいにしようと思います。あと、投稿頻度も落ちます。すみません。


フラン、2人の試合を観戦する

『それでは只今より、ヴァルシア学園のフレイドさんとオウラン学園のジェノさんの魔法対戦を始めます! 両者、対戦準備をして下さい!』

 

 観客席の一番前を運良く確保することに成功した私とミアは、これから始まろうとしているジェノの対戦を注意深く見守っている。

 

「なるほどね。あのフレイドって人がオウラン学園の3人を1人で打ち倒したっていう……確かにかなりの魔力を持っているみたいだけど」

「フランちゃん、ジェノさん大丈夫かな?」

「うん。魔力の量的にはジェノの方が多いから大丈夫だとは思うけど……」

 

 しかし、今回の相手は3強の内の1校、オウラン学園の人に1人で勝利している強い魔導師だ。一体どんな魔法を使うのだろうか?

 

『対戦開始!!』

 

 声を拡散させる魔道具を使った為か、司会者の声が会場に響き渡る。それと同時に対戦が始まった。

 

「まずは俺からだ! 『マルチフレア』」

 

 先に攻撃したのはジェノだ。複数の火の玉を同時に操って相手にぶつける火属性中級魔法を小手調べとばかりに放つ。

 何故か避ける素振りを見せなかった為、全部をまともに受けてしまっていた。

 

(ん? あの人……)

 

 素早い動きで何かしたのが見えたが、特に気にも留めなかった。

 

「そんなもん効くかぁ!!」

「嘘だろ……」

 

 あれだけの火の玉を受けたにも関わらず、フレイドには全くと言って良いほど効いていなかった。いや、よく見たらほんの僅かばかりダメージがあるようだが、実質無いようなものだろう。

 これには流石のジェノも絶望を隠せないようだ。

 

「くっ! 『マルチストーム』『マルチフレア』」

 

 間髪いれず2つ同時に中級魔法を放った。複数の竜巻と火の玉が混ざりあって火炎竜巻に、更にそれらがフレイドに集結していって巨大な火炎竜巻となった。

 

 これだけ高威力の魔法だ。流石に無傷とは行かないだろうと信じたいけど。

 

「ふぅ……やるじゃねえか」

「これでもこの程度か……」

 

 どうやら流石に無傷とは行かなかったようだが、与えたダメージがあまりにも少なすぎる。相手の総魔力量からしてあの程度で済むはずがなかった。

 

「フランちゃんどうしたの?」

「……あ、ミアごめんね。実は、ジェノの相手のフレイドって奴がなんかおかしいなって思ってさ」

「そうなの?」

 

 そんな会話をミアとしていると、どうやらジェノが弾幕とスペルカードを使い始めるのが見えた。魔力の放出具合からみて、どうやらフルパワーで一気に決着をつけるようだ。

 

「3強戦まで使わないでおきたかったけど仕方ない! はぁぁーー!」

 

 ジェノが全魔力を使いつくすつもりで放った弾幕は、1発1発が中級魔法クラスの威力があるようで、それを防御するフレイドの身体に少しずつではあるがダメージを与え続けている。

 

「フランさん、使わせてもらいます! 『炎槍 イグニスランス』」

 

 ジェノがそう言うと、上空に展開された魔方陣からやたらデカい炎の槍が雨あられのように降り注いできた。全魔力を注いで発動させたから大きさが倍増しているのだろうか。

 

「あがっ! くそ……」

 

 先ほどの弾幕の比ではない、例えるなら上級魔法かそれ以上のクラスの威力を誇る炎の槍がフレイドを襲う。完全防御体勢を取っているようだが、それでも威力を殺しきれずにダメージを受け続けている。

 

 そうして30秒程経った頃、フレイドがダメージに耐えきれずに気絶、ジェノも魔力を使い果たして気絶してしまった。

 

『おっとぉ! 両者共に気絶した模様ですね! この勝負は引き分けのようです。次の試合はヴァルシア学園の方はルナユールさん、オウラン学園の方は最後の1人シルフィオさんです!』

 

 気絶した2人は闘技場スタッフによって運び出され、すぐさま次の試合が始まった。

 

『戦闘開始!!』

 

 そう司会者の掛け声が聞こえたと同時にシルフィオが動き、弾幕をいきなり相手の腕とポケットに向けて放ったのだ。

 

「貴女、隠していたものでドーピングしようとしていましたよね? まあ、もう破壊しておきましたので無駄ですよ」

「……嘘、何で?」

「ジェノは気づいていなかったようでしたけど、フレイドと言いましたっけ? 彼も貴女の持っていた瓶と同じものの中に入っていた液体を飲んだら物凄い強くなりましたし」

「見られていたと言う訳ね……」

 

 なるほど。て言うか、シルフィオはよく気づいたと思う。

 

『何と……試合中止です! 今魔導師の者がそちらに真偽を確認するべく向かっています。 と言うか、もし本当にドーピングアイテムを持ち込んでいたとしたら、大会運営は何をしていたんですかね!』

 

 司会者はシルフィオとルナユールの会話を聞き、すぐさま試合を中断させ、真偽を確認する為に魔導師を向かわせた。

 

 その結果、会話通り魔力増強のアイテムが発見され、この試合は無条件でオウラン学園側の勝利となり、その場で相手学園の数年間試合出場停止の処分が下された。

 

 何でも、王国内部の偉い人物がヴァルシア学園の不正と大会運営の杜撰なチェックに激昂して処分を要求、それを飲めなければお前たちもまとめて牢獄送りにするぞと言った為だと、守備隊長の伝で聞いた。

 

 こうしてこの試合は、相手方の不正と言う後味の良くない結果でオウラン学園の勝利となった。




ここまで読んで頂き感謝です! お気に入り登録や星評価をして下さった方にも感謝です! 励みになります!

報告無しに放置してしまい、申し訳ありませんでした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。