フランの異世界召喚記   作:松雨

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解説が完成したのでまとめて投稿しました。そのついでに、今までに投稿した話で見つけたおかしな部分の修正も行いました。


フラン、ミアの師匠に出会う

 ミロミスのギルドマスターからこの町に居てくれと頼まれた時からちょうど2週間経ったとある日、ここに滞在していた過程で仲良くなった、今は村に居る妖精たちと聖樹周辺の修復がてら色々な意味で疲れた精神を癒し、楽しく遊ぶ為に妖精の森深部へと私たちは向かっていた。

 

「さてと、あともう少しで聖樹も修復が終わるね。まあ、大半は私の外れた攻撃のせいなんだよね、ごめんエリエス」

「姉様と同じく、私からも謝るね。ごめん」

「あの冒険者から助けてくれただけなんだから、フランとヴァーミラは気にしなくても良いぞー。女王様もそう言ってたし。それより、修復頑張ろーね!」

 

 その中でも1番早く……と言うか最初から打ち解けてくれたのは、助けた妖精のお姫様の『エリエス』だった。あの時以降も変わらず、幾多の妖精たちが私やヴァーミラを恐れて逃げる等の行動を取る中、何故か彼女だけはそんな事関係ないとばかりに積極的に話し掛けたり、何処ぞの氷精みたいにイタズラを仕掛けてきたりしてきた。そのお陰か、徐々に妖精たちも私やヴァーミラを危険な吸血鬼だと思わなくなってくれたのか、打ち解けてきてくれたのでありがたかった。

 

 そんな彼女のイタズラの中でも、妖精の女王様にダメ元で説明したら奇跡的に貰えた妖精族直伝の保存魔法が掛けられた、前まで持ってた壊れた奴よりも少し小さめの瓶4つに入れていた飲む為の血がいつの間にか別の何かにすり替えられた時は驚いた。食事時にさて飲もうかと瓶の蓋を開けた時の匂いが違う事に気付かなければ飲んでいただろう。

 

「そうだね、エリエス。でさ、この瓶の中身をいつ取り替えたの? そろそろ教えてくれたって良いじゃん」

「あれねー。まあ、もう良いかな……フランが女王様と話してる時さ、瓶を何故か机の上に置いたでしょ? あの時にこっそり超激辛果実の汁とね、入れ替えたんだー。飲んでくれてたら面白かったのに、すぐ気づいちゃうんだもん」

「そりゃあさ、匂いが明らかに血とは違うじゃん。あんなに強烈な刺激臭がしたら誰だって疑うでしょ」

「むぅ……匂いかぁー」

 

 私がそう言うと、エリエスは唸りながら匂いをどうにかする対策を考え始めた。自分でイタズラのネタを提供してしまった事に今更気づくも、もう遅かった。今度は彼女の前で瓶を置かないように気を付けよう。

 

 そんな事を考えながら妖精の森の中を歩いていると、遠くから人間の女の人がゆっくり歩いてくるのが見えた。良く見ると、着ている服はボロボロな上に魔力も死にかけではないが、かなり弱っている事がよく分かる位には少なかった。

 

「もしかして、遭難者なのかな? 取り敢えず話し――」

「お師匠様ぁーー!!」

「「ん!?」」

 

 明らかに冒険者には見えない装いをしていた為、私は何らかの理由で遭難した商人等の戦いに向かない人物だと判断、取り敢えず話しかけてみようと思ったその時、ミアが突然その人物に駆け寄り、飛び付いた。

 

「っ! ちょっと何……ミア!? どうしてここに?」

「『紅珀の月』って吸血鬼姉妹のパーティーのメンバーになって、一緒に行動してるんです!」

「……吸血鬼!?」

「ほら! わたしの後ろに居る大きな黒い羽と、木の枝に綺麗な魔法石がぶら下がったような羽が生えた女の子が居ますよね! あの2人です!」

「ええ。しかし、あの金髪の子の方は実に不思議な羽を持っているようね。あんな吸血鬼見たことないわ」

 

 飛び付いて言った時のミアが見せた反応を見るに、あの女の人はどうやらお師匠さんらしい。私が狂気の赴くままに冒険者共を半分壊したあの時から少なくとも2週間、魔物も居る中で生き延びて来たことになる。

 

 私が思うに、人間にとっては若干過酷な環境となっているこの森でそれだけ長く居れたのは凄い。きっと、自分の回復魔法やサバイバル知識とかで色々乗り切ってきたのだろう。そんな事を考えていると、ミアがその女の人を連れてこちらに向かってきた。

 

「そう、貴女がミアと一緒にパーティーを組んでくれている吸血鬼の子なのね。私はヒリマ、回復魔導師よ」

「うん! 初めまして、ミアの師匠のヒリマ! 私はフランドール・スカーレットで、こっちが妹のヴァーミラ・スカーレット。よろしくね!」

「はい、よろしく。それとありがとうね、ミアをパーティーメンバーにしてくれて」

「ううん、気にしないで。お陰様で私たちの友達が出来たから!」

 

 その後もミアについて色々な話を師匠のヒリマにしている途中、不意に彼女が話を切り上げる。

 

「そう言えばまだ向こうに3人、念の為に持ってきたポーションで何とか耐えてる怪我人が居るから一緒に村までお願い出来る? 私は昨日までの魔物への対処に、瀕死の怪我人の治療やら自分の回復やらでこの様だし……」

「了解、任せて!」

「姉様がそう言うから私もやるよ……」

「まあ、怪我人ほっとく訳にはいかないからねー」

 

 彼女が指差した方向を見てみると確かに3人、木にもたれかかって休んでいるのが見えた。彼らもヒリマと同程度かそれ以上に魔力が少ないが、死にそうな人間は1人も居ない。これなら村に行って休ませるまで耐えてもらう事が出来るだろう。

 

 そう考えながら彼らの元に近づくと、最初はまるでこの世の終わりが間近に迫っているかのような怯え方をしていたが、ヒリマの説明と私が冒険者をやっている事などを説明すると、納得はしてくれた。まあ、完全に怯えを取り除くのは無理だったけど仕方ないか。

 

 その後は散発的な魔物の襲撃を魔導の矢(マジカルアロー)で適当に往なしながら村へと向かう。つくづく思うけど、この魔法はかなり自由が効いてすごく便利だなぁ。

 

 そんな事を繰り返しながら進んでいると、日が沈んだ頃にようやく村へと到着する事が出来た。

 

「じゃあ、私達は村の人達に生存報告しに行ってくるから一旦お別れよ、ミア。お休みなさい」

「はい! お休みなさい!」

 

 こうしてヒリマたち一行と別れた後、妖精たちと一緒に泊まっている民家へ行って夕食を取った後、いつもの通り魔法で身体を綺麗にしてから眠りについた。

 

 そして翌日、目を覚ました私たちは昨日出来なかった聖樹の修復とそのついでに泊まり込みで遊ぶ為、また妖精の森へと向かおうと民家を出た瞬間、目の前に村の雰囲気に明らかに合っていない豪華な荷馬車があるのを見た。

 




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